「フリーランス」という言葉を耳にすることが増えましたが、あなたはその意味を人に説明できますか?
「なんとなく、自由に働く人」というイメージを持っている方も多いでしょう。
この記事では、わかりそうでわからないフリーランスという言葉の意味をわかりやすく解説します。フリーターや自由業など似ている言葉についても紹介。
フリーランスの働き方の種類や日本や海外のフリーランス事情についても理解できます。
この記事の目次
フリーランスという言葉の意味や語源について
フリーランスという言葉の意味や語源について、以下で詳しく解説します。
多様な働き方の1つとして注目されるフリーランスとは
IT技術の発展によるコミュニケーションツールの進歩や政府の働き方改革の推進により、自分に合った働き方を求める方が増えています。
その働き方の1つとして注目されているのが「フリーランス」。goo国語辞書では以下のように意味が定義されています。
1 「フリーランサー」に同じ。
2 中世ヨーロッパで、主君を持たず自由契約によって諸侯に雇われた騎士。傭兵 (ようへい) 。
フリーランサーの意味は以下の通りです。
自由契約者。一定の会社や団体などに所属せず、仕事に応じて自由に契約するジャーナリストや俳優・歌手など。フリー。フリーランス。
フリーランスは企業などに雇用されず、フリーで仕事を受ける働き方です。以前は、専門的な高いスキル・知識を持つ人だけができるというイメージを持っていた方も多いでしょう。
しかし、現在ではクラウドソーシングサービスなどを利用すれば、自分のスキルに合った仕事が請けられるため、フリーランスとして働くハードルは低くなりました。
フリーランスで働く魅力とは
個人で仕事を請けるため、営業・製作・経理といった一連の仕事を自分でやらなければならないという大変さはあります。誰にでもできる働き方とは言えないでしょう。
ただ、自由に仕事を選べて、スキルや仕事量に応じて多くの報酬が得られる点は、フリーランスとして働く大きな魅力です。
フリーランスの語源とは
フリーランスは英語で「freelance」。「Free(自由)」と「Lance(槍)を合わせた言葉です。
フリーランスの語源は、中世のイタリアやフランスの傭兵とされています。傭兵は君主に忠誠を誓うわけではなく、報酬によって戦いに参加。そのシステムはフリーランス(自由な槍)と呼ばれるようになりました。
そのような傭兵と同じように、組織に属することなく自由な契約で能力を生かしてフレキシブルに働く人という意味で、フリーランスという言葉は使われています。
フリーランスに似た意味を持つ類語を紹介
フリーランスには、フリーターやノマドワーカーなど似たような印象を受ける言葉が多くあります。以下で、その違いについて解説しますので、しっかり理解しましょう。
自由業
フリーランスは、自由業とも呼ばれることがあります。フリーランスと自由業に明確な区別はなく、どちらも雇用されずに自由な時間に働くことが可能です。
フリーター
普段何気なく使っているフリーターという言葉に、フリーランスと似た印象を受ける方もいらっしゃるでしょう。フリーターは「フリーアルバイター」の略称です。
一般的には、企業や組織とアルバイト・パートといった雇用形態で契約を結んで働きます。雇用されずに、フリーランスと大きく異なる点と言えるでしょう。
アルバイトやパートは非正規社員とも呼ばれ、正社員と比べると収入が低くなりやすいですが、自由度の高い働き方です。
ノマドワーカー
ノマドワーカーは、オフィスを特に設けずにインターネット環境のあるさまざまな場所で仕事をする働き方です。ノマドとは、「遊牧民」という意味。
フリーランスのノマドワーカーもいますが、企業から雇用されてノマドワーカーとして働く方もいらっしゃいます。そのため、「ノマドワーカー = フリーランス」とは言えません。
SOHO
SOHOは「Small Office Home Office」の略称で、企業やオフィスではなく、小さいオフィスや自宅を仕事場として働く人を指します。
フリーランスでSOHOで働く人も、もちろんいらっしゃいます。
ただ、フリーランスとして、企業に赴いて働く方はSOHOではありません。どこで仕事をするかがポイントと言えるでしょう。
個人事業主
個人事業主とフリーランスの違いは、開業届を出しているかという点です。
企業に雇用されずに働いているという点は、フリーランスと個人事業主は同様。フリーランスで税務署に開業届けを出せば、その人は社会的に個人事業主として扱われます。
個人事業主とフリーランスの違いについては以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
インディペンデント・コントラクター
インディペンデント・コントラクターとは、複数の会社と契約を結び、業務単位で仕事を請ける人です。自分のスキルや経験といった専門性を武器にして働くフリーエージェントと言えるでしょう。
ソロプレナーとサイドギガー
ソロプレナーは、フリーランスとして週35時間以上仕事をしている人を指します。ソロ(一人)とアントレプレナー(起業家)をかけ合わせた造語です。
サイドギガーは、フリーランスとして週15時間以下で働いている人を指します。副業としてフリーランスで働く人がサイドギガーと言えるでしょう。
日本でもフリーランスという働き方は注目されている
日本では、大学や高校といった学校を卒業した後は、正社員になるという働き方が一般的でした。しかし、最近では正社員ではなく、フリーランスとして働く人も増えているのです。ランサーズによると、2017年のフリーランスは1,122万人。労働人口の17%がフリーランスとあります。この結果は、専業のフリーランスだけでなく、副業や兼業の人も含まれている数字です。
日本においても着実にフリーランスとして働く人は増えており、今後もこの傾向は続くでしょう。
海外におけるフリーランス事情について
海外において、フリーランスという働き方はどのような状況なのか気になる方もいらっしゃるでしょう。以下で、海外のフリーランスの現状について紹介します。
アメリカ
Upworkによると、アメリカの労働人口の35%にのぼる5,500万人がフリーランスとして働いているとあります。アメリカでは、ITの進歩やUberのように仕事を供給する企業が現れたことで着実にフリーランスの人口は増加傾向が継続。2020年にはアメリカの労働人口の50%がフリーランスになるという予測もあります。
それに伴い、今後はフリーランスの仕事の安全・安定や社会保障の整備など、アメリカの政策にも影響を与える可能性が高いです。
ヨーロッパ
eurostatによると、EU加盟国のフリーランスの人口は労働人口の14%とあります。
もっとも高い国がギリシャで29%。それにイタリアの21%とポーランドの18%が続きます。この数字はアメリカと比較すると、少なく感じるかもしれません。ただし、このデータは自営業者とありますので、副業でフリーランスとして働く人は含まれていないと考えられるため単純な比較は難しいでしょう。
9%となっているドイツのベルリンは世界中のフリーランスから注目を集める都市です。「フリーランス向けのビザの取得しやすい」「物価が比較的安い」「ITスタートアップが 多い」ことなどがその理由としてあげられます。
フリーランスとして働くことを考えている方は、海外も視野に入れると可能性が大きく広がるでしょう。
フリーランスのおもな4つの働き方
フリーランスのおもな4つの働き方について紹介します。それぞれの年収の目安を理解すると、違いがわかりやすいでしょう。年収については、ランサーズの資料にもとづいて紹介しています。
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スキマ時間に副業で働く
企業から雇用されている仕事を本業としており、そのスキマ時間に副業としてフリーランスとして仕事を請けるという働き方。4つのフリーランスの働き方の種類の中で、もっとも多い働き方です。スキマ時間に働く方の平均年収は60万円、年収に占める割合は平均19%とあります。
複業としてフリーランスとして働く
企業から雇用されているといった形態に関わりなく、2つ以上の企業から仕事を請けているフリーランサーです。簡単に言えば、パラレルワークと同じように「副業はなく、どれも本業」という働き方と言えるでしょう。複業としてフリーランスとして働く方の平均年収は129万円、年収に占める割合は平均36%とあります。
プロフェッショナルなスキルを生かして自由業として働く
特定の勤務先はなく、自由業として独立して働くプロフェッショナルなフリーランサー。スキルや仕事を安定して獲得する方法の確立が重要になる働き方の種類です。自由業として働く方の平均年収は122万円、年収に占める割合は平均55%とあります。
自営業のオーナーとしてフリーランスで働く
個人事業主・法人事業主として、自ら会社の経営を行っているフリーランサー。自営業の方の収入は最も高く平均年収は350万円、年収に占める割合は平均81%とあります。
フリーランスで働く人や職種について
日本でフリーランスとして働く人にはどのような人が多いのでしょうか。
フリーランスで働く人とは
経験と技術を持った人が、より良い労働環境や高い収入を求めてフリーランスとして活躍する場合は多いです。それだけでなく、結婚・出産・育児で仕事から離れた人がそれまでの経験や趣味・特技を生かしてフリーランスとして働く方もいます。
今後は、働き方改革が兼業・副業を推進していることから、正社員で副業としてフリーランスとして働く人も増えていくでしょう。これにより、フリーランスという働き方はさらに発展していくと予想されます。
フリーランスで働きやすい職種
以前は、放送作家・アナウンサー・記者といった放送関係や音楽家・美術家・小説家といったアーティストやクリエイターといった人たちがメイン。しかし、現在はクラウドソーシングサービスなどで仕事が受けやすくなったことから幅広い職種でフリーランスとして働くことが可能です。
ITの進歩によって、ITエンジニア・Webデザイナー・Webライターといった職種も需要が高くフリーランスで働きやすい職種になったと言えるでしょう。
まとめ
中世の傭兵を語源とするフリーランスという働き方。依頼を請けて自分の能力を生かして仕事を行うという点では、現代も中世も変わりはないでしょう。
フリーランスを本業とするためには、スキル・経験だけでなく仕事を得る営業力や収支を管理できる財務力など、幅広い能力が求められます。そして、安定して需要が見込めるプログラミングのスキルなど、他の人と差別化が図れる能力があれば成功する可能性はさらに高まるでしょう。
本業として働くにはハードルが高いと感じる場合には、副業としてはじめるのも選択肢の1つです。この記事を読んでフリーランスに興味を持った方は、スキルの習得やクラウドソーシングサービスに登録するなど、まずは行動を起こすことをおすすめします。
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