「やることがたくさんありすぎて、何から手をつければいいのかわからない…」と頭がパンクしそうになることはありませんか。忙しいと気持ちに余裕がなくなって、ちょっとしたことでもイライラしたりと、自分の感情に振り回されることもあると思います。なんとなく心がざわざわとして落ち着かない状態が続いているなら、心を落ち着けて集中力を高める効果があるとされている「マインドフルネス」を取り入れてみてください。1日のうちの数分を「マインドフルネス」に費やすだけで、心が落ち着きを取り戻し、目の前のすべきことに集中できるようになります。
この記事の目次
この記事のまとめ
マインドフルネスとは?
マインドフルネスとは、「今ここにいる」ことに意識を向けること。マインドフルネスな状態になる訓練をすると、気持ちを落ちつけたり自身の感情がコントロールできるようになるとされています。
スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツなどの有名経営者や、一流スポーツ選手などがマインドフルネスに取り組んでいることで、注目を集めるようになりました。
瞑想をしている人はしていない人に比べて、集中力や自己コントロール能力が高いことが科学的に実証されており、ビジネスやスポーツ、教育の現場などでも取り入れらています。
マインドフルネス瞑想の効果
マインドフルネス瞑想を継続的に行うと、以下のような効果が期待できます。
・集中力が高まる
・判断力が高まる
・自己コントロール力が高まる
・論理的な思考ができるようになる
マインドフルネス瞑想の効果には、個人差があります。数週間から数ヶ月で効果を実感する人が多いようなので、継続して行ってみましょう。
マインドフルネス瞑想のやり方
時間はとくに決まっていませんが、10〜15分くらいを目安に行ってみてください。
まずは、背筋を伸ばしてイスなどに座り、肩の力を抜いてリラックスしましょう。そして、自分の呼吸に意識を集中します。
はじめのうちは途中で雑念が浮かんできますが、すぐに呼吸に意識を戻します。慣れないうちは1〜2分からはじめるなどして、無理のない範囲で行います。慣れてきたら、徐々に時間をのばしてみましょう。
マインドフルネスとは?
クールな頭と心をとりもどすプロセス
マインドフルネスとは、「自分が今ここにいる」ことに集中している心の状態。心がその状態に至るプロセスを指すこともあります。
仕事のことや家の用事など、いつもなら無意識のうちにさまざまなことが頭に浮かんできますよね。次から次へと頭に浮かぶことや感情をそのままにしていると、頭や心はパンク状態になり、ストレスがかかります。
ほかのことを考えずに「自分が今ここにいる」ことに集中することで、頭や心を休める時間をつくるのが、マインドフルネスの目的です。
マインドフルネス瞑想
マインドフルネスな状態をつくるには瞑想が有効で、マインドフルネスな状態をつくるための瞑想は、マインドフルネス瞑想と呼ばれています。
呼吸法と合わせた瞑想は雑念を払って意識を集中するのに適しており、慣れない人でもマインドフルネスな状態がつくりやすいとされています。
マインドフルネス瞑想の効果
マインドフルネス瞑想には、どんな効果があるのでしょうか。
集中力を高める
マインドフルネス瞑想で意識を集中するトレーニングをすると、仕事中など日常でも集中力が高まります。
集中力は心の筋肉のようなもので、適切な訓練によって強化できる。心の中のトレーニングジムで集中力を高める基本的な訓練法は、たとえば自分の呼吸など、何かに的を絞り意識を集中することだ。
判断力・自己統制力を高める
ある実験では、マインドフルネス瞑想を続けた被験者の脳を観察したところ、脳内で学習や記憶に関する働きを担っている海馬のたんぱく質量が増加したという結果が出ています。海馬が活性化されると情報処理能力が高まるため、判断力が向上します。
同実験では、瞑想をしている人はしていない人に比べて自己コントロール能力が高く、高い集中力を発揮したという結果も出ています。
論理的な思考を促す
マインドフルネスにより、人はより論理的な思考ができるようになります。瞑想を実践している人の脳を観察したところ、合理的な意思決定に関わる部位が活性化されていることが確認されたのだそう。
この部分が活性化されると、感情よりも事実に基づく意思決定を可能にするのだそうです。
睡眠の質を高める
アメリカ睡眠医学会は、「瞑想には不眠症を改善する効果がある」という研究結果を公表しています。
実験では、瞑想を2ヶ月続けたところ、「寝つきがよくなった」「夜中に起きる回数が減った」「睡眠の質が向上した」などの効果が見られたそう。
睡眠の質を高めるには、午前中に瞑想を実践するのがいいとされていますが、リラックスして眠りにつきたい場合は、眠る直前に瞑想をするのもいいでしょう。
出典:『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』 ショーン・スティーブスティーブンソン著
ビジネスの世界で定着しつつある「マインドフルネス」
TIME誌で特集が組まれたり、有名企業が社内研修に導入するなど、「マインドフルネス」に注目が集まりはじめたのが数年前。近年は「マインドフルネス」という言葉の認知度もかなり高まってきました。
一時期のブームではなく長い間注目され、導入する企業や実践する人が増えているのは、その効果を実感している人が多いからでしょう。
世界中の企業がマインドフルネスに注目する理由
「社員の集中力を高め生産性を向上させることができる」というのが、企業がマインドフルネスを導入している理由のひとつです。
マインドフルネスにより自分の感情に目を向ける訓練をすると、他人の感情や状況にも自然と目が向くようになっていきます。個人のパフォーマンスを高めるだけでなく、共感力を高めてチームワークを向上させる効果も期待できることからビジネスのシーンで注目を集めているようです。
瞑想は、ほとんど費用がかかりません。従業員の健康と生産性向上に効果のあるマインドフルネスは、費用対効果の高い施策といえるでしょう。
グーグルやアップルの社員もマインドフルネスを実践
グーグル、インテル、アップル、フェイスブック、ナイキ、ゴールドマンサックスなど、多くの有名企業がマインドフルネスを導入しています。
マインドフルネスに力を入れているグーグルのオフィスには、マインドフルネス瞑想専用の部屋がいくつもあるそうです。社員は瞑想専用の部屋で、20〜30分間の瞑想をすることが推奨されています。
グーグルが独自に開発したマインドフルネスプログラム
いち早く社内の研修に瞑想を取り入れるなど、マインドフルネスの効果に注目していたグーグル。マインドフルネスの効果を利用してリーダーシップや集中力を高める「Search Inside Yourself(SIY)」というプログラムを、独自に開発しています。
このプログラムは、2日間のセミナーとその後28日間の実践サポートというかたちで構成されています。
日本でも受講できるので、本格的にマインドフルネスを取り入れたいなら、専門家の指導が受けられるプログラムを利用するのもいいでしょう。
ジョブズやビル・ゲイツも瞑想を実践
スティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグなど、瞑想をしていることを公言している有名経営者は多いです。
ジョブズが、瞑想を日課としていたことはよく知られています。ジョブズは生前に「瞑想をすると頭の中が整理され思考がクリアになる」と、瞑想の魅力について語っています。
京セラ創業者であり、日本航空を再建させた稲盛和夫名誉会長も、毎朝の瞑想を日課にしているそう。「瞑想により心の平安を得られるようになった」と語っています。
スポーツ界もマインドフルネスの効果に注目
ビジネス界だけでなく、スポーツの世界でもマインドフルネスは注目されているようです。
多くの一流スポーツ選手がマインドフルネス瞑想を実践
緊迫した場面でも冷静でいることや、高い集中力をキープすることが求められるスポーツ選手は、精神的なトレーニングも必要です。
イチローやノバク・ジョコビッチ、タイガー・ウッズなど、一流スポーツ選手の中にもマインドフルネス瞑想を実践している人は多いようです。
イチローは試合前に、ロッカールームで20分から30分間瞑想をしているそう。
ジョコビッチは瞑想により、自分の思考や感情をコントロールできるようになったといいます。「瞑想をはじめてからは、試合中に頭に浮かんでくるネガティブな感情に影響されることがなくなり、試合に集中することができるようになった」と語っています。
NBA界もマインドフルネスの効果に注目
NBAは、瞑想アプリ「Headspace(ヘッドスペース)」との提携を発表しました。提携により、選手やスタッフはアプリの有料のプランが利用できるようになるそう。
さらに、ヘッドスペースとNBAは、共同でアスリート向けのマインドフルネスのガイド付きトレーニングプログラムの開発もしています。
スポーツの世界ではメンタルトレーニングの重要性が認識されるようになっており、マインドフルネスに対する関心が高まっているようです。
マインドフルネス瞑想のやり方
マインドフルネス瞑想の手順を確認してみましょう。
マインドフルネス瞑想のやり方
時間はとくに決まっていませんが、10〜15分くらい行うと高い効果が期待できます。いきなり15分の瞑想を行うのは大変なので、はじめは1〜2分からはじめて、徐々に長くしていきましょう。
①背筋を伸ばしてイスなどに座り、肩の力を抜いてリラックスします。
②目は閉じても開けても、どちらでもかまいません。開けておく場合は、斜め下方あたりをぼんやりと見るようにしましょう。
③自分の呼吸に意識を集中します。
途中で考え事などが浮かんできたら、その度に呼吸に意識を戻します。これを数分続ければ終了です。
慣れるまではいろいろな雑念が浮かんでくるので、呼吸に意識を集中するのが難しく感じるかもしれません。「5秒で吸って、5秒で吐く」など自分に合った呼吸法を決めて、数を数えながら息を吸ったり吐いたりすると、呼吸に集中しやすくなります。
移動中やオフィスでもできるマインドフルネス瞑想のやり方
マインドフルネス瞑想は、午前中にやるのがいいとされていますが、「朝は忙しくて時間がない」「慌ただしい朝に15分も座っていられない」という方もいると思います。
そんな場合は、通勤中の電車やバスの中、休憩中のオフィスのデスクでもできる、マインドフルネス瞑想をためしてみてください。
電車の中で
瞑想は座禅を組んだり、座ってすることが多いですが、立ったままでも瞑想の効果は得られます。
①足を軽く開いて立ち、背筋を伸ばします。
②目は閉じてもいいですし、少し開けておいてもかまいません。
③自分の呼吸に意識を集中します。
オフィスのデスクでもできるショートバージョンのマインドフルネス瞑想
時間がない人は、オフィスのデスクで短時間でも瞑想をしてみてください。
忙しいときは、30秒でも1分でも大丈夫です。短い時間でも脳や心を休めると、瞑想の効果を実感できると思います。
①リラックスした状態でイスに座り、肩の力を抜きます。
②目は閉じてもいいですし、少し開けておいてもかまいません。
③自分の呼吸に意識を集中します。
短い瞑想は、仕事中に集中力が途切れたときにするのもおすすめです。頭がすっきりして、リフレッシュできますよ。
マインドフルネス瞑想についての疑問を解消
誰にでも効果があるの?
瞑想の効果には、個人差があります。効果が出るまでに数週間から数ヶ月かかることもあるので、効果にこだわりすぎないようにしましょう。
うまく瞑想ができないことや効果がでないことを気にしすぎると、それがストレスになることもあります。深刻になりすぎずに、気軽な気持ちではじめてみるのがいいでしょう。
宗教的な要素があるのでは?
瞑想と聞くと、仏教やヒンドゥー教の瞑想をイメージされるかもしれません。マインドフルネス瞑想は、宗教的な要素を取り除き、意識を集中するためのトレーニング方法のひとつとして扱われています。
マインドフルネスの瞑想はあくまで精神統一をするためのツールという位置付けであり、宗教的な要素は一切ありません。
よくわからないし、難しそう
「今ここにいること」「呼吸に意識を集中する」というプロセスは、普段あまり意識したことがない人にとっては難しく感じるかもしれませんが、慣れると徐々にできるようになってきます。
やり方についても、一般的に効果的だとされている手順や姿勢がありますが、あまり神経質にならずに自分の心地いい姿勢や呼吸などでも問題ありません。
マインドフルネス瞑想のためのおすすめアプリ
マインドフルネス瞑想の実践に使える、おすすめのアプリをご紹介します。
『Headspace(ヘッドスペース)』
画像出典:App Store
世界中で利用されている、人気の瞑想アプリです。グーグルやアップルと提携しており、社内の瞑想でも活用されているそう。音声ガイダンスにより初心者でもわかるように瞑想をサポートしてくれますが、アプリの表示や音声は英語のみです。
リマインダー機能があるので、瞑想の習慣化にも効果的。無料プランと有料プランがあり、無料版での利用は1日10分までとなります。
『MEISOON(メイスーン)』
画像出典:App Store
ヨガスタジオ「LAVA」がプロデュースした、瞑想アプリです。音声ガイドで瞑想をサポートしてくれます。
初心者向けのベーシックなプログラムから、「リラックスしたいとき」「自信をつけたいとき」などシチュエーション別に複数の瞑想プログラムがあります。
無料で利用できるのは1分から7分までの短い瞑想プログラムです。瞑想を行うと、自動的にカレンダーに記録が残るようになっています。
『Relax Melodies: 睡眠・瞑想・リラックス・不眠解消に最適』
画像出典:App Store
「水の音」や「風の音」などを再生するアプリです。自然の音以外にも、オルゴールや風鈴の音などもあります。気に入った音を組み合わせるることもできます。
リラックスした状態をつくりやすくなるので、瞑想の導入などに聞くのがおすすめです。
さいごに
マインドフルネスという言葉を聞きなれない人にとっては、わからないことや不安に感じることも多いかと思いますが、難しいことはありません。
「何となく心が落ち着かない」「仕事に集中できない」という状態が続くときは、マインドフルネス瞑想を試してみてください。
しばらく続ければ、心を落ち着けることや思考をクリアにすることの効果を、仕事や日常生活の中で実感できると思います。
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