将来の人生やキャリアのことを考え、未経験の業界や職種に転職したいと考える人は多くいます。しかし、一般的に転職は未経験者よりも経験者のほうが有利になるため、志望動機などでスキルや熱意をアピールすることが重要です。
この記事では、未経験転職での志望動機の考え方や書き方について詳しく解説します。職種別にアピールするとよいスキルや資格についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
未経験の職種や業界に応募するときの志望動機のポイント
志望動機とは、なぜその企業や職種に応募しようと思ったのかを書く項目です。履歴書などに記載する欄がある他、面接でもよく問われる質問の一つなので、しっかりと自分なりの回答を用意しておきましょう。
まずは、未経験の職種や業界に応募する際の志望動機では、どのようなポイントを意識すべきかを解説します。
転職の理由を明確にする
「なぜ転職しようと思ったのか」や「なぜ未経験の職種・業界に挑戦しようと思ったのか」を明確に示しましょう。
未経験転職では、これまで進んできたものとは異なる道に進むということです。また新しくスキルや知識、経験を積み上げなければいけないため、転職者にとってはもちろん、未経験者を採用する企業側にとっても一定のリスクがあります。
企業は、なぜ応募者がそのリスクを取ろうと思ったのかを知ることで、「転職後に熱意を持って業務に取り組んでくれるか」を見ています。
転職先の企業・業務で活かせるスキルをアピールする
これまで習得したスキルや資格について、転職先の企業や業務でも活かせるものをアピールしましょう。
どのようなシーンでそのスキルが活かされるのかや、どのように企業の利益に貢献できるかなど、できるだけ具体的に説明すると、より説得力がでます。
未経験者が志望動機でアピールできるスキルについては、この後の章で紹介しているので、ぜひあわせて参考にしてください。
キャリアビジョンを伝える
あなたが新たな世界でどのように活躍し、どのようなキャリアを形成したいのかを伝えましょう。
転職は、それ自体が目的ではなく、自らが思い描く理想の人生や社会人像に近づくための手段です。
つまり、転職する人にとって採用されることはスタートであり、ゴールではないのです。
転職そのものをゴールにしている場合、転職後に仕事に熱意を持って取り組めなかったり、自己研鑽を怠ったりと、企業にとって有益な人材になれない可能性があります。
また「将来は独立したい」「数年働いた後は退職して家庭に入りたい」といったビジョンがある人も、企業は採用を見送りたいと考えることでしょう。
キャリアビジョンを共有することで、あなたが転職の先に何を見据えていること、そして長期的に企業にとってメリットがある人材であることをアピールできます。
戦力になるために取り組んでいることを伝える
応募者の将来の活躍や成長に期待して合否を判断する新卒の「ポテンシャル採用」と異なり、基本的に中途採用は退職や異動に伴う人員補給を目的とした「即戦力採用」です。
他の業界や職種の経験がある未経験者を採用する目的の一つに、現場に新しい知見を取り入れたいというものがあります。一方で、採用した未経験者には1日でも早く自社の業務をこなすだけの知識やスキルを身に着けて欲しいという希望もあります。
このため、業界で重要視されている資格を取得するために勉強していることなど、企業にとっての戦力になるために取り組んでいることをアピールするとよいでしょう。
【職種別】未経験者が志望動機でアピールできるスキル
多くの職種や業界で求められる知識には、共通したものがあります。このため、未経験の職種や業界であっても、これまで身につけた知識やスキルが全く役に立たないというわけではありません。
ここからは、未経験者として応募する際に、前職や現職でのどのようなスキルをアピールすればよいのかを職種別に紹介します。
営業職
モノやサービスを売ることが主な業務の営業職ですが、そのために行うのは情報収集や相手との信頼関係の構築、資料の作成などの地道な作業です。
次のようなスキルで、戦略的で計画的に営業活動ができることをアピールしましょう。
- コミュニケーションスキル
- 行動力
- 傾聴力
- タイムマネジメント力
- 交渉力
エンジニア職
技術者としてシステムや機械の開発や保守を行うエンジニア。
1人で黙々と作業するイメージを持っている人もいますが、実はチームメンバーや他部署と協力するなど、コミュニケーションが多く発生する職種です。開発はトライ・アンド・エラーで進められるため、失敗から学び、次に活かす姿勢も重要です。
次のようなスキルで、スムーズな業務遂行ができることをアピールしましょう。
- プログラミングスキル(勉強中の場合は学習時間や学習手法など)
- 問題解決力
- 論理的思考力
- コミュニケーションスキル
販売・接客職
日々人と接する機会が多い販売や接客業では、コミュニケーションスキルが重要であることはイメージしやすいです。「コミュニケーションスキル」をよりアピールするため、傾聴力や提案力など、具体的なスキルに落とし込んでみましょう。
次のようなスキルに加えて、接客・販売職では商品の種類や使い方などを覚える必要があるため、学びの姿勢などもアピールするとよいでしょう。
- 傾聴力
- 提案力
- 論理的思考力
- 協調性(チームワーク)
- 柔軟性
- 主体性
企画・マーケティング職
華やかな印象が強い企画・マーケティング職ですが、実際には市場調査やデータ分析などの地道な作業が多いものです。トライ・アンド・エラーを繰り返したり、予算内に収めるために工夫したりと、様々な制約や困難を乗り越える必要もあります。
次のようなスキルで、困難を乗り越えて成果にたどり着けることをアピールしましょう。
- 論理的思考力
- 問題解決力
- クリエイティブ性(多方面から考える力)
- データの分析力
- プロジェクトマネジメント
- 協調性(チームワーク)
人事や総務などの管理部門職
企業を支える「縁の下の力持ち」である管理部門では、定例業務を着々とこなす一方で、社員からの要望や世の中の情勢を受けて制度を見直すなど、柔軟性も求められます。
業務をこなすための資格や知識に加えて、次のようなスキルをアピールしましょう。
- 仕事の正確性
- 計画性
- プロジェクトマネジメント
- コミュニケーションスキル
- 問題解決力
事務職
資料作成や備品の管理、来客対応などの業務が幅広い事務職では、業務を計画的に、かつ確実にこなすことが求められます。
事務系の資格に加えて、次のようなスキルをアピールするとよいでしょう。
- PCスキル
- ビジネスマナー
- コミュニケーションスキル
- 責任感
- 計画性
未経験の職種に応募するときの志望動機例文
志望動機は、あなたがなぜその企業で働きたいのかという思いを伝える大切な項目です。具体的なエピソードで説得力を出しつつ、わかりやすく、簡潔に書くことを意識しましょう。
ここからは、未経験者の志望動機の例文を職種別にいくつか紹介します。
営業職
私はこれまで一般事務職として、資料作成や来客対応などを行ってきました。来客した方を会議室に案内する間に、ちょっとしたお話をすることが多いのですが、お客様の業界のことを事前に調べてその話をしたり、以前した話をメモしておいたりなど、有意義な時間にできるように心がけました。
お客様の中にはその会話の時間が楽しいと言ってくださる方がいて、だんだんと「もっと人と積極的に関わる仕事がしたい」と思うようになり、営業職を志望しました。
これまでの仕事では相手の話を聞き、求められている仕事を求められているレベルでこなすことや信頼関係を築くことを意識してきました。このスキルは顧客一人ひとりに向き合い、関係性を重視しながら営業活動を行う御社で活かせると思います。
今後は、お客様と良い関係を築きながら、御社のサービスを世の中に広めていきたいと考えています。
エンジニア職
前職では営業職として◯◯の販売を行ってきました。サービスを通してお客様の悩みや課題を解決できることにやりがいを感じる一方で、フィードバックやご意見をいただいたときに自分ではどうしようもないことに不甲斐なさを感じることも多くありました。
どれほどよいアイデアがあっても、それを現実にする技術者がいなければ、営業は売ることができません。御社は既存のやり方や考えにとらわれることなく、若手の意見も幅広く取り入れながら、風通しのよい職場で開発を行っていると伺いました。
開発の現場経験はありませんが、プログラミングスクールで◯時間学習し、アプリ開発の一通りの流れを経験しました。今後は、営業としてお客様と直接接することで得た知識をサービスにフィードバックしつつ、技術者の立場からモノづくりを支えたいと思い、御社を志望しました。
販売・接客職
前職では◯◯会社の顧客対応部門にて、お客様のお問い合わせに対応して行ってきました。コールセンターには様々なお問い合わせがありますが、商品を購入したときのお客様ご自身の勘違いや販売員の説明不足が原因となっているケースが多くあることに気づきました。
「販売員が言っていたことができない」といったお問い合わせに対して、説明して納得していただけることもありますが、そうでないこともあり、もっと正確に商品について伝え、またお客様に納得感を持って購入していただきたいと思い、販売・接客の仕事をすることを決意いたしました。
御社はサービスレベルが高く、接客マニュアルに従いつつも柔軟な対応ができるとして、顧客からの満足度が高いと伺っております。前職で身につけたビジネスマナーや正しい日本語、傾聴力、柔軟な対応力は接客の仕事でも活かせると考えております。
企画・マーケティング職
これまでは◯◯会社の営業職として働いてきました。◯◯の知識を深め、お客様に魅力を伝えたり、お客様と会話したりするうちに、「もっとこうすればいいのではないか」といったアイデアが浮かぶことが多くありました。
しかし、前職では営業職から企画職へのキャリアパスの事例がほとんどなかったことから、企画職に転職することを決めました。
◯◯業界に関する知識に加えて、営業時代に培ったデータ分析力や問題解決力などは企画の仕事でも活かせると考えております。常に時代を先読みし、様々な革新的なサービスを生み出す御社で、よりお客様にとってメリットのある商品を生み出していきたいです。
管理部門職
これまでの◯◯企業では、主に現場で接客や販売を経験してきました。◯年目からは店長を任され、売上管理や店ごとの販売戦略の策定、アルバイトの採用・指導活動などを行っています。
店舗には正社員、アルバイトを含めて10人以上のスタッフがいますが、それぞれの希望の働き方やキャリアの希望を聞きながら、どのような仕事を任せるかを決め、導いていくことに特にやりがいを感じています。
一つの店舗ではなく、企業規模で、より採用や人材育成に携わりたいと思うようになり、今回御社の人事部のポジションに応募しました。
御社では社員一人ひとりの意見を尊重し、長く働けるように工夫していると伺っております。これまで培ってきたコミュニケーションスキルやプロジェクト管理スキルを活かし、御社に貢献したいと考えております。
事務職
これまで契約社員として◯◯会社の接客販売の仕事を行ってきました。付随する業務として報告書やレポートの作成をすることもありますが、その資料の精度を評価されることが多く、次第にやりがいを感じていきました。
また、他のメンバーのサポートなどをしたとき、「ありがとう」と感謝していただいたことに「仕事をしていてよかった」と強く感じ、自分は誰かのサポート役として働くほうがより力を発揮できると気づきました。
今後はより自分の適性を活かし働きたいと思い、御社の事務職に応募いたしました。
これまでの仕事で培ってきたコミュニケーションスキルやPCスキル、正確かつ計画的に仕事を進めるスキルは活かせると考えております。
未経験転職での志望動機の考え方まとめ
未経験での転職では、なぜその業界・職種や企業に応募しようと思ったのかや、これまでの知識やスキルがどのように活かせるのかを明確に示し、企業にあなたを採用するメリットを伝えましょう。
未経験だからといって、これまでのキャリアが全く使えないわけではないので、希望する業界や職種で求められるスキルや適性を調べ、それらを有していることをアピールしましょう。
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