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ステマとは?意味や過去の炎上事例を紹介します

更新: 2021.05.21

「ステマ」という言葉、あなたも耳にしたことがあるのではないでしょうか。近年、SNSの発信内容がステマとわかり、アカウントが炎上する芸能人などの事例もあり、ステマという言葉を聞くことが増えました。

そもそもステマとはどのようなもので、どのような点が問題視されているのでしょうか?

今回はステマの手法を事例とともに解説し、問題となる行為を具体的に解説していきます。これを読めば、ステマの方法が理解でき、ステマに騙されたり、逆にステマに加担していまうことも避けられるでしょう。

ステマについて詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

この記事の目次

ステマとは

ステマとは、広告であることを明らかにせず、商品やサービスを広告する手法です。口コミの中でまれに見られる「サクラ」や「やらせ」と言うとわかりやすいでしょう。

ステルスマーケティングを略しステマと呼ばれるようになりました。

ここからはステマの種類を2つ紹介していきます。

ステマの種類

ステマには「なりすまし型」と「利益提供型」の2つがあります。

なりすまし型

業者やサービス・商品の提供者が、一般消費者になりまして口コミをインターネットなどに書き込むタイプのステマです。

また利用者を装ってライバル企業の悪評をネット掲示板やSNSに書き込むのも、なりすまし型のステマに該当します。

利益提供型

芸能人やネット上で影響力を持つ人(インフルエンサー)にお金などを支払って広告を依頼し、拡散してもらう手法です。

宣伝活動であることが消費者にわからない形で行っていた場合、ステマとみなされる可能性も高まります。

インフルエンサーを活用した手法として、「インフルエンサーマーケティング」も存在し、これはステマとはまた別物です。インフルエンサーマーケティングとステマとの違いについては、当記事の後半で詳しく解説します。

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ステマになってしまう基準

ステマと判断されるのはどのような点なのでしょうか。ここからはステマになってしまう基準について解説していきます。

広告行為であることが消費者にわからない

ステマかどうかの基準は、「第三者から見てそれが広告活動かどうかが明らかになっているか」がポイントとなります。

例えばブログやSNSの投稿を見た際に、商品の紹介が宣伝活動だとわからない場合、ステマにみなされてしまう可能性が高いでしょう。

これを避けるためには、文面に「PR」などの文言を組み込んだり、商品の提供を企業から受けている旨の記載をするのがルールです。そうすることで、消費者が広告活動であることを把握できるようになります。

実際のものよりも著しくよく見せかけている

商品やサービスを実際に使ってみた感想を、著しく「いいもの」に見せるのはいけません。そのような表現をした上で消費者に購買を促している場合、ステマとみなされる可能性があります。

使用者本人が購入して本当にいいと感じた部分を紹介する分には何も問題ありません。しかし過剰なまでに広告すると、閲覧した人から「ステマではないか?」と疑惑を持たれ、炎上に発展する可能性もあります。

さらにこのような行為は、「景品表示法(景表法)」の違反になってしまうケースも。違反の事例については、後ほど詳しく解説します。

広告の内容にウソが含まれている

商品やサービスのありもしない機能を紹介したり、架空の特典などを紹介したりして購買を促すこともステマの一つです。

このような宣伝行為は消費者に対して嘘をついていることになり、これも景表法に違反する可能性があります。

サービス提供者が消費者になりすましている

冒頭で紹介した通り、サービスを提供する側の人間が消費者になりすまして口コミを広めていることが発覚した場合、ステマに当たります。

お金をもらって広告すること自体はステマには当たらない

ステマ問題の争点となるのは、「広告であることがわからない」「ウソの告知を依頼している」「業者が消費者になりすましている」といった点です。

これらの点をクリアしている場合、お金をもらって広告をすること自体はステマに該当しません。

ステマが問題になる理由

ステマが発覚すると、企業側に非難が殺到したり、宣伝行為をしていた発信者のブログやSNSが炎上したり、深刻な事態に陥るケースがあります。

ここからはステマがなぜそのような問題に発展するのかを解説していきます。

消費者にとって公平な情報が得られない

ステマの最大の問題点は、消費者が正しい情報を得られないことにあります。

消費者は広告であるのを知らずに口コミを読み、公平な情報を得られないまま商品やサービスを購入してしまうことになります。その結果不利益を被ってしまう場合があるのです。
日本では過去にオークションサイトでこのような事例が出ました。いわゆる「ぺ二オク事件」です。一部の芸能人も関与していたと見られる詐欺事件で、ニュースなどで大きく取り上げられました。

ぺニオク事件については、後ほど改めて解説します。

業界の信用が低下する恐れがある

一度ステマが発覚すると、口コミに対する消費者の不信感が生まれます。これは業界全体の信用低下につながるかもしれません。

たとえ本物の消費者による口コミがあったとしても、ステマの発覚で信用されなくなり、売り上げの低下を引き起こしてしまいます。

海外ではステマが発覚した結果、消費者の反感を買ってしまい「不買騒動」にまで発展した事例も。後ほど詳しく紹介します。

SNSなどで炎上し非難を集めてしまう

TwitterをはじめとしたSNSが登場してから、一般の消費者でも大衆に向けて情報発信しやすくなりました。インフルエンサーと呼ばれる人々も登場し、広告を行えば短時間で大勢の消費者にアプローチすることも可能となっています。

しかし裏を返せば、ステマが発覚した際の情報も、想像以上に拡散されて非難が集まりやすい時代とも言えます。いわゆる「炎上」状態にも陥りやすいのです。
SNSでステマの騒動を知ったユーザーは、ボタンひとつで情報をさらに拡散できてしまいます。その結果、たった一つのステマが、企業や業界の信用低下に繋がりかねないのです。

ステマを見抜く4つの方法

ステマであることが分かれば、ウソの情報に惑わされることもなくなるでしょう。ここからはステマを見抜く4つの方法を紹介します。

口コミサイトやブログを比較する

ステマかどうかを見分ける方法の一つに、口コミサイトやブログを比較するという方法があります。

同一サイトで同一商品・サービスが多数紹介されていて、しかも全てが過剰なまでに商品を褒めるような内容だった場合、ステマの可能性が高いです。
しかし本当にいい商品にいい口コミが集まるのも事実です。一つの口コミで満足せず、いくつか比較して納得のいく根拠を見つけた上で判断しましょう。

一斉に芸能人やインフルエンサーが同じ商品をPRしていないかチェック

芸能人やインフルエンサーは、ネット上で高い影響力を持っています。

このような人々が自身のブログやSNS上で一斉に同じ商品を紹介し始めた場合、企業から報酬をもらってステマを行っている可能性が高いです。

ですので芸能人が商品やサービスを紹介している場合、同様に紹介している有名人がいないか調べてみましょう。

情報に具体性がない場合は注意する

商品の紹介をしていても、例えば実物の写真がなかったり、「おすすめ」「いい」「すごい」というように具体性がない表現ばかりの場合は、ステマを疑ったほうがいいでしょう。

このような場合、実際には本人が紹介している商品を使っていない、あるいは本当に思ったことと異なる感想を伝えている可能性があります。
しかしこれは紹介している本人の表現力によっても左右されることです。一概に当てはまるわけではないことを理解しておきましょう。

SNSなどでステマに対する情報を探す

ある商品やサービスのステマについては、SNSで情報を探すのがもっとも効果的です。SNSでは最新情報をすぐにキャッチできるので、ステマ商品に関する情報がすでに出回っている可能性があります。

例えばTwitterなどで「〇〇(商品名) ステマ」などと調べると、関連するツイートを探ることができます。疑わしいと感じた際は試してみてください。

実際に発覚したステマの事例10選

ここからは国内外で発覚したステマの事例を、それぞれ5つずつ紹介していきます。

日本で発覚したステマの事例5選

過去に日本で発覚したステマ事例、ステマによる炎上事例を紹介します。

ペニーオークション詐欺事件

2012年に関係者逮捕に至った、オークションサイト「ペニーオークション」を利用した詐欺事件です。

サイトは高額商品が安く落札できるというコンセプトで運営されていましたが、実際は1,000万円にならないと落札できないしくみでした。また運営側に商品を発送する意思もなかったのです。
この事件では芸能人がブログなどでペニオクのステマ行為をしていたことが大きな話題となりました。中には高額商品をもらい、さらに紹介料としてお金を受け取った人もいたことで、騒動はさらに発展。

事件発覚後、芸能活動自粛にまで追い込まれる芸能人も出た事例です。

食べログ事件

2012年に発覚した、グルメ口コミサイト「食べログ」のレビューを利用したステマ事件。

やらせ業者の存在が明らかとなり、店側が業者に金銭を支払えば、お店の評価が上げられるというステマが行われていました。

この事件をきっかけに食べログでは、店側の評価点数算出のアルゴリズム(ある答えを導き出すための手順や方法)を変更するなどの対策がとられました。
参照:【アルゴリズムとは】有名8選と実装例&おすすめ参考本

ソニー ゲートキーパー事件

2004年にPSPとニンテンドーDSがシェア争いをしている最中、複数のネット掲示板でPSP擁護・DS批判の書き込みがされるようになりました。

不審に感じたブロガーが書き込みを調査したところ、ソニー社内のIPアドレスが浮上。社内の人間によるなりすましだということが判明したのです。
事件名にあるゲートキーパーとは、ソニーのホスト名「gatekeeper〇.sony.co.jp」に由来しています。

ヤフー知恵袋やらせ投稿事件

2011年にYahoo!知恵袋で商材を紹介する代行業者の提案書が流出した事件です。

提案書には商品を紹介できそうな質問を検索し、ライターが質問に回答する文章を書き、商品に誘導するURLを貼り付けるなどのマニュアルが記載されていました。

「初期費用30,000円」「月間15回実施で40,000円」という金額設定まで書かれており、話題となった事例です。

バイク王比較サイト事件

2011年に発覚した、バイク王によるバイク買取比較サイトを利用したステマ事件です。

サイトではバイク王を含めた6業社で買取価格を比較できるとされていましたが、基本的にはバイク王のみが査定を行うしくみになっていました。

バイク王は買取比較サイトで一括査定できるようになったのに危機感を覚え、このような事件を起こすのに至ったとされています。

海外で発覚したステマの事例5選

海外では裁判にまで発展したステマの事例があります。ここから5つ見ていきましょう。

ソニー デビッドマニング事件

デビット・マニングとはソニー・ピクチャーズがねつ造した架空の映画評論家です。2000年7月頃からデビット・マニングは、同社の映画を称賛する評論を出します。

しかしねつ造が発覚し、ソニー・ピクチャーズは謝罪、経営幹部が停職処分となりました。
また偽の宣伝によって映画を観てしまったとして、観客らがソニー・ピクチャーズに損害賠償を請求。同社は訴訟を起こした観客1人当たりに5万ドルを支払いました。

ウォルマートが依頼したPR会社の偽ブログ炎上

2006年に発覚した、スーパーマーケットチェーン「ウォルマート」のステマ事件です。

ステマの場となったのは、「Wal-Marting Across America」というサイト。一見は普通のカップルによる旅行ブログでしたが、実態は大手PR会社エデルマンによるフェイクブログでした。

当時ウォルマートでは従業員の労働環境の悪さなどが問題視されていました。ブログでウォルマートを称賛し、イメージアップが図られたとされます。

Dr.Pepper/7upのブロガーステマ事件

2003年にアメリカで起こったステマ事件です。若者向けミルク飲料「Raging Cow」の販売元「Dr.Pepper/7up」が、ブロガーに同製品を紹介する記事を依頼しました。

ブロガーの商品の取り上げ方が不自然でステマであることが発覚し、Dr.Pepper/7upに非難が殺到。Raging Cow不買運動が起こり、サイト閉鎖にまで追い込まれました。

Zipatoni社事件

「all I want for xmas is psp(クリスマスにはPSP以外いらない)」というブログが開設され、PSPを絶賛する内容の記事が投稿されました。

このサイトは若者が立ち上げたPSPファンサイトとされていましたが、不審に思った読者がドメイン検索。するとマーケティング会社Zipatoniが浮上。

コメント欄に批判が殺到し、ソニーがステマを認める内容を投稿。そしてサイト自体が削除される事態になりました。

Xbox Oneの動画投稿ステマ事件

2014年1月に発覚した、YouTubeチャンネル「Machinima」を利用したステマ事件です。Xbox Oneの動画投稿をすると謝礼がもらえるというステマに近い内容だったとのこと。

マイクロソフトからも公式に発表があり、Machinimaとの間でマーケティング提携を結んでいたことを認めました。
この頃マイクロソフトはソニーのPS4とのシェア争いの最中。Xbox One売り込みのための戦略だったとみられます。

なぜ企業はステマをしてしまうのか

過去に発覚したステマ事件は、企業の信頼の失墜や炎上、裁判にまで発展したケースがあります。

それにも関わらず、なぜステマはなくならないのでしょうか。ここからはその理由について解説していきます。

口コミによる広告効果が高いため

消費者が商品を選ぶ際に一番求めている情報は、実際に利用した人々の感想、つまり口コミ情報と言えます。

サービスを提供する側が明らかにする情報には、基本的に良い部分しか含まれていないでしょう。良い面も悪い面も合わせて理解するために、サービス提供側と関わりのない利用者からの正直な感想を求めるのです。

昨今はSNSやブログなどを使って情報を集める人が増えています。企業側としても口コミの広告効果は見逃せず、利用しようと積極的な姿勢を示す傾向があるようです。

ライバル企業に差をつける上でも口コミの効果は高いため

自社の商品やサービスの宣伝のみならず、ライバル企業と差をつける上でも口コミは効果的です。

特にライバル企業の商品やサービスに対する悪評が増えるほど、自社にユーザーが流れ込んでくる可能性は高まるでしょう。

そのため社員がなりすましを行い、ライバル企業の評価を下げる口コミを行うという事例に発展してしまうことがあります。

優良な口コミを自然に集めるのが難しいため

自社の商品やサービスの評価を高めるため、優良な口コミを集めるのは難しいです。また人々のニーズをすべて満たすコンテンツを作り上げることはほぼ不可能に近く、口コミの中にはどうしてもネガティブなものが含まれるでしょう。

気が付くとマイナス評価になる口コミばかりが増えてしまい、利用者が減少してしまうという可能性も0ではありません。

商品やサービスの売り上げを伸ばすため、自社にとって優良な口コミを自然な形を装って増やす、という行動に出てしまう企業もあります。

ステマで紹介される商品は信頼してもいいのか?

広告であることを伏せたステマが発覚すると、商品を提供する会社側の信頼が失われる大きな原因となります。

しかしステマで紹介される商品自体の信頼性は関係ないケースもあります。

必ずしも「ステマ=悪質商品」ではない

ステマを行っている商品やサービスが必ずしも悪質というわけではありません。

まだ商品やサービスの知名度が低いため、少しで影響力のある人物に依頼して、人々に認知してもらおうと考えている企業もあるのです。

中には芸能人やインフルエンサーが自発的に紹介していることもあり、品質には何も問題はないケースもあります。

口コミの真偽を正しく見抜く力が必要

ステマによる被害を受けないためには、口コミの信憑性をチェックする力が必要です。

例えば以下のようなチェック項目で、信頼できる口コミかどうかを判断しましょう。

  • 情報の証拠となる画像・動画があるか
  • 商品のマイナス面にも言及があるか
  • 特典やクーポンなどをつけて広告に誘導していないか

口コミの信頼性を確かめるために必要なのは、情報を集める力です。一つのサイトだけでなく複数の口コミサイトを比較したり、他の芸能人やインフルエンサーが同じ商品を一斉に紹介していないかなどを調べるべきでしょう。

また、そもそもネットの情報は信憑性の低いものが多いことを理解すべきです。多少疑うことから調べ始め、情報の明確な根拠が見つかるまで調べ続けるようにしましょう。

ステマにならないための対策

近年はブログ運営やYouTubeの動画投稿、SNSの発信などで、一般人でありながら大きな影響力を持つ人が増えてきました。

そのような人には、企業から商品やサービス紹介の依頼が来ることも珍しくありません。不本意にステマとなってしまう事態を避けるためにも、以下のことに注意しておきましょう。

広告であることが消費者にわかるようにする

広告を依頼する側も、依頼された側も、広告であることを一言付け加えるのがいいでしょう。

情報の提供元となる企業名を明かしたり、宣伝を兼ねたコンテンツであることを明記することで、ステルスマーケティングではないという証明になります。
広告であることを明記しないほうが売り上げにはつながりやすいでしょう。しかし、ステマが発覚した後の炎上やブランド低下を考えるのであれば、事前に問題となりうる火種は取り除いておくべきです。

過剰に広告したり内容にウソを混ぜたりしない

商品のPRをする際は、いい面を過剰に伝えたり、できないことをできると偽って伝えたりはしないでおきましょう。

いい面ばかり書いたとしても、消費者にとってはあまり効果が期待できません。むしろ良い面も悪い面も書かれた口コミの方が、信用性も高くなる傾向があります。

なりすましを行わない

社員がなりすまして自社の商品やサービスの口コミを書くことも、消費者を騙す行為につながります。

会社の信用を下げ、商品の売れ行きをむしろ下げることになりかねません。なりすまし行為は絶対に行わないようにしましょう。

日本におけるステマの規制・法律

ここからは日本における、ステマに関する規制や法律について見ていきましょう。

日本にはステマ自体を規制する法律がない

現在の日本には、ステマ自体を規制したり、禁止したりする法律はありません。しかしステマは「景品表示法(景表法)」で罰せられてしまう可能性があります。

ステマは「景品表示法違反」にあたる可能性がある

景表法とは、企業などが商品・サービスを広告するときに適用される法律のことです。

景表法では主に「優良誤認表示」と「有利誤認表示」の観点から、違反かどうかが判断されます。

優良誤認表示に当たるかどうか

商品やサービスを実物や競合他社の製品よりも著しくよく宣伝していないかどうかを判断します。

この判断基準は明確に定められてはいないようです。しかし社会的な許容範囲を超えていると判断された場合、景表法違反になる可能性があります。

有利誤認表示に当たるかどうか

商品やサービスを利用した消費者が得をするような宣伝をしているにも関わらず、実際は得をすることがないような仕組みだった場合、有利誤認表示にあたる可能性があります。

景品表示法を違反した場合に発生しうるペナルティ

では景表法を違反した場合、どのようなペナルティが課せられるのでしょうか。

消費者より損害の賠償請求が届く可能性

景表法に違反した場合、ステマによって商品やサービスを購入した消費者から、賠償請求される可能性があります。賠償請求の内容は、商品やサービス利用によって生じた損害などです。

消費者庁より「措置命令」が届く

景表法に違反すると、消費者庁より「措置命令」が届くケースもあります。その前段階として弁明の機会が与えられますが、そこで弁明ができなかった場合、措置命令が下されます。

措置命令に従い違法とされる広告の表示をが改善されれば、それ以上のペナルティが課せられることはありません。しかし命令に従わなかった場合、以下の刑事罰が課せられることになります。

「措置命令」に従わなかった場合、懲役または罰則金

景表法に違反し、消費者庁からの「措置命令」に従わなかった場合、「二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する」と定められています。

またこれからも繰り返されると判断されるような悪質なケースの場合、「課徴金」が課せられることもあります。

2018年6月には、なりすましのwebサイトを運営して根拠のない宣伝を行った事業者に対し、消費者庁が課徴金として4,988万円の支払いを命じました。
参照:株式会社ARSに対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について|消費者庁

海外におけるステマの規制・法律の事例

日本とは異なり、海外ではステマに対する法的な規制は進んでいます。ここからはアメリカとイギリスの事例を紹介します。

アメリカの事例

2009年12月、連邦取引委員会(FTC)は「広告における推薦及び証言の使用に関するガイドライン」を公表。

この中では、事業者から推奨者(著名人やブロガー)に対して無償で商品やサービスを提供したり、記事を掲載する際に対価の支払いがあった場合について示されました。

ガイドラインではこのような事業者と推奨者とのつながりを、重大な繋がり(material connection)としています。

この重大な繋がりがある中で、推奨者が虚偽や裏付けのない表現をしたり、事業者と推奨者との関係を開示しなかった場合、FTC法第5条で違法となる「欺瞞的な行為又は慣行」に当たるとされます。

イギリスの事例

2008年5月、イギリスでは「不公正取引から消費者を保護するための法律」が施行。

この中ではアメリカと同様の内容が示され、さらに事業者のなりすましによる口コミ投稿も禁止とされています。

ステマと混同されやすいマーケティング手法の例

マーケティング手法の中には、一部ステマと混同されやすい手法があります。ここから3つ紹介し、ステマとの違いを解説します。

バズマーケティング

バズとはマーケティング用語で口コミのことを指します。バズマーケティングとは、口コミを人為的に発生させて商品やサービスを売り込む手法です。

ステマとの違いは、バズの発端は人為的なものですが、それが拡散されるかどうかは操作できない点です。発信に共感した個人によってバズが広まっていくのがバズマーケティングの特徴です。
例えば、企業のエイプリルフールネタもバズマーケティングと言えます。思わずSNSでリツイートしたくなる発信をし、認知度を上げる手法でしょう。

インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングとは、企業が口コミの影響力が高い人物(インフルエンサー)を見つけ、商品やサービスの宣伝に活用する手法です。

インフルエンサーは特定のコミュニティで大きな影響力のある人物なので、企業はそのコミュニティに合った商品やサービスを宣伝できます。上手くマッチングすれば質の高い口コミを拡散できます。
ステマとの違いを出す上でポイントとなるのは、インフルエンサーが本当にいいと思って商品を紹介しているか、宣伝行為となる場合はその旨を投稿に明記しているか、という点です。

バイラルマーケティング

バイラルマーケティングとは、商品やサービスを利用した消費者が、口コミなどによってその商品やサービスを紹介するように仕向ける手法です。

例えばAmazonなどのECサイトでは「この商品をシェアする」機能があるでしょう。これもバイラルマーケティングの一種です。

バズマーケティングとの違いが難しいですが、バズマーケティングは話題を拡散させること、バイラルマーケティングは商品やサービスの販売を促進させることが目的とされています。
またステマとの違いは、拡散する人の発信を企業がコントロールできない点です。

以下の記事では、現在活躍されているインフルエンサーを紹介しています。

参照:日本のインフルエンサー100人発表!渡辺直美さん、山田孝之さん、ARuFaさんなど

さいごに

本当に感じた感想などを紹介しているのであれば、口コミは消費者にとって非常に役立つ情報でしょう。

しかしその口コミがステマだった場合、購入して使っても口コミのような効果は得られなかったり、場合によっては不当にお金を請求されてしまったりします。

あまりにも偏った意見しかなかったり、不自然にお得な情報を提示してきたりしている場合は注意しましょう。

ステマかどうかを見極めるためには、その商品の情報をさまざまな角度から収集することが大切です。

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