最近、耳にするARアプリ「Blippar」について詳しく知りたいと思っていませんか? もしくは、最新のARアプリはどんなことができるのか興味はありませんか?この記事を読むことで「Blippar」やARアプリについて詳しく理解することができます。また、Blipparのビジネスや教育、広告などへの応用や、開発ツールについても紹介していきます。
この記事の目次
M:I(ミッション・インポッシブル)のイベントでARが話題に
M:I(ミッション・インポッシブル)のARを活用したイベントが話題を集めています。まずは、そのイベントの詳細についてご説明します。
BlipparでARミッションに挑戦
トム・クルーズ主演の映画「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」が2018年8月3日より公開されます。
映画の公開に先立ち、いくつかのプロモーションイベントが用意されています。その一つが最先端技術であるAR(拡張現実)を使用したものです。
このイベントは「ミッション・アプリ」と呼ばれるもので、「Blippar」というスマホのアプリを利用します。
「Blippar」にはARの機能がついており、千円札をスキャンするとミッション(指令)が現れます。ミッションをクリアすると、試写会やレッドカーペットの招待券が当たるキャンペーンに応募が可能です。
8月3日公開の映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』公開記念AR企画【ARミッション:アプリ】が完成!野口英世氏がIMFからのミッションを言い渡す…?今すぐ千円札をスキャン!https://t.co/VAjsuBCAzd#ミッションアプリ #ミッションインポッシブル #フォールアウト #AR #Blippar pic.twitter.com/fGWefmIsOw
— BLT Inc (@BLTinc_official) June 24, 2018
世界初の音声ARスパイゲーム「渋谷フォールアウト」も開催
『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』公開記念特別企画として、7月13日(イーサン・ハントの日)に「渋谷フォールアウト」が開催されます。「渋谷フォールアウト」は渋谷の街を舞台にした世界初の音声ARスパイゲームイベントです。
参加者はトム・クルーズが演じるイーサン・ハントが所属する米国諜報機関の一員となって、音声AR技術の搭載された専用端末の指示に従ってゲームを進めます。
渋谷の街には200個もの時限装置が設置され、敵に見つからないようにして時限装置を解除していきます。
音声ARとは、現実世界に新たな聴覚情報を加えるものです。GPSなどで位置情報を取得し、条件を満たしているユーザーに対してリアルタイムに音声情報を付加します。
これまでARは現実世界に新たな視覚情報を加えるものが主でした。こちらは音声を活用したARでユーザーに新しい体験をもたらします。
Blippar(ブリッパー)について
このミッション・インポッシブルのイベントで利用されている「Blippar」はイギリスの会社が開発したiOS・Androidに対応したARアプリです。手軽にAR体験ができることから、世界中で7,000万人もの人が利用しています。
Blipparの搭載されたスマートフォンでモノを「blipping(ブリッピング)」することで、モノの情報が表示されたり、モノに関連する音楽や動画、ゲームが起動します。
参考:Blippar
イノベーティブなAR広告プラットフォーム
Planning a trip to @MadameTussauds in London? You can scan the guidebooks with the Blippar app to bring the pages to life in #AugmentedReality! Download it here https://t.co/AdFdvS883V pic.twitter.com/mQVHvxURwp
— Blippar (@blippar) June 22, 2018
ARはモノに情報を付与することができるため、広告媒体としても注目されています。例えば、商品にスマートフォンをかざすと、商品の詳細情報が表示されたり、他の商品をおすすめしたりといったことが可能になります。
これまでにないプロモーション活動を行うことができるため、様々な企業が積極的にAR広告に取り組んでいます。
BlipparはAR広告のプラットフォームとして浸透しつつあります。
拡張現実とは
拡張現実はオーグメンティッド・リアリティとも呼ばれるもので、コンピューターによって現実世界に情報を付加する技術です。
バーチャル・リアリティは人工的に構築された世界のことを指しますが、拡張現実は現実の一部を改変したものです。
現実を拡張する手段として視覚情報、聴覚情報などが利用されます。現在、スマートフォンやAR専用のグラスなどが装置として使用されていますが、将来的にはARのコンタクトレンズを装着することによって、あらゆる場所でARを利用できるようになると考えられています。
画像認識でモノのデータベースとして利用できる
「Blippar」は業界をリードする画像認識エンジンを搭載しています。この画像認識エンジンにより、スマートフォンのカメラは車、建物、人の顔、花、動物など何でも目の前にあるものを認識できるようになります。
あらゆるモノを認識できるようになるため、モノのデータベースとして利用することもできます。
日本でも人気が高まる可能性
ARアプリはターゲットが幅広く、体験の提供は設備投資や保管コストがかかりません。Eコマースとの相性も良く、コンテンツ次第では日本でも普及していくことが予想されます。
また、ポップアップストアなどのイベントにおいて効果的にユーザーにアプローチすることができます。
Blipparが可能にすることとは
Blipparを利用することで、どのようなアプローチを可能にするのでしょうか?ビジネス・ライフスタイル・教育など、様々な側面から解説していきます。
広告には見えないモノを広告に
ARアプリを活用することで、ブランドのストーリーやプロダクトの詳細な情報など、ユーザーが気になった情報を直感的に伝えることが可能になります。
そこから商品の購入などのアクションにつなげるといった小売業への活用が可能です。スマホをかざしてその商品のサプライチェーンを明確にするなど、安心・安全な消費活動も促進できるでしょう。
コンテンツへのリンク
昨日娘に頂戴してきてもらったチェンベクシのフライヤー"MAGIC TIMES" #探しも面白かったし(透かす)Blippar ってアプリ入れてかざしたら #Horololo の動画や公式サイトやツイにリンクしてAR技術に今更ビックリさ…てか探偵ってていだったんですかこのシチュエーション🕵️♂️ #EXO_CBX #EXOCBXNO ★ pic.twitter.com/y9uOWz1Chm
— minawo (@minawoexo) May 9, 2018
Blipparはプロダクトや商品の情報を伝えることはもちろん、そこからWebページ・アプリ・動画といった幅広いコンテンツへのリンクが可能です。
リンクはこれまでインターネット上でしか行えませんでしたが、モノにリンクを貼ることによって、モノ自体が広告媒体となります。
生活をサポートする
例えば、自動車のトラブルが発生した場合にもBlipparの活用が可能です。自動車のデータを読み込み、ARの情報を確認しながらユーザー自身が対応するといった使い方もできるでしょう。
また、ドラッグストアで薬を購入する際、テキストではなく視覚的に効果を理解するといった使い方はとても便利ではないでしょうか。人々の生活のサポートという観点からも、Blipparは大きな可能性を秘めています。
ビジネスへの活用
大手女性ファッション誌の「Elle(エル)」は、雑誌のコンテンツを拡張するためにARを導入しました。専用のアプリをダウンロードし、モバイル端末を雑誌の表紙にかざすと、モデルのインタビューが再生されます。
また、姉妹紙の「エル・ガール(2016年5月号)」は一冊まるごとAR対応になっていて、気になった服をBlipparでチェックすると、モデルが360度回転して着こなした様子を見たりすることができます。
教育の理解度を高める
Blipparは教育においても活用されています。例えば、地理の授業では火山活動をARによって立体的に表示することで、噴火してから溶岩が流れ出すまでの活動を見ることができます。
また、物理の授業では地球を取り巻く太陽系を立体的に見ることで、太陽と地球との位置関係などを直感的に理解することに役立ちます。
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Blipparの活用事例や新たなアプローチ
Blipparの活用事例や、ARを利用した新たなアプローチについて以下で紹介します。
愛車がオリジナル・トランスフォーマーに
2017年に公開された映画「トランスフォーマー/最後の騎士王」では、Blipparを愛車にかざすことでオリジナルのトランスフォーマーに変身するというキャンペーンが行われていました。
兵士の記憶をARで体験する
イギリスの軍人や退役軍人をサポートする英国在郷軍人会は、Blipparを利用して第一次世界大戦で戦った兵士たちの体験を共有するという募金キャンペーンを行いました。
記念ボックスに入ったピンをBlipparでスキャンすると、戦った兵士たちの姿が映し出されます。100年前の勇敢な人々の体験を、より深く理解することが目的でした。
世界中の建築物2000件の情報を網羅
Blipparはインドのタージマハールやサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジなど、世界の有名な建築物2,000件に対応しています。
建築物の写真や雑誌などにも対応し、誤って認識する確率は0.01%以下と言われています。
「ARCity」が都市をナビゲート
・ARを利用した「未来の地図アプリ」が、都市のナヴィゲーション体験を一新する
AR対応で、映画トランスフォーマーとのコラボなど興味深い試みをしているBlippar社の新アプリ「AR city」(ベータ版)。実風景に道路やランドマークなどのヴァーチャル情報を重ねて表示。https://t.co/zqtgu7HeJ2
— 39Geopla (@39Geopla) November 27, 2017
BlipparはARとコンピュータビジョンを利用した「ARCity」をリリースしました。ARCityはスマートフォンのカメラを通して映し出された現実の風景に、バーチャルな道を重ねて表示することで道案内をしてくれます。
また、レストランや人気スポットなどの情報も画面上に表示。北米・ヨーロッパ・アジアの主要都市など、アップルの地図アプリが動作する場所でARCityは使用できます。
ARCity – AR Navigation on the App Store
ARや画像認識を利用したコンテンツづくりにもおすすめ
BlipparはARアプリだけでなく、ARを取り入れたコンテンツ制作に役立つツールも提供しています。
ARコンテンツを構築するツールを提供
BlipparはARコンテンツを開発するツール「Blippbuilder」と「Blippbuilder Script」を提供しています。一般のユーザーは無料で利用できますが、商用利用は無料ではありません。
BlippbuilderとBlippbuider Scriptの詳細については、Blipparの下記のWebページからご確認いただけます。
Create & Make Augmented Reality Using Blippbuilder Tools – Blippar
Blippbuilder
「Blippbuilder」を使用すれば、プログラミングのスキルがなくてもARコンテンツの制作ができます。ドラッグ&ドロップの操作で誰でも簡単に開発を行うことができます。
ポスターや広告、書籍などにアニメーション、ゲーム、3Dコンテンツなどを加えることができます。
また、商品の使い方を表示したり、商品を購入するリンクを貼ったりすることもできます。
Blippbuilder Script
「Blippbuilder Script」はJavaScriptを使ってARを開発することができます。
例えば、商品を様々な色で表示するARであったり、時計を腕にはめた時の外見がわかるようなARを開発するといったことができます。
コンピュータビジョンAPI
BlipparのコンピュータビジョンAPIは、ディープラーニングのアルゴリズムを使用することで、車、人の顔、ロゴ、建築物、動物など様々な物体を認識することができます。
コンピュータビジョンAPIをアプリ、ウェブサイト、商品などに組み込むことで、画像検索、自動画像処理などが可能になります。
Computer Vision API | Augmented Reality Image Processing – Blippar
Car Recognition API
「Car Recognition API」はコンピュータビジョンとディープラーニングを利用して、2000年以降に作られたアメリカ製の車を97.7%の正確性で認識することができます。
Car Recognition APIが組み込まれたアプリを使用すると、車をスキャンするだけでメーカー、モデル、スペック、取り扱っているディーラー、価格といった情報を得ることができます。
Face Recognition API
「Face Recognition API」を使えば、テレビや雑誌に出ている著名人を認識し、その人が誰であり何をする人なのかといった情報を得ることができます。
また、顔認証を利用して許可された人のみが入れるようにしたり、オンラインバンキングを顔認証で行うといった活用法もあります。
Object Recognition & logo API
「Object Recognition & logo API」は、食料、植物、動物、生活用品など4~5百万のモノを認識します。例えば、朝食をスキャンして栄養素などの情報を取得するなどといったことが可能です。
さいごに
以上、ARアプリ「Blippar」について紹介してきました。Blipparは生活、仕事、教育などあらゆるシーンで活用され始めています。
ARはVRやMRと共に、今後、普及していくことが期待されています。技術や精度が向上していけば、世界を一変させるだけの可能性を秘めています。
そんな可能性を持ったAR技術を簡単に使うことができる「Blippar」。一度、試してみてはいかがでしょうか?
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