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伸びるビジネスの考え方は?建設業界にイノベーションを起こしたNO.1施工管理アプリができるまで

作成: 2019.02.18 更新: 2020.01.17

伸びるビジネスの考え方から生まれたNO.1施工管理アプリ「ANDPAD」。アナログのイメージが強い建設業界において、導入した企業は1,300社を突破。現場に「なくてはならないツール」として、職人の口コミによりシェアを拡大しています。

現場の作業とITはかけ離れているとイメージがあるでしょう。しかし、オクトの代表取締役の稲田武夫氏は建設業界の効率化を実現して生産性を上げれば大きな社会貢献につながると考え、「紙が良い」といっていた職人からも支持されるようになったANDPADを生み出しました。

今回は、「建設業界に関わるすべての人を幸せにする」という強い想いで事業を推進する稲田武夫氏に話を伺いました。

元子役・スポーツマン・学生起業を経験してリクルートへ

ーー元子役であると拝見しましたが、どのくらいされていたんですか?

幼稚園から小学生くらいまでですね。サッカーがしたくてやめてしまいました。

ーーそうなんですね。子役の経験は、プレゼンの時などに活かされていますか?

才能もなかったと思うので、特に何も活きていないですね(笑)。

ーー 学生時代にビジネスの面白さにのめり込んだと伺いました。どのような部分に興味を持ったのでしょうか?

私が学生の時は、学生起業が盛り上がったタイミングでした。先輩が起業した会社でインターンとして働かせてもらい、そこでビジネスの面白さを学びました。

ーー 昔からビジネスに興味はありましたか?

いいえ。高校までは、ずっとハンドボールというスポーツしかやっていませんでした。大学でたまたま声をかけてもらったWAAVというビジネスコンテストを主催するサークルに入ったことがきっかけですね。

ーー 卒業後はリクルートに入社されましたが、起業は考えませんでしたか?

学生の時に先輩の会社を手伝う形で事業に携わりましたが、インターンを経験しただけの自分が起業しても大きな事業の種が見つけられないと感じ、世の中を見る必要があると思いました。

それで、大きな事業を複数手がけている会社に行きたいというシンプルな理由でリクルートを選びました。

「ANDPAD」は職人のためのGitHubを目指して生まれた

ーー ANDPADはどのようなサービスなのでしょうか?

一言で表すと、「建設業界向けのプロジェクト管理ツール」です。IT業界と建設業界のビジネスは、請負業という部分でとてもよく似ています。1つのプロジェクトに対して、さまざまな方が一緒に仕事をするという構造が同じなんですよね。

ーー 確かによく似ていますね。

大きく違うのは粗利率です。IT業界であれば、粗利が60%という場合もあるでしょう。そこが、建設業界ですと粗利率が高くても30%です。20%という場合も多くて、もっと下がる場合もあります。

ーー 粗利率には大きな違いがありますね‥。

建設業界において、予定された工期通りに終わることやクレームが出ないことは粗利を守る上でとても大事です。ITよりも工期に対してシビアです。ところが、建設業界にはGitHubやSlackといったプロジェクト管理を行うソフトがまったくありませんでした。

ーー えっ!まったくないのですか?

仕事のためのツールはなく、電話やFAXがメインでした。

ーー なるほど‥。

そのような構造を変えるための「職人さんのGitHubを作る」ことが我々の取り組んでいるところですね。

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「IT化している人がいないのであれば、自分がやってみよう」という想いから起業

ーー リクルート時代には関わりのなかった建設業界に興味を持つようになったきっかけは何でしょうか?

建設業界に対して、IT化があまり進んでないという疑問は持っていました。建設業界と大きく括ると50兆円程度の市場規模がありますが、IT化がなかなか進んでいません。実は、日本の全産業の中で一番生産性が低いのが建設業界なんです。

ーー そうなのですね。建設業界の生産性を向上できれば、確かに大きなインパクトがありますね。

「今までIT化している人がいないのであれば、自分がやってみよう」という想いが事業のスタートです。

建設業界の労働人口の割合を見ると、55歳以上が30%以上を占めていて、20代が20%以下しかいません。一番日本の中で高齢化が進んでいる産業であり、若い働き手も増えにくいという現状があります。

ITによって働き方を変えていければ、働く人がラクになって若い働き手も集まるなど、建設業界の生産性を上げる一因になれるのではないかと考えています。

ーー そこからリフォームの事業に取り組んだのですね?

建設業界のどのような切り口でも良いので、自分が関われるところからできることをしようと思いました。たまたま、実家のリフォームの話がありWeb上のリフォーム会社の検索に疑問を持ったので、まずリフォーム検索サイトを作りました。

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社会的なインパクトの大きさが重要

ーー その時に社会的なインパクトがある業界だと感じたのでしょうか?

先ほどお話しした通り外から見て、建設業界には以前から注目していました。

しかし、現在のANDPADのプロダクトの着想を得る上で大きなきっかけとなったのは、業界のお客様と関わる中でわかった「現場監督が忙しすぎる、現場の管理は複雑で大変」という肌感でした。

ーー 忙しくてなかなか帰れない職種、というイメージがあります。

現場監督は、IT業界のPMとよく似ています。夕方以降に材料の発注・見積書の作成などを電話やFAXで対応して、日中は現場を車で回っています。朝から夜遅くまで仕事をされている場合もあります。

その姿を見て、働き方を変えてラクにできるのではないか」という気持ちが自分の中で強くなり、開発に取り掛かりました。

ーー それは、大きなきっかけですね。

建設業界の需要は拡大傾向ですが、現場監督さんも職人さんも足りていません。人手が足りないのであれば、1人が担当できる現場を増やし、本質的なモノづくりに集中してもらいたいという思いもあります。

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「紙が良い」と言っていた職人たちも好きになってくれた!口コミで広まったANDPAD

ーー 業界によってIT化の度合いに違いがありますね。

ただ、IT化が進まないからといって、職人の方のITリテラシーが低いわけではないと考えています。これは、私が当初から持っている仮説です。私たちの両親も普通にスマホを使いますよね?

現場作業でパソコンは開きませんが、職人の方はスマホはよく使うので、アプリを中心にプロダクトを考えることが重要でした。

ーー 「紙が良い」といった職人の方からの反感はありませんでしたか?

それは、今でもあります。元請さんだけでなく、職人さんにもメリットを感じられるように設計することがポイントだと考えています。

ーー 具体的には、どのようなメリットでしょうか?

ANDPAD上でやり取りを行うと、ホウレンソウの事実が残ります。「言った・言わない」という話になった場合に、どうしても受注側が立場が弱くなるケースがあると思います。

ただ、ANDPADを使えば、その「言った・言わない」がなくなります。ANDPADの受発注管理機能を使えば、元請さんからの受注状況が一目瞭然になるからです。

職人側(ユーザー)のメリットを徹底的に考え、ちゃんと訴求する

ーー そのようなメリットが理解されて、口コミでどんどん広まっていったのですね。

そうですね。職人側のメリットをちゃんと訴求することが大切です。それにより、職人の方からのご紹介でANDPADは広がっています。

組織という観点で言うと、オクトの営業担当の多くは建設業界の経験者です。もともとはお客さんだった人や、流通会社やリフォーム会社などさまざまな現場での実体験を持った人がいます。

「建設業界の働き方を変えたい」という想いを持って、ユーザーと向き合ってくれています。

ーー それはオクトならではの事業の強みになりますね。

はい、オクトの事業の強みだと考えています。建設業界に対する理解力とテクノロジーをバランス良く持つ会社にしていきたいです。

ーー 新規のサービスを手がける上で心がけているのは建設業界への貢献ですか?それともビジネスのインパクトですか?

それは、建設業界への貢献ですね。建設業界で働くすべての人を幸せにするっていうビジョンでやっているので、そこはブレないです。

「システムを導入したことで手間が増えた」といったことが起こらないように、職人さんが「本当にラクになるか」という点が大事だと思っています。

ーー 確かに。そのような事象は起こりがちですね‥。

ユーザーが日々困っていることを観察して要件定義を行い、モックを作り、ユーザやクライアントと対話をして、合意形成をしながら開発を進めています。

ーー 他はどのような新規サービスを考えていますか?

未来を見据えたプロダクトアウトの新規サービスも考えています。IoTを活用したハードウェアが建設現場でも使われはじめています。我々の技術テーマとして、ハードウエアとの連携や、施工の省人化につながる技術もウォッチしている最中です。

あとは、データの利活用の観点があります。施行中のデータを活用して、建設プロジェクトの品質向上やコストダウンにつながるサービスを検討しています。

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「粗利を下げたくない」「工期を伸ばしたくない」「働く職人を疲弊させない」という悩みは同じ

ーー ANDPADのリリースまでに一番時間をかけたポイントはどこでしょうか?

ANDPADは正式リリースまでに、1年半を要してしまいました。「誰に向けて作るか」ということを模索をし続けたためです。施工の規模や、新築戸建て・リフォーム・分譲住宅・オフィス・ビルメンテナンスといった作る建物の違いにより、業務の流れが変わるため必要となる機能も異なります。

ただ、どの会社も「粗利を下げたくない」「工期を伸ばしたくない」「働く職人を疲弊させない」といったお悩みは一緒なんですよ。基本的な機能は共通化して、工事種類ごとにオプションを用意することでそれぞれに対応し続けています。

ーー 競合するサービスはありますか?

業界には、基幹システムの開発を請け負う会社が多いです。施工管理として完全に競合化することはないので、基幹システム連携をするケースも多いです。できるだけオープンに連携して、競合よりも協業できるように考えています。

ーー 未経験の業界についてどのように詳しくなっていったのですか?

私はもう4年業界のお客様のお話やお悩みを伺ってきましたが、知らないお話を伺うがとても好きだと感じています。未経験だからこそお客様に教えていただきながら、サービス開発を行っています。

大事なことはプロダクトの作り手として、1つの会社の意見に偏らずにできる限り汎用化できるかという前提で取捨選択を行うことです。

ーー そのような考え方はリクルートで学んだ部分が大きいのでしょうか?

事業について学ぶチャンスは多く与えてもらいました。ただ、会社からというよりは、先輩や上司との対応を通じて学んできたと思います。

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良いものを作らなければならない環境がエンジニアを育てる

ーー サーバーサイド言語・フレームワークはRuby on Railsですよね?

はい、そうです。ANDPADは、Rubyの特性を生かしたサービスが表彰される「Ruby biz Grand prix 2018」にて特別賞を受賞しました。頑張って開発してきたチームが評価されるのはとてもうれしかったです。

新規事業ではGo言語を使うなど、技術的なチャレンジについてはエンジニアの裁量に任せています。

ーー 採用時にどのようなエンジニアがほしいと考えていますか?

技術力が高く、社会貢献性を重視する方がカルチャーフィットしています。あとは技術を学んでいる最中でも、一緒に成長していける方も積極的に採用していこうと思っています。

ーー 若手の採用にはどのような人材を求めますか?

自分で何かをリリースした経験がある方がいらっしゃるとうれしいですね。サービスのクオリティよりも、やったかやっていないかが重要だと考えています。

ーー 最後に未経験からエンジニアを目指す方にアドバイスをお願いします。

未経験でも、できるだけ打席に立つ回数が多く、成長を強いられる場所を選ぶことも1つの選択かと思います。「誰と働くか」「自分の関わった開発がユーザーからどれだけシビアに評価されるか」という点で職場選択をしてみてもよいのではないでしょうか。

ーー ありがとうございます!リクルート出身の方にそう言っていただけると、エンジニアを目指す方も励みになります。


Interviewer 桜口 アサミ
Writer 木村ヒロト
Photo 木村ヒロト

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この記事を書いた人

asami81
桜口アサミです。テックキャンプブログの編集長をやっています。関西人。 大学卒業後に渡米しオーペア(ベビーシッター)として働きながら1年間滞在。帰国後OLをしながら個人ブログ運営やWebサービスをつくってました。Movable Type なつかしい…。その後 nanapi というハウツーサイトの立ち上げメンバーになり、2年くらい東京で過ごし 2011年に長男出産のため関西に戻る。そこから+2娘を出産し、6年程在宅中心で働いていました。末っ子の育休終了タイミングで再度上京、2017年7月div入社。 「どんなときも幸せかどうかは自分が決める」というテーマで人生を過ごしています。