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及川卓也×日本マイクロソフト澤円が語る、エンジニアの成長に必要な条件「ぼんやり生きているオジサンたちは無視して構いません」

更新: 2019.11.08

クラウド、AI、IoT、VR/AR……世間を驚かせる数々の先進技術が示す可能性を、有効に活用するためには、当然のことながらエンジニア・デベロッパーの存在が必要不可欠になるという。

2018年6月、「クライス汐留アカデミー」にて、及川卓也氏×日本マイクロソフト澤氏×KDDI藤井氏によるトークディスカッション内でも、同様の見解が語られていた。イベントレポート:GoogleとMicrosoftの最新動向から読み解く、先進テクノロジーのビジネス活用新潮流【及川卓也×日本マイクロソフト澤×KDDI藤井】

ではそんな時代に、エンジニアは何を考え、どのようにスキルを磨き、行動していくべきなのだろうか。及川卓也氏と、澤円氏に語り合ってもらった。

株式会社クライス&カンパニー 顧問
及川卓也氏(写真右)
早稲田大学理工学部を卒業後、日本DECに就職。営業サポート、ソフトウェア開発、研究開発に従事し、1997年からはMicrosoftでWindows製品の開発に携わる。2006年以降は、GoogleにてWeb検索のプロダクトマネジメントやChromeのエンジニアリングマネジメントなどを行う。2015年11月、技術情報共有サービス『Qiita』などを運営するIncrementsに転職。17年6月より独立し、プロダクト戦略やエンジニアリングマネジメントなどの領域で企業の支援を行う。17年9月、ヘッドハンティング・人材紹介を展開するクライス&カンパニーの顧問に就任

日本マイクロソフト株式会社 マイクロソフトテクノロジーセンター センター長
兼 サイバークライムセンター 日本サテライト
澤円氏(写真左)
生命保険IT子会社勤務を経て、1997年よりMicrosoft(現 日本マイクロソフト)。プレゼンを年250回以上こなし、ビル・ゲイツが卓越した社員のみに授与する「Chairman’s Award」を日本人エンジニアとして初めて受賞した経歴を持つ。著書に「外資系エリートのシンプルな伝え方」(KADOKAWA/中経出版)「世界No.1プレゼン術」(ダイヤモンド社)がある

「何をやれば良いか?」を他人に尋ねるよりも「何がしたいか」を自分に問うべき

――今後のビジネスは、技術を扱う“人”の重要性がより一層高まるとイベントでは言われていました。そんな時代に、エンジニアにはどのような姿勢が求められるのでしょう?

及川 まず大前提として、私が前から引っかかっているのが、まさにその質問です。「何に関心を寄せておくといいですか?」というスタンス自体が問題なんですよ。多くの日本のエンジニアは、今こうして次々と新しい技術が登場してくる状況や自分の仕事というものを楽しんでいないんじゃないか、という思いが以前からあります。だから、「関心を持たなければいけないけれど、何が一番良いですか?」という視点になってしまっている。「いやいや、そうじゃなくて。何か面白そうな新しい技術が出てきたら、仕事に使えるかどうかは別として、目を輝かせて試してみたいと思う好奇心が大事でしょう」と、私は思ってしまうんです。

 すごく分かります、その感覚。

及川 理想論かもしれないけれど、やっぱり「技術が好きでしょうがない人」に、エンジニアをやってほしいですよね。プロである以上、対価をもらう立場として「やらなければいけないこと」はあるとは思います。でも、技術者って基本的には好きなことを仕事にしているわけですから。「やりたいこと」は自然と見えてくるはず。それを素直に追いかければいい、と言いたいです。

 でもそれって、日本ならではの環境が影響しているとは思うんですよ。欧米と違って、日本のエンジニアの75%はSI絡みの受託開発を任されていると言われています。残念ながら未だにブルーカラー的な働き方を強いられている人も少なくない。そういう環境では、及川さんが言う「目を輝かせる」感覚が湧いてこないんだと思います。でも、私はむしろ「そういう人たちが多数派だと気付いた時が、チャンスなのでは」と捉えています。

クライス&カンパニー

――エンジニアの仕事を楽しんでいない人が多い、という状況がチャンスというと?

 皆が黙々と仕事を「やらされている」のなら、何か自分で発信できる技術なり、手法を見つけてアウトプットしてしまえば、簡単に多数派の中で目立つことができます。私自身も、もともとはこの多数派にいたわけですが、だからこそ「このままじゃいけない」と思うことができました。キャリアに危機感を抱き、発信し始めた途端、キャリアの選択肢が広がっていったという実感があります。だから、「どんな技術を手掛けたら良いですか」を他人に尋ねる前に、まずは少しでも自分でアウトプットすることを意識するだけでも、状況は拓けていくんじゃないかと思います。

また、私は仕事柄、企業のエグゼクティブ層の方々とよくお会いしますが、最近は彼らの考え方も大きく変わってきています。「テクノロジーのことは、よく分からん」なんて言うひと昔前の経営者が減って、自ら技術を学び始める人も増えている。技術者の社内的地位も上がっていますから、エンジニアのちょっとした変化も社内で評価されやすくなっているはずです。

及川 私は仕事を通じて、スタートアップベンチャーの創設者や、グローバルで活躍している人たちによく会うんですけど、彼らの興味は共通して「スキルアップ」なんですよ。決して「キャリアアップ」を目的に行動していない。技術者として興味を感じるものにアプローチして、スキルを上げていくことを楽しみながらやっている内に、自然にキャリアも上がっている。「何をしたら偉くなれるか」に関心はなくても、結果としてスキルもキャリアもアップしているんです。そして、澤さんが指摘された通り、こういう現象は何も起業家や一部のエンジニアにだけ起きているわけではない。世の中全体の風向きが変わってきているんです。

及川

――少しでも周囲より突出した何かをアウトプットできれば、評価され、チャンスが巡ってくる時代ということですね。

及川 そうですね。でももしかしたら、読者の方が今所属している会社は昔のままかもしれません。でも、それならさっさと辞めちゃえばいいんですよ(笑)。今、世の中でエンジニアは引く手あまたですし、ちゃんとスキルを持っているのであれば、フェアに評価してくれる企業はいくらでも選べる。そう言い切れるくらい、日本の企業は変化の時期を迎えています。

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「家に帰ってまで技術のことをやらなくていい」なんて、先輩たちの“悪い助言”は気にしないこと

――ここまでのお話だと、「自分の現在地」がどこであろうと、技術に好奇心を持って動き出せば、成長へ向けてブレークスルーできる、ということですよね?

及川 そうですね。特に最近は、エンジニアの中でも「やらなければいけないからやっている」人と、「やりたいからやっている」人で、分かりやすく二層化してきたと思っています。

 昔の私なんて、完全に前者でしたよ(笑)。COBOLのプログラムを、渡された仕様書通りに打ち込むだけでした。私の場合は「このままじゃいけない」という問題意識を持てたけれど、現実にこういう働き方にハマってしまうと、及川さんが言うような「新しいことに興味を持つ」余地がなくなっていく危うさはあると思います。

及川 問題意識や成長願望が強いエンジニアって、元から「やりたいからやっている」タイプの人が多い。だから会社の仕事が終わった後でも、セミナーに行ったり、オープンソースのコミュニティに顔を出したりするじゃないですか。そういう人は、スキルアップの機会を得たり、ネットワークを広げたりして自然にチャンスを掴んでいきます。でも「やらされ感覚」のエンジニアは違いますよね?

 「やっと仕事が終わったのに、なぜまた何かやらなきゃいけないの」と、なりがちですし、時には悪い先輩が現れて、「家に帰ってまで技術のことなんて、やらなくていいよ」といった助言をしちゃう。

及川 「仕事は仕事。終わったら好きなサーフィンに没頭しています」という生き方でもいいんですけどね。ただ、そんなサーファー先輩が、技術に興味を持っている後輩の成長機会を奪うような、悪しき助言をするのは本当にやめてほしい!

 そういう人たちのことを、私は「ぼんやり生きているオジサンたち」という呼び名を付けているんですが(笑)、ぼんやりオジサンは自分の成長をどこかの時点で諦めちゃった人である場合が多いんです。さらに良くないことに、社内では半端に偉くなっていたりして、言わなくていいことを若手に言っちゃったりする……。

及川

及川 私はそういう人たちを「静かに暮らしたい人たち」って呼んでいます(笑)。本人が静かに暮らしているだけなら文句は言わないですが、成長途上のエンジニアに要らないことを助言して、皆で静かに暮らそうとする人もいるんですよね。人の成長機会を奪う上に、会社のイノベーションまで阻害していることに気付いていない。

 でも、及川さんも先程指摘したように、スキルを磨きたいエンジニアの潮目は変わり始めています。邪魔する人たちは放っておいて、自分でとにかく動き出せばいいんだと思います。

及川 意識の高い企業では、特にエンジニアに対するリスペクトや期待値が確実に上がってきていると思います。だから例えば、流行りのRPAをどこかのベンダーに丸投げするような話が社内で出てきたら、「それ、自分にやらせてください」と主張してみるなど、自分から手を挙げることが大事だと思います。そのプロジェクトを内製化できたら、すごく評価されるし、自分の経験値も上がっていきますから。

 パネルディスカッションで話題になったように、企業が最新のテクノロジーをビジネスに活用しようとする時の重要な課題は、社内にどれだけ技術を理解して動かせる人がいるかということ。だからこそ、どんどん自分で動いていくことが有効ですね。

及川 最初の質問の答えに戻るかもしれませんが、AI、IoT、VR/AR……扱う技術って、何だって良いんですよ。何か気になるテクノロジーがあれば、トライしてみる。自分の中で楽しめそう、もっとスキルを磨きたいと感じたら、無理矢理にでも自分の仕事に関連付けてしまえばいいんです。

 そういう、ちょっとゴリ押しな感じでも良いですよね!エンジニアは、どんどんアウトプットすることが大事ですから。

及川 大切なのは、面白いと感じること。それを楽しむこと。そして、多少強引でも仕事にしてしまおうとすること。もしも社内に「ぼんやりオジサン」がいても、気にすることはないんです!(笑)

取材・文/森川直樹 撮影/赤松洋太

こちらの記事はエンジニアtypeのコンテンツから転載しております。元記事はこちら

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この記事を書いた人

テックキャンプ ブログ編集部
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