ディープラーニングによって、AIはその特微量を自ら見つけ出せるようになりました。
「Googleの猫」はディープラーニングが使われており、大量の猫の画像から特微量を発見。そして、その学習の成果から猫の画像を認識できるようになったため、大きな衝撃を与えたのです。
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更新: 2020.03.04
さまざまな分野で耳にする機会が増えたAI(人工知能)。
AIについてなんとなくわかるけれど、説明はできないという方も多いのではないでしょうか。今後のITや社会の発展に欠かせないAIについて理解すれば、プライベートとビジネスのどちらにおいても役立つでしょう。
そこで今回は、AI技術について1からわかりやすく解説。AIとは何かをはじめ、歴史・実例・学習方法・アプリまで幅広く紹介します。
この記事を読めば、これからの時代に大きな影響を与えるAIに対する理解を深めることができるでしょう。
※この記事は、某大企業のAI専門家による監修を受けています。
この記事は現役エンジニアによって監修済みです。
この記事の目次
人工知能の正式名称や基礎となる概念について、まずは解説します。
基本的な部分から把握していきましょう。
AIは「Artificial Intelligence」の略です。Artificialは「人工的な、人造の」、Intelligenceは「知能・理解力・思考力・知性」といった意味があります。
これを日本語に訳すと、「人工知能」となります。
AIがなんとなくわかるようでわからないという印象を受けるのは、それが技術や概念を指しているからです。AIは簡単に言うと、人によって作られる人間と同じよう知能という技術や概念。
そのため、ビジネスなどで「AIを導入しよう」と言っても、具体的なビジョンは見えてきません。AI技術を使ってできることを具体的に示して、それに取り組もうと伝えるとイメージが共有しやすくなります。そのためには、AIでどのようなことができるのか知ることが必要です。
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現在のAIの盛り上がりは、第3次ブームと呼ばれています。
これまでの歴史の中で、AIは2度のブームを迎えました。
そのAI技術の歴史を知ると、AIに関する最低限の知識がスムーズに得られますので押さえておきましょう。
「人工知能」という言葉は1956年に誕生しました。学術研究の対象として、ダートマス会議で提唱されたことがはじまりです。
人工対話システム「ELIZA(イライザ)」が1964年に開発。会話ができる人工無脳の原点となりました。1967年には知識をベースとしたチェスプログラムの開発に成功。第1次ブームにおいて、AIに関する研究は大きく進みました。
しかし、1969年にマッカーシー氏とヘイズ氏が指摘した「フレーム問題」により、AIのブームは落ち着きを見せます。
たとえどんな方法をとっても,途中で世の中のありとあらゆることについて考える必要が生じてしまいます.これがフレーム問題です.
チェスをするとか,機械を組み立てるとか,やろうとしていることを限定している人工知能では,このフレーム問題は生じませんし,このような状況では人工知能技術が実用化されています.しかし,いろいろな状況に対応できる人工知能ではこの問題は無視できません.
第2次ブームは1980年代に到来。日本で自然言語の理解などを目標とした第5世代コンピュータープロジェクトがはじまったことで、AIに対する関心が高まりました。
この第2次ブームまでは、ルールベースのシステムが中心。ルールベースのシステムは、人間がルールや知識といったデータを用意して、それを利用してAIが判断を行います。
特定の分野における質問の受け答えや問題解決のシステムが注目を集めましたが、成功には至りませんでした。
第3次ブームのきっかけとなったのは、2012年の「Googleの猫」です。
コンピューターの自律した学習によって、画像から猫を自ら認識できるようになったとGoogleが発表。この技術を支えたのがニューラルネットワークです。
ニューラルネットワークとは、人間の脳の神経回路の構造を真似て作られた学習モデル。ニューラルネットワークは、人間が自然に行う学習能力と同じ機能の実現を目指す機械学習の学習モデルの1つです。
そして、ニューラルネットワークにおける学習方法であるディープラーニングが、現在のAIの飛躍的な発展を支えています。
ディープラーニングを利用すれば、AIは自ら分類する軸を見つけて学習が可能です。
機械学習は大量のデータから学習を行います。シンプルなニューラルネットワークは、入力層がデータの入口となり、出力層が処理した結果を出力。
ディープラーニングは、その間に中間層を置くのです。その中間層は多層化されており、DNN(ディープニューラルネットワーク)と呼ばれます。中間層が多層化されたことで、より複雑な分析が可能になりました。
モノを判断するざっくりとした特徴を特微量と呼びます。この特微量を人間が教えることで、AIは特定のモノの概念を学習していました。それまでは、AIが自ら特微量を学習できないことが大きな壁となっていたのです。
ディープラーニングによって、AIはその特微量を自ら見つけ出せるようになりました。
「Googleの猫」はディープラーニングが使われており、大量の猫の画像から特微量を発見。そして、その学習の成果から猫の画像を認識できるようになったため、大きな衝撃を与えたのです。
AI技術を構成する要素についてです。
インプット・データ解析方法・アウトプット・使い道といった要素と、その流れについて説明します。
どのようなデータをインプットして学習させるのかが、AI技術の入口です。
データには、POSデータ・株価・Web・アクセスログと構造化データと画像・動画・音声・テキストといった非構造化データなどがあります。
集めたデータをどのように解析するのかが次の段階です。
ルールベース・機械学習・ディープラーニングがこの段階の選択肢にあたります。
解析した結果を出力する際にもさまざまな方法があります。
出力する方法としては、分類・予測・生成・制御などが考えられるでしょう。
AI技術のアウトプットの使い道としては、チャットボット・商品のおすすめ・故障予測・自動運転・販売計画立案などが考えられます。それぞれの要素の組み合わせによって、得られる結果は変化するでしょう。
「使い道から考えて、それぞれの要素を検討する」「所有しているデータから、使い道を考える」、どちらの方向からもAI技術の活用方法の発想は可能です。
以下で、AI技術とロボットの違いについて解説します。
ロボットはあらかじめ設定されたプログラムの実行や人間が操作をすることで動作します。
工場で使われている産業ロボットをイメージしていただくとわかりやすいでしょう。
AIは学習したデータから新しいものを生成できる点がロボットとは異なります。
ロボットのように決められたことだけを実行するのではなく、入力された画像やデータなどに対して自立した対応が可能です。
より詳しくAIとロボットの違いについて知りたい方は、「AIとロボットの違いを解説。AIを活用したロボットの実例17選も紹介」もご覧ください。
AGI・特化型人工知能といった、AI技術の種類について以下で解説します。
AIと一括りにしても、大きく2つの種類に分かれるのです。
AIの種類には、AGI(汎用人工知能)と特化型人工知能があります。以下で2つの違いについて解説します。
人間と同じような幅広い知能を持つAIをAGI(汎用人工知能)と呼びます。AGIは「Artificial General Intelligence」の略。人工知能という言葉から多くの方が連想するのは、このAGIではないでしょうか。
このAGIは60年前から研究されていますが、まだ正しくは存在していません。人間は見る・聞く・話す・感じる・考えるといったさまざまな要素を組み合わせた能力を持っています。
それぞれの要素におけるAIの研究は行われていますが、それらのAIを高い次元で機能させるAGIは実現できていません。
特化型人工知能は、ある分野に特化したAIです。「囲碁の対局」「自動運転」「画像認識」など、特定の領域において高いパフォーマンスを発揮。
複数の領域をまたがって使用できるAIを汎用人工知能と呼ぶ場合も増えており、2つの違いがわかりづらくなってきています。「汎用」という言葉の意味からすれば間違いではありませんが、本来のAGIとは異なることを覚えておきましょう。
弱いAIと強いAIという考え方があり、人間のような自意識を再現できるかが分ける基準となっています。
弱いAIは自意識がなく、人間の知能の一部を代替するロボットのようなものです。限られた処理を行うので、特化型人工知能がこれにあたります。
強いAIは、人間のように物事を認識して行動できる自意識を持ったAIです。アトムやドラえもん、SF映画に出てくる人工知能は概ねこの強いAIと言えるでしょう。AGIはこの強い人工知能にあたります。
AIができることは4つのレベルに分類が可能。この4つのレベルは人口知能研究の第一人者である松尾豊さんによって提唱されたものです。
・レベル1:シンプルな制御プログラム
・レベル2:人間がパターンを決めたプログラムでさまざまな対応をする
・レベル3:対応パターンを自動的に学習して判断する
・レベル4:対応パターンと学習に使うルールを自ら獲得する
レベル3では、機械学習が重要なキーワード。また、レベル4へのブレイクスルーを実現したのがディープラーニングです。
次に、AIの現状と将来性について解説します。
AIが今後どのように発展していくのか見ていきましょう。
AIの第3次ブームはピークに差し掛かっている。AIを実用化する企業やAI関連技術の開発の導入実績を積み重ねている企業も増えている。
また、日常生活においてもおAIの普及は広まっています。身近なわかりやすい例が音声アシスタント。Googleアシスタント・Alexa・Siriなどを普段から使っている方も少なくないでしょう。
AIと意識せずにAIを利用したサービスや製品を利用する機会は今後も増えていくと予想されます。
実際にAI技術の開発を行っている企業について紹介します。
世界を代表するIT企業はAIに大きな関心を示していることが、下記をご覧いただくとわかりるでしょう。
検索エンジンで有名なGoogleは、さまざまなIT関連の事業に力を入れる企業です。その中の1つの分野として、AIにもGoogleは力を入れています。
検索の言語処理にAIを活用したり、Googleアシスタントを搭載したGoogle Homeを発売したりと、AI技術の開発においてGooogleは他の企業をリードする存在です。
参考サイト:Google AI
AppleのAIを使った技術と言えば、iPhoneに搭載されているSiri。それだけでなく、近年は自動運転プロジェクトにも力を入れています。
どのようなサービスや製品として発表されるのか楽しみに待ちましょう。
参考サイト:Apple Machine Learning Journal
情報通信事業における世界を代表する大手企業IBM。業務システムの開発を行っているIBMもAI技術の開発をリードする企業です。「ビジネスのためのAI」であるIBM Watsonが有名で、さまざまなサービスを提供しています。
IBM Watsonは、アメリカのクイズ番組でクイズ王に挑戦して勝利。最高金額を獲得したという実績があります。
参考サイト: Watson:IBM Watson – Japan
仕事がAIに奪われるのではないかと心配に感じている方もいらっしゃるでしょう。
総務省の情報通信白書によると、27人の有識者の中の23人がAIは少子高齢化による労働力の減少を補完する良い影響を与えると答えています。また、AIによって新たな市場が創出されて、雇用の機会が増えるという見方もあるのです。
ただし、AIによって代替される労働は単純作業だけではないことを覚えておきましょう。ポイントは、人間よりもAIが行った方がコストが低いかどうかです。
人を雇用する場合には、賃金が発生。AIを導入する場合には、導入と運用に費用がかかります。同じ生産性が得られるのであれば、この2つがどちらが低いかが判断の基準となるのです。
ただし、仕事は奪われるだけでなく、それにより新たな雇用が生まれることも考えられます。AIについて理解して、変化する労働のあり方に対応することが大切と言えるでしょう。
AI技術の開発を学ぶ方法について解説します。
機械学習やディープラーニングについて学びたい場合には、Pythonがおすすめです。PythonはAI技術の開発に使われており、その学びやすさや汎用性の高さから人気のプログラミング言語。
プログラミング初心者がはじめて学ぶ言語としても最適です。Pythonについては、下記の記事で詳しく解説しています。
Pythonはどんな言語?学ぶメリットと注意点・実際の活用事例AI技術の開発について効率的に学びたいのであれば、プログラミングスクールがおすすめ。
プログラミングは独学だと挫折しやすいもの。スクールで勉強することで、周囲の仲間やメンターから支えられながら学ぶことができます。
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独学でAI開発について学びたい場合には、Webサイトや書籍を利用するとよいでしょう。
無料で提供されているWebサービスもあります。
コストを抑えながらまずは基礎を身に付けて、必要に応じて知識やスキルを深める方法がおすすめです。
AI技術の開発が学べるおすすめのWebサイトについて紹介します。
AIエンジニアの育成を目的としたオンライン学習サービス。すべてのコースを受講するためには、費用が必要。
「Python入門」「機械学習入門」「ディープラーニング基礎」の3つのコースは無料で学習できます。
Webサイト:Aidemy | 10秒で始めるAIプログラミング学習サービスAidemy[アイデミー]
ITエンジニア向けの求職・学習Webサイト「Paiza」は、Python x AI 機械学習入門コースを無料で提供しています。
アニメのような世界観を持ったWebサービスですので、ゲーム感覚で楽しく学びたい方にぴったりです。
Webサイト:ロシアの美少女ハッカーによるAI機械学習入門【CV上坂すみれ】|paizaラーニング
Googleが無償で提供している英語のAI学習サイト。無料ですが入門から発展的な内容まで幅広く機械学習について学べます。
Webサイト:Education – Google AI
AI技術開発に役立つ書籍について紹介します。
身近なモノからAIの仕組みやビジネスに活用するきっかけといった基礎知識について学べる本です。
AI開発に携わりたいエンジニアから、AI初心者まで幅広い人におすすめ。
Pythonの知識やノウハウを深く学べる一冊。Pythonだけでなく、プログラミング全般に役立つ知識が学べます。
プログラミングをこれから学びたい人にぴったりの参考書です。
わかりやすく基礎的な情報も網羅されていますので、プログラミングの面白さが実感できるでしょう。
この本は、非エンジニアが0からAIやディープラーニングを学ぶ上でとても役立ちます。
手を動かしながら学ぶことで、AIの仕組みについて深く理解できるでしょう。
人口知能の第一人者である松尾豊さんが、AIとは何かをまとめた入門に最適な書籍。
知識がない人でも読みやすい内容で、AIの現状や未来についてよくわかる興味深い内容です。
AIを使ったサービスを実際に使ってみたいという方には、スマホのアプリがおすすめ。以下で、AIが体験できるアプリについて紹介します。
AIロボットとの会話が楽しめるアプリ「SELF」。会話を通してAIがあなたのメンタルや健康の状態を分析して、生活をサポートします。
ロボット・美少女型ロボット・アニメキャラ・イケメンなど、さまざまな会話相手が選択可能です。
SELFはiOSとAndroidのどちらにも対応しています。
・公式サイト:人工知能(AI)と会話できるアプリ:SELF(セルフ)
・価格:無料(アプリ内課金あり)
AI技術を活用した音声認識によって英会話が学習できるアプリ「SpeakBuddy」。
間違った発音を的確に指摘してくれます。
英会話で人間と話すことにハードルを感じている人におすすめのアプリです。
・iOS:「AI英会話」をApp Storeで
・Google Play:AI英会話・英語アプリSpeakBuddy – Google Play のアプリ
・価格:無料(アプリ内課金あり)
Microsoft Pix カメラはAIを搭載したカメラアプリです。
写真の被写体を認識して、自動補正を行います。プロの写真家のような写真が簡単に撮影可能。
Microsoft Pix カメラはiOSのみに対応しています。
・公式サイト:Microsoft Pix カメラ
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りんなはアプリではありませんが、手軽にAIとの会話が体験できるので紹介します。
LINEアプリがあれば、すぐにりんなとの会話が楽しめます。
りんなの機能・仕組み・はじめ方については、以下の記事で詳しく紹介しています。
女子高生AI(人工知能)「りんな」とは?機能や仕組みを紹介
2019年はAIのブームが落ち着きますが、堅調なニーズは見込めるでしょう。
ロイターによると、IoTやAIに関する技術者を十分に確保できていないと感じている企業は93%にのぼるとあります。AIエンジニアがどれだけ需要の高い職種かおわかりいただけるでしょう。
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