テクノロジー
サッカーのビデオ判定(VAR)などスポーツに使われるテクノロジーを解説

野球やサッカー、テニスなどスポーツの試合を見ていると、プレーしている選手以外にもたくさんの人が関わっていることがわかります。
監督やコーチ、試合の審判員、観客など。

そしてスポーツに関わっているのは人だけではありません。私たちが考えている以上に、スポーツの世界には最新のテクノロジーが導入されています。

この記事では、スポーツに導入されているテクノロジーの驚きの活用事例について紹介します。

この記事のまとめ

スポーツにおけるテクノロジーの重要性が高まっている

プロスポーツの世界では、AI(人工知能)、機械学習、IoT(Internet of Things)が積極的に活用されています。
その目的としては

  • アスリートの技術力強化
  • チームのデータ解析
  • ライバル選手の対策・戦術を立てる
  • 誤審(ミスジャッジ)を予防する



などがあります。

特に誤審(ミスジャッジ)については、選手や観客まで取り巻く大騒動に発展しかねない問題です。

人間の力だけで判断できない部分を補う、審判をサポートするテクノロジーに注目が集まっています。

最近では、2018年のサッカーW杯でビデオ判定システムが初めて適用されることが発表され、話題となりました。

野球やサッカーなどテクノロジーの導入事例

すでに各種目にテクノロジーは活用されており、選手や審判のサポートをしています。
この記事では以下の4つの事例を解説します。

  • サッカー審判補助システム「ビデオ・アシスト・レフェリー(VAR)」
  • 野球解説AI(人工知能)「ZUNOさん」
  • テニス審判補助システム「ホークアイ(Hawk-Eye)」
  • ゴルフ練習サポート用具「Game Golf Live(ゲームゴルフライブ)」

スポーツ×テクノロジーによるエンターテイメント化

テクノロジーが役に立っているのは、スポーツをする選手本人や、選手を支える監督、審判だけではありません。テレビ画面でスポーツを観戦する私たちの役にも立っています。

例えば、ドローンを使った撮影がスポーツ観戦で用いられています。これによってテレビ画面を通して選手のプレーが間近で見られたり、大きなスタジアム全体を見られたりします。

さらに、最近はVR(仮想現実)を活用したスポーツ「Vスポーツ」も開発されています。Vスポーツは、場所を選ばず、対戦相手が目の前にいなくてもスポーツが楽しめるのです。

スポーツとテクノロジーの融合は、エンターテイメントとしてスポーツを楽しむ人々にもその価値を提供しています。

スポーツとテクノロジーの展望

あらゆるスポーツにテクノロジーが導入されつつあります。しかし、スポーツはまだ人間の力に依存している部分が大きく、テクノロジーだけで全てを補えるわけではありません。
選手へのアドバイスには監督やコーチの判断が必要ですし、試合すべてを審判できるロボットはの開発は、まだ未来の話です。

今後も引き続き研究は必要ですが、AI(人工知能)やロボットが選手や試合を支える未来が着実に近づいてきています。
テクノロジーの進歩によって、これまでのスポーツに対する価値観もガラリと変わることでしょう。

 

それではここから、スポーツとテクノロジーについて、詳細に解説します。

あらゆるスポーツでテクノロジーが導入される理由

どの競技を見ても、10年前と現在とでは、競技レベルが大幅に上がっています。あらゆるデータを解析して作られた練習メニューや道具の存在が大きく影響しているのです。
テクノロジーがスポーツをより高度なレベルまで押し上げています。こういったイノベーションに追いつこうと、あらゆる国でスポーツのテクノロジーは進歩し続けており、日本も例外ではありません。

競技のレベルが上がるほど、勝敗を決めるための審判にもシビアな判定が求められます。ただ、0.1秒、0.1cmの差が勝敗を生む競技を、人間の目だけで判定するのはとても難しいです。
審判員が正しい判定を下せるために、テクノロジーを使ったアシスト技術も開発されています。

では、主な理由について詳しく見ていきましょう。

アスリート個人のパフォーマンス向上のため

スポーツにおけるテクノロジーの活用目的の1つは、アスリートのパフォーマンス向上です。
AI(人工知能)を使ったデータ解析はアスリートの技術強化として広く用いられています。

アスリートの動きやプレーのクセなどの大量の情報をAI(人工知能)が学習・解析することで、その選手にとって最適なプレーの方法や解決するべき課題を見つかります。
監督やコーチはその情報をもとに、選手の課題を見つけ、的確なアドバイスを提供できるのです。

これまでは、監督やコーチ自身の主観的なアドバイスが一般的でした。しかし、選手とコーチは別人です。感覚まで共有できるわけではありません。
時には、監督のアドバイスが選手の成長につながらない、あるいはプレーを悪化させてしまうケースもあるでしょう。

機械学習の技術やAI(人工知能)により、データを使った客観的かつ的確なアドバイスが可能となり、パフォーマンスの向上に大きく役立てるようになりました。
選手のスキルアップ・フォーマンスの向上に役立つという点で、テクノロジーが活用され、今後はその精度も高まるのではないかと期待が寄せられています。

チーム全体をデータ解析するため

サッカーや野球、バレーなどの集団スポーツは、個人のスキルだけでなくチームメンバー全員での連携が大切です。
チームで動いた時に、弱点となるポイントはないかを判断し、弱点をフォローするように練習を繰り返します。

練習の時には、監督やコーチが自分の目でチームの動きを確認しつつ指示を出します。しかし、チーム全体の動きすべてを把握し、判断するのは非常に難しいです。

人間の視野の広さには限界がありますので、重要な点を見落としてしまうかもしれません。

これまでの練習方法としては、カメラを使ってチーム全体を撮影し、重要なシーンを見直しながら練習するのが一般的でした。

ただ、複数名のアスリートが一緒になってプレーをすると、どのようなフォーメーションが効果的なのかを目で見ただけで判断するのも難しいです。

そこで、チームを360度カメラで撮影し、チーム全体をデータ解析可能なシステムが開発されました。このシステムにより選手全員の動きをデータ解析し、弱点を導き出せます。

個人のアスリートだけでなく、チーム全体練習のサポートのためも、テクノロジーが活用されているのです。

ライバル選手の対策・戦略を考えるため

選手のトレーニングを効率的に行うためには、大会などでライバルとなる選手の対策・試合の戦略を練るのが有効です。このためにもテクノロジーが活用されています。
アスリート本人やチームメンバーのみならず、ライバル選手のクセや行動の予測などを導き出すことさえ可能です。解析用のカメラを使えばこのようなことまでできます。

収集したライバル選手のデータをもとにできるトレーニングに、VR(仮想現実)が活用されるのです。

対象となるライバル選手のデータを分析し、VR空間にその選手がプレーしている様子を映し出します。そして仮想の相手と練習試合を行うのです。

テニスや卓球など、対人で行うスポーツならば相手プレーヤーと打ち合っているような感覚を体験できます。

VRを使った試合のシミュレーションでライバル選手の対策ができるのです。

ビデオ判定として使い誤審を予防するため

スポーツの試合では、審判が判定を間違えてしまう「誤審(ミスジャッジ)」。この誤審(ミスジャッジ)を防ぐためにもテクノロジーが活用されています。

高性能のカメラを使ってコマ送りで撮影したり、映像をCG化することで審判のサポートしたりするシステムが、多くの競技で導入され、審判員のサポートをしているのです。
テニスのようにビデオ判定が競技のルールに組み込まれているものもあります。

スポーツの判定にテクノロジーを活用することで、選手にとって公正に判定される試合環境を作れるようになりました。

ビデオ判定の進化

多くのスポーツで、審判員は主審の他にも副審や線審が配置されています。これは、主審一人では見えない部分を複数人でカバーするためです。

ビデオ判定が生まれる前までは、審判員による肉眼での判定がすべてでした。主審は副審や線審の判定も参考にしながら判定を下していたのです。

基本的に主審が出した判定は覆ることはありません。しかし、選手や観客の目から見ても明らかな誤審(ミスジャッジ)はあり、時に騒動となることも少なくありませんでした。そこで導入されたのが「ビデオ判定」のシステムだったのです。

スポーツに導入されているビデオ判定の技術レベルも上がり、現在は、より高い精度で判定を下せるようになりました。

ここからはビデオ判定が進化した理由について解説していきます。

ビデオ判定とは?

例えば、ゴールの順位が僅差だったり、ボールがラインの内側に着地したか、外側に着地したかが曖昧な場面などに用いられるのがビデオ判定です。
試合の全体、あるいはある特定の瞬間をカメラで撮影し、ビデオに録画した映像を元に審判が判定を下します。

主審の肉眼では判定できないほど僅差だった場合にビデオ判定を行うことが多いです。選手が主審の判定に異議申し立てをした時にも、判定の成否を証明するものとしてビデオ判定を行います。

プロ選手が出場する大きな大会では、ビデオ判定に使われるカメラが会場に設置され、試合中モニターを監視する担当がいます。

モニターの担当は、ビデオ判定が必要となった際にカメラで撮影した映像を解析、CG処理などして審判や選手が確認できるように対応します。

撮影された映像は事実として判断され、反対の主張をしても主審のジャッジが覆ることは原則としてありません。

ビデオ判定の技術も向上

ビデオ判定自体はカメラとモニターさえあれば可能です。そのため、最近の取り入れられた制度というわけではなく、以前からありました。

しかし、カメラの技術が乏しかった時代は、スロー再生やコマ送りといった処理しかできませんでした。カメラで撮影しても主審が判定を下すのは難しく、ビデオ判定があまり意味をなさないケースも多かったです。

ただ、時代は進み、ビデオ判定の技術も向上しました。
数千分の一秒まで撮影できるハイスピードカメラや、瞬時に映像をCG処理して明確な判定を下せる技術が開発され、公式のプロスポーツの大会などに導入されています。

ビデオ判定技術向上の要因はIoT

ビデオ判定技術が向上した理由にはIoT(Internet of Things)技術が関係します。
IoTとは、直訳で「モノのインターネット」という意味です。モノ(IoTデバイス)とインターネットをつなぐことで、デバイスが取得したさまざまなデータを分析し、活用できるようになります。

ビデオ判定はIoTを判定に使うカメラに応用することで、あらゆるスポーツで主審は判定の正確性を高めることに成功しました。撮影した映像をパソコンに送り、解析できるようになったためです。
後ほど紹介しますが、IoTを使ったビデオ判定は野球やサッカー、テニスなどでも用いられています。

IoTについては、以下の記事も合わせてお読みください。

未経験からIoTエンジニアになる方法や必要な知識・スキルを解説

ジロギン ジロギン
TECH::NOTEのライターとして、日々IT技術の進歩と奥深さを感じながら記事を書いています。 個人でブログも運営しており、少年漫画とテニスについて更新中です。
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