「エミュレータという言葉を聞くが、どのようなものかよく分かっていない」という方も多いのではないでしょうか。

エミュレータとは、ソフトウェア等を異なるハードウェア・OSで動作させるために、擬似的な環境を構築するツールのことを指します。

この記事では、エミュレータとは何かという概要や、似た言葉であるシミュレータとの違いなどを解説します。

エミュレータの概要をわかりやすく解説

「エミュレータ」とはどのようなものなのでしょうか。
言葉の意味から見ていきます。

エミュレータとは

エミュレータの語源は、英語で真似ることを意味する「emulate（エミュレート）」です。

ITの世界では、あるハードウェア・OS用に開発されたソフトウェアを異なる動作環境下で動作させるために擬似的に環境を構築するソフトウェア・ハードウェアのことを指します。

また、エミュレータを使ってソフトウェアを動作させることは、エミュレーションと呼ばれます。

シミュレータとの違い

エミュレータと似た言葉に、シミュレータがあります。

エミュレータは動作など中身まで含めたオブジェクトの再現であるのに対して、シミュレータはインターフェースなどの大枠の再現であることが特徴。

また、シミュレータはより大規模なシステムを指すことが多いです。例えば、飛行機・宇宙船の操縦訓練用に飛行条件等を再現するツールなどがあります。

エミュレータを利用するメリット

次に、エミュレータを活用するメリットを紹介します。

エミュレータで何ができるのか、順番に見ていきましょう。

他の端末用ソフトウェアなどを動作させられる

エミュレータを使えば、別のソフトウェア等の環境を擬似的に再現できます。

例えば、WindowsパソコンでMac用のソフトウェアを動作させたり、パソコン上でiPhoneやAndroid用のアプリを動かすことも可能。

スマートフォン用アプリをパソコンで扱うことで、より視認性や操作性を向上させることができるでしょう。

年月が経ち入手が難しくなったハードウェア用のソフトでも、対応するエミュレータがあれば動作させることができ便利です。

アプリやソフトウェア開発を効率化

出典：Android Studio

仮想環境でOSを構築して動作確認をするなど、エミュレータは開発視点から見ても便利なツールです。

iPhoneやAndroid用のアプリ、パソコン用ソフトウェアの開発においては、あらゆる条件下で正常に動作するか、特定のデバイスで不具合がないかといった確認を行います。

一方で、必ずしも実機や理想的なテスト環境が整わないことも。そうした際にエミュレータがあればより効率的にテスト・開発を行うことができます。

例えば、Androidアプリの開発環境であるAndroid Studioにはエミュレータ機能が搭載されています。画面サイズやSDカードの容量など様々な環境をテストすることが可能です。

1つの端末でできることが広がる

エミュレータを活用すれば、1つのコンピューターを使って複数のOSを動作させることが可能です。

機能を集約させることで、色々な端末を持ち歩く必要がなくなるでしょう。

開発元によるゲームエミュレータで別ハードのソフトを楽しめる

エミュレータには、家庭用ゲーム機の開発元が提供するゲームエミュレータがあります。

これは、最新機種で過去のハードや別会社のハードで提供されたソフトウェアを遊べるようにするツールです。

例えば、任天堂のバーチャルコンソールやPlayStationのゲームアーカイブス等があり、これらはオンラインでソフトを購入することが遊べるようになります。

エミュレータを活用する際の注意点

とても便利なエミュレータですが、使用する際の注意点があります。

こちらの内容を確認してから活用しましょう。

エミュレータにはある程度のパソコンのスペックが必要

エミュレータを導入する際には、ある程度以上のスペックのパソコンを使用しましょう。

スペック不足のパソコンでは動作が重くなったり不安定になったりするため、作業にならないことも。

導入するツールが決まったら、必要なスペックを確認するようにしましょう。

エミュレータ版は一部機能や性能が劣ることがある

エミュレータは、特定のOSやソフトウェアを擬似的に再現できますが、一部不具合が発生する可能性があります。

具体的には、本来の環境で動作させたものよりも性能が劣っていたり、使える機能に制約が生じたりといったことがあります。

エミュレータは、あくまで擬似的な環境構築ツールであることを認識しておきましょう。

まとめ

この記事では、エミュレータの概要を説明しました。

エミュレータは使用する際の制約や注意点はあるものの、うまく使えば開発やテストの作業を大幅に効率化してくれます。ぜひ取り入れてみましょう。

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