(40万ドルは、1ドル=109円計算で4千360万円です)
Apple、Google、Facebook、Netflix、twitter、Intelなど、錚々たる企業が本拠地を構えるシリコンバレー。
先日上場を果たしたメルカリも、上場で得た資金を米国事業に投下するのではという見方があり、すでに拠点をシリコンバレーに展開しています。
世界の名だたる企業がオフィスを置くシリコンバレーの年収は、非常に高水準。アメリカの他の州と比較すると、その特異性が浮き彫りになります。
アメリカでは中流階級とは、おおよそ「39,560ドルから118,080ドルの間」とされます。日本円ではおおよそ年収435万円から、1300万円前後です。日本の感覚ではかなり幅がありますが、それでもアメリカではどちらも中流層。
一方でシリコンバレーでは、400,000ドルの年収を得るビジネスパーソンでさえ「自分は中流層だ」と自己認識しているそう。(参考:BUSINESS INSIDER)
こうした格差社会に対し、アメリカ人は何を思うのでしょうか。海外掲示板の声を元に、シリコンバレーの年収に対するアメリカ人の率直な反応をご紹介します。
全ての書き込みは、Redditの以下のスレッドを参照しています。
・Silicon Valley is so expensive that people who make $400,000 think they’re middle-class
この記事の目次
シリコンバレーのエンジニアの平均年収
シリコンバレーのエンジニアの平均年収は、indeedの調べでは125,306ドル。日本円では、およそ1378万円となります。
企業によっても平均年収は異なります。たとえばindeed調べでは、Uberのエンジニアの平均年収は161,796ドル。およそ1779万円です。
日本のソフトウェアエンジニアの平均年収は、30~34歳で511.7万円。つまり、シリコンバレーのエンジニアは日本のおよそ3倍の給与を得ていることになります。
あくまでこの数値は、平均値に過ぎません。
BUSINESS INSIDERの記事によれば、シリコンバレーのビジネスパーソンは4000万円越えの収入でも「中流層」だそう。平均値で1378万円。4000万円でも中流層。このように考えると、シリコンバレーの年収がいかに高水準なのかがよくわかります。
シリコンバレーに本拠地を置く企業
シリコンバレーには世界的なIT企業が多く、オフィスを構えています。
その一例を紹介します。
Apple
MacintoshやiPod、iPhoneなど常にイノベーティブな製品を開発し、市場に送り出すApple。1976年にスティーブ・ジョブズ、スティーブ・ウォズニアックによって設立。1977年に発表したApple Ⅱは世界で初めて、完成品のパーソナルコンピュータとして個人向けに発売され、大成功を収めました。
創業者のスティーブ・ジョブズの生涯は2度に渡って映画化されており、スタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチでは「Stay hungry,Stay foolish」という名言を残しています。
シリコンバレーのApple本社の住所は、下です。
1 Infinite Loop Cupertino,CA
1998年9月、アメリカ・カリフォルニア州で創業したGoogle。Googleはインターネット検索の最大手であり、デファクトスタンダードです。近年ではGoogle Homeに代表される音声認識・スマートスピーカー分野の事業や、VRプラットフォーム「Daydream」を展開。
同社は「10の事実」として以下のような企業理念を掲げています。
- ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
- 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
- 遅いより速いほうがいい。
- ウェブ上の民主主義は機能する。
- 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
- 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
- 世の中にはまだまだ情報があふれている。
- 情報のニーズはすべての国境を越える。
- スーツがなくても真剣に仕事はできる。
- 「すばらしい」では足りない。
同社のシリコンバレーオフィスの所在地は下です。
1600 Amphitheatre Pkwy, Mountain View, CA 94043
シリコンバレーの実質賃金は?
アメリカの労働事情を考える上では「給与」ではなく、生活賃金も踏まえた「実質賃金」を考える必要があります。地域ごとに生活費や住宅価格には大きな差があります。慢性的な住宅危機により、アメリカの生活費は上昇傾向にあるためです。
シリコンバレーの大半を含む、カリフォルニア州サンノゼは法外な不動産価格が問題となっている地域。フォーブスによれば、同地域の不動産価格は他地域の平均を60%上回っているとのこと。
フォーブスではサンノゼの平均年収を約1320万円とした上で、生活費を考慮した実質賃金を67,485ドル(約742万円)としています。こうした高い生活費が、高年収を得ているにもかかわらず、シリコンバレーのビジネスパーソンが自身を「中流」とみなす要因になっています。
シリコンバレーの年収は高すぎる?海外掲示板の反応
とはいえ、400,000ドルの年収を得るビジネスパーソンが自身を「中流」とみなす経済圏は、やはり他の地域の人々にとってはかなり奇妙なものに感じられます。
海外掲示板ではシリコンバレーの人々の金銭感覚に対し、違和感を覚えるような書き込みや、年収を比較して自分を卑下するような書き込みが目立ちます。
海外掲示板の反応をご紹介します。
マジかよ!俺は貧乏だっていうのに!
Holy fuck, I’m poor
マジかよ!俺は貧乏だっていうのに!
Dip that toast in milk… my favorite breakfast.
トーストをミルクにひたす…それが僕の大好きな朝ごはんさ…
“I’m a hufflepuff”「僕はハッフルパフさ」
シリコンバレーの高い年収に対する嫉妬と羨望、そしてユーモアを交えた自己卑下の書き込みです。
「ハッフルパフ」とは、児童文学・ファンタジー小説「ハリー・ポッター」シリーズに登場する寮の名前。ハッフルパフに入寮する学生は特殊な能力よりも温和さや誠実さ、勤勉さが重視されています。
ホグワーツ魔法学校の中でも劣等生が集まるという声もあり、シリーズ全体を通じてやや存在感が希薄な寮の1つでもあります。「僕はハッフルパフさ」という書き込みは、シリコンバレーのような華やかな世界の影に隠れる市井の人の声と言えるでしょう。
なんでこの程度のことが問題になっているか、理解ができない
Depending on where you live, the same income will get you a middle-class lifestyle, an upper-class lifestyle, or a “ramen for dinner, toothpaste for breakfast” lifestyle.
I don’t understand why this is so controversial? Are people just incensed that someone who makes more than them has the audacity to call themselves “middle class?”
どこに住むかによって同じ給与でも、中流階級の生活ができるか、上流階級なのか「夕食はラーメンで、朝食は歯磨き粉」な生活になるかは変わる。
なんでこの程度のことが問題になっているか理解できないよ。みんな自分よりも稼いでいる人が、自分自身を「中流階級だ」と呼ぶ厚顔さがいやなのかい?
シリコンバレーの年収の高水準さを問題視すること自体が、ナンセンスであるという趣旨の声です。
アメリカの経済の特徴は、州によって大きく経済水準や住みやすさが異なること。日本の都市部と地方の関係性以上に、その違いや差は大きなものです。同じ給与でも、ある州では上流階級。ある州では中流階級とみなされます。
アメリカというあまりに巨大な国の経済を考える上で、給与の「額面」だけを見て何かを議論するのは、確かにあまり意味がないことなのでしょう。
イギリスの階級主義の方が、よほど酷い
You guys should visit the UK, the classism here is as bad as your countries racism.
全員、イギリスに来るべきだよ。この国の階級主義は、君たちの国のレイシズムよりよほど酷いから。
アメリカの格差よりも、イギリスの格差の方がはるかに大きいという意味の書き込みです。
2016年6月に実施された国民投票で、EUからの離脱が決定したイギリス。「ブリグジット(Brexit)」に国民が賛成票を投じた裏には、EU加盟国からの移民・難民の多さがあります。
イギリスの人口は約6000万人。2014年時点で約300万人のEU民が暮らしており、そのうちの200万人が2004年以降にイギリスに越してきた人々です。十数年の間に移民が激増しており、特にブルーカラー層を中心により給与が安い移民・難民に仕事を奪われるという事態も発生しています。
こうした文化の多様化によって、徐々に目立たなくなってきてはいるものの、元来のイギリスは階級社会。階級によって話し方やアクセント、出身校や収入も大きく違い、階級差別も存在しています。
こうした階級意識が「移民への悪意・不満」という形で噴出したのが、国民投票でEU離脱派が勝利した一つの要因にもなりました。
こんなのは正直に言って、破綻している。育ったエリアで家を買うこともできない
Can confirm.
Born and raised in San Jose, CA and live there to this very day. I’m making the same money my dad was making at my age, (~120k) minus a child and wife, and aren’t coming anywhere damn near having the money to buy a house in the area I grew up in for at least the next 10 years unless I hit Chance and inherit millions which isn’t happening.
It’s honestly crushing.
I’ve lived over places, in other States; I understand the cost of living is way cheaper and I could probably own a home on my salary but would I be making my salary if I lived in that area? Nope.
I truly should be considered middle to upper middle class as an individual but everything scaled, my 120k=lower middle class environment than in I think any City in the Nation.
その通りだと思う。
私はカリフォルニア州サンノゼに生まれて育ち、今日までそこで暮らしてきた。私は、父が今の私の年齢だった時と同じ金額(12万ドル)を稼いでいて、妻と子供はいない。私が幸運にも何百万ドルを受けつぐ機会を得ない限りは、少なくとも10年は、私が育ったこのエリアで家を買えるくらいのお金を得られることは無いだろう。
こんなのは正直に言って、破綻しているよ。
私はエリアを超え、他の州で今暮らしている。ここの生活費が安いことも、自分の給与でもおそらく家が持てるであろうことも理解している。でも、もしその地域に移住したら、今の給与を稼げるか?無理だ。
私は本当に、中流階級の中の上流層とみなされるべき存在であることはわかっているけれど、それでも全てがきちんと計測されていれば、どの州のどの都市でも、私の年収12万ドル=中流階級の下の方となるはずだ。
生活費や住宅価格の異様な高騰を「破綻している」として、いまのアメリカのシステム自体に疑念を投げかける声です。
投稿者はサンノゼで生まれて育ち、シリコンバレーの住宅価格の上昇の影響を強く受け、他の州に移り住んでいます。しかし完全にその地域に移住してしまうと、現在の給与を得られる仕事はないとのこと。
シリコンバレーの急速な発展は、その土地に何十年も前から暮らしてきた人々にとっては、必ずしも「プラスの影響」を与えているとも限らないのかもしれません。
まとめ
シリコンバレーの平均年収と、同地域で働くビジネスパーソンの経済感覚。それに対する海外掲示板の反応をご紹介しました。
シリコンバレーのビジネスパーソンの年収は、平均値でも日本の3倍。4000万円近い収入を得ている人でも、自分を中流階級と認識しているというデータもあり、まさに給与は青天井と言えるでしょう。
しかし、こうした事実に対して疑念を投げかける声が多数あるのも事実。さらに住宅価格・生活費の高騰によって、実質賃金は大きく目減りもします。
シリコンバレーでの就職を目指すエンジニアやビジネスパーソンの方は、渡航を検討する上で現地の生活水準を正確に把握しておくことが必要でしょう。
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