【ひろゆき】人間関係のストレスで潰れる前にエンジニアが“諦めていい”3つのこと「他人ルールからさっさと降りて、自分ルールで生きればいい」
更新: 2020.01.27
上司や同僚にどう思われるか心配で自分の意見が言えない。誘われると行きたくもない飲み会につい参加してしまう……。他人からどう思われるかを気にし過ぎてしまい、職場でストレスを感じているエンジニアは少なくないだろう。
日本最大の電子掲示板『2ちゃんねる(現5ちゃんねる)』の設立者であり、以前『エンジニアtype』の記事でキャリア戦略について話してくれたひろゆきさんは、「他人にどう思われるかなんて、気にするだけ無駄」と人間関係の悩みを一蹴り。実際、自身は人からどんなことを言われても、全く気にしていないという。
どうすれば、そんな強靭なメンタルを育てられるのか。
ひろゆきさんによれば、「まず諦めることが肝心」だという。人間関係のストレスから解放される、「諦め」とは……?
ひろゆき(@hiroyuki_ni)
本名・西村博之。1976年生まれ。99年にインターネットの匿名掲示板『2ちゃんねる』を開設し管理人になる。東京プラス、未来検索ブラジルなど、多くの企業の経営に携わり、企画立案やサービス運営、プログラマーとしても活躍する。
2005年にニワンゴの取締役管理人に就任。06年『ニコニコ動画』を開始し大反響を呼ぶ。09年『2ちゃんねる』の譲渡を発表。15年に英語圏最大の匿名掲示板『4chan』の管理人に。2019年4月6日に『自分は自分、バカはバカ。 他人に振り回されない一人勝ちメンタル術』(SBクリエイティブ)を上梓
「他人とは分かり合えない」それをデフォルトにすれば?
僕は、周囲にいる人たちを基本「見下しモード」で眺めているんです。「自分は自分、バカはバカ」と考える。このモードでいると、他人に攻撃されてもそんなに気にならず、ストレスフリーで過ごすことができます。
例えば、世の中には「スイカに塩をかけると甘くなるから」といって、スイカに塩をかけて食べる人がたくさんいます。でも冷静に考えてみてください。甘いものに塩をかけたところで、甘くなるわけないじゃないですか。だって塩ですよ、塩(笑)。
僕に言わせれば、スイカに塩を振って食べたがる人は、わざわざスイカを不味くして食べている変人です。でも当人は、塩をかけた方が美味しいと思っている。両者の間には埋めがたい溝があるわけです。
けど、それでいいじゃないですか。話し合ったところで分かり合えないわけなんですから、「君はそういう食べ方が好きなんだね」で済ませればいい。
自分と他人は違うってことを前提にしておけば、少し変わっていたり、嫌な人に会ったとしても「へー、こういう人がいるんだね」って、やり過ごせるようになります。
そもそも、自分と他人の考えや感覚が違うことに怒りを覚えたり、イライラしたりするのって、かなり病的なことだと思うんですよ。だって「全ての人は自分と同じ考えを持って当然」ってことを前提にした思考だから。でも、現実にはそんなことあり得ないじゃないですか。
僕も小学校低学年の頃、大好きなトカゲを上の階に住むおばさんにプレゼントしようと思って彼女の家に放したら、酷く怒られた経験があります。善意でしたことなのに怒られるなんて理不尽だと思ったから、おばさんの腕に噛みついちゃったんですけど、それ以来、自分と価値観が合わない人がいても、そういうものだと受け入れられるようになりました。
いい大人なのに「なぜオレの気持ちが分からないんだ!」とか「あんだけしてやったのに、感謝の言葉さえない!」と、腹を立てる人がいます。そういう人には「どんだけ自分の理解力を過大評価しているんだよ」って思いますね。正確に把握できるわけないじゃないですか。赤の他人の気持ちなんですから。
普通に考えたら、他人と同じ価値観や考えを共有するのって、すごく難しいことなんですよ。「分かり合える」と信じることを諦める。まずはそこから、人間関係は楽になるんじゃないですか?
ストレスフルな職場が嫌なら、さっさと別の場所に行っちゃえば?
自分の周囲を見渡してみると、他人とコミュニケーションを取るのが苦手で、エンジニアになった人が結構います。そもそも、僕たちの時代にエンジニアを目指した人の多くは、学生時代に人と関わることが苦手だからという理由で、PCと一日中向き合っていた人たちです。だから、エンジニアがコミュニケーション下手なのは当たり前のことでもあります。
もちろん、会社に就職したからといってその特性が変わることは滅多にない。社内外の人との折衝とか、仕事上の人間関係で悩む人が多いのも頷けますよね。
しかも日本のSIerの場合、ある程度の年齢になるとプログラマーからSEに「出世」させられるでしょ? 最初は不本意な異動でも「やってみたら意外とできたし、面白い」と思えれば、まだマシです。
ただ、一人で黙々と作業するのが好きだからという理由でエンジニアになった人からすれば、顧客折衝の矢面に立たされたり、部下のマネジメントを任されることは、苦痛でしかないはず。それは、仕事が嫌になって当たり前です。
もちろん、そんな目に合わないよう上司に掛け合って仕事を変えてもらうのもアリですね。でもそれが面倒だったら、そんな会社とっとと辞めてしまって、仕事や人間関係で悩まなくていい場所に移ればいいと思います。
エンジニアって、バックオフィス部門の職種に比べたら、かなり恵まれていると思いますよ。だって、アプリのこの部分を作ったとか、OSSにこんな貢献をしているとか、スキルや実績を具体的に示せるじゃないですか。しかも今、エンジニアは完全に売り手市場。転職先は選び放題です。
在宅勤務やリモートワークOK、複業可という会社も増えていますし、「コミュニケーション力は超絶下手だけど、GitHubを見る限りコイツの書くコードはスゴいから採用しよう!」っていう会社は探せばいくらでもあります。
最近だと、海外のリゾートホテルを転々としながら仕事をしている「リゾートワーカー」って人たちがいるらしいですけど、その気になれば、海外で仕事をしたっていいわけです。もちろん海外で仕事をしたり、海外の仕事を受けたりするなら英語は必須ですが、技術情報やOSS活動ってほぼ英語じゃないですか。英会話は無理でも、最近はそこそこ使える翻訳ツールがありますから、英文メールなら何とかなる人も多いと思います。
もはや、一つの会社にしがみつかなきゃいけない理由も、絶対に日本にいなきゃならない理由も無いんです。ストレスの種になっている職場環境や上司、取引先の人たちが変わることはそうそうないと諦めて、自分から外に出て行ってしまいましょう。
他人のルールから降りちゃえば?
そして、人間関係のストレスから解放されたいなら、他人のつくったルールに無理に乗っかって生きることも諦めましょう。「自分のルール」に従って生きればいいんです。
ルールといっても、そんなに大袈裟なものじゃなくて大丈夫です。例えば、「ソーシャルゲームをやっても絶対にガチャは回さない」とか「重要な打ち合わせより、自分の睡眠時間を優先する」といったレベルの決めごとです。
仮に、自分のルールを守ることでチャンスや信用が失われたとしても、自分が決めたルールに従ったなら潔く諦められますし、自分と価値観が合わない人はどんどん離れていくので、自然と嫌な人から逃れられます。
最悪なのは、会社や仕事で溜めたストレスを解消するために、たくさんお金を使うことじゃないですか? だって、仕事で受けたストレスを解消するために、嫌な職場でもっと働かなきゃいけないなんて悪夢でしかありません。本末転倒も甚だしいと思いますね。
ここまで言ったことは、既にある程度の技術力があって、向上心もあるエンジニアを前提にした話です。もし技術力も人並み以下で、さしてエンジニアの仕事に未練がないのであれば、思い切って別の仕事を探してキャリアチェンジする方が、ストレスが減って幸福度も上がるかもしれない。
いずれにしても、人目を気にして生きなきゃいけないことなんてありませんし、他人の敷いたレールより、自分が敷いたレールの上を走る方が遥かに気持ちいいのは間違いありません。
改めて言いますが、ストレスまみれで身動きが取れなくなっている人は、まずは“諦める”ところから始めてみてはどうでしょう? その先に、自分らしい道を進めるようになるはずです。
取材・文/武田敏則(グレタケ) 撮影/赤松洋太
こちらの記事はエンジニアtypeのコンテンツから転載しております。元記事はこちら
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