2020年9月17日、チームラボによる新技術「IR(Interconnected Reality・接続現実)」の提供がスタートしました。
IRとは、デジタルデバイスと現実空間の間で互いに変化を起こしたり影響を与えることができる技術です。
この記事では、この新技術であるIR技術の概要を解説します。
この記事の目次
デジタルデバイスと現実世界をつなぐ新テクノロジー・IR
出典:チームラボ
チームラボによって開発された新テクノロジー・IR。ここでは、その概要を紹介します。
IRとは?ARとは大きく異なる技術
出典:チームラボ
IRとは、現実の空間と、人々が持っているスマートフォンなどのデジタルデバイスがお互いに影響を与え合う技術です。
スマートフォンなどのツールを使って、現実世界に変化を起こしたり、反対に現実の空間で起きた変化がツール内に影響を与えたりします。
似たような技術であるARは、デジタルツールの画面を通して見る現実世界だけが変化するものです。一方のIRは、ツールを使ってアクションすることによって、目の前にある現実世界が影響を受けて変化します。
IRを開発したチームラボとは
出典:チームラボ
このIR技術を開発し特許を取得したのは、チームラボ。チームラボは、2001年の活動開始から世界各地で常設展・アート展を開催してきたアート集団です。
今回のIR技術について同社は、これからの社会において、デジタルデバイスと街がお互いに影響を与えあい、個人が街に変化を与える可能性を広げると考えているとのこと。
IRを体験してみよう
この最新技術であるIRを、実際に体験することが可能です。詳しく見ていきましょう。
福岡のチームラボフォレストでIRを体験可能
IRは、福岡に2020年7月からオープンしている「BOSS E・ZO FUKUOKA(ボス イーゾ フクオカ)」内の常設ミュージアム・チームラボフォレストで体験することができます。
同施設の「捕まえて集める森」では、IR技術を活用した専用アプリ「Catching and Collecting Forest」を通して、作品に参加することが可能です。
IR技術を体感できる「Catching and Collecting Forest」の遊び方
ここでは、チームラボフォレスト内にある「Catching and Collecting Forest」の遊び方を解説します。
出典:チームラボ
まず、現実の空間内にある壁に投影された動物を、専用アプリを通してカメラで見ます。
出典:チームラボ
次に、カメラ内で「観察の矢」をスワイプして動物に投げ込むことで、カメラで見た同じ場所に向けて、現実空間でも「観察の矢」が飛んでいきます。
「観察の矢」が動物に当たると動物は壁から消滅して、スマートフォン内に入っていく=捕まえることができる、という仕組みです。
出典:チームラボ
こうして捕まえた動物は、スマートフォン内のカメラを通して壁に投げ込むことで、スマートフォンの画面から消え、現実空間に戻りもといた壁に現れます。
このようにユーザーの操作を通して、スマートフォンと現実世界の壁を動物が行き来することができます。
IR技術によって現実空間のデジタルメディア化が進む
AR技術と似ているようで大きく異なる新技術・IRをについて解説しました。
これからの社会においては、私たちが暮らす街などの現実空間もデジタルメディア化していくかもしれません。現実世界とバーチャル世界が影響し合うIR技術の、今後のさらなる実用化が期待されています。
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