導入企業10000社以上の物流SaaS「ロジクラ」 創業メンバーはテックキャンプ卒業生
更新: 2021.01.27
テックキャンプを受講してプログラミングを学び、起業を検討している方は卒業生の成功事例が知りたいと思いませんか。
多数のテックキャンプ卒業生が起業し活躍しています。今回も若き起業家たちを取材しました。
クラウド在庫管理システム「ロジクラ」を中心に事業を展開する株式会社ロジクラです。
物流に関するソリューションを提供し、5000万円の資金調達に成功するなど、今後のさらなる成長が期待されるスタートアップです。
ロジクラは代表を務める長浜 佑樹(ながはま・ゆうき)さんをはじめ、主要メンバーである武末健二朗(たけすえ・けんじろう)さん・久野裕司(ひさの・ひろし)さん・榊間浩人(さかきま・ひろと)さんもテックキャンプの卒業生。
今回は、武末さん・久野さん・榊間さんの3人になぜテックキャンプを受講したのか、またプログラミングが起業や事業にどのように役立つのかお話を伺いました。
<写真>左:榊間浩人(さかきま ひろと)さん、中央:武末健二朗(たけすえ けんじろう)さん、右:久野裕司(ひさのひろし)さん
この記事の目次
- 1 エンジニアから薦められて受講したテックキャンプ
- 2 プロダクトを作った経験がロジクラの事業につながっている
- 3 戦略コンサルと起業を経て武末さんはパラレルCSOに
- 4 「No.2としてNo.1になりたい」求めるのは経験値とスピード感
- 5 榊間さんはテックキャンプがきっかけでエンジニアに
- 6 久野さんの初めての事業は失敗… 食いつなぐためのアルバイトで気づいた物流のアナログさ
- 7 「物流のアナログな工程を変えたい」という想いから生まれたロジクラ
- 8 ロジクラは物流のオペレーションを変えるクラウド在庫管理システム
- 9 「小売のインフラをリデザインしている」という実感がやりがい
- 10 プログラミングだけじゃない テックキャンプはエンジニアとのコミュニケーションも学べる場所
エンジニアから薦められて受講したテックキャンプ
— 3人はどのような経緯でテックキャンプを受講しましたか?
武末:テックキャンプはエンジニアをしている友人の紹介で知りました。当時「教えているプログラミングのレベルが非常に高いスクールがある」とその友人から聞いて興味を持ったのがきっかけです。
その時のテックキャンプは渋谷・桜ヶ丘のマンションの一室が教室で、その雰囲気はまるで梁山泊(笑)受講生の意識が高く、起業したい人が集まっているという印象を受けました。
久野:私はプロダクトを作るならプログラミングができないとマズいと思って、スタートアップ界隈で注目を集めていたテックキャンプを受講しました。
大学の仲間だった長浜と福岡で起業したのですが、プログラミングのスキルは2人ともなくて。
テックキャンプでプログラミングを1から学び、卒業する時にはある程度自分の中で理解できるようになりましたね。
ただ、同じ時期に受講していた榊間の方がとても優秀でしたけど。
榊間:そんなことないですよ(笑)久野と出会ったのはテックキャンプでしたね。
私がテックキャンプに興味を持ったきっかけは、たしかFacebookで見た広告だったと思います。大学では経営学部だったので、プログラミングはとても遠い存在。ただ、遠いからこそ興味が湧きました。
大学のマーケティングのゼミで商品企画を考えますが、実際に形にはならない。
企画するのであれば、それを実際に自分で形にするところまでやりたいと思ったことがテックキャンプを受講する決め手になりました。プログラミングのスキルがあれば、自分でプロダクトが作れるので。
あとは、プログラミングを学んでエンジニアとして就職するのもアリかなと思っていましたね。
— 武末さんはみなさんとテックキャンプで知り合ったのでしょうか?
武末:いいえ、違います。2人がテックキャンプを受講していたのは知り合った後に聞きました。
テックキャンプ卒業生同士が起業することも多いと思いますが、わたしたちの場合はたまたま創業メンバーのほとんどがテックキャンプを偶然受講していた、という感じです。
プロダクトを作った経験がロジクラの事業につながっている
— テックキャンプで学習したことや、受講期間中の経験の中で、現在も役立っていると感じることはありますか?
久野:私はプロダクトを自分で作れた経験が圧倒的に役立ちました。
テックキャンプのメンターはすぐに質問の答えを教えるのではなく「こうやって調べたらいいですよ」「こう考えるといいですよ」という方法を教えてくれました。
まったく未知の領域のことは、問題を解決したくてもそもそも何を調べたらいいかもわからない。
プログラミングにおける問題を解決するための調べ方を教えてもらえたことは大きかったです。
テックキャンプを受講しながら自分が作りたいプロダクトを完成させ、プログラミングの基礎体力を身に付けることができました。
今の事業である「ロジクラ」のiOSアプリを開発する際も、そのときの経験が非常に役立ちました。
戦略コンサルと起業を経て武末さんはパラレルCSOに
— 皆さんのご経歴を教えてください。まず、武末さんお願いします。
武末:慶應義塾大学を卒業して、アーサー・ディ・リトル・ジャパンに戦略コンサルとして就職しました。
— なぜ、戦略コンサルになろうと思ったんですか?
武末:父が会社経営でうまくいかなかった姿を見た経験があったので、経営に携わりたいと思いました。
会社経営の難しさはよくわかっていたので、高い本気度で取り組めそうだなと。
リブセンスで転職者事業領域のサービス責任者、スマービーで起業、子会社の役員や複数のスタートアップの顧問を経て、現在はパラレルCSOとしてロジクラの取締役と別のスタートアップの役員を務めています。
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「No.2としてNo.1になりたい」求めるのは経験値とスピード感
— 武末さんは今は自分で起業することは考えていないんですか?
武末:起業はまったく考えていません。私はNo.2としてNo.1になりたいと思っています。
1社でNo.2を務めても、得られる経験値が限定されてスピード感も足りない。
2社くらいにがっつり入ってそれぞれの会社の領域を極め、それによって得た知見を両方に生かしたいと考えています。
— 武末さんはどのような形でロジクラに出会ったのですか?
武末:地元の福岡の会社でアドバイザーをやりたいと考えていたタイミングで、長浜に出会いました。
福岡のベンチャーキャピタル「F Ventures」の設立者である両角さんのTwitterに長浜が「物流領域は自分が盛り上げていきます!」と書き込んでいて。
それを偶然に目にして興味を持ったので私からコンタクトを取りました。
その際にロジクラの話を聞いて改善策を提案したところ、長浜からロジクラの顧問をやってほしいと依頼されました。
— 武末さんはロジクラでどのような役割を担っていますか?
武末:大手の企業との連携を含めた中長期の戦略の立案や採用などやビジネスデベロップメント全般やバックオフィスの業務を担当しています。
榊間さんはテックキャンプがきっかけでエンジニアに
— 続いて榊間さんの経歴を聞かせください。
榊間:神戸大学に在学中にテックキャンプを受講したことがきっかけで、ベンチャーにエンジニアとして就職しました。
— テックキャンプがエンジニアになるきっかけになったんですね!カリキュラムをどんどん進めてスキルを身に付けたのでしょうか?
久野:榊間は地頭が本当によくて、私たちの中で一番論理的な思考ができますし。テックキャンプの受講中も一番勉強していました。
榊間:どうでしょう…。どちらかという自分は何もなかったら何もやらないタイプだと思っています。
プログラミングも同じ。私はエンジニアとして就職して、プログラミングを無理やりやらざるを得ない状況を作ったという感じです(笑)
私が以前働いていたベンチャーには、有名な企業に転職するような優秀なエンジニアが多かったので学ぶことがとても多かったです。
ベンチャーで働いたことでエンジニアとして成長できたので、結果としてやらざるを得ない状況に身を置くことは正しかったと思っています。
— 榊間さんはロジクラの創業時からエンジニアとして働いていたのでしょうか?
榊間:いいえ、その当時はベンチャーでまだ働いていました。
久野:私が必死に1年間かけて口説いて、ロジクラに入ってもらいました(笑)
— 榊間さんが中心となり、ロジクラの開発を行なっているのでしょうか?
榊間:そうですね。私の担当はiOSアプリやバックエンドの開発です。
ロジクラはインターネットやガジェットに強くないユーザーも多いので、より使いやすくするためにUI/UXの改善にも取り組んでいます。
久野さんの初めての事業は失敗… 食いつなぐためのアルバイトで気づいた物流のアナログさ
— 久野さんの経歴をお聞かせください。
久野:福岡大学に在学中に長浜(現在ロジクラのCEO)と出会って最初の起業をしました。
— 大学生から社会人を経験せずに起業したんですね!何か理由があったのでしょうか?
久野:私は大学に入った時から起業したいと思っていて。
理由は2つあって、1つは単純に起業ってかっこいいと思ってました(笑)
もう1つは「就活しなければならない」というみんなが同じ道を選ぶことが嫌で。自分は同じことはしたくないなと。
— 企業アイデアはどうやって出したのですか?
久野:アメリカの市場はメーカーではなく、小売が強くてマーケットインが主流だという話をたまたま知ることがありました。
それを支える物流が面白いなと感じて、「じゃあ、自分たちは日本で何をする?」という形で起業アイデアを出しました。
ただ、その最初の起業時プロダクトはできたのですが、サービスを広める方法がわからず、資金調達もできていなかったので失敗してしまって…。
その時にアルバイトとして倉庫で働いていたのですが「物流ってめっちゃアナログ。不便なところが多い!」という課題感が大きくなりました。
「物流のアナログな工程を変えたい」という想いから生まれたロジクラ
— それが現在の事業のヒントになったのでしょうか?
久野:はい。ロジクラのメインの事業である在庫管理システム「ロジクラ」が生まれるヒントになりました。
物流のアナログな工程を効率化したいと考え、在庫管理システムや物流に関わるサービスを片っ端から調べました。WMS(倉庫管理システム)を見つけた時は「これだ!」と思いましたね。
現在まで順調に事業が拡大できているのは、着眼点がよかったのだと思います。
— 武末さんはロジクラについて聞いた時にどのように感じましたか?
武末:最初に話を聞いた時に「この領域の事業は伸びる」と思いました。
ロジクラはD2Cなどで通販市場の拡大に寄与する物流領域に特化したバーティカルSaaS(業界特化型SaaS)。
実際に他の領域では、オクトやアペルザが数十億単位でファイナンスを成功させた企業事例もあるので、大きく成長できる可能性が高いと思っています。
ロジクラは物流のオペレーションを変えるクラウド在庫管理システム
— ロジクラがどのような事業を展開してるのか詳しく教えていただけますか?
久野:メインの事業はクラウド在庫管理システム「ロジクラ」です。
ロジクラは、iPhoneでの検品・ピッキング・送り状作成など、可能な幅広い物流オペレーションに対応可能なソフトウェアを提供。
クラウド上で在庫管理がスムーズに行えます。
— どの程度の市場規模があるのでしょうか?
武末:小売店は150万社あると言われていて、その多くが在庫管理システムをほぼ使っていない状況。
未だに紙やエクセルを使っている場合もあって。そのような小売店をターゲットとしているので市場規模は大きいと考えています。
— そうなんですね!ロジクラはユーザーからのニーズがとても高そうな印象があります。
武末:はい、ユーザーにとっては在庫管理を効率化できることは大きな魅力だと思います。
初めは思うようにユーザーを獲得できませんでしたが、無料版をリリースしたところ状況は大きく変わり、月間で数百の会社に登録いただけるようになりました。
— どのくらいの企業が利用しているのでしょうか?
武末:現在は無料会員を含めると10000社以上の登録があり、その内の10%程度が有料版に移行しています。
まだまだ機能追加や改善できる余地はあるので、プロダクトとセールスの両方を並行してアップデートしながら事業の拡大を図っています。
「小売のインフラをリデザインしている」という実感がやりがい
— やりがいを感じる瞬間について教えてください。
武末:小売のインフラをリデザインしているという実感があることですね。
導入したユーザーにとって、在庫管理が効率化できるロジクラは明らかに新しいインフラ。なくてはならないサービスになっていると思います。
久野:お客さまに「こういうの待ってたよ」と言ってもらえること、感動してもらえることがうれしいです。
「ほしいけど無理だろう」と思っていたことをロジクラがどんどん形にして期待に応えると、数字に反映されるのでとてもやりがいを感じます。
今後ロジクラがどうなるのかを考えると本当に楽しいです。
榊間:自分の技術力が成功のカギになることです。
アナログな物流業界において技術力の高さが大きな競争力になりますので、技術主導で業界を引っ張っていける会社にしたいと思っています。
それが組織の拡大にもつながればうれしいです。
久野:あとはやはり、入ってくれる人が増え、一緒に作っていくチームができていくことに幸せを感じます。自分たちで立ち上げた会社ですので、大きくなっていくのはとてもうれしいです。
プログラミングだけじゃない テックキャンプはエンジニアとのコミュニケーションも学べる場所
— これからテックキャンプを受講したいと考えている人にメッセージをお願いします。
武末:テックキャンプの素晴らしいところは「いつでも聞ける環境」。そのような質問できる環境で、プログラミングについて深く勉強することは非エンジニアにとっても大事なことだと感じます。
エンジニアリングを理解していればプロダクトを作る上でエンジニアに言うべきことがわかる。それにサービスに関する仕様のクオリティが劇的に高められます。
テックキャンプを受講すると、メンターとの会話を通して伝えるべきことや押さえるべき大切なポイントが顕在化していくので自然とエンジニアとのコミュニケーション能力が身に付けられます。
榊間:「エンジニアになりたい」「教養として学びたい」など、プログラミングに興味を持つきっかけはさまざまですよね。
ただ、エンジニアになるためにプログラミングを学びたいのであれば、本当に熱量を持って取り組めるか実際に体験してみて一度考えるとよいと思います。
武末や久野のように、プログラミングのスキルが生きるのはエンジニアだけではないので。
— お話を聞いて、プログラミングがエンジニア以外にも重要なスキルであることがよくわかりました!武末さん、久野さん、榊間さん、ありがとうございました!
Interviewer 桜口 アサミ
Writer 木村 ヒロト
Photo 木村 ヒロト
Editor 桜口 アサミ
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