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一人あたり年間150時間の”探し物作業”を、クリエイティブな時間に変える

更新: 2020.10.05

今日あなたは書類整理や、探し物にどれだけの時間をかけましたか?

なかなか出てこない去年の資料、高く積み上げられた書類の山。
ITによって効率化されたように思える現代、日々の業務では、書類整理や探し物に時間を取られることがまだまだ多いです。

今回お話をうかがったのは、2017年7月クラウドストレージサービス『DROPPA』の提供を開始したと発表した、株式会社RUC代表の早川晋平さん。

探し物にかける時間を削減して、人々の生産性向上に貢献したいという想いのもと「ドキュメントの整理整頓」と「ペーパーレス化」に重きを置いた、クラウドストレージサービスを運営しています。

早川さんが、起業に至った経緯、IT起業におけるプログラミング学習の必要性についてお話をうかがいました。<プロフィール>

早川晋平さん

2016年4月株式会社RUCを起業。
テックキャンプ大阪1期(2015年9月受講)卒業生。

一人あたり年間150時間も、”探し物”に時間を割いている

ーー先日リリースされたクラウドストレージサービス『DROPPA』について教えてください。

『DROPPA』は「ドキュメントの整理整頓」と「ペーパーレス化」に重きを置いた、クラウドストレージサービスです。

働く人の生産性を上げ、人々がもっとクリエイティブに、本来すべき仕事について考えられる時間を創出したいという想いのもと、サービスを販売・運営しています。


DROPPA

ーーなぜクラウドストレージサービスという領域で、起業に至ったのでしょうか?

もともと学生の頃から「起業をしたい」という思いを持っていたのですが、まず新卒では会計事務所に就職をしました。

ちょうど僕が入社した頃に、マネーフォワードが提供する『MFクラウド会計』が導入されました。

今までの会計事務所業界は、取引の記録を1行1行会計ソフトに打ち込まなければならず、それがとても手間になっていたのですが導入後は、振込先や金額などの記録を自動取得し入力されることで、ぐんと効率化が進んだのです。

今までの業務が何分の1というスケールで効率化されたため、感動しました。

そのようなきっかけから、効率化や生産性に寄与するサービスを自分で作りたいと考え、起業に至りました。

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“作業”を減らし、
未来や顧客のことを深く考える仕事に集中できるように

ーー『DROPPA』は「ドキュメントの整理整頓」と「ペーパーレス化」に重きをおいていますが、それはなぜですか?

複数の企業にヒアリングを進めていく中で、共通の課題が出てきました。

それは「書類整理にとても時間がかかっている」「目当てのデータが見つからない」ということです。

そのような課題が見えてきた時に、探し物や整理整頓などの”作業”に割く時間を減らして、もっと未来や顧客のことを”深く考える仕事”に時間を割くことが、本来の働き方であると考えました。

これは大企業であればあるほど課題となります。

一説には一人あたり年間150時間も、探し物に時間を割いていると言われています。1年間で約1ヶ月分の探し物をしているんです。

もし大企業であれば、それが「 × 何百人」という単位で時間が無駄になっており、そのような問題を解決したいと考えています。

対面コミュニケーションを大切にしたチームづくりを

ーーどのような意識でチームを作りあげていますか?

僕らは対面でのコミュニケーションを大切にしていきたいと考えています。

メンバーと一緒にPCを覗き込みながら「すげーこんな記事があるんだ」、「こんなサービスがあるんだ」など、たわいもない会話がチーム力をより強いものにすると考えています。

もちろんリモート業務も可能なのですが、テキストメッセージで伝える言葉と、対面で伝える言葉とでは伝わる温度感が違います。

エンジニアの方の選択肢としてリモートがあること自体は良いことだと思います。しかし僕たちの現状では、お客様のニーズが違うと気づいたら、開発を180度変える可能性もあります。

やはり僕らはチーム。僕が一人で判断をすることはほとんどありません。僕やメンバーの表情・声のトーン・仕草をお互いに感じながら、ディスカッションしてチームとして決断していくことが大切だと思っています。

IT起業をしたいなら、まずはプログラミングを学ぶべき

ーーテックキャンプでプログラミングを学び、その後起業されましたが、起業するにあたりプログラミングの知識や経験はどのように活きていますか?

サービス開発をする上で、エンジニアへの理解度が高まるという点で活きています。

サービス開発は期日を決めて進めるのですが、プログラミングやWebの受託制作を経験したことで、その期日は100%確実なものではないという認識があります。それを前提とした行動ができるため、そういう意味でも役立っています。

また、ビジネスサイドを担当するとしても、IT起業をしたいならまずはプログラミングを学ぶべきだと考えています。

プログラミングの実体験を通して「エンジニアの方の価値観や考え方」を理解し、それによって敬意を表せるということも、チームを作り上げる上で重要なことです。

エンジニアとして起業するかどうかは別として、サービスの仕組みを知っておかないと損することもありますし、エンジニア離れの原因になる可能性もあります。

ーー学生時代など、テックキャンプで受講する前にプログラミングのご経験はありましたか?

全くなかったです。学生時代は数学科で代数学の研究をしていました。

「解の公式」はそもそもどうやって成り立っているかとか、「1+1の仕組み」についてとか、そんな研究をしていました。

「1+1=2」は普通に考えれば当たり前のことだと思うのですが、それを文字に置き換えたり、パターンに分けて考えたりしていました。

「答えは一つだけど解き方が一つではない」というのは数学とプログラミングの共通点です。そういうものにはもともと慣れていましたね。

受託案件に取り組む一歩の大切さ

ーーこれからプログラミングを学ぼうと思っている方や、IT起業をしたいと考えている方にアドバイスはありますか?

プログラミングを学んだ後は、まずは格安でも良いので1つ受託案件を自分でやってみることをおすすめします。

僕はテックキャンプ受講終了の翌日に、Web制作の受託案件を受注したんです。個人で案件を請け負い、納品するところまで経験しました。その一歩がとても大切だったと感じています。

実際にお金が発生することで納期への危機感や恐怖が芽生えるのですが、その感覚から学ぶことが多くあります。

また「Webの受託案件をやっていた」と言うと、エンジニアの方が「この社長は技術に関して理解がある」という感覚を持ってくれるというメリットもあります。

プログラミングを学んだだけで満足するのではなく、勇気を出して個人の受託案件を1つ取ってみることで次に繋げてください。

ーー早川さん、この度は貴重なお話ありがとうございました!

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