スマートフォン向けのVRコンテンツに興味があるが、「スマホでVRを楽しむには、何が必要なのかが分からない」「スマホ向けのVRコンテンツには一体、どんなものがあるのかイメージできない」といった方も多いのではないでしょうか。
今回は、スマートフォンで楽しめるVRコンテンツにはどのようなものがあるのか、また、VRを楽しむために必要なゴーグルや、おすすめのVRゲーム・アプリもご紹介します。
この記事を読めば、スマホ向けのVRコンテンツと機器について理解が深まります。
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この記事の目次
スマホで楽しめるVRコンテンツ
スマートフォンで楽しめるVRコンテンツには、大きく分けて360度動画とVRゲーム・アプリの2つがあります。
360度動画
スマートフォン向けVRコンテンツの代表格の一つが、360度動画です。
360度動画は「全天球映像」「パノラマ動画」とも呼ばれます。
360度動画には人物や風景を撮影した実写映像に加え、3DCGを用いたものや、アニメーションに至るまで様々なラインナップがあります。
YouTubeは360度動画が視聴できるプラットフォームとして、もっとも一般的な存在で、VRゴーグルのほか、スマートフォン、ウェブブラウザでの視聴に対応しています。
YouTubeの公式バーチャルリアリティ(VR)チャンネルには国内外のミュージシャンの360度撮影によるMVや、海外の街並みを映した動画などが多数アップロードされています。
360度パノラマ動画の投稿・共有サービスであるハコスコストアにも、多くの360度動画が投稿されています。
出典:ハコスコストア
VRゲーム・アプリ
PlayStation VRやHTC ViveといったVRゲーム向けのハードが各メーカーから発売される中、iOS・Android向けアプリも徐々に出そろってきました。
男性向けの育成ゲームやシューティング、Oculus Riftをはじめとするハイエンドデバイス向けに開発されたゲームを移植したものなど、様々なVRアプリがリリースされています。
スマホVRの特徴
快適なVR環境を実現するためには、Oculus Riftをはじめとするヘッドマウントディスプレイに加え、描画性能に優れた高いスペックのPCが必需であり、全てを一から揃える場合には数十万円単位の予算がかかりました。
しかし、スマートフォン向けのVRゴーグルやゲーム、アプリが充実してきたことにより、VRを体験することのハードルは低いものとなりました。
安価でお手軽
スマホVRの特徴は、安価かつ手軽にVR体験ができることです。
スマートフォン向けのVRゴーグルは数千円から一万円程度で購入できるほか、ダンボール製の安価なものであれば自作も可能です。
また、VRの魅力である没入感は下がるものの、スマートフォン単体で楽しむことができるコンテンツもあります。
例えば、YouTubeの公式アプリは360度動画の再生に対応しており、スマートフォンを上下左右に動かしたり、指先で操作すると、動画の視野も連動して切り替わります。
VRの質は低め
スマホVRは手軽にVRを楽しめる反面、Oculus Rift・PlayStation VR・HTC Viveといった機器に比べると、現時点ではまだスペックに難があることは否めません。
とりわけ、デバイスの発熱はスマホVRの最大のネックです。
VRコンテンツはファイルサイズが重いものが多く、多くのデータ処理を必要とするため、本体が発熱しやすい欠点があります。
機種によっては10分から20分程度の使用で強く発熱し、「VRコンテンツが正常に再生されない」「処理落ちする」といったエラーが発生する場合があります。
強い没入感を伴うVR体験の最中に動画再生やゲームプレイに異常が発生すると、「VR酔い」と呼ばれる吐き気や不快感を伴う体調不良を起こす可能性も高まります。
その他、専用のPCやゲーム機に比べるとスマートフォンはグラフィック性能が劣ることから、描画クオリティが下がる点にも注意が必要です。
スマホでVRを楽しむために必要なもの
出典:Google Play
スマホで快適に360度動画を再生したり、VRゲームをプレイするには、端末が一定の要件を満たしているかを事前に確認した上で必要な機器を準備することをおすすめします。
スマホ
スマホでVR体験をするためには、ジャイロセンサーを搭載したスマートフォンが必要です。
ジャイロセンサーは、スマホ用VRゴーグルを付けた状態でヘッドトラッキングを行い、頭の動きを検知することで視野と映像の向きを連動させるために必需の端末要件となります。
一部の安価なスマートフォンには、ジャイロセンサーが搭載されていないケースがあるため注意が必要です。
スマホ用VRゴーグル
スマホVRで没入感の高い体験をするためには、スマートフォンをセットし、頭に装着可能なVRゴーグルが必要です。
安価なダンボール製のものであれば自作も可能である他、各メーカーから数千円~一万円前後で市販されています。
VRゴーグルには大きく分けて、一眼モデルと二眼モデルの二種類が存在します。一眼モデルは一枚のレンズを使用し、二眼モデルは二枚のレンズを使っています。
一眼モデルは、映像の立体度は大きく失われるものの、VR酔いの影響が小さく、幼い子供の斜視リスクを避けることが可能です。
また、全年齢のユーザーが手軽にVRを楽しめる点がメリットです。
二眼モデルにはOculus Rift・PlayStation VR・Gear VRなど、多くの一般的なデバイスが挙げられます。
二眼モデルのメリットは立体的な映像を楽しめるため、没入感の高い体験ができることです。
しかし一方で、目の筋肉や視力が発達途中の幼い子供が二眼モデルのVR機器を使用すると、斜視になるリスクがあります。
斜視とは片方の目がある方向を見ていても、もう片方は別の方向を向いてしまう状態のことで、症状が重い場合には手術が必要とされます。
このことから、各社は二眼モデルのVRゴーグルに推奨年齢を設定しており、多くの場合、12~13歳以下の子どもの使用は非推奨とされます。
ハコスコの二眼モデルは7歳以上、PlayStation VRは12歳以上、Oculus Rift・Gear VR・HTC Viveは13歳以上が推奨年齢とされています。
スマホ用リモコン
スマホ向けのVRゴーグルにはコントローラーが付属しないことが多いのが現状です。従って、特に格安のVRゴーグルでは操作性に課題がある場合があります。
ただし、Bluetooth接続が可能なスマホ用リモコンを使い、ユーザーが独自に課題を解決しているケースもあります。
新モデルの発売が噂されるSAMSUNGの『Gear VR』には、ヘッドセット本体に内蔵されているトラックパッドの代わりに使用可能な片手用コントローラーが付属する可能性があります。
リモコンを使用することでデバイスの操作性を高めたり、VRゲームのインタラクティブ性を高めることは、スマホVRの分野で強く期待されていることの一つです。
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おすすめスマホ用VRゴーグル5選
スマホ用VRゴーグルには格安のものから、数千円~一万円程度の本格的なものまで様々な種類が存在します。
ここではおすすめのVRゴーグルを紹介します。
Google Cardboard
Googleが開発した、折りたたみボール紙製の本体にスマートフォンをセットすることで手軽にVR体験ができるビューアーです。
Google Cardboardの公式サイトで設計図が公開されています。
ダンボール、レンズ、マグネット、着脱テープ、輪ゴムがあれば独自のビューアーを自作できるほか、ハコスコ社をはじめとするメーカー製のCardboardも市販されています。
好きなデザインのダンボールをチョイスし、設計図に合わせてカットすることで組み立てられるため、自由度が高いことが特徴です。
一方で、Cardboardの要件を満たすレンズの入手に手間を要するケースがあります。
ハコスコ タタミ1眼
出典:Amazon
ダンボール製のVRゴーグルとして有名な、ハコスコの一眼モデルです。VR酔いのリスクが小さく、手軽にVR体験が可能です。
VOX+ BE
出典:Amazon
安価なヘッドマウントディスプレイとして人気があるのが、VOX+ BEです。
装着できるスマートフォンのサイズには制限があるものの、機種には制限が無いため幅広い機種でVR映像が楽しめます。
本体で焦点距離とレンズ距離が調整可能な他、イヤホンを接続できるため、高い没入感が得られます。
Virtoba X5
出典:tachitto
VOX+ BEと近い価格帯のヘッドマウントディスプレイとして人気があるのが、Virtoba X5です。
散熱ポートが多く搭載されていることから発熱に強いのが特徴です。
また、受話ボタンが搭載されていることから接続したスマートフォンに電話が掛かってきた場合には、通話も可能です。
Gear VR
出典:ASCII.jp
Oculus社とSAMSUNG社が共同開発したヘッドマウントディスプレイが、Gear VRです。
Galaxyのスマートフォンを装着することで、YouTube等に公開されている360度動画はもちろん、専用プラットフォームから多数のVRアプリをダウンロードし、楽しむことができます。
自作する
100円グッズを活用したダンボール製のVRゴーグルの100LUSや Ohashilusは制作方法が一般に公開されているため、自作が可能です。
Youtubeの360度動画を視聴する
YouTubeには多くの360度動画がアップロードされており、ヘッドマウントディスプレイにスマートフォンを装着したり、ブラウザ上で360度動画を回転させることで楽しむことができます。
ここではCardboardモードで、動画を楽しむ手順を紹介します。
1. YouTubeの360度動画にアクセスする。
2. 再生画面の右上の設定ボタン、もしくは右下のCardboardのアイコンを選択する。
3. 右下のアイコンを選択した場合は、Cardboardモードに表示が切り替わります。
4. 右上の設定ボタンを選択した場合は、画面に表示されたCardboardのアイコンを選択。Cardboardモードに画面が切り替わります。
5. Google Cardboardやハコスコ、自作したVRゴーグルにスマートフォンをセットすることで快適に360度動画が視聴できます。
おすすめVRゲーム・アプリ7選
Cardboard
出典:Google Play
気軽にVR体験を味わうことができるのが、Google Cardboardのアプリです。
ビューアーをセットアップすると、純正のVRのデモが体験できる他、その他のアプリを簡単に追加することができます。
AndroidやiPhoneでVRを体験する上での入口となるアプリケーションです。
Paul McCartney
出典:Cardboard
言わずと知れた元ビートルズのメンバーにして「サー」、ポール・マッカートニー。
ポール・マッカートニーは音楽会において、VRをいち早くパフォーマンス映像の収録に取り入れた一人です。
アプリ「Paul McCartney」では、彼の代表曲「Live and Let Die」を大迫力で視聴できます。
Proton Pulse
Oculus Rift用のブロック崩しゲームとして知られるのが、Proton Pulseです。
強力なエネルギーボールとされるProtonを、パドルを使うことでコントロールして「M.O.A.Iコア」を破壊するというゲーム内容です。
AndroidとiOS端末向けに提供されているため、スマホVRでも頭を動かすだけでエフェクトが作り込まれた美しいブロック崩しゲームを体験できます。
オルタナティブガールズ
美しい3Dグラフィックが特徴の、美少女RPGゲームです。
本作の一部シナリオにVRモードが搭載されているほか、VRモードのホーム画面に当たる「VRラウンジ」ではキャラクターたちのプライベートな姿をVRで楽しむことができます。
なごみの耳かきVR
出典:Google Play
VRで「なごみちゃん」に耳かきをしてもらうことができる、癒し系のVRアプリです。
バイノーラルマイクで収録された音声と360度の画角の相乗効果により、なごみちゃんに耳元でささやかれているような感覚を得られます。
Titans of Space
出典:Steam
太陽系を360度の視界で、プラネタリウムのように鑑賞できるアプリです。
太陽系だけでなく外宇宙まで空間が広がっており、VRアプリとしては屈指のコンテンツ量を誇ります。
Cardboard カメラ
出典:Google Play
360度カメラなしでも、360度写真を撮影できるのがCardboard カメラです。
Cardboard カメラを起動した状態で、スマートフォンを手に360度一回転し、写真撮影を行うと360度写真が撮影できます。
まとめ
Oculus RiftやHTC Viveといった専用の機器に比べると、スマホVRは安価に、かつ手軽にVR体験をすることができます。
ジャイロセンサーを搭載したスマートフォンがあれば、思い思いのVRゴーグルを手にすることで360度写真の撮影や、太陽系の鑑賞をすぐにスタートできます。
さらにVRゴーグルは自作できるため、カスタマイズ性の高さも魅力です。
一方で、発熱や描画性能には課題があることも事実です。
またVR全体が抱える課題である、VR酔いや幼い子供の斜視リスクは研究が進んではいますが解消されてはいないため、注意が必要です。
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