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IT先進国エストニア。ブロックチェーンを活用した「電子政府」の仕組みとは

更新: 2018.07.03

エストニアとはどんな国?

エストニアは2008年時点の総計で人口134万人の、ヨーロッパの一国。人口規模が大きくはない小国ということもあり、多くの方は「エストニアがどのような国なのか」「どんな文化を持つ国なのか」に馴染みがないでしょう。

エストニアの概要をご紹介します。

バルト三国の一国

エストニアは南はラトビア、東はロシアと接するヨーロッパの国。ラトビア、リトアニアとともに「バルト三国」と呼ばれます。

公用語はエストニア語。国民の英語教育レベルが非常に高いことでも知られ「英語を母国語としない国ランキング」では、スウェーデン、ノルウェー、オランダに次いで第4位。英語が話せれば、仕事でも旅行でも概ね困ることはないでしょう。

日本では、エストニアは大相撲の力士「把瑠都」の出身国として有名です。

報道の自由度ランキング上位の常連国

エストニアは報道の自由度ランキング上位の常連国。

報道の自由ランキングは、非政府組織・国境なき記者団(RSF)により毎年集計。報道の自由への侵害の大きさを、法的支配やインターネット検閲の強さ、ジャーナリストへの暴力の有無などの指標で評価。

上位の国はそうした侵害が小さく、報道の自由が高いレベルで保たれていることを意味します。

2018年の報道の自由度ランキングは、調査対象が180カ国。エストニアは12位でした。

ちなみに日本は67位。同じアジアの国では、韓国が43位。台湾が42位。中国は176位とされています。

Skypeを生んだIT大国

エストニアは世界で最も、IT立国に成功した国の1つ。行政サービスの99%が、既に電子化。結婚・離婚届けと不動産売却以外の、あらゆる行政手続きをオンラインで完結することができることから「世界最先端の電子国家」とも呼ばれます。

全面的な電子化によって、エストニアが節約に成功した紙の量は、縦に積み上げるとエッフェル塔と同じ高さになるそう。エッフェル塔は高さ300メートルです。

またインターネット電話サービス「Skype」はエストニアで創業(※)したことで知られます。

エストニアでは、政府関連組織「Tiger Leap基金」を中心に1990年代の後半から、学校へのコンピュータ導入やネットワークインフラ整備を推進。インフラ整備がひと段落した段階で、2012年からは「ProgeTiiger(プログラミング・タイガー)」を開始。小学生から高校生を対象に、プログラミング教育を推進しています。

(※)エストニアで創業後、ルクセンブルクに本社を開設。2011年にマイクロソフトによって買収されました

ブロックチェーンとは

エストニアのIT立国を支える基盤技術の1つが、ブロックチェーン。エストニアは2008年にブロックチェーンをテスト導入。今日では医療データの記録・管理にブロックチェーン技術を活用していくための、試験運用が行われており、今後も活用を広げていく見込みです。

When taking the first steps towards becoming an e-state, Estonia understood that the risk of cyber attacks will always be part of the information society – a risk that must be taken seriously. Although blockchain has only become hot technology in recent years, Estonia is leading the way in the blockchain revolution- Estonian government has been testing the technology already since 2008. Since 2012, blockchain has been in operational use in Estonia’s registries, such as national health, judicial, legislative, security and commercial code systems, with plans to extend its use to other spheres such as personal medicine, cyber security and data embassies.

電子政府化の第一歩を踏み出した時から、エストニアはサイバー攻撃のリスクが情報社会にはつきもので、そのリスクが深刻なものになり得ることも理解していた。ブロックチェーンはここ数年ホットなテクノロジーとして扱われているが、エストニアはブロックチェーン革命をリードしている。エストニア政府はこれらの技術を2008年からすでにテストしている。2012年からは、ブロックチェーンはエストニアの各種登録に関するオペレーションの一部として、国民の健康や司法、立法、セキュリティや商用コードシステムに活用されており、今後も個人医療やサイバーセキュリティー、「データ大使館」に活用を広げていく予定だ。

引用元:e-Estonia

また2017年8月に、エストニアは「estcoin」構想を発表。国家として史上初のICOを行い、自国の仮想通貨を発表する計画を立てています。2018年6月現在、estcoin構想はまだ検討段階にあり、公式ウェブサイトよりメールマガジン登録を受け付けています。

ブロックチェーンとは、情報をブロック単位で保存。ブロック同士を鎖のようにつなぐことで、情報を保存するデータベース技術の1つです。仮想通貨「ビットコイン」の基盤技術として、非常に有名なテクノロジーです。

ブロックチェーン技術についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

・ブロックチェーンとは?ビットコインとの違いは?マイニングって何?【初心者のための基礎知識】

エストニアの「電子政府」とは

エストニアは行政サービスの99%を電子化済み。「Internet is a social right(インターネットは社会的権利である)」というスローガンを掲げるエストニアでは、国民全員が電子IDカードを保有しています。

エストニア政府の公式ウェブサイト「e-Estonia」では、エストニアが電子政府を実現するまでの歴史とこれからの展望がまとめられています。一部をご紹介します。

1997年:e-Governance

エストニアが電子政府化に取り組み始めたのは、約20年前のこと。当時は国民について収集されたデジタルデータは存在せず、多くの人はデジタルデータにアクセスするための端末も持っていませんでした。エストニアは1990年代から高いITリテラシーを持っていたわけではなく、勇気を要する戦略的チョイスとして「e-Governance」を推進したのです。

e-Governance is a strategic choice for Estonia to improve the competitiveness of the state and increase the well-being of its people, while implementing hassle free governance.

e-Governanceはエストニアにとって手間のかからない政治を実現することで、国家の競争力を高め、人々の福利を向上させるための戦略的選択です。

引用元:e-Estonia

2001年:X-Road

2001年にはエストニアの電子政府化を推進するオープンソースのバックボーン(基盤技術)として、X-Roadをリリース。

X-Road は分散されたデータベースを、安全かつ素早く連携させるプラットフォーム技術です。

各種行政サービスや医療機関のデータを各機関ごとに管理して、国民がそれぞれにアクセスするのではなく、分散されたデータベースを連携させワンストップで様々なサービスを受けられるようにする技術です。一般的な行政サービスなら大量の紙の作業が発生するところを、大きく効率化。まさにX-Roadはe-Estoniaの基盤技術です。

2014年:e-Residency

e-residencyは、エストニアの電子政府の目玉とも言える制度。外国人を含む、エストニアの非居住者に対して電子IDを発行。外国人がe-Resident(電子住民)となり、エストニアの電子行政サービスを受けられる仕組みです。

エストニアの電子居住者となることで、エストニアで起業。法人を設立したり、ビジネス用の銀行口座を開設することも可能。納税もオンラインで完結できます。

It is a transnational digital identity that can provide anyone, anywhere with the opportunity to succeed as an entrepreneur. Like citizens and residents of Estonia, e-residents receive a government-issued digital ID and full access to Estonia’s public e-services. This enables them to establish a trusted EU business with all the tools needed to conduct business globally.

それは起業家として成功するための機会を、どこの誰にでも提供する多国籍アイデンティティです。エストニアの市民・居住者のようにe-Residentsは政府発行のデジタルIDをエストニアの公共eサービスを受けることができます。これによってグローバルなビジネスに必要な全てのツールを持ち、信頼性の高いEUビジネスが確立できます。

引用元:e-Estonia

e-Residencyに申し込みをするには

e-Residencyの申し込みは、e-Residencyの公式ウェブサイトから可能です。申請にあたっては、事前にパスポートを用意しましょう。パスポートをお持ちでない方は、先にパスポートを作成。パスポートの発行完了後に、申し込みをしてください。

e-Residency

公式ウェブサイトの「Become an e-resident」より「APPLY」をクリック。申請フォームから各種情報を入力します。初めての申し込みの場合は「Type of application」を「First e-Residency application」としましょう。

パスポートは申請フォームの「Identification details」で、身分証明書の情報を入力する際に必要です。Identification detailsにパスポート番号、発行年月日、パスポートのコピー、もしくは写真など必要な情報を全て入力することで、身分確認が行われます。

e-Residencyの発行にはこれらの申し込みに加えて、100ユーロの支払いが必要です。支払いはクレジットカードで可能です。

e-Residencyの申し込みが正式に完了すると、後日、駐日エストニア共和国大使館で電子IDカードの受け取りができます。

まとめ

エストニアの電子政府の取り組みの詳細や、歴史。エストニアとブロックチェーン技術の関係性。e-Residencyについて紹介しました。

行政サービスの99%が電子化されており、外国人にも積極的に電子居住権を付与しているエストニア。

信頼性の高い行政サービスの後押しを受け、EU圏でビジネスをしたい方にとっては口座開設も容易で、とても力強い制度です。

起業やグローバルビジネスを検討している方は、e-Residencyへの申し込みとエストニアでの法人設立を検討してみてはいかがでしょう。

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この記事を書いた人

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音楽ライターとしてエイベックス、ビクター、トイズファクトリー等に所属するアーティストの取材を担当。2016年に開催された『Bjork Digital』の取材経験から、VR×音楽に関心を抱く。2017年よりテクノロジーに関するライティングを開始し、テックキャンプ ブログにジョイン。猫とウサギを飼っています。

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