あなたは、子育てと仕事の両立に悩んでいませんか?
結婚や出産というライフイベントがあると退職や休職、派遣やアルバイト勤務への切替など、働き方を見直す必要が出てくる方も多いのが現実です。
一度休職すると、仕事に復帰する際にも「所属していた部署に戻れない」「休職前と以後で大きく待遇に違いが出る」ということもあります。
そこでこの記事では、主婦の働き方を色々な角度から解説していきます。他の国と比較した「出産・育児休暇」も解析していますのでご参照ください。
今までの女性の働き方・これからの働き方
元来、日本では労働における男女差が問題視されていました。
そうした問題の解消を目指し、1986年に制定されたのが「男女雇用機会均等法」です。
男女雇用機会均等法とは
すべての労働者の募集・採用・昇進・職種の変更に当たって合理的な理由なく、 転勤要件を設けることは、間接差別として禁止。上司・同僚が職場において、妊娠・出産・ 育児休業・介護休業等を理由とする就業環 境を害する行為をすることがないよう防止 措置を講じなければならない。
引用:厚生労働省
しかし、未だに女性の活用が進んでいないのが現状です。
女性には「婚活」や「妊活」といったライフイベントが付きものです。結婚を機に退職する女性も多くいます。妊娠した場合には産休を利用する方もいれば、退職する方もいます。
妊活を行う際には「生活習慣の改善」「ストレスの緩和」を心がけ、妊娠しやすい体を作ることが必要です。妊娠すると、働き方を見直さざるを得ない女性の方は非常に多いのではないでしょうか。
現在では様々な働き方があり、それぞれの事情にあった勤務形態を選んで働くことができます。
派遣社員
人材派遣会社と雇用契約を結び、企業に派遣され、仕事に就きます。業務の指示は直接派遣先から受けます。雇用元は派遣会社のため、給与や福利厚生などは派遣会社から提供されます。
時短勤務
幼い子供のいる労働者が利用できる制度です。子供が3歳になるまでは1日原則6時間の短時間勤務が可能と「改正育児・介護休業法」で定められています。また、企業によっては独自条件で設定する場合もあります。
フレックス勤務
始業時間と終業時間を労働者が自由に決められる制度です。「コアタイム」「フレキシブルタイム」に分けて運用されることが多いです。
リモートワーク・テレワーク
PCやオンライン上のビジネスツールを活用し、働くスタイルのことです。インターネット環境と必要な端末があれば、自宅やカフェなどで柔軟に働けるのが特徴です。「場所」や「時間」にとらわれずに仕事ができます。
主婦の働き方
子育てをしながらの働き方は、どうしても労働に割ける時間が限られてしまいます。
保育園に預けながら働くにしても、今や「待期児童」という言葉が浸透している通り、保育園にも空きがありません、仕事をしたい母親が、保育園に子どもを預けることができないのが現状です。
すると「母親」ができる仕事は限られてしまいます。
子供を預けることができる方は「時短勤務」「パート・アルバイト」もできます。
しかし、家で子供を見ながら働くとなると「リモートワーク」「テレワーク」しかできなくなってしまいます。
主婦がぶつかる働き方の壁
年収103万円(150万円)の壁
これまで給与所得者が年収103万円以内であれば、所得税と住民税を支払う必要がなく、夫が配偶者控除を受けることができました。また2017年度の税制改正により103万円の枠が、150万円までに引き上げられます。
これにより妻の所得が150万円以内であれば、夫側に配偶者控除が適用されます。
ただし妻側は課税されます。さらに従来通り103万円を超えた収入の場合、所得税や住民税を支払う必要があります。配偶者控除だけを見据えて闇雲にパート時間を増やすと、社会保険料の分、手取りが減る可能性があります。
配偶者控除を活用しながら働きたい主婦の方は、同時に社会保険料の支払額と手取りをシミュレーションしておくことをおすすめします。
損をしない働き方
パート勤務で働いている方でも、会社の規模によっては年収106万円でも社会保険の対象になる場合があります。
「扶養になれるか、なれないか」で判断するだけではなく、配偶者の勤務先がどのような勤務形態になっているのかきちんと知ることが必要になってきます。
◇106万円の壁=社会保険に加入できるが、手取りは減る
そして、10月1日から始まった「106万円の壁」。これは、106万円〜130万円の収入がある、従来は「130万円の壁」の対象になっていた人が当事者となります。全ての人ではなく、この内、次の5つの条件を満たす人が、社会保険に加入することになったのです。
様々な制度を利用できるのはとてもうれしい事ですよね。
しかし、世帯収入をアップさせたいのであれば年収160万円以上であれば、社会保険料を支払っても家計にとってプラスになる働き方だと言えます。
家庭や育児と両立しやすい仕事
家庭や育児と両立しながら、女性が働きやすい仕事にはどのようなものがあるでしょうか。
特に重要なのは、時間外勤務や残業の少なさでしょう。残業時間が多いと、育児に当てる時間が少なくなり家庭への影響が大きなものとなります。
時間外勤務などの負担が少なく、比較的女性に向いた仕事としては「企業の社内SE」が挙げられます。
社内SEという仕事は、業務委託や客先常駐といったITエンジニアの受託開発とは異なり、社内システムの構築や運用・セキュリティの強化といった、全体の業務がスムーズにいくようにサポートすることなどが主な業務となります。
そのため、多くの企業で需要があり、比較的残業時間も少なく、家事や育児との両立もしやすいというメリットがあります。
また雇用形態として、正社員以外に「派遣」や「フリーランス」という働き方も時間の融通が利くという点で検討してみても良いでしょう。
特にフリーランスという働き方であれば在宅で仕事を進められるため、自分のペースで仕事ができ、家族との時間を確保することができます。
働き方革命
企業や組織に属さず、特別な能力を武器にフリーランスという働き方をしている方は今までも多くいましたが、通信インフラが整っている現代では、様々な形で雇われない働き方を選択することができます。
その代表例が、クラウドソーシングです。
クラウドソーシングの定義や活用方法については、下の記事をご覧ください。。
Webエンジニアについて
クラウドソーシングとの親和性が高い仕事の1つに、Webエンジニアがあります。
Webエンジニアとは、Webアプリケーションを開発する職業です。
「ECショッピングカート」「SNS」「動画ストリーミング」をはじめとするWebサービスが年々登場しており、それらのサービスを手がける企業が成長を遂げています。そのため、Webエンジニアの採用ニーズも高まっています。
Webエンジニアとしての必要なスキルを身に付けることで、独立することも可能なので、後にフリーランスとして活躍することを視野に入れている方にはおススメの職業です。
Webデザイナーについて
Webデザイナーも、クラウドソーシングとの親和性が高いです。具体的にはウェブサイトの「デザイン」を通じて、見た目を作ります。デザインだけでなく、HTMLとCSS、JavaScriptを使ってウェブサイトのプログラミングを併せて行う方も多いです。
Webデザイナーは派遣会社に登録して働く方法もありますし、フリーランスとして働く事もできます。
またWebデザイン会社によっては、社員であっても「在宅勤務」も可とするところもあります。家庭の事情で毎日の出勤が難しかったり、「結婚・出産」で退社や休暇をせざるをえない状況になった場合に嬉しい制度です。
Webデザイナーのキャリアは一般的に学校やプログラミングスクールなどでスキルを身に付け、Web制作会社や広告代理店に就職。実績や人脈を身に付けたうえで独立するという流れがスムーズです。
Webデザイナーを目指す方は、デザインスキルとコーディングスキルを予め身に付けておきましょう。
在宅ワークのメリット・デメリット
在宅ワークのメリットには「自分のペースで仕事ができる」「育児や介護との両立ができる」「結果を出した分、達成感が大きい」「家族の転勤があっても仕事を続けられる」などが挙げられます。
小さい子供がいる場合は、突然熱が出る事もありますので、勤めていると早退して会社に迷惑をかけることもあります。在宅ワークだと突然のトラブルにも対応することができます。
一方デメリットは、「収入が安定しない」「完全自己管理」「仕事とプライベートの境目が無い」などが挙げられます。
また会社や仕事内容によりますが、納期があるため必ず守らなければなりません。長く体調を崩すことがあっても、頼れるのは自分だけなので責任も重大です。
コンピュータ上でのやり取りだけなので、信頼関係を築くためには「報告・連絡・相談」をしっかりする必要があります。
働き方を考えるのにオススメの書籍
一生食べられる働き方 著者:村上憲郎
著者は、元Googleの日本法人社長であり、その他にも様々な経歴を持っています。
そんな著者が「ハングリーな生き方」や「進化できる企業の姿」を提案しています。
働くことが楽しく思えるような内容になっており、読んだ方たちは「ためになった」「内容がとてもシンプル」など、様々な意見が寄せられています。
働き方革命 著者:駒崎弘樹
残業・休日出勤・長時間労働などのように人生を会社に捧げても、生産性が高くなければ意味が無く、そのような時代は終わったと述べている著者は、誰よりも働きマンでした。
衰え行く日本を変えるために必要なのは、私たちの「働き方」を変える事にあります。
全てはこの本の中にあります。
世界の女性の働き方
海外の国々での女性の働き方はどうなっているのでしょうか。
女性の働き方に様々な影響を与える、育児や出産についての法律や国の政策などから違いを見てみましょう。
オセアニア
オーストラリアやニュージーランドは、国全体で平等主義の意識を高く持っています。
男女は平等の雇用機会が与えられるので、職場でも平等な対応をすることが重視されています。しかし、男女間の収入の格差はまだまだ大きく、組合や政府が対策として「啓豪活動」を行っています。
オーストラリアでは、全国雇用基準(National Employment Standards)に定められた無給で52週の出産育児休暇を得ることができますが、この制度を補てんするため2010年に「有給出産育児休暇法案(Paid Parental Leave Bil 2010)」が発表されました。
これにより受給資格を満たした2011年以降に出産や養子で育児をする女性は、有給育児休暇を任意で申請することができます。
期間中は最低賃金額である「週543ドル(約42.000円)」が労働者へ支給されると共に、職場に復帰する際には産休前と同じポジション、あるいは同等のポジションへ復帰する権利が認められています。雇用主が復帰を断る事は法律で禁止されています。
また家事や育児との両立のためパートタイムへのポジション変更を希望した際、企業が申し出を承認できない場合はその理由を政府に証明する必要があります。そのため受け入れられやすく、女性の労働環境は徐々に改善されつつあります。
ニュージーランドでも、一定の条件を満たすと、最長18週間の育児休暇と、出産前の賃金に応じた出産手当が支給されます。また、無給の育児休暇は1年間取ることができます。
ヨーロッパ
ヨーロッパは労働者の権利に対する意識が高く、労働環境全体において「先進地域」といわれています。
またヨーロッパでは「クオータ制」という政治などにおける男女間格差をなくすための制度が幅広く利用されており、社会全体で「男女平等化」に努めています。
ヨーロッパ各国では出産・育児休暇も法的に認められており、休暇中も給与の一部が支給されます。
例えばフランスの場合、出産休暇に加えその後1年程育児休暇を取得することも一般的とされており有給も補償されています。
子どもが二人以上いる場合は、家族手当が支給されたりフルタイムからパートタイムへの変更、男性にも育児休暇が適用されるなど金銭的なサポートをはじめ、女性が仕事と育児を両立しやすい環境が国によって整備されています。
北欧諸国はワーク・ライフ・バランス先進国と言われています。中でもスウェーデンでは、包括的な家族政策の拡充により福祉の充実や男女格差をなくすことで、少子化対策に積極的に取り組んでいます。
スウェーデンの育児休業制度には「育児休業法」と「両親保険法」が備わり、両親保険法では男性・女性のとちらでも、休業期間中の収入が補てんされます。
中東
中東では、各地域の「文化」や「政策」によって状況が異なります。
レバノンやアラブ首長国連邦(UAE)では、女性のキャリアが重視されているので雇用機会も平等に与えられています。
UAEの場合、労働に関する規定「1980年改正連邦法第 8 号」により、女性の働き方について制定された項目があります。例えば、医療従事者や技術・管理職などの事例を除き、夜22時から朝7時を含む夜間勤務の禁止などです。
育児休暇制度も設けられており、勤続1年以上であれば出産前後45日の有給休暇の取得が認められます。1年未満でも支払われる金額は半分になりますが、休暇の取得は可能です。
一部の諸国では、シッター文化が栄えており、出産後にベビーシッターを雇う方が多いです。UAEでは産後数年間はベビーシッターを雇い、その後保育園を利用する方が多いです。ただし日本と同様保育園の数が足りておらず、中には産後1、2年は完全に仕事を離れる女性もいます。
新しい働き方
現在次々に新しい働き方が生まれていますが、どのようなものがあるのでしょうか。
これからの働き方を考える上で、参考にしてみてください。
時間ではなく成果が中心
新しい働き方の特徴の一つとして、報酬の形態が「労働時間」ではなく、「成果」に応じて支払われるようになります。
大企業が率先して人件費を抑制しようとしている動きもあり、高齢の正社員がいなくなるころには、労働者の8割が「業務委託」や「契約社員」になっている可能性もあるのです。
実力社会になってしまうと、「運」や「実力」を持っている方は稼げても、ほとんどの方は稼げなくなってしまう現実が来てしまうのです。
複数の組織に所属する働き方
この働き方をするのはフリーランスが多くを占めています。
色々な案件を実行していく事で、自然と契約する企業も増えてくるのです。
その他、企業に勤めながら副業として他の組織に所属する方もいます。
中には副業を禁止している会社もありますが、副業から視野が広がっている場合も多く、スキルアップにも繋がります。
自己管理を怠らない
会社が社員を管理する時代は終わり、これからについては「全員が自己管理できるように管理職がサポートする」という動きが見受けられます。
「時間ではなく成果」「複数組織で働く」「自己によるキャリア開発と能力開発」というのも全て自己責任の方向で進んでいるのです。
休日をしっかり取るドイツの働き方
ドイツの実労働時間は日本と比べて短く、「フレックスタイム制」もドイツでは一般的に使用されている制度となっています。
社員は「朝7時~22時」までの間に、1日当たり約7.38時間働けばよいとされていて、労働時間は12カ月単位で調整することが可能となっています。
守らなければいけないことは、コアタイムの「9時15分」までに出社することだけで、あとは仕事の状況や個人の都合に合わせることができるのです。
一見自由に見えるドイツの働き方ですが、労働1時間当たりの生産性を見ると「ドイツは58.3ドル」に対し「日本は40.1ドル」と低くなっています。
その理由の一つとして「仕事の効率化」が挙げられます。
ドイツ人は早く帰宅し、プライベートの時間を過ごすことが大切なのです。
また、ドイツでは部下の休暇は上司が管理します。
人事部門を統括している方でも30日の年次有給休暇は毎年消化していますし、部下の仕事が溜まっていたとしても、社員に有給を取らせるそうです。
部下が休暇を取れないと、上司の管理が悪い事になるのです。
そんなドイツの方たちは休暇が大好きで、4週間のバカンスも珍しくないと言います。
万が一病気になった場合は「病欠」。
「有給休暇」は、あくまでも「楽しみ」や「休養」のために使うものだそうです。
新しい働き方 著者:本田直之
著者が自らアメリカと日本の先進企業を取材し、今まさに世界で生まれつつある「古い価値観や常識に縛られない、新しい働き方」を追求しています。
「午後3時で仕事が終わる会社」や「社員がサーフィンをしてから出勤する会社」、「無期限でいくら休んでも良いという会社」など、今までの常識では考えられないような精度を導入している会社は、好業績を上げている上に利益を出している会社ばかりなのです。
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まとめ
現在の日本では、育児休暇の取得や待機児童問題など、育児と仕事を両立させるためには、社会的な困難がいくつもあります。
ですが、子育て支援を掲げる企業も多く存在しますし、働き方や職種に幅を持たせることで、育児をしながら仕事をする機会を得ることも十分に可能です。
仕事と子育て、どちらも諦めたくないという女性の皆さん、ここまでご紹介した働き方をぜひ参考にして、ご自身に合った働き方を見つけてみませんか。
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