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シリコンバレー流“異職種交流”が日本のスタートアップを救う −500 Startups Japan澤山氏が考える、日本のスタートアップが世界で勝つために必要なこと

公開: 2016.06.02 更新: 2019.04.03

毎年世界中で何千何万ものスタートアップが生まれる現在、私たちにとってもその存在は身近なものになってきました。

一方で、日本から世界的なサービスは未だ生み出されていない現状があります。 「日本のスタートアップが世界で勝つために必要なことは何か。」

シリコンバレーを拠点に世界50ヶ国のスタートアップへ投資する世界最大級のシード投資ファンド、500 Startups Japanの澤山陽平さんにお話を伺いました。

プロフィール    澤山陽平さん
東京大学大学院 工学系研究科 原子力国際専攻修了。修士(工学) 。
 
P モルガンの投資銀行部門でTMT セクターの資金調達やM&Aアドバイザリー業務に携わった後、野村證券の未上場企業調査部門である野村リサーチ・アンド・アドバイザリー(NR&A)にて IT セクターの未上場企業の調査/評価/支援業務に従事。
2015年12月、500 Startups Japanのマネージングパートナーに就任。 プログラミングを趣味としており、個人として TechCrunch Tokyo Hackathon に参加し、2014 年は TOP5 入賞、2015年はIBM賞を受賞したほか、大学時代の友人と「VR ミニ四駆」というガジェットを制作し Maker Faire Tokyo 2015 に出展するなど幅広く活動。

「ギーク・スーツ」になりたくて、研究室を飛び出した

−−ユニークなご経歴をお持ちですが、どのようなことがきっかけでビジネスの世界に足を踏み入れたのでしょうか。

今でこそビジネスの世界に身を置いていますが、根は生粋のエンジニアだと思っています。

学生時代のアルバイトでもJavaやPHPを書いていました。研究も面白かったですし、将来はアカデミックの道に進むんだろうなと考えていました。

ところが、大学院1年の夏になんとなく参加したゴールドマンサックスのインターンでビジネスの面白さを知り、変化の早いビジネスの世界で自分の幅を広げてみたいと思うようになったんです。 「ギーク・スーツ」として技術とビジネスの両方が分かる人材になりたくて、専攻とは関係のない投資銀行でキャリアをスタートさせました。

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−−では、社会人になってからも、常に技術には触れていたんですね。

いや、JPモルガンにいた3年間は毎日朝5時まで働いているような生活だったので、「ギーク」としてコードを書く時間は全く取れませんでした。

もう一度プログラミングに触れるようになったのは、野村證券に転職してからです。 労働時間が一気に半分になったので(笑)、プログラミングをしたり勉強会に登壇したりできるようになったんです。

現在一緒に500  Startups Japanをやっているジェームズが作ったSTORYS.JPを手伝ったり、ハッカソンに出るようになったのもこの頃ですね。

もともとベンチャーに関わる仕事がしたいと思って転職しましたが、仕事を通じてベンチャー企業のことを深く知るにつれ、日本のスタートアップ業界自体をもっと面白くしていきたいという気持ちが強くなりました。 そんな時、JPモルガン時代からの友人だったジェームズに誘われ、500 Startups Japanを2人で立ち上げるに至りました。

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シリコンバレー流“異職種交流”がスタートアップのチーム作りの鍵

−−シリコンバレーを始め世界中のスタートアップをみてきた澤山さんですが、日本のスタートアップとの違いを感じることはありますか。

日本のスタートアップは、コミュニティが分断されていると感じますね。

シリコンバレーは、いい意味でもっとごちゃごちゃしているというか、日本と比べて色んな分野の人がコミュニティを跨いで色んなところに顔を出しています。そういうところで起業する仲間を見つけることも少なくない。

一方で日本の場合は、ハッカソンや勉強会などのイベントに、エンジニア向け・ビジネスパーソン向け・デザイナー向けなどの棲み分けができていて、他分野の人との交流が本当に少ない。

それってすごく勿体無いことだと思うんですよね。スタートアップにとって、チームは全てですから。 例えば、ガチのエンジニアが集まるハッカソンでプレゼンをみていると「もっとこういう風にプレゼンすればいいのに」と思うことが多々あります。

当たり前ですが、自分の作ったものをうまく伝えるトレーニングをしていないエンジニアが多いので、どんなにいいプロダクトを作っても、その魅力を人に理解してもらえないことがあるんです。

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−−モノが優れている分、それを人にうまく伝えられないのは余計に惜しいですね。

元エンジニアとしては、非常に悔しいです。マーケティングやデザインなど、他分野に強みがある人と出会う環境ができれば、お互いにとってより良いチームが作れるようになると思います。

そういう意味でも、非エンジニアのビジネスパーソンがプログラミングを学ぶのは素晴らしいことだと思います。

プログラミングがどういうもので、どこに難しさや面白さがあるのかといった手触り感を理解しているだけでもエンジニアとの距離が格段に近づき、がっつりチームを組んでビジネスを大きくしていくことができるようになりますから。

−−実際に、エンジニアとの共通言語を持つ重要さを体感した出来事はありますか。

サンフランシスコであるディープラーニングのベンチャーを訪ねたのですが、その代表が根っからのエンジニアでした。最初は明らかに私のことを警戒していて、会話もぎこちないものでした。

しばらくして、彼が少しだけ細かい技術の話題に触れた時、僕が「うん、分かる分かる。そういえば僕最近Scalaやっててさ…」という感じで彼の話に乗った場面がありました。

するとその瞬間、彼の表情が急にパッと明るくなって、そこから一気に距離が縮まったんです。 細かい専門的な知識があるわけでなくても、技術の話が通じると分かると心を開いてくれるエンジニアは多いです。

だからこそ、エンジニアとチームを組む人すべてにとって、プログラミングがコミュニティの垣根を越えるための心強いツールになると確信しています。

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−−これから、日本のスタートアップを盛り上げていくために500 Startups Japanで取り組んでいきたいことを教えてください。

日本の起業家にいろんなやり方で仕事をできるような道をつくっていきたいです。現在の日本のスタートアップは、IPOを目指して会社を大きくしその後もしばらくは続けるのが一般的です。

ただ、証券会社で働いていたからこそ分かるのですが、現在IPOは年間100件ほどしか成立しておらず、これからも大幅に増えることはないでしょう。

だからこそ、例えばInstagramのように、エンジニアがすごい勢いでプロダクトを作りパッとEXITしていくという道もあっていいと思うんです。

ベンチャーは、起業家が起業し、投資を受け、EXITするからこそ、また次の起業家がうまれ、投資も増えるというサイクルで成り立っています。起業家が少ないことや投資が活発でないことなど、様々な課題はありますが、EXITの問題が解決すれば少しずつ改善していくと考えています。

500 Startups Japanとして、日本のスタートアップが国内の大企業はもちろん、海外の企業にも買収してもらえるルートをつくることで、日本のスタートアップをどんどん力強くすることができると思っています。

最終的には、色んな人が起業でき、起業した後も一本道ではなく色々な道を辿れる、そんな世の中を目指していきたいです。

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この記事を書いた人

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