話題のVR体験ができるVR機器は、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)やモーションコントローラーなどいろいろな商品が続々と発売されています。
VR機器が欲しいけどどんな種類があるのか、今はまだ買わないでもう少し待ってみたほうがいいのかなど悩んでいませんか。
そこで現在のVR関連機器の情報を徹底解説します。
そして、今は「買い時!」とする筆者が、独断でおすすめするVR機器2機種をご紹介します。
出典: Pixabay
VRとは
出典:photo AC
はじめにVR(ヴァーチャルリアリティ:仮想現実・実質現実)についてご説明します。
VRとは、コンピュータで創りだされたヴァーチャルの世界をまるで現実世界のように360度立体的に体験できる技術です。
また、似たような言葉でAR(拡張現実)というものがありますが、現実の一部が拡張されて映し出されるものです。大人気のポケモンGO!はAR技術が使われています。
他にMR(複合現実)というものがあり、仮想空間と現実が融合した体験ができるものです。
VRとの違いは、VRは現実ではない造り出された空間がベースで自分がその空間に入り込んだかのような感覚になり、そこには現実の世界は反映されていないのです。
VRに必要な機器ってどんなものがあるの?
出典:Oculus
VR(ヴァーチャル・リアリティ)技術は日々進化しています。
現在発売されているさまざまなVR機器と、今後発売される開発中の商品についてご紹介します。
HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の種類
VR機器には「HMD(ヘッドマウントディスプレイ)」「VRヘッドセット」「VRゴーグル」「VRビューワー」など、さまざまな呼称があります。
VRゴーグルはイメージ通り水中で使うゴーグルに似た形態のもので、HMDはもう少し大きな装置のようなイメージでしょうか。
厳格な呼び方の違いはなく、VRを見る機器ということで同じような意味で使われています。今回は、「HMD」で説明します。
VRを見るためには大きく分けると、映像を映し出す元の機器によって種類があります。
・HMD+スマホ等
・HMD+ゲーム機
・HMD+PC
・HMDのみ(スタンドアローン型)
このほかに「コントローラー」やHMD装着時にスマホを操作できる「リモコン」などがあります。
スマホ等装着のHMD
出典:Amazon
スマホ等を装着して利用するものは安価で1,000円~20,000円の価格帯が多いです。
iPhoneでもアンドロイドでも使用可能で「Google Cardboard」のようにボール紙製の手軽なHMDも人気です。
また、「Gear VR」のようにSamsung製の「GalaxyS6~7」専用のHMDがあります。
現在、スマホ等利用のHMDにはコントローラーがありませんが各メーカーから専用コントローラー発売予定と発表されています。
ゲーム機専用のHMD
ゲーム機専用のHMDはなんといってもPlayStation4専用のPSVR(PlayStation VR)が人気です。
2016年10月に発売後に即完売し、12月・1月・3月と追加販売されるも、すぐにまた完売になっています。
また、3月に発売されたばかりの「Nintendo Switch」は「VR対応のSwitchを研究中」と発表されています。
この「Switch」は「触覚フィードバック機能」「モーションIRカメラ」というVRを楽しむ機能が、すでに搭載されています。
PC利用のHMD
PCを利用するHMDは10万円くらいの本格派のHMDが多く、それに加えてVRを楽しむための基準を満たすハイスペックPC(20~30万円の価格帯)が必要です。
PCを利用するHMDは、VRブームの火付け役Oculus社の「Oculus Rift」や「HTC Vive」など性能に申し分ない製品です。しかし、2017年3月時点で発売されている一般的なPCのスペックでは、買い替えが必要な場合が多いといえます。
VR対応PCには新しい形「背負えるバックパック型」の「GALLERIA VR WEAR」「MSI VR One」が発売されています。
スタンドアローン型HMD
出典:Pico Tech
今までにない画期的な一体型HMD、Pico Technology社「PicoNeo CV」・Intel社「Alloy」・Qualcomm社Snapdragon 835 VRSKベースのHMDが今年度中に発売予定です。
わずらわしいケーブルやPCなどその他の機器が必要ありません。HMDのみで身軽にVR体験ができるのです。
VR機器の特徴と選び方
安価なHMDと高価なHMDでは、何が違うのでしょうか。性能を見る基準についてご説明します。
【トラッキング機能】
HMDはより立体感を感じるために、ディスプレイが2眼になっているものが多く、そのHMDの性能によってはVR体験をすると酔ってしまう場合があります。
原因は車酔い等の感覚と同じで、体の動きと見えているもののスピードが違っているからです。
体の感覚と視覚がずれている場合に起こります。
HMDは、人の動きを追跡して映像を送っています。
動きを認識して追跡する機能をトラッキングといいます。
この機能が悪ければズレが大きくなり、酔う可能性も高くなります。
このため、発育途中の子供は斜視になる恐れがあるので「13歳(12歳)未満は使用禁止」となっています。
トラッキングセンサーの種類には以下のものがあります。
・「ヘッドトラッキング」装着したHMDに搭載され、頭の動きを感知しています。
・「ポジショントラッキング」外部カメラによってHMDを感知します。
出典:GAME Watch
・「アイトラッキング」ユーザーの視線を追跡します。このトラッキング機能を搭載したVR機器は「FOVE 」が発売開始されています。
・「ハンドトラッキング」手や指にセンサーをつけてカメラを使用しなくてもジェスチャーで情報を送ることができます。
【ディスプレイ】
出典:VR inside
ディスプレイの解像度は、値が高いほど画像がきめ細やかで滑らかです。
2眼タイプはディスプレイを半分にしているので片眼からすると表記より半分の解像度となります。
ディスプレイパネルは、液晶よりも「有機EL(有機エレクトロ・ルミネッセンス:Organic Electro-Luminescence)」のほうが自然光で画質がよく、滑らかな動きになります。
【視野角】
視野角もVR対応ディスプレイの性能を測る基準になります。
人間の視野の角度は横方向が約120°縦方向は130°といわれています。
当然、視野角も広いほうが臨場感あります。現在発売されているVR機器の視野角は90°~110°の範囲のものが多いです。
【リフレッシュレート】
リフレッシュレートとは1秒間に映像を何回書き換えるかという値(Hz)です。
テレビの液晶モニターは60Hzが一般的です。60Hzとは1秒間に60回書き換えているということです。
現在、ハイエンドのHMDのリフレッシュレートは90Hz~です。
リフレッシュレートの値が少ない数値だと画面がチラつくように見えます。
滑らかな動きではなく、動きがつながらずに眼が疲れてしまうのです。
VRのディスプレイでは最も重要なポイントです。
60 Hz VS 120 Hz Monitors
こちらの記事もご参照ください。
【コンテンツ】
VR機器を選ぶにあたって、機器の性能がよいのはもちろんですが、その機器のコンテンツが充実しているかも重要です。
プラットフォームが違えば、提供されるコンテンツの種類も数も大きく違います。
自分の好みなど何を優先させるかを考えて決めることをおすすめします。
【視力の調節】
視力が弱い方やメガネの方は「視力の調節がきくかどうか」「メガネのまま装着可能か」ということも確かめて購入することをおすすめします。
メガネをつけられないHMDや視力調節ができないHMDは、コンタクトを推奨しています。せっかく購入しても見えなければVRも半減してしまいます。
VR機器の将来は?
PlayStationは、「PSVRの周辺機器」になるかも!?と、衝撃的な話題になっています。
本来、本体は「PlayStation」であって、その周辺機器だった「PlayStation VR」が逆転するというのです。
現在はVR未対応のPlayStationのソフトが多く存在していますが、近い将来、VR対応が主流になると予測されているのです。
また、今後発売予定と発表されたVR機器では、「TPcast」「Mach-2K」「KwikVR」などのワイヤレスのHMDが今年度中の実現を目指しています。
自由に動き回るには、今のHMDではケーブルがじゃまになります。もっと身軽で没入感のあるVR体験が実現するのです。
出典:VR inside
そして次に進められようとしている研究は、人間に近い「焦点深度」が実現します!
人間の目は、見たいものに合わせて焦点が定まるようにできていますが、現在のVR機器のHMDでは常に2m先に焦点があっています。
そしてその周りの映像すべてがきれいに写し出されています。
人間のように焦点以外がぼやけるようになると、もっと長時間の使用が可能になるといいます。
あらためて人間の目の仕組みはすごいですね。人間の目に近づけることが今後の課題と言えます。
今、VR機器は買い時です!
「アイトラッキング」機能について前章で説明しましたが、開発段階のVR機器の中では一番実現が早い可能性があります。
人の目の動きを察知して次の映像を映し出す機能です。
この機能が標準搭載されれば、VR機器の大きな前進といえます。
開発中製品やもうすぐ実現する商品のご紹介をしていながら「今、VR機器は買い時です!」とお伝えしている理由は日々進化し、研究開発が進んでいる中でこのVR技術の進化には天井がないからです。
VR技術は、未知の世界を進むように進化を続けていく可能性があります。そして昨年はVR元年と言われるとおり、各社が長年の開発の結果を生み出すことができた年です。
ともなって昨年から多くの製品とコンテンツが生まれています。
1000円のCardbordでさえも、驚くようなVRの世界を楽しめるほどのクオリティが装備されています。
今後の進化を感じる楽しみもあり、このVR黎明期こそVRの世界を味わっておくのもひとつの楽しみ方といえます。
ここで筆者独断でおススメのVR機器は、2つです。
「Gear VR」
「PlayStation VR」は現在、品薄状態でなかなか手に入りにくいですが、4月以降は量産体制が整ったとの話もあります。
「Gear VR」は、GalaxyS6~7のスマホが必要ですが、それでもコストパフォーマンスとクオリティを考えるとおススメはこの2つのVR機器です。
次の章で詳しくご説明します。
徹底解説!2017年春 VR機器主要4機種
出典:VR inside
では早速、この春最も活躍するとされているVR機器について解説していきます。
Oculus Rift
出典:Oculus
そもそもVRブームの火付け役であるOculus社の「Oculus Rift」。
初期モデルは、Kickstarterで資金を集めて開発されました。
この「Oculus Rift」は、高性能PCが必要なハイエンドHMDです。
有機ELパネルを左右2枚使用し、画質もよく、視野角90°・リフレッシュレート90Hzの性能でxboxのコンテンツは100以上のゲームが楽しめて充実の性能です。
Oculus Rift+Oculus Touch(モーションコントローラー)の価格は、63,800円。税込・海外からの送料込価格です。Oculus Remote付属。(Xboxコントローラー対応)
Oculus Rift使用PCは約15万円~のハイスペックPCが推奨です。本体・コントローラー・PC含め総額約25万円~の費用がかかります。
Oculus touchは特殊な形をしており、それによって、「握る」や「指をさす」等の細かな指の動きを認識することができます。
https://www.youtube.com/watch?v=YO7Y0KEhUog
※Oculus社からの直接購入でしかサポートが受けられません。ご注意ください。
また、Oculusもtouchについてくるルームスケーラーで、VIVE同様にルームスケーリングができるようになっています。
HTC vive
出典:HTC vive
人気ゲーム配信SteamのValve社とスマホのHTCが共同開発した「HTC vive」
こちらも高性能PCが必要なハイエンドHMDです。
2台の外部カメラでのポジショントラッキング機能が没入感を高めます。
パネルの性能はOculusと同等クラスですが、コンテンツ「Steam」が利用できるので、たいへん充実しています。
HTC viveの価格は、コントローラー付きで107,784円(税込)です。こちらも推奨するハイスペックPCが必要で総額約20万円~の費用がかかります。
PlayStation VR
出典:SONY
大人気のPlayStation4対応の「PlayStation VR」はパネルの性能もよく、申し分ないスペックです。
PC版のコンテンツには対応していませんが、PS4のVR対応ゲームは続々と増えています。
PlayStation VRの価格は、PlayStation Camera付+モーションコントローラー(税込)で53,978円です。
別途PlayStation4(税込)32,378円が必要です。
もうすでにPlayStation4をお持ちの方は、VRを楽しむならコスパよくVRを楽しむことができますし、ハイエンドHMDに比べても充実したVRの世界を体験できます。
世界中で人気のPlayStation製品は今後もコンテンツの充実が期待できますのでおススメです。
Gear VR
出典:SAMSUMG
Samsung社とOculus RiftのOculus社の共同開発ですので性能は申し分ないです。
「Gear VR」はスマホ利用HMDで唯一ヘッドトラッキング機能搭載で、スマホ系HMDでは一番のハイスペックといえます。
視力調整機能がついており、視力が弱い方でもVRの世界を楽しむことができます。
Gear VRの価格は、14,860円(税込)です。コントローラーは現在発売されていません。
GalaxyS6~7(約30,000~70,000円)専用のHMDです。
この記事のハッシュタグ
VRが学べるスクール
出典:photo AC
今、世界中で話題になっているVRですが、まだまだ無限の可能性を秘めています。
急成長の新しい世界に興味があったら、VR開発の勉強をはじめてみませんか。
VR開発が学べるスクールをご紹介します。
デジタルハリウッド VRコース
デジタルハリウッドでは、VR・Unity・3DCGが学べるVRコース。経験により自分にあった学習科目を選べます。ゲーム開発の主流であるUnityを学んで活躍するゲームクリエーターになろう。
出典:デジタルハリウッド
東京デザインテクノロジーセンター専門学校 VRクリエイター専攻
東京デザインテクノロジーセンター専門学校では、ゲーム・クリエイター・IT&ロボットなど「21 + 1」の多彩な専攻を用意しています。VRクリエイター専攻ではゲームのみならず、教育やビジネスにも生かせるスキルを学ぶことができます。
出典:東京デザインテクノロジーセンター専門学校
こちらの記事もご参照ください。
まとめ
世界中で話題になっているVRですが、まだまだ黎明期と言われています。
コンテンツ制作の会社も手探り状態ではないでしょうか。
たくさんのVR機器が発売されていますが、何ができるのか、何を優先するのかで購入の選択肢は変わってきます。
各社どこもこれからの技術開発に力を入れています。
購入者も一緒に時代をつくっていくのです。
未来は私たちにどんな夢を見せてくれるのでしょうか。今後も楽しみです。
はじめての転職、何から始めればいいか分からないなら
「そろそろ転職したいけれど、失敗はしたくない……」そんな方へ、テックキャンプでは読むだけでIT転職が有利になる限定資料を無料プレゼント中!
例えばこのような疑問はありませんか。
・未経験OKの求人へ応募するのは危ない?
・IT業界転職における“35歳限界説”は本当?
・手に職をつけて収入を安定させられる職種は?
資料では、転職でよくある疑問について丁寧に解説します。IT業界だけでなく、転職を考えている全ての方におすすめです。
「自分がIT業界に向いているかどうか」など、IT転職に興味がある方は無料カウンセリングにもお気軽にお申し込みください。