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日本の超有名デザイナー・アートディレクター13人を代表作品とともに紹介

更新: 2021.11.09

あなたは、日本の有名デザイナー・ディレクターをご存じでしょうか。デザイナーと一口に言っても、Webデザイン・インテリアデザイン・工業デザイン・アパレル系など、色々な分野があります。

この記事では、ポスター・ロゴ・CDジャケットなどのグラフィックデザインやCMをメインに手がけているデザイナー・アートディレクターを、それぞれ代表的な作品とともに紹介します。

デザインの仕事をしない人でも教養として知っておきたい人たちを選びました。

※記載されている内容は記事公開時点での情報です。最新の情報は公式Webサイトをご覧ください。

この記事の目次

日本の超有名デザイナー・アートディレクター13人

超有名デザイナーを知り、優れたデザインを知ることで次のような5つのメリットがあるでしょう。

  1. デザインの引き出しを肥やすことで、アイデアの幅が広がる。
  2. 優秀なデザイナーの考え方を知れる。
  3. 様々なデザイン技法を学べる。
  4. 多くの考え方の芯を知ることにより、自身の方向性へのヒントなる。
  5. 「あのデザイナーのような方向性にしたい」など、他人とイメージの共有ができる。

本記事では上記のメリットを踏まえ、13人の有名デザイナー・アートディレクターを紹介します。

【日本の有名なデザイナー・アートディレクター13人】

  1. 小杉幸一 / Koichi Kosugi
  2. 佐藤 可士和 / Kashiwa Sato
  3. 佐藤 晃一 / Koichi Sato
  4. 佐藤 卓 / Taku Satoh
  5. 澁谷 克彦 / Katsuhiko Shibuya
  6. 中島 信也 / Shinya Nakajima
  7. 永井 一史 / Kazufumi Nagai
  8. 永井 一正 / Kazumasa Nagai
  9. 長嶋 りかこ / Rikako Nagashima
  10. 服部 一成 / Kazunari Hattori
  11. 原 研哉 / Kenya Hara
  12. 松永 真 / Shin Matsunaga
  13. 森本 千絵 / Chie Morimoto

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1. 小杉幸一 / Koichi Kosugi

武蔵野美術大学卒で、博報堂のクリエイティブディレクター/アートディレクターを務める小杉幸一氏について紹介します。

小杉 幸一氏のプロフィール

出典:RECRUIT

PARCOグランバザール「パルコ、アラ?!」、読売巨人軍「GIRLS’ GIANTS」、J.LEAGUE「男を競え」、KDDI「au鉄道王決定戦」など。JAGDA新人賞、カンヌ国際広告祭<DESIGN部門>GOLD、インタラクティブデザインアワードなど受賞多数。

出典:【クリエイター100選】第59回 小杉幸一(アートディレクター)

小杉 幸一氏のおもな作品

もじにぎりやパルコアラといった小杉 幸一氏のおもな作品について紹介します。

もじにぎり

出典:TSUKIJI TAMA SUSHI “SUSHI FONT” / TOPICS / ZUCCa

文字でお寿司を表現している作品です。玉寿司のキャラクターの提案から、派生したアイデアです。例えば、たまごのお寿司では「たまご」の文字を使って、たまごのお寿司を表現しています。

パルコ公式キャラクター「パルコアラ」

出典:パルコアラ – PARCO

LINEのスタンプでもおなじみですね。また、CMやキャラクターとのコラボでも話題のキャラクターです。

小杉 幸一氏のデザインとは

美しいものなど、人を感動させるものは、言葉がつうじなくても、しっかりと見た人の心に〈根っこ〉を張り、そこから、また何か新しい芽が生まれるものだと思っています。

中略

僕らが日々クライアントの方とつくる広告は、多大な時間とお金がかかっています。そんな広告が、さらっと見落とされたら意味がありません。見た人の心にしっかりと根を張れるものをもっともっとつくっていきたいと思います。

引用:八幡功一 高橋秀行 『VOICE』株式会社博報堂、2015年

既存の優れたデザインから新しいアイデアを作りあげる小林幸一氏。ご自身でも語っているように、人の心にしっかりと印象つける作品が多く、最近では、スズキのHUSTLERが記憶に新しいですね。

2. 佐藤 可士和 / Kashiwa Sato

ユニクロ・セブンプレミアム・楽天などのロゴデザインで知られるクリエイティブディレクターの佐藤 可士和氏について紹介します。

佐藤 可士和氏のプロフィール

出典:KASHIWA SATO – CREATIVE DIRECTOR / SAMURAI INC. TOKYO

多摩美術大学を卒業し、株式会社博報堂を経て2000年独立。同年クリエイティブスタジオ「サムライ」設立。慶応義塾大学特別招聘教授、多摩美術大学客員教授を務めています。

ブランドアーキテクトとして、ユニクロや楽天グループのグローバルブランド戦略、キリンラガービールのパッケージデザインとコミュニケーション戦略、セブン-イレブンジャパンのプライベートブランドリニューアルなど数々のプロジェクトを手掛けている。毎日デザイン賞、東京ADC賞グランプリなど受賞多数。
出典:六本木未来会議

佐藤 可士和氏のおもな作品

佐藤 可士和氏はユニクロやセブンイレブンのロゴ作成、「THE TOKYO TOILET」プロジェクトのピクトグラム作成などを担当しています。

ロゴマーク

出典:KASHIWA SATO – IDENTITY

ユニクロ・楽天・セブン&アイグループ・T-POINT・今治タオル・国立新美術館など、さまざまなロゴデザインを手掛けています。

私たちの日常生活の中でよく見るロゴがとても多いですね。

「THE TOKYO TOILET」プロジェクトのピクトグラム


出典元:KASHIWA SATO – THE TOKYO TOILET

“トイレは日本が世界に誇る「おもてなし」文化の象徴”として始まった「THE TOKYO TOILET」プロジェクト。本プロジェクトで生まれたトイレのうち、佐藤氏は恵比寿駅西口のトイレの空間デザインを担当。またプロジェクトの全トイレに使用されるピクグラムのデザインも担当しています。

佐藤 可士和氏にとってデザインとは

クリエイティブマインドを磨くための方法は、ひとつに限らずたくさんあると思いますが、その中でも僕が最も重要だと思うのは、「そもそも、これでいいのか?」という疑問を抱くことです。つまり、過去の慣習や業界の常識といった“前提”を疑う気持ちがないと、物事はダイナミックには変化していかないだろうとも思います。何の疑問も持たなければ、出発点である前提を一度も検証しないまま、走り出すことになってしまいます。もしもその前提が間違っていたとしたら、必然的に的外れな方向に行ってしまうことになり、問題解決したくても現状の枠組みから永遠に抜け出せなくなるのです。

引用:佐藤可士和『佐藤可士和のクリエイティブシンキング』日本経済新聞出版社、2010年

クライアントが抱える問題を様々な視点から捉え、クライアントも気づいてなかった根本的な問題に切り込み、解決するデザインをされています。デザインだけでなく、打ち合わせの仕方など働き方にも注目したい人物です。

3. 佐藤 晃一 / Koichi Sato

ポスターなどのグラフィックデザインで知られる佐藤 晃一氏について紹介します。

佐藤 晃一氏のプロフィール

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出典:HIROSHIMA APPEALS 2006

東京芸術大学を卒業し、資生堂宣伝部を経て、1971年に独立。グラフィックデザイナー。多摩美術大学名誉教授。2016年死去。

1944年群馬県高崎生まれ。東京藝術大学工芸科ビジュアルデザイン専攻卒業。資生堂宣伝部を経て1971年に独立。
1982-1987年東京藝術大学デザイン科非常勤講師、1995年より多摩美術大学グラフィックデザイン学科教授。
1985年東京ADC最高賞、1991年毎日デザイン賞、1997年芸術選奨文部大臣新人賞受賞。

引用元:多摩美術大学美術館

佐藤 晃一氏のおもな作品

佐藤 晃一氏はミュージカルや企業のポスター制作などを担当しています。

ミュージカルポスター 「シャボン玉とんだ宇宙までとんだ」 1989年

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出典:creation G8

印刷会社ポスター 「MANA SCREEN PRINTING CORPORATION」 2003年

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出典:creation G8

コンサートポスター 「ニュー・ミュージック・メディア」 1974年

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出典:creation G8

印刷技術を最大限に生かし、東洋的かつ未来的なポスターで注目されてきました。その技法とともに、ポエジーな表現も有名です。

佐藤 晃一氏にとってデザインとは

デザイナーは常に客観的に自分自身を観察しなければならない。自分に溺れていいのは絵描きの世界だけだ。デザイナーは自分に溺れているように見せながら、心眼は冷徹でなければならない。そして自分を自分で判断しながら、自分をみることだ。

佐藤晃一は、自分の表現の空間を鋭利な計算で察知している。察知しているということは、要するに自分自身が見えているということだ。しかし彼の持つ美しい詩情は、その計算を越えたところから生まれている。

引用:佐藤晃一 『tokyo grafica-1 KOICHI SATO』六耀社、1990年

2016年5月に逝去された佐藤晃一氏。蛍光インキを使った、鮮やかで光るような東洋的作品で有名です。グラフィックがあまり認識されていなかった頃から、デザイナーとして活躍されてきました。

4. 佐藤 卓 / Taku Satoh

金沢21世紀美術館のロゴや明治おいしい牛乳のパッケージデザインで知られる佐藤 卓氏について紹介します。

佐藤 卓氏のプロフィール

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出典:NIKKA LIFE

1979年東京芸術大学を卒業し、1981年同大学院を修了。株式会社電通を経て、1984年佐藤卓デザイン事務所設立。

「ロッテ キシリトールガム」「明治おいしい牛乳」等の商品デザイン、「ISSEY MIYAKE PLEATS PLEASE」グラフィックデザイン、「クリンスイ」グランドデザイン、「武蔵野美術大学 美術館・図書館」ロゴ、サイン及びファニチャーデザインを手掛ける。また、NHK教育テレビ「にほんごであそぼ」企画及びアートディレクション・「デザインあ」総合指導、21_21 DESIGN SIGHTディレクターを務める。
出典:JAPAN DESIGN COMMITTEE

佐藤 卓氏のおもな作品

佐藤 卓氏は金沢21世紀美術館 ロゴマークをはじめ、私たちにとって身近なモノのデザインを担当しています。

金沢21世紀美術館 ロゴマーク

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出典:金沢21世紀美術館

建物の俯瞰図をそのままロゴにした作品。この俯瞰図は、多様な使い方のできる美術館のコンセプトそのものが表れていて、地図として使用することもできます。

明治おいしい牛乳 パッケージ

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出典:佐藤卓デザイン事務所

牛乳という身近な食品であることを邪魔しないデザインとなっていて、各々異なるフォントへのこだわりや消費者の目線の高さまで計算しつくされた作品です。

カルピス パッケージ

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出典: 佐藤卓デザイン事務所

プロダクトデザインにおいて、商品の個性を引き出すことを第一に考えている佐藤卓氏。この作品にも、その考えが反映されていることが分かります。

佐藤 卓氏にとってデザインとは

僕が2002年にデザインした「明治おいしい牛乳」には新しさはひとつもありません。僕がそこで重視したのは普通の牛乳にすることですから。複雑な処理をすることは、デザイナーにとっては簡単です。ただ、ほとんどの仕事は、発注されている時点で事情が混乱しています。だから要素を分解して単純にしなければと思っていました。その結果、「……あの牛乳のパッケージって、一体何をデザインしたんですか?」と言われるぐらいに、人に意図や処理を感じさせないものができたのはうれしいんです。そこまで日常になじんだのは、日本人にとっての牛乳に対して抱いているイメージの中の、もっとも「普通」なポイントを徹底的に追求したから。青と白の配色も、縦書の書体も、それまでの牛乳にもすでにあったものでした。でも「明治おいしい牛乳」では売場における子どもや高齢者の目線まで計算して、フォントの位置も0.1ミリの差まで調整して配置してあるのです。

引用:名言DB

商品の特徴やどんなシーンで使うものなのかを塾考し、無駄を省くことで、商品を際立たせるデザイン作品が多くみられます。計算され尽くされた考え方は参考にしたいところです。

5. 澁谷 克彦 / Katsuhiko Shibuya

澁谷 克彦氏は資生堂宣伝部で多数のブランド広告を手がけたグラフィックデザイナー。2017年に独立。

澁谷 克彦氏のプロフィール

出典:RECRUIT

1981年東京藝術大学を卒業し、同年、資生堂宣伝部入社。クリエイティブ・ディレクター。2017年に独立後はフリーランスとして活動。

「SHISEIDO」「PERFECT ROUGE」「クレ・ド・ポー・ボーテ」「INOUI ID」「ZEN」「AYURA」など、企業やブランドの総合的なクリエイティブディレクション&グラフィックデザインを手掛ける。JAGDA新人賞、JAGDA賞、東京ADC賞、東京TDC金賞、NY ADC銅賞など受賞。

出典:RECRUIT

澁谷 克彦氏のおもな作品

澁谷 克彦氏はSHISEIDO ポスター、資生堂の企業文化誌「花椿」などのデザインを手掛けています。

ポスター「SHISEIDO」

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出典:JAGDA

澁谷 克彦氏にとってデザインとは

デザインは造形によるコミュニケーション能力

デザインとは、造詣によるコミュニケーションの方法。だから、大切なことは「デザインに学ぶな」ということ。デザインするためのメカニックや、小手先のテクニックだけを勉強するなということです。

引用元:澁谷 克彦 | 教員紹介 | 大阪芸術大学短期大学部

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出典:CREATION G8

両作品とも、幾何学な模様から浮かび上がる「SHISEIDO」「HANA」の文字が印象的な作品です。SHISEIDOのポスターでは、資生堂伝統の唐草模様とタイポグラフィーが上手く融合されています。

資生堂入社以来、伝統的な唐草模様をモダンなものに昇華させるなど、時代の移り変わりや資生堂のイメージの変化に合わせて、デザイナーとして次のステップへと動かしてきた姿勢や物事の捉え方は、とても参考になります。

6. 中島 信也 / Shinya Nakajima

カップヌードルのCMなどで知られる中島 信也氏について紹介します。

中島 信也氏のプロフィール

出典:RECRUIT

CMディレクター/東北新社専務取締役。東北新社グループの技術力をフルに使いエンタテインメント性の高い映像を多数制作。代表作に日清カップヌードル「hungry?」(カンヌ広告祭グランプリ)、「燃焼系アミノ式」(ACCグランプリ)、「伊右衛門」(ADCグランプリ)などがある。近作はNTTドコモ「渡辺謙」、ファイザー「舘ひろし」など。「矢島美容室」は劇場用監督二作目。

引用元:中島 信也 Shinya Nakajima | 武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科

中島 信也氏のおもな作品

中島 信也氏の作品は、誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

日清食品カップヌードル「hungry ? シリーズ」のCM

今では、当たり前の技術となったCG。当時はまだ出始めたばかりで、新たな挑戦でもありました。

サントリー燃焼系アミノ式「グッパイ、運動。シリーズ」のCM

初めは目を疑ってしまうほど、意外性のある活き活きとした動きのあるCMは覚えている方も多いのではないでしょうか。

サントリー DAKARA 「小便小僧シリーズ」

飲料のCMなのに、メインキャラクターとして小便小僧が登場し、衝撃が走りました。

中島 信也氏にとってデザインとは

本当は、広告主としては商品のことだけを言いたいと思うんです。でも、それだけでは視聴者に興味を持ってもらえない。例えば、電話を掛けられるオニギリがあったとしたら、「電話ができるオニギリです!」と言っただけでものすごくインパクトがありますけど、普通そこまで商品に特徴はないですから、どういう芸で見せて、商品を好きになってもらうか。これが非常に大事。いま、そんなふうに考える広告主が少なくなってますね。サントリーさんは、商品を売るのと同じくらいに、CMで見る人を喜ばせなければいけないと思っている会社ですが、ほとんどの企業は、面白くなくてもいいからとにかく商品をだしてくれという。そんなときは、「いや、コマーシャルというのは、普段みんなスルーしてしまうものですよね。だからまずは面白いと思ってもらわないと、商品のしょの字もみてもらえませんよね」と説明するんですけど、「わかった。でも商品をもっと大きく映して!」「いや、だから…」って(笑)。ぼくとしてはCMがつまらなくなることで、テレビそのものが見られないメディアになっていくことを心配しまして。世間一般の風評として「やっぱりテレビコマーシャルって面白いよね」ともっと言われるようにするためにも、芸の部分って大事だと思ってるんですが。

引用:安田英樹 『クリエイターズ・トーク13人のクリエイティブ講義』青幻舎、2012年

テレビを視聴していても、流されがちなCM。その中でインパクトのある作品を制作し、消費者へ商品の印象を深くつけることに長けられています。インパクトがあり、面白いものを作るアイデアは並大抵のことではありません。

7. 永井 一史 / Kazufumi Nagai

伊右衛門のデザインによるブランディングやHAKUHODO DESIGNの設立者として知られる永井 一史氏について紹介します。

永井 一史氏のプロフィール

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出典:DESIGN TOUCH Conference

多摩美術大学を卒業し、博報堂に入社。アートディレクターとして、サントリーの伊右衛門やヘルプマークのデザインによるブランディングを手掛けた人物です。

2003年、株式会社HAKUHODO DESIGNを設立。デザイナー・アートディレクター・クリエイティブディレクター。
2007年にデザインを通じた社会的課題の解決に取り組む、+designプロジェクトを立ち上げ、2008-11年、雑誌『広告』編集長を務める。
毎日デザイン賞、クリエイター・オブ・ザ・イヤー、ADC賞グランプリなど受賞多数。
出典:永井一史 – 日本デザインコミッティー

永井 一史氏のおもな作品

永井 一史氏の作品には、京都福寿園伊右衛門のCMやヘルプマークなどがあります。

京都福寿園伊右衛門 CM

出典:永井一史 – 日本デザインコミッティー

京都の老舗お茶屋と組んで商品開発された「伊右衛門」。その成り立ちや想いといった物語に起点を起き、ブランディングされた作品です。

ヘルプマーク

出典元:「ヘルプマーク」が登場・都営大江戸線各駅で配布を開始 | 公益財団法人日本デザイン振興会

2012年10月からスタートした、外見からは分からない、援助を必要とする人のための「ヘルプマーク」。永井 一史 氏はこのグラフィックデザインを担当しています。

永井 一史氏にとってデザインとは

僕があらゆる仕事で大切にしているのは、どうすればブランドが売れるかではなく、引いた視点から俯瞰してみてブランドをとらえることです。少し大げさにいえば、そのモノやコトが世の中に存在する意味といったところまで広げて考えるわけです。たとえば、最近手がけた年賀状キャンペーンの場合、年賀状というモノだけを表現しては駄目なわけで、それが存在する根本的な意味を伝えようと考えました。

引用:名言DB

 ただ単に、目の前にある商品や訴求物だけに着目するのではなく、存在意義という原点からアイデアを膨らますことで、ブレのないブランディングとデザインをされていて、ブランドを作りあげるとはどのようなことを永井一史氏から学べるのではないでしょうか

8. 永井 一正 / Kazumasa Nagai

東京電力のロゴマークなどで知られる永井 一正氏について紹介します。

永井 一正氏のプロフィール

nagaikazumasa_profile_photo-460x460出典:RECRUIT

1951年東京藝術大学を中退。デザイナー。

1960年日本デザインセンター創立に参加。現在、最高顧問。1960年以後、日宣美会員賞、朝日広告賞グランプリ、日本宣伝賞山名賞、亀倉雄策賞、勝見勝賞、ADCグランプリ、毎日デザイン賞、毎日芸術賞など多数受賞。
出典:JAPAN DESIGN COMMITTEE

永井 一正氏のおもな作品

永井 一正氏の代表作には、東京電力のロゴマークなどがあります。

ロゴマーク 東京電力

出典:東京電力 CIデザイン | 日本デザインセンター

正円のみで構成されたロゴは、あまりにも有名ですね。ご本人は言及していませんが、一部では核分裂反応の様子を表しているのではと囁かれています。

ポスター 「Japan 3」

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出典:ガレリア・イスカ通信

今まで抽象画を得意としてきた永井氏が、具象画に挑戦し始めた際の作品。わびさびと絢爛さを一つの装飾性として取り入れています。

永井 一正氏にとってデザインとは

デザイナーの用いる道具が、カラス口からコンピューターに替わり、とかくいわれがちな「表現の画一化」について、最終的にその中で生き残っていくデザイナーというのは、個性のある人ですよね。自分の個性を発見できる人、と言い換えてもいいでしょう。佐藤可士和、野田凪といった人たちがその典型であると思います。もちろんそうした個性は、クライアントや商品との組み合わせがマッチしているという条件でこそ存分に発揮できるものでしょうし、企業のブランディングに自己のデザイン力を重ね合わせていくプロセスでは、自分だけでコントロールできない条件も付くと思います。だから個性を発揮するには、運も必要かもせれません。

引用:石田純子 『デザイナーへの道を知る30人の言葉』株式会社美術出版社、2009年

自身の個性を確立しながらも、抽象画という得意分野だけでなく、周りの批評を押し切って新たな分野にも挑戦する判断力は、デザイナーとして成長するためのロールモデルの一つともなります。

9. 長嶋 りかこ / Rikako Nagashima

ラフォーレ原宿の広告やFashion Week TOKYOのビジュアルデザインで知られる長嶋 りかこ氏について紹介します。

長嶋 りかこ氏のプロフィール

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出典:RECRUIT

2003年武蔵野美術大学を卒業し、博報堂へ入社。グラフィックデザイナーとして活躍している人物です。

ラフォーレ原宿やメルセデスベンツファッションウィークの広告をはじめ、坂本龍一氏によるYCAM10thコンサートのデザイン、YVAN VALENTINのロゴ&パッケージデザイン、現代美術家の宮島達男氏とともに活動するアートプロジェクト「Peace ShadowProject」など、グラフィックデザインを基軸に幅広く活動。

出典:academyhills

長嶋 りかこ氏のおもな作品

長嶋 りかこ氏の作品には、思わず目を惹くデザインのものがあります。

ラフォーレ原宿の年間広告

出典:Rikako Nagashima

東日本大震災の翌年からラフォーレ原宿の年間広告を手がけてられています。マイナス的な空気が漂っていた中で、エネルギー溢れる作品です。

Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO 2014 S/Sのキービジュアル

出典:長嶋 りかこ Rikako Nagashima | Rakuten Fashion Week TOKYO(楽天ファッション・ウィーク東京)

ファッションデザイナーが服をデザインする際に、紙にイメージを描き起こす様子をデザインした作品です。

長嶋 りかこ氏にとってデザインとは

広告の現場では、「なんかいい」ではなくて、何がいいのかをハッキリ言葉で伝達できないと、弱いものになると言われます。私も企画やアイデアにおいてはそうだと思っているんですが、表現においては、どこかに「なんかいい」がないと、きっと動物的な引力が減ってしまうような気がするんです。

引用:前島そう 『美しいデザイン7人の女性アートディレクター その視点と考え』株式会社誠文堂新光社、2010年

ロジカルな点を押さえつつも、感覚的かつ魅力的なデザインで人の心を惹く作品が多い長嶋りかこ氏。デザイナーとして知識をそのままインプットするだけでなく、忘れてはいけないことを示してくれます。

10. 服部 一成 / Kazunari Hattori

キューピーハーフのデザインディレクションや流行通信のアートディレクションで知られる服部 一成氏について紹介します。

服部 一成氏のプロフィール

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出典:RECRUIT

東京芸術大学美術学部デザイン科卒業。ライトパブリシティを経てフリーランス。おもな仕事に、「キユーピーハーフ」の広告、雑誌『流行通信』『here and there』『真夜中』、三菱一号館美術館のロゴタイプ、「拡張するファッション」展のグラフィック、中平卓馬写真集『来たるべき言葉のために』のブックデザインなど。作品集『服部一成グラフィックス』。

引用元:服部一成|クリエイター | クリエイションギャラリーG8

服部 一成氏のおもな作品

服部 一成氏はキューピーハーフやPOLA コーポレートシンボルのほか、映画「そして父になる」の広告のアートディレクションなどを担当しています。

キューピーハーフ

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出典:FELISSIMO

キューピーハーフの新鮮さを演出するために、はじめて字を書くように、外国人が日本語を書くように意識して書かれた作品。

POLA コーポレートシンボル


出典元:POLA | LIGHT PUBLICITY

POLAのコーポレートシンボル「POLA Dots(ポーラ ドッツ)」のアートディレクションを担当。

POLA Dots:ポーラのつくりだす製品、その一滴一滴の雫が、時空を超えて無限に広がっていく様子を表現したもの。「Science.Art.Love.」の実践の象徴であり、製品の一滴一滴に至るまで、手を抜くことなく生産し、みなさま一人ひとりのお手元まで大切にお届けしたいという、ポーラの願いと決意が込められています。

引用元:ポーラ創業90周年を祝うアニバーサリーサイトが開設、ビューティーディレクターのユニフォームが服部一成氏のディレクションで一新 – MIRAIBI

服部一成にとってデザインとは

頭で考えて、こうなるはずだと思っても、出来上がったものがつまらないというのは、よくありますよね。デザインって、うろうろ動き回りながら、出口を探すみたいなところがある。逆に言うと、意味や理屈に縛られないでうろうろできる余地を常に確保しておかないと、と思います。

引用:OJO

「偶然さ」というリアルを求めて作品つくりをしている服部一成氏。しっかりと意図を持ちながらも、余白を大事にするデザインが個性的です。思い通りにいかないデザインの過程を楽しむ感覚は見習いたいものですね。

11. 原 研哉 / Kenya Hara

できるだけデザインをしないという独特の思想を持ち、MUJIのデザインなどで知られる原 研哉氏について紹介します。

原 研哉氏のプロフィール

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出典:武蔵野美術大学基礎デザイン学科

1983年武蔵野美術大学大学院を修了。同年日本デザインセンター入社、現在同社代表。グラフィックデザイナー。2003年より武蔵野美術大学教授。

長野オリンピック開・閉会式プログラム、EXPO2005愛知公式ポスター、AGF「MAXIM」、無印良品アートディレクション、森ビルVI、NTT「らくらくホンベーシック」などのデザインを行う。世界インダストリアルビエンナーレ大賞、毎日デザイン賞、ADCグランプリ、亀倉雄策賞、原弘賞など、内外の受賞多数。

出典:JAPAN DESIGN COMMITTEE

原 研哉氏のおもな作品

原 研哉氏の代表的な作品には、MUJI(無印良品)や蔦屋書店のデザインがあります。

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出典:HARA DESIGN INSTITUTE

できるだけ何もデザインしないをテーマ掲げ、無印良品の仕事に出会ったことで、より一層その思いは加速したといいます。

蔦屋書店

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出典:HARA DESIGN INSTITUTE

ドットで構成されたデザインは、創業当時からの顧客である団塊世代に向け、新なライフスタイルを提案しています。

原 研哉氏にとってデザインとは

すべてのものはデザインされている。コップもテーブルもペンも、紙1枚ですら人の知恵を経て創られている。その摂理を知ったら、むやみに肩に力を入れて造形をやる必要はない。周りの環境に満ちている力を、うまく差配していくだけで十分じゃないか。そう思うようになったんです。

引用:NIKKA LIFE

元々シンプルなデザインは西洋的なものです。しかし、簡素でありながら、精錬されているという日本的なデザインも融合されいて、海外でも新なデザインとして評価されています。

12. 松永 真 / Shin Matsunaga

ベネッセのロゴデザインやスコッティのパッケージデザインで知られる松永 真氏について紹介します。

松永 真氏のプロフィール

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1964年東京藝術大学を卒業。グラフィックデザイナー。

ポスター、CI計画、パッケージなどのグラフィックを主軸に、ドローイングや、モニュメントまで、広範囲なクリエイティブ活動を行う。ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ金賞・名誉賞、毎日デザイン賞、芸術選奨文部大臣新人賞、紫綬褒章、亀倉雄策賞など受賞多数。

出典:RECRUIT

松永 真氏のおもな作品

松永 真氏の代表作品には、ベネッセのロゴマークやスコッティのパッケージデザインがあります。

ロゴマーク ベネッセ

出典:松永真 – 日本デザインコミッティー

お客様から地域・社会に支持され、必要とされる企業にグループを目指し、それを青・黄・赤で表し、教育や成長を想起させる作品です。

パッケージデザイン スコッティ

出典:松永真 – 日本デザインコミッティー

コンペでの依頼条件には、花柄モチーフ・規定の商品ロゴを使用するという条件に反し、商品の高品質なイメージをより的確に伝えるために、このデザイン案を提出したところ、採用された作品です。

松永 真氏にとってデザインとは

デザイナーに必要なのは自己との戦いクライアントがOKしても、自分で納得できないものは世に出さない。そのくらいの矜持(きょうじ)を持って挑むことです。そして、いつも白紙の状態でいること。純真な気持ちで対象とするものの本質を見極め、吸収することで、多様性のあるデザインが生まれるのです。

引用:小川雄一 「デザインノート グラフィックデザインの黄金時代 デザインの巨匠たち」2012年

課題解決のために、クライアントや周囲の声に惑わされず、課題を見つめ直すことは本質的な考え方であり、デザイナーには必要不可欠な要素です。

13. 森本 千絵 / Chie Morimoto

Mr.Childrenのアルバムデザインなどで知られる森本 千絵氏について紹介します。

森本 千絵氏のプロフィール

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出典:CINRANET

武蔵野美術大学を卒業し、博報堂入社。goen°主宰、コミュニケーションディレクター。

東日本大震災後に放送された、復興支援CMサントリー「歌のリレー」でADCグランプリ初受賞。
オンワード樫山「組曲」、NHK連続テレビ小説「てっぱん」のオープニングタイトル、ミュージシャンのアートワーク、本の装丁、映画や舞台の美術、保育園や動物園のディレクションをなど、多岐に渡って活躍する。
日経ウーマンオブザイヤー2012・準大賞、第四回伊丹十三賞など、多数受賞。

出典:goen°

森本 千絵氏のおもな作品

森本 千絵氏の代表的な作品には、Mr.ChildrenのアルバムジャケットやサントリーのCMなどがあります。

Mr.Children SENSE アルバムジャケット

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出典: goen°

アルバムの内の1曲だけ聴き、左側の青とピンクの帯は曲中にもある、油と水のような「真逆センス」を表し、クジラはそれを超えるために必要な「目に見えないもの」を表現している作品です。

Mr.Children HOME アルバムジャケット

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出典:goen°

命とは何かを考え、当たり前の出会いの中にも必然的な出会いがあることを表現した作品です。

歌のリレー サントリーCM

東日本大震災後、著名人71人が歌つなぐこの企画は多くの人々を励ましました。森本千絵氏は、演出として参加しています。

森本 千絵氏にとってデザインとは

よく仕事と生活のバランスについて質問をされるんですが、私は仕事と生活を分けて考えたことは1回もないです。仕事とはまったく離れられないし、私の中にオン・オフという感覚はない。この仕事は生きている限り続けるし、もう境が分からないですね。どこまでが生活でどこからが仕事なのか。
生きている中で出会ったすべてがアイデアであり、あらゆることにつながる「ご縁」だと思っています。

引用:parismag

縁に自分のコンセプトを見出し、自身でもクリエイター集団・goen°を主宰するほどです。作品を作り続ける中で、これだと思えるアイデア・コンセプトに出会えたら追求し続けるのも、デザイナーの一つの道だと思います。

優れたデザイナーは高い技術と思考力を兼ね備えている

13人のデザイナー・アートディレクターをご紹介してきました。いかがでしたでしょうか?各人とも自身の考えを持ち、追求し続けることで、より次のステップへと成長し続けています。

デザインと考え方は、表裏一体です。技術面だけでなく、思考力も養っていきましょう。また、非デザイナーの方でも、生き方や働き方など参考になるはずです。

気になるデザインを発見した際には、デザイナーを調べてみると良い機会になるのではないでしょうか。

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テックキャンプ ブログ編集部
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