ケイパビリティという言葉を聞いたことはありますか。
英語で能力や才能といった意味を持つ「capability」は、経営学や防衛産業においては企業や組織が持つ組織的能力・得意とする組織的能力のことを言います。
ケイパビリティを高めることで、ビジネス競争においてライバルよりも優位に立つことが可能です。
この記事では、ケイパビリティの具体例やケイパビリティを意識した経営戦略のポイントなどを紹介します。
この記事の目次
ケイパビリティとは
ケイパビリティ(英:capability)とは、一般的には能力や才能といった意味を持つ英語です。
経営学・防衛産業においては企業や組織が持つ全体的な組織的能力、あるいは企業や組織が得意とする組織的能力のことを指します。
ケイパビリティの特徴は、企業が所有する資本や技術、設備、財産権といった「資産」に依存せず、それらを活かしながら創造することを重要視している点です。
言い換えるとケイパビリティとは企業の「資産」ではなく「能力」なのです。
ケイパビリティは市場で優位性を持つ組織力
世界中の企業が様々なサービスや商品を世の中に展開し、多くの類似サービス・商品が溢れている競争社会において、企業が生き残っていくためにはケイパビリティを高めることが重要です。
具体的には、
・スピード
・効率性
・品質
といった要素を高めることが必要であり、現在の市場で優位性を確立している企業やサービスを見てみると、これらの3点が特に優れていることがわかります。
例えば、ケイパビリティについての理解を深めるためのよい事例として、AppleとDELLがあります。
Apple社は人とテクノロジーの関係性についての深い理解と商品・サービスの革新による新たな生活スタイルを創造したことにより大きな成功を収めました。
DELL社は商品の低価格化、納品スピード、そして質の高いカスタマーサービスの提供を実現することにより市場での優位性を確立しました。
AppleとDELLはそれぞれ異なるケイパビリティを生かした戦略で成功したと言えるでしょう。
ケイパビリティとコアコンピタンスの違いについて
ケイパビリティと近い意味を持つ言葉として「コアコンピタンス」があります。英語のcore conpetence、直訳すると「幹の強み」となるこの言葉は、
・自社ならではの中核となる強み
・他社には真似できないような能力
のことを指します。どちらも競争社会で勝ち抜くために企業に求められる能力であるという点においては一致しています。
ただし、ケイパビリティが「組織的能力」であるのに対して、コアコンピタンスは「特定の能力・力量・適性」を指している点に違いがあります。
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ケイパビリティベースの競争の基本原則
この戦略には次の4つの原則があります。
1. 企業戦略の構成要素がビジネスプロセスであること
2. 主要なビジネスプロセスをケイパビリティに転換すること
3. 社内の部門を結びつけるインフラに投資すること
4. ケイパビリティ戦略の推進をCEOが行うこと
ケイパビリティを活かすためには、時代のニーズにあったビジネスプロセスであることが大切です。
そのプロセスを自社の強みに変え、適切な部分に投資することによって他社との差別化が図っていきます。
また、ケイパビリティの活用は社内の複数部門の連携が必須であることから、その舵取りはCEOが行うこともポイントの一つです。
ケイパビリティを見つけて生かすための方法
ケイパビリティの意味や重要性については上述の通りですが、では実際にはケイパビリティを見つけ競争社会で勝ち抜くためにはどのようにすればよいのでしょうか。
ケイパビリティを見つけて経営に生かすための方法を3つのステップに分け、それぞれ詳しく解説していきます。
競争している市場について理解する
市場の特徴や将来性、ターゲットとなる顧客のニーズやトレンドを分析し、その中で自社がどのような立ち位置にいるのか、どのような役割があるのかを見極めます。
どれだけ優れたケイパビリティであっても、市場のニーズにマッチしなければ成果を出すことは出来ません。
市場が求めているものと合致するケイパビリティを見つけ出すためにも、この市場分析はしっかりと行う必要があります。
他社に負けない強みの洗い出し
他社に負けない強みは、それが「他社と差別化できる能力であること」が重要です。すでに他社が持っている能力をいくら高めたとしても、それは強みにはなりえません。
強みを見つけるには
私達一人ひとりが違った個性を持つように、人が集まることで成り立つ企業もそれぞれ個性があり、多くの企業には組織のどこかにケイパビリティを持っています。
しかしながら、それを上手く見つけ出すことが出来ず、ライバルとの差別化を実現できていないという企業が多いのです。
他社と全く同じサービス・商品を提供する企業が生き残っていけるほどビジネスの世界は甘いものではありません。
つまり、すでに事業が一定の波に乗っている企業にはすでに何らかのケイパビリティがあることを意味します。
ポイントとなるのはそれを企業自身が「強み」として理解していることであり、自社の得意な分野においてケイパビリティを高めることが大切です。
また、市場のニーズやトレンドが時代と共に変化していくことを踏まえると、その変化をあらゆる方法で把握できるシステムを構築することも重要です。
強みを経営戦略に落とし込む
見つけたケイパビリティを最大化し、経営戦略に落とし込みます。
これが上記で紹介したケイパビリティベースド戦略です。ケイパビリティベースド戦略を立てる上では、以下の2点が重要です。
1. 会社のケイパビリティの定義
2. 人材採用・維持
これまでの分析から改めて自社のケイパビリティについて定義し、維持するために採用した人材や社会にケイパビリティを伝え、自然と人の集まってくる魅力的な企業を目指しましょう。
ケイパビリティを重視するメリット・デメリット
自社のケイパビリティを理解して、それを生かした戦略を進めることにはメリット・デメリットがあります。
自社の強みを生かすことで外的要因に大きく左右されない組織づくりや事業運営ができることは大きなメリットです。
一方で、ケイパビリティが時代遅れになり、強みではなくなる場合もあることはデメリットと言えるでしょう。
以下の記事では、ケイパビリティを重視するメリット・デメリットについて詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
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