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ジュニア・プログラミング検定とは。Scratchのスキルを証明しよう

更新: 2019.04.08

2020年に小学校で始まるプログラミング教育に向けて、小学校や塾などでプログラミングを教える取り組みが進んでいます。習い事の1つとして子どもをプログラミング教室などに通わせている保護者の方もいらっしゃるでしょう。

しかし、子どもにプログラミングのスキルや考え方がしっかり身についているのか不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、小学生を対象にしたスキル認定資格である「ジュニア・プログラミング検定」と、そこで使用されるビジュアルプログラミング言語である「Scratch」について紹介します。

ジュニア・プログラミング検定について

ジュニア・プログラミング検定は2016年12月に始まった子ども向けのプログラミング検定試験です。株式会社サーティファイが中心になって組織しているサーティファイ情報処理能力認定委員会が主催・認定しています。

Scratchのプログラミングスキルを証明する資格

このジュニア・プログラミング検定は「Scratch部門」とあるように、ビジュアルプログラミング言語の一つである「Scratch(スクラッチ)」に対するスキルを証明するものです。

受験資格に制限はありませんが、あくまでも受験対象は小学生を想定した資格ですので、社会人向けのものではないということを念頭に入れておきましょう。

 

ブロックへの理解やアイデアを形にできるか問われる

このジュニア・プログラミング検定では、どのレベルの論理的思考ができるかを測定しています。そのために「ブロック」と呼ばれるプログラミングパーツをどういう順番で並べるのか、どういう風に使うのかをチェックされます。

出題される内容に対して、どういうアイデアを出し、そのアイデアを形にするためにブロックをどの様に組み合わせるのか、が試験のキモ。問題を理解して、答えを形にするという論理的思考と実践力が身についているかが試されます。

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プログラミング言語「Scratch」とは

では、そもそも「Scratch」というのはどのようなプログラミング言語なのでしょうか。

実は日本発ではなく、2006年にアメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボ・ライフロングキンダーガーテングループが開発したプログラミング言語。プログラミングの初心者を対象に、正しい構文を覚えなくてもビジュアル重視でプログラミングを体験できるように開発されています。

子ども向けのビジュアルプログラミング言語

Scratchは、8歳(小学校3年生程度)以上を対象に、プログラミングを楽しみながら覚えるという目的で開発された言語。

それまでも1967年に開発されたLOGOや、それをベースに日本で開発されたドリトル(兼宗進 大阪電気通信大学教授が開発、ただし開発時は一橋大学准教授)なども教育向けのプログラミング言語として存在しましたが、テキストベースで書く必要がありました。

しかし、Scratchは命令を「ブロック」と呼ばれるグラフィックパーツにしていますので、ブロックをマウスを使って順番に並べることでプログラミングができるようになっています。そのため、より初心者や子どもでも扱いやすいプログラミング言語となっています。

この手軽さから、子どものみならず、これからプログラミングを始めたい、学びたいという幅広い年代の人が利用しています。

日本語にも対応

アメリカで開発されたため、最初は英語からスタートしましたが、現在は40以上の言語に対応していて、150カ国以上の国や地域で利用されています。もちろん日本語にも完全対応していますので、使うときに「英語が分からないから使いにくい」ということもありません。

また言語を選ぶ際に「日本語」以外に「にほんご」というひらがなとカタカナのみのメニューも選べるようになっています。

オンラインとオフラインどちらでも無料で使える

Scratchは基本的にブラウザ上で動作します。つまり基本的にはオンラインで利用するのです。そのため、世界中どこからでも、ブラウザさえあれば(Flashプラグインをオンにする必要がありますが)利用することができます。

とはいえ、ネットワークに繋がっていない場合や、速度が出ない場合を考え、オフラインエディターが用意されています。Windows,Mac,Linuxに対応していますので、これをインストールすればオフラインでも利用可能です。ただし、オフラインの場合はAdobe AIRのインストールが必要です。

オンライン・オフラインのどちらも無料で使うことができます。

教育機関からも支持されている

子ども向けのプログラミング言語ですので、海外、特にアメリカの学校ではかなり導入されています。特にアメリカはSTEM(Science, Technology, Engineering, Mathematicsの頭文字)教育の一環としてプログラミングを取り入れていますので、そこでScratchは幅広く利用されています。

日本には文部科学省の提供している「プログラミン」というビジュアルプログラミングツールもあります。

しかし、全世界に2800万人以上(2018年5月時点)のユーザーがいて、約3200万ものプロジェクトが共有されて自由に使えるScratchの方が日本の教育機関でも人気があります。

大学の教育学部でも、授業で教員を目指している学生にScratchを教えているところがあります。

コミュニティやドキュメントが充実していて学びやすい

さらに、ユーザー登録をすることで、自分の作ったプロジェクトをScratchのオンラインコミュニティ上で「作品」として簡単に共有できるようになっています。もちろん逆に他の人が作った作品も見ることができますので、自分にないアイデアを、他の人の作品を通して学ぶこともできます。

また、学習方法についてもオンライン上に数多くのドキュメントが公開されていますので、それを参照して自分に合った学習を行うことができます。日本語で執筆された参考書も数多く出版されています。

コミュニティやドキュメントが充実いるので、わからないことが解決しやすく、楽しみながら学べることもScratchの魅力です。

ジュニア・プログラミング検定は何に役立つのか

このジュニア・プログラミング検定、エンジニアとして就職や転職を目指しているエンジニアには、残念ながらあまりアピールするポイントにはならないでしょう。

しかし、検定として存在していることには、しっかりとした役割があります。

プログラミング学習に対するモチベーションになる

子どもが学んでいく上で、何らかのマイルストーンを設けることは、その子が学習を長期にわたって継続していく上でモチベーションを維持するための道具になります。例えばピアノやエレクトーンには「級」があります。他にも英会話や、昔であれば「そろばん」にも級が設けられていました。

学習をがんばったことが証明されれば、大きな励みになるでしょう。ジュニア・プログラミング検定はプログラミング学習のマイルストーンとなりますし、習熟度を客観的に把握するための指標になります。

親が子どものプログラミングのスキルを把握できる

子どもに対してはモチベーションという話でしたが、親にとってもメリットがあります。それは子どものプログラミングスキルがどの程度であるかを客観的に判断できるようになることです。親がエンジニアであればある程度はスキルレベルの判断は可能でしょう。しかし、自身がまったくプログラミングについての造詣が深くない場合ですと、判断ができません。

また、例え親がエンジニアであっても、自分の子どもが他の子どもと比較してスキルが高いのか低いのかを客観的なデータで把握できなくては、子どもの将来に対する不安を解消するという上ではあまり意味がありません。

特に「プログラミング的思考の習得」は小学校での2020年から導入されることになっていますから、プログラミングに関する保護者の関心は高まっています。プログラミング教室も習い事として人気ですが、統一的なスキル判定というニーズをジュニア・プログラミング検定は提供しているのです。

ジュニア・プログラミング検定の試験概要をチェック

それではジュニア・プログラミング検定のページをベースに、試験概要をチェックしてみましょう。

受験資格はなし

先にも書きましたが、Scratch 2.0を使えるだけのスキルがあれば、年齢に関わらず誰でも受験できます。

とはいえ、想定されている受験対象は小学生ですので、小学校の教員を目指しているなどの目的がなければ、特にエンジニアを目指す社会人が受けてもあまりメリットはないかも知れません。それとScratchのバーションは2.0が必須で、1.4は非対応ですので注意しましょう。

試験は4級に分かれている

ジュニア・プログラミング検定の認定基準は4つの級に分かれています。簡単な方からEntry(4級)・Bronze(3級)・Silver(2級)・Gold(1級)の順です。

Entry(4級)は合否認定がありませんので「まずはやってみた」というレベルだと考えましょう。

Bronze(3級)では、条件分岐や繰り返しを使って、単純な条件や道筋を用いた論理的思考ができるかどうかを判定します。

これがSilver(2級)になると複数の条件分岐や入れ子構造が使えるかとなり、Gold(1級)では演算が使えるかまで問われます。

サーティファイの情報処理能力認定委員会が主催

主催はサーティファイの情報処理能力認定委員会が行っています。300を超える全国の認定試験会場で受験ができます。そのため、受験を考えた際にすぐに試験を受けることが可能です。

認定試験会場は、プログラミングスクールや学習塾、小学校などが申請して、会場認定を受けています。ですので、もしこれから自分たちの組織で検定を実施したい場合は申請し、試験会場として認定してもらいましょう。

試験の内容について

試験はScratchを用いて、問題文であたえられた条件を満たしたプログラミングを行うという実技試験です。もちろん制限時間があり、Entryで30分、Bronze・Silverで40分、Goldで50分です。事前に勉強したい場合はサンプル問題も提供されていますが、これには申し込みが必要です。

試験要項につきましては、下記の公式サイトで確認できます。出題範囲も掲載されていますので、受験の際の参考にすると良いでしょう。

試験要項|ジュニア・プログラミング検定 | 資格検定のサーティファイ│あなたのスキルアップを応援します| 

学習に役立つ本・Webサイトを紹介

では、この資格の取得を目指すとして、プログラミングスクールに通う以外で学習を行う上で参考となる書籍やサイトを紹介します。

Scratchで楽しむ レッツ!プログラミング

まずはジュニア・プログラミング検定の公式テキストである「Scratchで楽しむ レッツ!プログラミング」があります。富士通エフ・オー・エム株式会社が出版しているテキストで、Scratchを基本から学ぶことができます。検定にも対応しています。

いちばんはじめのプログラミング

マイナビ出版が出していて、ルビもしっかりと振られている書籍です。小学校3年生以上であれば読めるようになっています。

Scratchではじめよう!プログラミング入門

中学生以上を対象とした書籍で、日経BP社から出版されています。簡単ではありますが指導者向けガイドも用意されていますので、学校の先生が授業での利用も可能です。

プログラミングを学習する意義、Scratchの基本的な使い方超入門

最後は参考サイトです。@ITに掲載されているScratchの入門記事で、「なぜプログラミングが必要なのか」というところから、Scratchの簡単な使い方までを紹介しています。

プログラミングを学習する意義、Scratchの基本的な使い方超入門 (1/3):Scratchで始めるプログラミング教育(1) – @IT

子どもでも取得できるその他の資格は?

ジュニア・プログラミング検定の他に子どもが受けることのできるプログラミング関係の資格は他にはないのでしょうか。以下で、子どもができるその他のおすすめの資格について紹介します。

ロボットプログラミング検定

一つはロボットプログラミング検定です。一般財団法人全日本情報学習振興協会が実施していて、Scratchを用いてロボットの動作に関係するプログラミングを行います。

こちらもジュニア・プログラミング検定と同じく年齢制限はありませんが、一応対象は子どもと考えて良いでしょう。級は6級から1級まで用意されています。

検定内容-ロボットプログラミング検定[財団法人 全日本情報学習振興協会]

基本情報技術者試験(FE)

もう一つは経済産業省が主催する「情報処理技術者試験」の中の「基本情報技術者」です。国家試験として長い歴史がありますし、IT知識の基本として、エンジニアを目指す社会人も基礎的な資格として受験しています。

上に挙げた2つの資格よりもややとっつきにくい印象があります。「本格的にプログラミングを学びたい」という意欲がある場合に、取得を検討してみてはいかがでしょうか。

IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:基本情報技術者試験

子どもが楽しみながら学べることが大切

ジュニア・プログラミング検定は、子どもがプログラミングの能力を身につけてさらに向上させていく上で、Scratchのスキルを測定でき、モチベーションを保つための役に立ちます。しっかりと目標を持つことは、長期間取り組みを行う上でとても重要です。

しかし、資格を取得することが目的ではありません。子どもは資格取得が目的になってしまうかも知れませんが、親が考えるべきは、子どもの将来のために何が必要なのかです。

小学生などの幼い時には、苦手意識を持たずにプログラミングに興味を持つことが大切です。子どもの将来のために、ジュニア・プログラミング検定をプログラミングのスキルを育む1つの手段として上手く活用しましょう。

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この記事を書いた人

Tatsuya T. Yamada
天文学・宇宙物理学の研究を行い、一般向けの講演会や解説書も書いていた。現在は、1991年から行っている「パソコンを使った教育」を本業とし、eラーニングソフト・コンテンツを開発している。教育ビッグデータ、教育へのAI活用の専門家。日本天文学会、教育システム情報学会、宇宙作家クラブ会員。

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