異国で活躍中のテックキャンプ卒業生「Pythonを学ぶときもRubyを習っていたことで学習スピードが段違いに早い」
更新: 2019.05.08
テックキャンプアンバサダーの銭本隼空さんは日本の高校を卒業後、イギリスのダラム・ユニバーシティに進学。現在は大学3年生(※イギリスの大学は3年制のため、最終学年に相当)です。
2015年の休暇中、日本に帰国してテックキャンプでプログラミングを学んだ銭本さん。
イギリスの大学に戻った後も、学内でのサービス開発やチームでのウェブサイト制作にスキルを活用。またテックキャンプで学んだRubyの知識を、大学でのPython学習にも応用。異なる国のコミュニティで、プログラミングを武器に自分の役割を確立しています。
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銭本さんに留学を決意した理由や、イギリスの地で具体的にどのようにプログラミングを役立てているのか詳しく話を聞いてみました。
この記事の目次
物理をやりつつ、英語もやりたい!高校卒業後、イギリスの大学に入学
ダラム・ユニバーシティのキャンパスの様子
――銭本さんは、いまはイギリスの大学に通っているんですよね。
はい。イギリスのダラム・ユニバーシティの3年生で、物理学を専攻しています。
僕は日本の高校を卒業した後、イギリスの大学に留学しました。
EU圏外から来た留学生は一般的に「ファウンデーションイヤー」と呼ばれる、大学0年目の準備コースに相当するようなコースに入ります。そのコースでは、留学生がイギリスの高校で習う内容を1年でおさらいするんです。
そして僕のコースの場合は、ファウンデーションイヤーを卒業するとそのまま学部に進学して、3年生で卒業します。つまり、イギリスの大学3年生は日本の4年生に相当する最終学年なんです。
――母語も文化も異なるイギリスでの日々に、戸惑いなどはありませんでしたか?
どうなんでしょう・・・。あんまりそういうこと気にしないタイプなんですよ、僕。けっこう適当な性格なんですよね。鈍感というか(笑)
――イギリスの大学に留学したい場合、日本の大学に進学して交換留学で渡航するケースが一般的だと思うんですよね。
僕は中学・高校時代から日常生活と物理学のつながりに興味があって。だから「大学では物理をしたい」と思っていたんですけど、英語もビジネスレベル以上に使えるようになりたかったんですよね。だから物理をやりつつ英語が勉強出来たら最高じゃないかな、と単純に思って。
あとは、純粋にイギリスの雰囲気が好きというのも大きかったですね。
日中の空が青くて夕日や朝日が赤い理由など、身近かつ大人でもよく理由を把握できていないような事象について、物理学の観点から分かりやすく解説した1冊。銭本さんおすすめの書籍です。
学生向けSNSを作るため、帰国中にテックキャンプを受講
ダラム・ユニバーシティのキャンパスの様子
――テックキャンプを受講したのは、いつ頃のことだったのでしょう?
2015年です。
――受講理由を教えていただけますか?
当時、僕は学内のあるソサエティ(※学生コミュニティの一種)の代表になったばかりだったんですが、活動の一環として「アプリを作ろう」という企画を立ち上げたんです。ソサエティの活動内容に特化した、会員制のSNSを作れれば便利だよねということで。
ところが、僕はプログラミングができなかったので「プログラミングを学ぶにはどうしたらいいんだろう」とちょっと困ってしまったんですよ。
ちょうどその頃、テックキャンプの宣伝をウェブ上でたまたま目にして。「このカリキュラムでしっかり勉強すれば、ソサエティで必要とされているアプリは作れるんじゃないか」と思い、受講を決めたんです。
休暇中に受講を開始し、テックキャンプでは1か月間でRuby on Rails、HTML、CSSを学びました。
ハードをいじるのは好きだったが、ソフトの知識は皆無
――ソサエティでのアプリ開発の話題が出る以前には、プログラミングに関心は無かったですか?
いえ、そんなことは無いですよ。
元々、工作でロボットを作るのが好きだったんです。ネジを回し、パーツを組み上げて作るようないわゆるハードをいじるのが楽しくて。ただ、ハードをいじることはできても中のソフトウェアの知識は皆無で。段々とソフトの知識を身につけ、ロボットを動かすプログラムを組めたら良いなあと感じるようになりました。
また、時代の流れもあります。これから、プログラミングの知識はますます重要なものになると思うんです。
だからこそ、僕には強い危機感がありましたね。プログラミングが重要なことは確かなのに、自分には知識が無いわけです。日常的にアプリやソフトをいじっているのにその裏側を全く理解していないなんて「このままで自分は大丈夫なのかな?」と思わずにはいられなくて・・・。
だから、いつかプログラミングをしっかり学びたいとずっと考えていました。そして、最後に背中を押してくれたのがソサエティでのアプリ開発の企画だったんです。
「できること」と「できないこと」の仕分けができるようになったのは、大きかった
――実際にプログラミングを学ぶ上で、躓いてしまう点などはありませんでしたか?
躓きまくりでしたよ(笑)プログラミングってもっと簡単なものだと思ってたんですよね。「右を向け」と書いたら、対象が右を向いてくれるというくらいシンプルなものだと思い込んでいて。
実際にはプログラミングって、しっかり文章を書く必要がありますよね。しかも「では、右を向いてください」という一文を書けばいいというわけではなく、RubyであればRubyの文法に沿った文を書かないといけないわけです。
知らないことを1から学ばないといけなかったので、ずっと驚きの連続でしたね。
――受講で得た知識は、アプリ開発にどのように役立ちましたか?
大学のコンピューター系の学科に通う友人が1人居たので、受講後には彼と一緒にサービスを作り始めました。友人の方がエンジニアとしての経験はより豊富だったので、メインの開発は彼に担当してもらって。
プログラミングの知識を得たことで、開発に当たって「できること」と「できないこと」の仕分けが正確にできるようになったのは大きかったですね。
もしテックキャンプを受講していなかったら、僕は彼に「こういう機能が欲しい」「この機能も追加してほしい」と自分の希望ばかりを並び立てていたでしょうね。また「その機能は実装できないよ」と言われたら、実装できない理由も分からずに引き下がることしかできなかったはずです。
――facebookも元々は、大学のコミュニティから生まれたサービスですよね。
僕と友人はfacebookのような世界的なサービスを生み出す目的で、サービスを作ったわけではないですけどね(笑)
でも彼と一緒に開発するのは勉強にもなりましたし、楽しかったです。
イギリスのEU離脱は、全く予想していなかった
――銭本さんは2014年にファンデーションイヤーを終え、ダラム・ユニバーシティの1年生となりました。翌年、2015年には保守党のキャメロン首相(※当時)がEU離脱の国民投票の実施を公約に掲げた総選挙が行われ、保守党が勝利。2016年の国民投票で、EU離脱が決定しましたね。
日本でも2016年の国民投票は大きく報道されたと思うのですが、やはり離脱派の勝利は驚きでした。
国民投票の前まではEU離脱の議論なんて皆、本気で受け止めてはいなかったですよ。「離脱しないのが当然」という見方が普通で。特に20代前半、僕と同世代の若者はそうでした。
ところが蓋を開けてみたら、離脱派が勝ったわけで・・・。まさかという感じですよ。全く予想してなかったです。
イギリスのEU離脱を巡る国民投票の一部始終を伝えるBBCの動画。10時間に及ぶ長時間の番組ですが、残留派と離脱派の一進一退の攻防を追体験することができます。史料的価値が高く、ブレグジットに関心のある方にお勧めの動画です。
イギリスの学生は、日本より政治への関心が高い
――総選挙と国民投票は、学内でもかなり盛り上がったのではないでしょうか。
非常に話題になりました。
大学施設の1つである、世界遺産のダラム城のグレイトホール(※食堂)では夜通し報道番組をスクリーンで映し出していました。イギリスの学生は政治への関心が高く、試験前にも関わらず、多くの学生がそれを見ながらグレイトホールで勉強していました。
キャメロン元首相の側近が記した、イギリスのEU離脱の裏側に迫る一冊。EU残留キャンペーンの広報責任者として指揮を執った著者が、EU離脱の可否を巡るメディア戦を振り返っています。
普段からもパブやカレッジのバーでお酒を飲みながら最近の政治の話をすることは多いです。グループで行って、皆で議論することもあります。日本では、あまり学生同士で政治の議論をすることは無いですよね。こうした点には、文化の違いを感じます。
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キャッシュレス化が進むイギリス。Apple WalletはPASMOレベルの利用頻度
――イギリスで浸透しているスマートフォンアプリやWEBサービスは、どのようなものでしょう。日本とは市場環境が異なっているのではないでしょうか。
個々のアプリやサービスのユーザー数の違いまでは分からないですが、イギリスと日本で圧倒的に使用頻度が異なるのはApple Walletです。
僕、イギリスに居る間は毎日Apple Walletを使ってるんですよ。でも、大学の夏季休暇で日本に戻ってきてからは使ってないですね・・・。日本に戻って2ヶ月から3ヶ月ほど経ちますが、下手したら1回も使ってないかもしれません。
Apple Walletの操作画面。Apple StoreやSUBCARD(サブウェイのポイントカード)、Starbucks Cardなど日常的に使うプリペイドカードやポイントカードをまとめることができます。
――イギリスにおけるApple Walletは、日本で言うと電子マネーくらいの頻度で使うものなのでしょうか。
日本ではよくPASMOを使うんですけど、それくらいの頻度でイギリスではApple Walletを使ってますね。基本的にスーパーやパン屋さん、クリーニング屋さんでも支払いはApple Payですし、最近ではネット上の決済もApple Payです。
イギリスって電子化、キャッシュレス化がどんどん進んでいて。例えば、ポイントカードは大体スマホで管理するんですよ。日本にもポイントカードってありますけど、ほとんどが物理的なカードですよね。
キャッシュカードも同様に電子化が進んでいます。イギリスでは物理的なキャッシュカードを持っていなくても、スマホだけで一定の額まではお金が引き出せるんです。
――便利ですね!物理的なカードってかさ張りますし、財布から出して提示するのもめんどくさいですよね。
スマホさえあれば、そこそこの買い物までなら財布が無くても出来ちゃうんですよね。基本的にはApple Walletで十分ですし、現金が必要になればスマホでATMから引き出せますし。
だから僕、イギリスではほとんど荷物持ち歩かないですよ(笑)
イギリスでもスキルが通用!「Pythonを学ぶときもRubyを習っていたことで学習スピードが段違いに早い」
――2017年現在のご自身にとって、テックキャンプで学んだことはどう活きていますか?
めちゃめちゃ知識が役立ってます!
テックキャンプでプログラミングを学んだ翌年に、授業でもプログラミングを習う機会があったんです。
言語はPythonだったんですけど、テックキャンプでRubyを習っていたことで知識の身につくスピードが段違いでしたね。
▼Pythonとは何か?を知りたい方には、こちらもおすすめ。
下記の記事ではPythonの文法をサンプルコード付きで解説しています。また、Pythonの歴史もご紹介しています。「Pythonって名前は聞いたことがあるけれど、どういう言語かまだ分からない」という方はぜひ参考にしてください。
また研究内容の発表にも役立ちました。学内でチームを組み、研究したことをプレゼンではなくメディアにまとめて発表するという課題があったんです。ほとんどのチームはウェブサイトを作成し、発表するという形を採用していて。そこで僕のチームもサイトを作ることになりました。
ところが僕の他に3人のチームメイトが居たのですが、僕以外にウェブサイト制作の知識がある人間がいなかったんですよ。そこで僕がウェブを担当することになりました。つまり、サイトを作るという役割をチームの中で得ることができたんです。
異なる国のコミュニティで、自分の仕事をきちんと得られるというのは本当に大きなことですよ。
プログラミングスキルがあれば、異国でも確実に議論の輪に入れる
――テックキャンプアンバサダーにご応募いただいた理由は何だったのでしょう?
プログラミングの良さを、純粋に広めたかったんです。僕自身がプログラミングに「救われた」と思っているので。
先にお話しした研究内容発表の課題でも、もしプログラミングを学んでいなかったら僕はまず自分の役割を見つけるのに苦労したかもしれないわけですよね。「僕はサイトを作れる」と自信を持って言うことができれば、その時点で役割が明確になり、確実に議論の輪に入れます。
プログラミングの重要性は頭では分かっていましたが、大学でこうした経験を積んだことで、その有用性が体感的にも分かるようになりましたね。
――ご自身の今後の展望をお聞かせください。
大学卒業後は、院への進学を視野に入れてます。物理系の院に行くかは決めていませんが、学部で得た知識を活かして、何か将来に役立つことを学びたいと思っています。
また個人として、スマートフォンアプリの開発に興味があるのでプログラミングの学習も続けていきたいです。
――これからプログラミング学習を始めようと考えている方に、アドバイスをお願いします。
プログラミングは、学んでおいて損は無いですよ。プログラミングを身につけることで確実に世界は広がるので、少しでもプログラミングに興味がある人はぜひ学んでみてほしいです。
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