10月は、企業の内定式の時期です。社会人への第一歩を踏み出した先輩たちの姿を見て、自分の進路に悩んでいる学生の方は多いのではないでしょうか。
今回は、成長産業の1つであるIT業界について詳しくご紹介します。
これを読めば、IT業界のさまざまな分野・職種、そしてIT業界で働く魅力について理解できます。ぜひこの記事を参考にIT業界への就職を視野に入れ、進路を検討してみてください。
この記事の目次
IT業界とは?
IT業界に関する基礎知識
ITとは「Information Technology」の略で、情報技術を指します。
情報技術とはコンピューター・ネットワークなどの情報を処理する技術の総称です。
また、ICT(Information and Communication Technology)という言葉もありますが、ほぼ同じような意味として使われることが一般的です。
IT業界にはITを利用したさまざまなサービスを提供する企業が存在し、ハードウェア・ソフトウェア・情報処理サービス・インターネットの4つの分野に分けることができます。
次に、IT業界の主要分野である4つの業界とそれに関わる職種について詳しくご紹介します。
IT業界の主要分野
ハードウェア
ハードウェアとはパソコンやパソコンの周辺機器、スマートフォンなど物理的な機械そのものを指します。
パソコンの周辺機器とは、キーボード・マウス・ディスプレイなどさまざまなものがあります。
また、現在は家電やゲーム機などにもインターネットをはじめとするITの技術が使われています。
特にセンサーやデバイスといった「モノ」をインターネットに接続するIoT(Internet of Things)はIT業界でいま最も注目されている分野の1つです。家具や家電といった身の周りのモノをインターネットに繋ぎ、新たな体験を実現する試みは世界中で広がっています。
▼amazon Echoに先駆け、LINE発スマートスピーカー「Clova Wave」が発売!
amazon Echo、Google Homeといった製品に先駆け、LINEが日本市場向けに投入したスマートスピーカーが「Clova Wave」です。サードパーティのIoT開発者、開発会社向けにClova Interface Connectの提供も開始。API、SDKが利用できます。
IoT開発の一層の盛り上がりが期待されます。
ソフトウェア
ソフトウェアとはハードウェアを動かすための命令や処理手順をまとめたプログラムを指します。ソフトウェアには大き分けて2種類あります。
ひとつは、コンピューターを動かす基本システムとなるOS(オペレーティング・システム)です。
OSの代表的なものとして、パソコンではmacOS ・Windows、スマートフォンではiOSやAndroidなどがあげられます。
もうひとつが、特定の目的や機能のために作られたアプリケーションです。
メール・ワープロソフト・表計算ソフト・Webブラウザ・メディアプレーヤーなど、用途や目的に応じてさまざまなものがあります。
ソフトウェア業界はこのようなOSやアプリケーションソフトを扱う業界です。
IT系のスタートアップで、いま最も積極的に使われているプログラミング言語の1つがRubyです。RubyはWebアプリケーション開発向けフレームワーク・Ruby on Railsに採用されています。
以下ではRubyとはそもそも何かを、学習法も含めて解説しています。ぜひご覧ください。
情報処理サービス(SI)
情報処理サービス業界は、企業の情報システムの導入に時に必要となる企画・設計・構築・導入・保守などのサービスをすべて提供します。
情報処理サービスはSI(System Integrator )とも呼ばれます。情報処理サービスは企業の課題を分析し、システムの企画・立案を行います。
そのために必要となるプログラムの開発やソフトウェア・ハードウェアの選定をして、企業へ導入を行います。そして、導入後のシステムの保守・運用まで行うのが情報処理サービスです。
インターネット
インターネット業界はインターネットを利用したさまざまなサービスを提供しています。
その中で、企業向けのサービスを提供する企業と、個人向けのサービスを提供する企業との2つに大きく分けることができます。
企業向けのサービスにはWebサイト制作・ネットワーク構築・インターネット広告などがあります。
個人向けのサービスは、検索エンジン・SNS・インターネットショッピング・ソーシャルゲーム・ポータルサイトなどさまざまなものがあります。
インターネット業界は、企業によって仕事内容が異なり、多種多様な働き方があることが魅力のひとつです。
ハード業界にどのような職があるか?
組み込み系システムエンジニア
家電製品やデジタルカメラなどの機械に組み込まれるプログラムの開発を行うのが、組み込み系システムエンジニアです。
電子機器を動かすために欠かすことのできない制御ソフトウェアを開発を行い、製品の精度や安全性に関わる重要な部分を組み込み系システムエンジニアは担当します。
そのため、組み込み系システムエンジニアには、プログラミングをはじめとする高い技術とソフトウェア・ハードウェアの両方の知識が求められます。
このように高い能力が組み込み系エンジニアには求められますが、「ものづくり」の楽しさを感じられるやりがいのある魅力的な仕事でもあります。
また、あらゆる分野でコンピューターの導入が進んでおり、組み込み系システムエンジニアは需要が増加している職種でもあります。
組み込み系エンジニアに重宝されるOSが、Linuxです。以下の記事ではUnix/Linuxの基礎を解説しています。ぜひ、参考にしてください。
この記事のハッシュタグ
ソフト業界にどのような職があるか?
プログラマー
プログラマーはプログラミング言語を使い、コンピューターを動かすさまざまなシステム・ソフトウェアを開発する職種です。
プログラミング言語には、C・SQL・Java・Ruby・PHPなどさまざまな種類があります。そのため、扱える言語によって携わることができる仕事は異なってきます。
プログラマーにはプログラミング言語を用いるための論理的な思考や、地道にプログラムを組み不具合を修正していくこだわりを持つことが求められます。
システムエンジニア
システムエンジニアはシステム開発に総合的に関わり、プログラミングのもととなる仕様書を設計し、それを行うプロジェクトやチームの管理を行う職種です。
そのため、システムエンジニアの仕事内容は幅広く、顧客の要望を聞き出し、課題を明確にするコミュニケーション能力や、プロジェクトの進捗やメンバーの管理を行うマネジメント能力、そして開発に関わるプログラミングの技術などさまざまな能力が求められます。
このように、システムエンジニアはシステム開発におけるプロジェクト全体に関わる仕事であり、とてもやりがいのある仕事と言えます。
以下の記事では、プログラミング未経験からエンジニアとして就職・転職をしたい方に向け、おすすめのプログラミング教室を紹介しています。
いますぐプログラミングスキルを身につけたい方は、ぜひプログラミングスクールでの学習をご検討ください。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアはネットワークの設計・構築や運用管理を行うITにおけるインフラを支える職種です。
オフィスのそれぞれのパソコンをつなぐネットワークの構築、サーバーとの最適なネットワークシステムの構築、ネットワークに問題が発生した際の対応など、ネットワークエンジニアにはさまざまな仕事があります。
快適で安心なインターネット環境を実現するために、ネットワークエンジニアは大切な役割を担っています。
SI業界にどのような職があるか?
ITコンサルタント
顧客である企業から経営・業務における問題を聞き出し、その問題をIT技術により解決するのがITコンサルタントです。企業のIT戦略をもとに、システム開発やシステムの最適化を提案します。
ITコンサルタントには企業のシステム導入において、問題解決を行うソリューション力やITエンジニアとしての高い技術・知識、プロジェクトを管理するマネジメント能力といったあらゆる作業を行えるスキルが求められます。
セールスエンジニア
セールスエンジニアはエンジニアとしての経験・技術を生かし、顧客に対してサービスの提案・導入を行い、さらにその後のサポートまで担当する職種です。
セールスエンジニアは顧客に自社の製品をアピールし、顧客の持つ問題に対して解決策を提案するため、コンサルタントとしての能力と高いコミュニケーション能力が必要になります。
また、それに伴うシステム導入のサポートや管理を行うため、エンジニアとしてのスキルも必要になります。
進歩のスピードが速いIT業界においてコンサルタントとしてのスキルと、アフターケアまで対応する最先端の技術力を兼ね備えたセールスエンジニアへの需要は高まっています。
Web業界にどのような職があるか?
Webデザイナー
WebデザイナーとはWebサイトのデザインを手がける職種です。
Webデザイナーにはすぐれたデザイン性だけでなく、Webサイトの用途や目的を考え、ユーザーが見やすく使い勝手がよいといった機能性をもったデザインの作成が求められます。
また、Webサイトの制作はチームとして取り組むことが一般的なため、他の役割を担当する方との連携が重要になります。
そのためWebデザイナーにはデザインのセンスや、Webサイトを構築するHTML・CSSのスキル、JavaScriptなどのプログラミング言語の知識、そして業務を円滑に進めるためのコミュニケーション能力が求められます。
Webディレクター
WebディレクターはWebサイトの制作の指揮をとり、プロジェクト全体の監督を行う職種です。
WebディレクターはWebサイトの制作に必要となるWebデザイナー・プログラマー・コーダーなどのスタッフをまとめ、プロジェクトの進捗状況の管理を行います。
そして、スケジュールを管理し、必要に応じてスタッフへ指示を行い、クライアントのニーズに応えるWebサイトの制作を行っていきます。
そのため、Webディレクターにはプロジェクトを管理するマネジメント能力やWebサイトを構築・運用・管理を行う幅広い知識、そしてチームを指揮するリーダシップが求められます。
さらに、詳しく知りたい方はこちらの記事もご参考ください。
仕事の魅力
この記事もオススメ
成長が目覚ましく刺激がある
IT業界は技術や機器の進歩が速く、成長を続けています。
そのため、IT業界に関わる方は新しい情報を入手して、技術の追求を続けることが大切になります。そして、最先端な技術を学ぶことで、常に新鮮な気持ちで働くことができます。
また、将来性の高いIT業界において、あなたがどのようなキャリアパスを実現するかという未来の自分に対する期待が持てることも進歩を続けているIT業界で働く魅力のひとつです。
社会に役立つものが作れる
IT技術は家電や自動車の製品や、学校教育の分野などにも利用され、ひとびとの生活になくてはならない存在といえます。
そのため、IT業界で働くことはシステムや製品を提供するだけでなく、それを利用するひとびとの生活や仕事をより良く変えることが実感できる仕事といえます。
また、IT技術により作られたシステムはさまざまな企業に導入され、業務の効率化などに役立てられています。
その中でも、公共機関や金融業界で利用されている大規模なシステムは、ひとびとの生活を支えるITインフラといえます。
そのため、社会における責任が大きく、ひとびとの生活において重要な役割を担っています。
このように、IT業界はひとびとの生活を変え、社会に役立つことができるやりがいと魅力のある業界といえます。
スキル取得次第で転職にも困らない
IT業界で身につけたスキルはさまざまな職種に活かせます。
たとえば、システムの構築に必要なるプログラミング言語は世界共通の技術です。
そのためプログラミングの高い技術を身につければ日本だけでなく世界中で働くことが可能となり、キャリアの選択肢を大きく広げることができます。
その他にも、高いレベルのIT技術・知識と経験があれば、IT技術を使って企業の問題を解決するITコンサルタントとして活躍することもできます。
また、IT業界に関する専門的なスキルを身につけ、国家資格やITベンダーによる認定資格を取得すれば、あなたの技術・知識を証明でき、転職を行う際に有利に進めることができます。
資格の取得や、学習を行う時にはITSS(Information Technology Skill Standard )という、経済産業が定めているIT人材に求められるスキル・キャリアの指標を参考にするとよいでしょう。
このように、IT業界はスキルの種類やレベルに応じて、さまざまな職種へとキャリアアップが可能な業界といえます。
どのような人に向いているか?
チームプレイで仕事ができる
IT業界の仕事はプロジェクトにチームで取り組むことがよくあります。
ひとりひとりがプロジェクトに対してどのくらい貢献したかを明確に判断することは難しく、プロジェクトの成果はチームとして評価されます。
そのため、個人としての業務を優先するのではなく、チームとして最善の結果を得るために他の方との連携が必要になります。
そこには、ひとりでは得られないチームだからこそ得られるよろこびや、他の会社の方や同僚と競い合って技術を磨くことができるというメリットもあります。
このように、チームのメンバーを尊重し、自分の役割をしっかりと果たせるチームプレイを楽しめる方はIT業界に向いているといえます。
専門知識を継続的に勉強できる
IT業界は変化のスピードが速く、技術は進歩を続けています。VRなどの新しい機器もぞくぞくと生まれています。
そのような新しい技術・機器を活用するためには、IT業界の専門的な知識に関する情報を幅広く集め、学習を続けていくことが必要です。
また、学習を続けることでプログラミングの能力など、実際に仕事に関わるスキルを高めることができれば、あなたの成長を実感しながら働くことができます。
そのため、コツコツと継続して努力ができる力はIT業界で働くうえでとても重要な能力といえます。
こだわりを持てる
前述した通り、IT業界において新しい技術の追求は必要なことです。
しかし、IT業界で働き続けるには表面的な技術のみに流されることなく、その技術の本質的な部分にこだわり、根底にある考えを理解することも大切です。
なぜなら、IT業界では今までにあった技術から新しい技術が生みだされることが多いからです。
技術の本質的な部分を理解するためには技術のみにとらわれず、どのようにその技術を活用できるかをさまざまな視点から考えることが重要です。
まとめ
今回は、IT業界についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
IT業界とひとくちに言っても、さまざまな分野とそれに関わる職種があります。
ご紹介した仕事の内容を参考にして、あなたにぴったりなIT業界の仕事を目指してみてはいかがでしょうか。
はじめての転職、何から始めればいいか分からないなら
「そろそろ転職したいけれど、失敗はしたくない……」そんな方へ、テックキャンプでは読むだけでIT転職が有利になる限定資料を無料プレゼント中!
例えばこのような疑問はありませんか。
・未経験OKの求人へ応募するのは危ない?
・IT業界転職における“35歳限界説”は本当?
・手に職をつけて収入を安定させられる職種は?
資料では、転職でよくある疑問について丁寧に解説します。IT業界だけでなく、転職を考えている全ての方におすすめです。
「自分がIT業界に向いているかどうか」など、IT転職に興味がある方は無料カウンセリングにもお気軽にお申し込みください。