春からの入社を控えたこの時期、あなたは新卒向けの研修がどのようなものか、つらいものではないのかなど、気になったり心配したりしていませんか。この記事では、新卒研修の目的や内容、実際にどのようなことが行われているのか、そして研修を受ける際の注意点などを詳しく解説しています。
この記事の目次
新卒研修とは何か
出典:写真AC
まずは、新卒向けに行われる研修がどのようなものなのか、目的や内容などを解説していきます。
新卒研修を行う目的
新卒研修が行われる目的として、まず1番大きなものが、「学生から社会人へ意識を変える」ということです。
学生時代は、親や学校から守ってもらう立場にありました。
しかし、社会人になるということは、自分の立場や仕事内容に責任を持つということでもあります。
そういった意識をしっかり持ってもらうことが、新卒研修の1番の目的となるのです。
それ以外にも、社会人としてのマナーを身につけてもらうことや、会社の理念や経営方針などを理解してもらうこと、業務に必要な知識を身につけてもらうことなどが、主な目標としてあげられます。
新卒研修の内容
新卒研修で行われるカリキュラムの内容は、平均すると以下のようなものが多いようです。
- ビジネスマナー(名刺交換、挨拶、電話応対の方法など)
- コミュニケーション、接遇
- 会社の理念、経営方針など
- 業務に関すること(ビジネス文書の作成、配属先に応じた知識やスキルなど)
これらのほか、健康管理やメンタルヘルスに関する研修、決められた課題に取り組むグループワークやロールプレイなどを取り入れている企業も多くあります。
新卒研修の期間
新卒研修の期間は、企業によってまちまちなのですが、1〜2ヶ月程度で行われるところが多いようです。
数日で終わるところもあれば、IT系の研修になると1年という長期にわたることもあります。
技術習得に時間がかかる研修では、長期期間を設定していることがあると理解しておくと良いでしょう。
新卒研修のカリキュラム例
実際に、どのような新卒研修が企業で行われているのか、例をご紹介しましょう。
レシピ投稿アプリで知られるクックパッドでは、3ヶ月の新卒研修を行っています。
新入社員が、ビジネスマナーを学ぶのに間違い探し動画を自分たちで作成したり、ボードゲームを使って財務基礎研修を行ったりと、楽しみながら知識を身につけられるような工夫が満載。
ほかにも、1泊2日の合宿でチームワークを養ったり、ゼロから畑を耕す農園研修など、個性的なカリキュラムとなっています。
出典:Donuts
モバイルゲームの開発などを行うDonutsでは、短期集中で行われる研修プログラムと、定期的なアフターフォローを個人に合わせて行う形で、新入社員をサポートしています。
会社のコーポレートスローガンや組織について、マナーやプレゼンテーション研修などのほか、実際にゲームやサービスの開発を行うカリキュラムが組まれているのが特徴です。
実践を通して学ぶことで、仕事の大変さやチームワークの大切さなどを実感できるようになっています。
新卒研修を受けるときの注意点
では、実際に新卒研修を受けるにあたって、どのような点に注意すればいいのか説明していきます。
服装や持ち物
まず大事なのが、服装や持ち物です。
学生ではありませんので、服装はもちろんオフィス向きの格好をしなければなりません。
企業によっては、「カジュアルな服装で」と言われる場合もあるかもしれませんが、これはジーンズやパーカー、スニーカーなど、遊びに行くような格好でいいというわけではありません。
かっちりとしたスーツでなくても良いので、ジャケットやスラックス、襟の付いたシャツなどの「オフィスカジュアル」と言われる服装で臨むようにしましょう。
また持ち物は、企業によって違いはありますが、筆記用具やパソコン、印鑑などが基本的に必要な持ち物となることが多いです。
実習などがある場合は、クリップボードがあるとメモがしやすいので便利です。
また、合宿形式の場合は、着替えや日用品なども忘れないように準備しましょう。
新卒研修でクビになる?
新卒研修で会社をクビになるという話を聞いたことがある人が、もしかしたらいるかもしれません。
ウソのように聞こえるかもしれませんが、クビになる可能性が全くないかというと、そうではないのです。
会社に入社するとき、1ヶ月〜半年ほどの試用期間を設けているところが少なくありません。
この試用期間は、その名の通りお試し期間のようなもの。
この間に、会社は新入社員に仕事の適性があるかどうかを見定めているのです。
実際にクビになる人が多くいるわけではありませんが、あまりに非常識な行動(遅刻や欠勤が多い、勤務態度が悪いなど)がある場合や、著しく能力が不足しているという場合は、解雇されてしまうこともありえます。
社会人として当たり前のことではありますが、最低限のマナーや常識は守るように心がけ、何か指摘をされたら改善するように努力をしていきましょう。
業界別新入社員研修の例
新卒研修は、業界によっても内容が異なってきます。
IT業界以外ではどのような研修が行われているのか、例をご紹介します。
接客・販売
まずは、接客・販売を行っている会社の新入社員研修を見てみましょう。
出典:株式会社ワールド
aquagirlやOZOC、TAKEO KIKUCHIなど、若い世代にも人気のアパレルショップを展開している、株式会社ワールド。
ここで行われる2週間の新卒研修では、基本的なビジネスマナーなどのほか、品質管理や商品のチェックなど、アパレル業界らしいカリキュラムが組まれています。
実際の商品を手にとって学ぶ、実践的な研修となっているようです。
事務
出典:株式会社東陽テクニカ
情報通信などさまざまな分野で、テクノロジーを使った製品を提供している、株式会社東陽テクニカ。
この会社の事務系総合職の新入社員が受ける研修は、入社後約2週間で社会人としての基本的な知識を学び、そのあとはOJT研修として先輩からマンツーマンで指導を受ける形です。
ほかにも、入社後6ヶ月までは課業後にネイティブ・イングリッシュ・スピーカーの講師による英語研修を、入社6ヶ月以降はe-ラーニングなどを使った英語力向上のサポートを行っており、英語研修が手厚くなっています。
他の新入社員と差をつけるには
新卒社員は、一斉に同じ研修を受けることになります。
つまり、全員が同じ場所からのスタート。
まわりの新入社員と差をつけるためには、どのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。
約束を守る
時間や納期など、約束を守るということはきちんと行うようにしましょう。
研修のスタート時間には送れない、5分前行動を確実に行うこと。そして、課題などの提出を求められたら、期限をきちんと守ること。
約束を守ることは社会人として最低限のことなので、ここができるということをアピールすれば、信頼を得ることにつながっていくでしょう。
会社の方針を理解する
意外と意識から抜けがちなのが、自分の会社がどのような理念や経営方針を掲げているのかということ。
これは、会社全体の進む道であり、社員全体が意識しておくべきことなのですが、目の前の業務ばかりにとらわれてしまうと、意識しにくくなってしまいます。
そのため、早いうちから会社のあり方を理解しておけば、自分の業務への意識も変わりますし、会社の成長を見越した提言などもできるようになります。
会社に必要とされる人材になるには、会社が何をしようとしているかをしっかり理解しておくことが大切なのです。
主体的に動く
同じことをやるにしても、やらされていると思って嫌々やるのと、自分から積極的に行うのでは、結果も身につくことも変わってきます。
新卒研修のうちから学ぶ姿勢をしっかり見せて、課題やロールプレイなどに積極的に取り組むこと。
その姿勢で仕事を続けていくことが、キャリアを積んでいく中で実力の差になり、評価されることにもつながっていきます。
IT業界の新人研修
IT業界では、企業によってユニークな新人研修が行われています。その例をご紹介します。
IT企業で行われている新人研修
出典:日本オラクル
大手IT企業で、独自の研修や資格試験を行っていることでも知られる日本オラクルでは、2〜4か月にわたる新卒研修が行われています。
自らさまざまなタスクのスケジュール管理を行わなければならないため、新卒研修からスケジュール管理を意識した内容になっているのが特徴。
複数のタスクの管理を行いながら、優先順位付けやスケジュール管理の重要性を学び、実際の業務に生かせるようなカリキュラムとなっています。
ほかにも、ヒューマンスキルトレーニングや職種別トレーニングなどを準備。
自律的学習を促し、キャリアの中で絶えず成長していけるような機会が多く設けられています。
出典:Google Japan
Google Japanでは、エンジニアとして入社すると、最初の3ヶ月はカリフォルニアにある本社で勤務します。
最初の2週間は研修コースで、社内での業務の進め方やウェブ検索の仕組みなどを具体的に学ぶ期間です。
また、新入社員はそれぞれ開発チームに割り当てられ、個人個人にメンター(指導役)がつき、実際の開発現場で指導を受けていくことになっています。
世界的企業の本社で、新卒から学べるという環境は、とても贅沢であると言っていいでしょう。
エンジニアを目指すなら参加したいスクールやイベント
エンジニアを目指すなら、会社で行われる研修以外にも参加すると良いスクールやイベントがあるので、ご紹介します。
IT企業に入れば、もちろんエンジニアを養成するプログラムが組まれているのですが、学生時代にプログラミングを学んでいなかった方の中には、先に学んでおいたほうが安心という方もいるでしょう。
そんな方は、短期間でプログラミングスキルを学べるスクールに通うことがオススメです。
テックキャンプ プログラミング教養では、最短1ヶ月で未経験からプログラミングスキルを学ぶことができます。
実際にサービスを作りながら学ぶことができるので、十分なスキルと自信を持って業務に取り組むことができます。
出典:OpenCU
こちらのOpenCUは、ロフトワークが運営する、クリエイティブに関するイベントやワークショップを行うためのプラットフォームです。
エンジニアやクリエイター向けのイベントなどが複数開催されていて、基本的には無料なのも嬉しいところ。
気になるテーマのものがあったら、積極的に参加してみると良いでしょう。社外のつながりを作る機会にもなるのでオススメです。
GREE TECH TALKは、グリーが年に2回開催している技術勉強会です。
最前線で活躍するプロをゲストに迎え、毎回違うテーマについて話し合い、考える場となっています。
トッププロの話を聞く機会はあまり多くないので、こういった機会を活用すると、自身のキャリアにもいい刺激になるでしょう。
新卒研修はつらい?厳しい?その感想は?
新卒研修が厳しいのはなぜか
新卒研修は厳しいものというイメージを持っている人がいるかもしれませんが、厳しくなるのには理由があります。
まず、新入社員が厳しさを感じる1つの理由として、学生時代と環境が異なることや、初めて責任を負うという立場になることなど、それまでとは違った経験をするから、ということがあげられます。
初めての体験をするときは、誰でも少なからず緊張や難しさを感じてしまうもの。
自分ができないのではなく、新卒で入社する人は皆、多かれ少なかれ厳しさを感じるものだと思っておくと良いでしょう。
また、会社側もあえて新卒研修中に厳しくすることがあります。
これにも理由があり、仕事での厳しさをわかってもらうことや、これから会社でやっていけるかを試しているという意図があるのです。
社会人として仕事をしていると、新卒研修のとき以上の困難に立ち向かわなければならないこともあります。
そのような資質があるかどうか、乗り越えられるかどうかを、会社は判断したいのです。
新卒研修は、誰でもある程度厳しさを感じるものであること、また、会社側の意図がある場合もあるということを、知っておくと良いでしょう。
新卒研修の感想
では、実際に参加した人たちはどのような感想を持っているのでしょうか。
新卒研修についての感想を、いくつかご紹介してみましょう。
SEに求められる能力として、
- 相手に分かりやすく物事を伝えられる。
- 納得感を持ってもらう説明が出来る。
- 問題の根本原因を見極めて具体的な対策をうてる。
等がありますが、この辺りの能力は新人研修でそこそこ伸ばすことが出来たと思いますので、今振り返ってみても良い研修内容だったと思います。
出典:新人研修でやった内容が結構良かった
システムエンジニアとして入社して受けた、新人研修の感想です。
実際に求められる能力を研修で学べたというのは、大きな学びと言っていいでしょう。
つらい研修を乗り越えた同期。
配属発表では、自分の配属よりも、念願叶って配属が決まった同期が喜ぶ姿を見て、思わず涙が出てしまうほど。
内定者の頃とは、比べ物にならないくらい仲良くなりました。
出典:社会人って楽しいわ!新卒がつらい研修を終えて思ったこと。
こちらは、IT企業ではありませんが、新卒研修後に広報に配属になったという女性の方。
新卒研修はつらかったようですが、多くのことを学び、同期との仲を深めるいい機会になったようです。
新卒研修はつらいこともあるけれど、それぞれに学びや得られるものもたくさんあります。
まとめ
新卒研修は、初めて会社に勤める人達には避けて通れないもの。
つらいこともあるかもしれませんが、うまく乗り越えることができれば、これからの社会人生活につながるものをたくさん学ぶ機会になります。
早めに準備をして、新しい季節に備えていきましょう!
DX人材の育成をしたいとお考えの方へ
テックキャンプの法人研修サービスでは、動画だけの手軽なオンライン研修では実現できない、実践重視の人材育成を重視しています。
サービスの特徴
・組織課題に合わせてカスタマイズ可能なカリキュラム
・専任メンターによるマインドの変革を促すコーチング
・研修の成果が見えるアウトプットのある研修
まずは資料をダウンロードください。