元インフラエンジニアで現オリックス生命保険のIT本部管掌、プログラミング短期集中コーステックキャンプ イナズマを受講した理由とは?
更新: 2024.07.29
オリックス生命保険株式会社にて執行役員 IT本部管掌を務める児玉英一郎(こだま・えいいちろう)さん。
エンジニアとして豊富な経験を持つ児玉さんは、ITのプロは学び続けなければならないという考えと、自身がモノづくりから離れていることへの危機感からテックキャンプ イナズマ(以下、イナズマと表記)を受講しました。
※テックキャンプ イナズマスタイルは、GWや年末年始などの長期休暇で随時開催しています。最新情報は公式サイトをご確認ください。
「スピード感を持って事業を展開するためには、マネージャークラスも技術力がなければ生き残れない時代。」
そのように語る児玉さんに今回は経営層がプログラミングを学ぶ必要性とイナズマを受講した感想について伺いました。
児玉英一郎
こだま えいいちろう
IT基盤構築エンジニア・提案型SEを経験し、2006年から7年間、IBMにてCxOの課題解決に焦点を当てたITプロセス改革コンサルティングに従事。2013年Salesforceに移り、カスタマーサクセスマネジャーとして損害保険など最重要顧客向けのアドバイザリー/プログラムマネジメント業務に従事。2015年オリックス生命保険株式会社に入社し、IT戦略プロジェクト推進部長を務める。2017年10月よりIT本部長としてアプリケーションからITインフラまでの全階層と、戦略策定からエンドユーザサポートまでの全領域を統括する傍ら、ITマネジメント領域のインストラクターとしても活動。2019年7月より執行役員 IT本部管掌に就任。
この記事の目次
「集中的にプログラミングを学びたい」という考えからイナズマを受講
— エンジニア経験がある児玉さんが、なぜ改めてイナズマでプログラミングを学ぼうと思ったのですか?
約4年前を最後にモノづくりに直接携わらなくなり、やらなければ腕が錆びていくだろうと感じていました。
集中的にプログラミングを学ぶ時間を取りたいと考えていましたが、仕事柄まとまった時間を取ることが難しくて。
— 他にもプログラミングスクールはありますが、イナズマを受講した理由を教えて下さい。
たまたまFacebookのタイムライン上でイナズマの広告を目にして。
夏休みを利用すれば1週間くらいは時間が取れるので即受講を決意しました。実は未経験向けとは知らずに申し込みました。
頭でわかっていることと実際に手が動くというのはまったく次元が違う
— イナズマを受講した感想を教えて下さい。
頭で分かっていることと、実際に手が動くというのはまったく次元が違うということを実感しました。
私はITインフラに関しては、過去の経験から今でも手が動くレベルと自負していますが、アプリケーション開発はそこまで長い経験を積んでいるわけではありません。
はじめてのRuby、Ruby on Railsによるモノづくりにとても刺激を受けました。
— 受講中のモチベーションの維持はどのように行いましたか?
自分がプログラミング未経験の人に教えることを意識してカリキュラムを進めたことがモチベーションにつながりました。
学習定着率を表す「ラーニングピラミッド」でも知られていますが、私は人に教えることが上達の近道だと考えています。
まったくの素人の方に分かりやすく伝えるにはどうしたらよいかを考え、マインドマップでカリキュラムを整理しました。こちらも10年ぶりに使ってみました。
まわりの方の様子やメンターさんへの質問の内容を聞いて、未経験者や初心者が学習でつまずきやすい部分も理解できたことも有意義でした。
(児玉さんが実際に作ったカリキュラムのマインドマップ。クリックすると大きい画像でご覧いただけます。)
— 同じようにプログラミングに取り組むまわりの方の姿は刺激になりましたか?
経営層の方が高い意欲を持って取り組んでいる姿はとても刺激になりました。
私自身インストラクターの経験から、トレーニングの成功要因の大半は参加者の姿勢にあると考えています。
受け身ではなく、自ら学ぼうとする姿勢を持っているとトレーニングの結果は大きく異なります。
イナズマにはそのような姿勢を持った方が集まっているので、刺激を受けながら学習が進められてよかったです。
教養としてのプログラミングは手を動かせるようになること
— 教養としてのプログラミングのスキルは必要だと思いますか?
メンターの方も仰っていましたが、教養というのは頭で分かっているだけではダメで、手を動かせるようになる必要があります。
私はアルゴリズムやプログラムの書き方は理解していましたが、Ruby、 Ruby on Railsによるモノづくりははじめてでした。
毎朝復習をペアプログラミングで行う際に、想像以上に手が動かないという場面もありました。カリキュラムを振り返り、翌日には汚名返上しました。
本当の意味での教養を身に付ける上で、イナズマの自由度の高いカリキュラムはよくできていると思いました。
マネージャークラスもプログラミングをできなければ生き残れない時代
— マネジメントを行う立場であっても、プログラミングをはじめとする技術力は必要だと思いますか?
マネージャーは技術を知っているべきか、知らなくて良いかという議論はよくなされます。
しかし、これは議論するまでもなく、技術を知っている方がいいに決まっています。
特にIT部門のマネジメントを行う立場の方には技術力は不可欠です。それは、技術の目利きを行う上で、ベースとなるからです。
アルゴリズムを理解し、プログラミングによるモノづくりができるという裏付けがあってこその目利きと言えるでしょう。
技術力があれば、正しいシステムの利活用の可能性を考えられます。
ユースケースを知っているだけでは不十分で、どういった仕組みで動いているかを理解することが重要です。
— IT部門のマネージャークラスでプログラミングができないという方はいるのでしょうか?
残念ながら、モノづくりの経験を有していないマネージャーの方はいます。
なぜそれが成り立つかというと、日本国内ではIT人材の72%がいわゆるベンダー企業に在籍しており、ユーザー企業のIT部門の多くが発注者としての立場を取るからです。
発注者が担うのは企画・調整・ベンダーマネジメントが主な業務となります。重厚長大なプロジェクトにおいては、このような役割は確かに重要です。
ただし、今はスピード感のある俊敏な変化が求められる時代です。MVP(Minimum Viable Product)を次々とリリースし、バリューを創出しなければなりません。
「プログラミングはできた方がよい」という状況ではなく、「プログラミングができなければ生き残れない」状況だと捉える必要があります。
プログラミングのスキルはエンジニアへの正しいリスペクトにつながる
— スピード感を持った経営を行うために、マネージャークラスはプログラミングを学ぶ必要があると言うことですね。
ITエンジニアの不足は深刻な問題です。今後は限られた数のエンジニアの奪い合いになるでしょう。
ただ、闇雲にエンジニアを増やしたとしても成果を得ることは難しいと思います。
モノづくりのスループットを上げるためにはボトルネックとなるエンジニアの質を高め、よりよいシステムが作れる人を増やす必要があります。
そのためにもマネージャークラスの方はプログラミングを学び、価値創造と競争力の源泉となるデベロッパーを正しくリスペクトできるようになるべきです。
誰もがプログラミングの素養を持つ組織へと変えたい
— イナズマの受講経験を今後はどのように会社で生かしたいと考えていますか?
今回の受講経験を生かして、誰もがプログラミングの素養を持った組織へと変えていきたいです。
システム開発の規模が大きくなれば、分業制が敷かれます。プログラミングができず、上流工程の経験しかない人の要件定義などは、後続工程の作業を正しくイメージできないのでいびつになりやすいです。
そのような歪んだ状況を変革できたIT部門だけがこれからは生き残るでしょう。
弊社(オリックス生命保険)は短期間で急成長を果たしたことで、システム開発においては外部委託依存が強くなってしまいました。
今後は経営のニーズに俊敏に応え、技術的な目利きを発揮して実践できるよう、内製化へとさらに舵を切っていく方針です。
「日本のIT部門をよくしたい」と考えたきっかけは日本のモノづくりのしがらみ
— なぜ、現職のようなユーザー企業で働きたいと思ったのですか?
ベンダー企業で、システム開発・運用プロセス改善のコンサルティングに従事するようになってから、「ユーザー企業のIT部門の変革」が私のITプロフェッショナルとしての最大の関心事となりました。
しかしいくら優れた仕組みを構築しても、ユーザー企業側が「自分事」として捉え、組織文化や風土を変革し、組織の成熟度自体を向上させなければ成果は出ません。
外部の立場から支援する事の限界やもどかしさを感じていたのがきっかけです。
— 日本のITをよくしたいと思ったきっかけはありましたか?
IBM在籍時代に参加した米国のカンファレンスで、スピードと優れたモノづくりを競争優位の源泉としている海外の動向を目の当たりにして、重厚長大な開発を前提としている日本のモノづくりのしがらみを感じました。
ウォーターフォール型のモノづくりを否定するわけではないのですが、大規模かつ長期なプロジェクトを厳格な計画の下に推進しても、結局できあがったシステムはすぐに陳腐化してしまいます。
— 変化の必要性を肌で感じたことがきっかけになったのですね。
先程もお伝えしましたが、日本の多くの企業は自社でシステム開発を行っておらず、ベンダー企業に外部委託しています。
そのため、自分で自社のシステムのコードを書いたことがない、という社員も珍しくありません。
近年注目を集めているDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組もうと言ったところで、自分でモノづくりと目利きする力がなければ、ベンダー丸投げの状態から脱却できず、真のIT利活用にはならないでしょう。
DXへの道程は、0から1へと一気に変わるわけではなく、組織風土、システム構造、開発手法、そしてスキルセットを従来のものと共存しながら段階的に変えていくものと考えています。
最も重要なスキルセットについては、現在弊社(オリックス生命保険)の採用では、業界経験は原則不問とし、自ら手を動かすことを厭わない技術人材を重視し、内製化を進める方向にシフトしています。
悩んでいるなら今すぐにプログラミングをはじめるべき
— まだプログラミングを学んだことがない人へメッセージをお願いします。
プログラミングを学びたいと考えているなら、悩むのではなくすぐに始めるべきです。昔と比較するとはるかにプログラミングは始めやすくなっています。
もしも、プログラミング未経験の状態でITエンジニアとして働いているのであれば、テックキャンプ を受講してもよいでしょう。
あとは、プログラミングから随分と離れてしまったユーザー企業のIT部門の方も錆びた腕を再び磨くきっかけに受講しても良いかもしれません。
— ITエンジニアとして活躍し続けるには、児玉さんのように学び続ける姿勢が必要なのだと改めて思いました。
ITのプロフェッショナルとしての矜持を発揮し続けるには、生涯学び続けなければなりません。ビジネスの環境やニーズは不確実で日々変化するからです。頼りになるのは会社の看板やポジションではなく、自身の専門性に裏付けられたマーケットバリューのみ、と私は確信しています。
— 児玉さん、本日はお忙しい中インタビューのご対応ありがとうございました!
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Interviewer 桜口 アサミ
Photo 木村ヒロト
Writer 木村 ヒロト
Editor 桜口 アサミ
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