「ストレス社会」といわれる現代社会。職場の人間関係や残業など、仕事でストレスを抱えている人も多いでしょう。
仕事のストレスを溜め込んでしまうと、体に不調を感じたり、仕事でミスが増えてしまったりなどの悪い影響が出てくる可能性があります。ストレスは我慢せず、定期的に発散することが大切です。
この記事では、仕事のストレスの主な原因や、それらのストレスをできるだけ減らす方法、さらにおすすめの発散法を紹介します。
仕事で感じるストレスの主な原因
仕事で感じるストレスの種類は様々です。「仕事のストレスを何とかしたい」という人は、まず自分が具体的にどのようなことにストレスを感じているのかを突き止めることで、対処法を考えることができます。
多くの人が職場で抱えている主な5つのストレスについて解説します。
職場の人間関係
職場では、プライベートのように自分の好きな人や自分と性格や考えが合う人とだけ接するわけにはいきません。苦手な上司や先輩、取引先といった人とのコミュニケーションでストレスを感じる人は多いでしょう。
人の悩みの大部分は人間関係によるものだと言われています。事実、職場の人間関係が原因で転職を決意する人も多く、仕事で関わる人との相性は、業務内容と同じくらい、あるいはそれよりも大切だという人も多いのです。
長時間労働
日々の残業や頻繁な休日出勤などの長時間労働によって休息を十分に取ることができず、ストレスを溜めがちになる人も。
人は疲れてくると、だんだんと集中力が低下し、冷静な判断ができなくなります。普段は温厚な人が、疲れが原因で声を荒げたり、イライラしたりする様子を見たことがある人もいるでしょう。
繁忙期の忙しさなどの一時的なものであれば気合で乗り越えることができるかもしれませんが、長時間労働が常態化している場合は注意が必要です。
心に余裕が持てていないと感じた場合には、一息ついて、体や心をリフレッシュすることが大切です。
成果へのプレッシャー
ノルマが高すぎる、周囲からの期待が大きいといった成果へのプレッシャーも、ストレスの原因です。ある程度の緊張は仕事のモチベーションやパフォーマンスを上げるのに効果がありますが、高すぎる期待や緊張は「失敗できない」というストレスになり、逆効果です。
また、コロナウイルス流行をきっかけに日本でも広く普及したテレワークでは、オフィス勤務のように日々の勤務態度や頑張りが周囲から見えない分、より成果を重視する傾向があります。
「テレワークでサボっていると思われないように頑張らないと」といったように、ストレスを抱えてしまう人もいるでしょう。
給与や待遇への不満
仕事量に対して給与が低い、頑張っているのに評価されないといった給与や待遇への不満から、仕事のストレスを増大させてしまうケースもあります。
たとえ自分の好きな仕事をやっていたとしても、仕事は給与や報酬があってこそのものであり、ボランティアではありません。頑張りが昇給や昇格として表れなければ、モチベーションは下がり、ストレスは増えていくでしょう。
業務内容とのミスマッチ
そもそも今の仕事が好きではないことが原因である可能性もあります。例えば、人とのコミュニケーションが苦手なのに営業職をしているなど、性格に合わない・不得意なことをしているケースです。
能力や性格と業務内容に不一致がないかは、本来であれば入社前に見極めることが前提です。しかし、新卒など社会人経験がない人の場合、職種や業界へのイメージだけで仕事を選んでしまうこともあり、入社後にストレスを抱えてしまうのです。
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仕事のストレスをできるだけ減らすためのポイント
仕事のストレスを抱えながらも、現時点では転職を考えてない人や、何か他の理由で今の職場にとどまりたい人もいるでしょう。
しかし、ストレスを抱えたまま働くことは、体はもちろん、心の健康にもよくありません。仕事のやり方や考え方を工夫して、ストレスをできるだけ感じなくてよい職場にしていくことが大切です。
ここからは、仕事のストレスをできるだけ減らすための具体的な5つのアクションを筆者の経験を元に紹介します。
スケジュール管理・タスク管理を行う
多すぎる仕事量や長時間労働がストレスの原因になっている人は、タスク管理とスケジュール管理を徹底して行うことを実践してみましょう。
タスク管理では、現在抱えているタスクについて、次のポイントを整理します。
- 優先度
- 重要度
- 締め切り
- 想定工数
- 懸念点(タスク完了までに起こりうるトラブルや、進捗に影響する可能性がある要素)
スケジュール管理では、今日やること、今週やること、今月やることといったように、複数の時間枠でのタスクを整理します。
スケジュール管理とタスク管理をしっかりと行うことで、自分が今何をやらなければいけないかがわかると同時に、今すぐにやらなくてもいいことがわかります。
「このタスクは締め切りまで時間があるから来週取りかかろう」といった判断ができるようになれば、時間と心の余裕も持ちやすくなるでしょう。
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できない仕事ははっきりと断る
できない仕事や本当はやりたくない仕事ははっきりと断りましょう。
その際には、ただ「できません」と言うのではなく、できない理由を論理的に伝えるのがポイント。以下のように、できないと伝えた上で代替案を提示するのも方法の一つです。
- 今やっている◯◯のタスクで今週は手一杯なのでできません。来週であればできますがいかがでしょうか?
- ◯◯の締め切りを月曜日から金曜日に延期可能であれば、優先して対応できます。
お金をもらって働いている以上、どうしてもやらなければいけない仕事もあるでしょう。しかし、他の人でもできる仕事である場合や、時間的な余裕がない場合には、自分の負担を減らすために断ることが大切です。
小さな目標を立てる
性格や能力と業務とのミスマッチや、給与や待遇への不満からストレスを感じているが転職は考えていない人は、小さな目標を立てて今の仕事を楽しむ方法を考えてみましょう。
例えば「いつも30分かけて行っている資料作成を15分で終わらせる」「今週は毎日定時で帰る」など、業務効率化に関するミニチャレンジがおすすめです。達成できればそれだけ仕事を早く終わらせることができ、その時間をストレス発散などプライベートのために使えます。
小さな目標達成を積み重ねることで達成感や自己肯定感が高まっていき、転職やキャリアチェンジなどの新しい一歩を踏み出すモチベーションも出てくるでしょう。
人間関係をドライにする
人間関係のストレスは解消が難しい問題です。他人の気持ちや態度は簡単に変えられないため、代わりにあなた自身の考え方を変えましょう。
具体的には、苦手な人と仲良くなったり、その人に気に入られるように努力したりするのをやめ、ドライな人間関係を徹底します。仕事の報告は可能な限りメールやチャットで済ませ、苦手な人がいる飲み会への参加は断ってしまいましょう。
ただし、そっけない態度や攻撃的な態度を取るとあなたの立場が悪くなったり、他の同僚に迷惑がかかったりする可能性もあります。あくまで社会人としてのマナーを守りつつ、極力直接的なコンタクトを避ける工夫をしてみましょう。
ちなみに、これは筆者の経験によるものですが、苦手な人への用事は朝一番に行うのがおすすめです。人は疲れたりお腹が空いたりすると不機嫌になりがちなので、午前中の早い段階であれば多少は穏やかに接してくれる可能性が高いです。
朝一番に苦手な用事を済ませてしまえば、あなた自身もその後の1日を軽やかな気分で過ごせるので、ぜひ実践してみてください。
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定期的に休む
疲れが溜まってストレスを感じやすくなっている場合は、定期的に休むようにしてみましょう。週末に何の予定もいれず家でだらだらする、スーパー銭湯やサウナにいってすっきりするといった過ごし方がおすすめ。
週末だけでは休息の時間が足りない場合は、有給休暇を使いましょう。有給休暇の使い方は個人の自由なので、旅行などの特別な予定がないときにも使ってかまいません。金曜日や月曜日に有給を取得して、自分だけの三連休を作ってみるのも良いでしょう。
ストレスや疲れは知らず知らずのうちに溜まっているものです。「最近ちょっと疲れたな」「ゆっくりする時間がないな」と感じたら、思い切って休んでみてください。
信頼できる人に相談する
自分一人では解決できないストレスや悩みがある場合は、信頼できる人に相談してみましょう。
「話をしてもどうしようもない」と思うかもしれませんが、誰かに話を聞いてもらうだけでも気分がスッキリすることもあります。また、実は相手も過去にあなたと同じようなストレスや悩みを持っていて、何かアドバイスをくれる可能性もあります。
身近に話ができる人がいない場合には、外部のサービスを利用するのも方法の一つです。厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」では、悩みを匿名・無料で相談することができます。ストレスチェックやセルフケア講座などもあるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
仕事のストレス解消法おすすめ6選
仕事でストレスが溜まってくると、お酒や買い物でストレス発散しようとする人もいるでしょう。しかし、ショッピングや暴飲暴食などは後悔することになる可能性が高いため、あまりおすすめできません。
ここからは、過去にIT企業で激務の日々を過ごした筆者の経験も元に、おすすめのストレス解消法を6つ紹介します。
しっかりと寝る
ストレスフルな仕事の後は、つい夜更かししてテレビやSNSを見たり、お酒を飲んだりしがち。しかし、疲れた体や心を癒やすためには、睡眠が一番。休日の朝は予定を入れず、ゆっくりと寝てください。
注意点として、週末に寝過ぎると生活リズムが崩れ、月曜日に起きるのがつらくなってしまいます。寝すぎることが不安な人は、カーテンを少し開けて太陽の光で自然に目が覚めるようにする、目覚ましを設定するといった工夫をしましょう。
起床時間を変えたくない場合には昼寝もおすすめです。30分くらい寝ると体も気持ちもすっきりするはずです。ただ、昼寝も長すぎると体がだるくなったり夜に寝られなくなったりするので、タイマーをかける、少し明るい部屋でベッドではなくソファで寝るといった対策をするとよいでしょう。
体を動かす
ストレスが増えてくると、気持ちも体も固まっていきます。定期的に体を動かして、緊張をほぐしてあげるようにしましょう。
体を動かすことができればどのスポーツでもよいですが、おすすめはジョギングやストレッチ、ヨガなどの特別な施設や装備がいらず、1人でも楽しめるものです。You Tubeなどの動画を見ながら、自宅で筋トレやダンスをするのもよいでしょう。
運動が苦手な場合は、休日に散歩に出かけたり、会社帰りに一駅分歩いて帰ったりするのもおすすめです。
嫌なことを紙に書き出す
イライラすることや嫌なことを紙に書き出し、気持ちを吐き出してみましょう。モヤモヤとした気持ちを文字に表すことで、気持ちが整理され、自分が何にイライラしているのかや、本当はどうしたいのかがわかってきます。
ポイントは思いついたものをとにかく書き出していくこと。「先輩が仕事を無茶振りしてくる」「後輩の指導が大変」など、あなたの心を乱す要因をリストアップしましょう。
書く行為そのものに意味があるので、書いた後の紙は将来見返すために溜めておいても、破って捨ててしまってもどちらでもかまいません。「最近ストレスが溜まってきたな」と感じたタイミングで、ぜひやってみてください。
自然豊かな場所に出かける
自然豊かな場所に出かけて、リフレッシュするのもおすすめです。緑があふれる気持ちのよい場所で深呼吸すると気持ちがスッキリして、悩みの1つや2つくらいどうでもよくなってきます。
カフェでコーヒーをテイクアウトして、それを飲みながらのんびり公園を散歩したり、ピクニックしたりするのも、心と体のリフレッシュに最適です。本格的な自然に触れたい場合には、山登りもよいでしょう。
趣味に没頭する
ストレスが溜まってくると、プライベートの時間でもふと仕事のことを考えて気分が下がってしまうことがあるでしょう。「せっかくの休日なのに、仕事のことが頭から離れなかった」といった経験がある人も多いはず。
このような状況には、趣味に没頭して頭の中を空っぽにすることが効果的です。スポーツやゲーム、料理、DIY、手芸、家庭菜園など、目の前の作業に頭をフル回転させて、仕事のことを考える余裕をなくしてしまいましょう。
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初めてのことに挑戦する
平日は家と職場の往復といった変化のない日々に飽きてしまい、ストレスを感じているケースもあります。その場合は、何か今までやったことのないことに挑戦して、心と体に刺激を与えてあげましょう。
行ったことがないカフェでランチを食べる、日帰り旅行に行く、会ったことがない人もいる飲み会に参加するなど、あなたがこれまでの人生で経験したことをして、会ったことがない人に会いましょう。
初めてのことに挑戦するのは、少しストレスでもありますが、同時にわくわくすることでもあります。普段仕事で感じているものとは異なるストレスを感じることで、気持ちがリフレッシュするでしょう。
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仕事のストレスは溜めずに発散しよう
仕事のストレスは、多かれ少なかれ全ての社会人が感じていると言っても過言ではありません。ストレスが溜まった状態を放置すると、心身に悪い影響がでる可能性もあるため、適切に対処することが必要です。
まずは自分が何にストレスを感じているのかを突き止め、そのストレスを軽減させられる方法がないかを考えてみましょう。その上で、どうしても日々の仕事で感じてしまうストレスには、趣味や運動などで発散するようにしましょう。
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