あなたはクラウド導入について迷っていませんか?
導入するメリットやどのくらいの時間や費用がかかるのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、クラウドコンピューティングのデファクトスタンダードになりつつあるAWSについてご紹介します。
これを読めば、ビジネスの可能性を拡げ、コストを抑えられるといったさまざまなAWSのメリットについて理解することができます。
この記事の目次
Amazon Web Services(AWS)とは何か?
出典:http://www.photo-ac.com/
AWSとは
AWSとはAmazon Web Serviceの略で、ECサイトとして知られるAmazonが提供しているさまざまなクラウドコンピューティングサービスです。
AWSはまだ「クラウドコンピューティング」という言葉が世に出ていなかった2006年3月からはじまり、実に10年以上の歴史があります。そして、AWSは70を超えるプラットフォームサービスを提供している世界最大級のクラウドコンピューティングサービスです。
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Amazonとクラウドコンピューティング
クラウドコンピューティングとはサーバー・ストレージ・データベース・ソフトウェアなどさまざまなコンピューティングサービスをインターネットを使い、クラウド上で利用できるサービスです。
Amazonとクラウドコンピューティングは一見すると結びつかないよう思えます。一体どのようにしてAWSははじまったのでしょうか?
まず、Amazonは膨大な商品や顧客を管理するためには独自のシステムを作ることが必要でした。
そのためにAmazonによって開発されたソフトウェアやシステムは事業の展開という用途だけでなく、サービス化して商品として提供することでインフラのイノベーションのきっかけになるという考えにいたり、クラウドコンピューティングサービスとして提供を開始したのがAWSです。
アマゾンウェブサービスジャパン会社概要
AWSは2009年に設立されたアマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社によって運営されています。
<strong>2015年2月2日時点のWIREDの報道によると、AWSの利用者数は既に100万人を突破しているとのことです。。また、Amazonが元となり、AWSが生まれたことからも、その信頼性の高さが伺えます。
AWSの魅力
クラウドコンピューティングのデファクトスタンダードになりつつあるAWSは世界中で利用されています。多くのユーザーがAWSを選ぶ理由とはなんでしょうか。
まず、インフラストラクチャへの初期費用が不要で、調達期間もなくスピーディーな構築ができることがあげられます。そして、必要な時に必要な分だけサービスを利用できるのでコストを抑えることができます。
また、AWSを利用すれば、データセンターへの投資や運用を気にせずに、自由な発想や、新たなプロジェクトにリソースを集中することができることも重要です。また、その発想を実現できる幅広い機能がAWSには備わっています。
そして、ユーザーのニーズを取り入れた継続的なサービスの進化もAWSが選ばれている理由です。
料金体系
AWSの料金は使った分だけ払う従量課金体系です。そのため、企業の規模や状況に応じた料金でAWSは利用できます。
余計なリソースへの投資が不要なため、コストを抑える事にもAWSは最適なサービスです。
AWSのメリット
状況や使い方に合わせられる柔軟性
AWSを使うメリットについて詳しくご説明します。
AWSにはさまざまな用途のサーバーが用意されています。それと多くの機能を組み合わせることで、ユーザーの目的にあったソフトウェア・システムの構築を行うことができます。
また、インフラストラクチャ性能の予測が不要なため、スピーディーにシステムの構築ができ、最適なリソースに調節ができる柔軟性があります。
料金体系とコスト効率
AWSは、使った分だけ料金が発生する従量制課金を採用しています。
サービスを使用した分だけ支払いが行われます。
複雑なライセンス体系は存在せず、サービスの利用を停止した際にも、解約料金などは課せられません。
いろいろなサービスの利用によって料金がかかる従量課金だと料金の予想がつかず、不安に感じるかもしれません。しかし、サーバー利用料・ディスク利用料・データ転送量の3つを想定すればおおまかな費用を算出できます。
そこで、もっとも使う機会が多い、仮想サーバーを提供するAmazon EC2の利用料についてご説明します。Amazon EC2には3種類の料金体系があります。
・オンデマンドインスタンス
使った時間の分だけ料金がかかります。前払いや契約なしで使えるので、短期的な利用やはじめて使う方にも向いています。
・スポットインスタンス
ユーザーの入札によって、利用料が決まります。オンデマンドインスタンスに比べて、約50%〜約90%の料金で使用できますが、入札額が相場を下回ると利用が止まってしまう点に注意が必要です。
・リザーブドインスタンス
1年間または3年間の前払いで料金を払います。
オンデマンドインスタンスに比べて、最大で75%の割引で利用することができます。
使用する量や期間が決まっている場合にはコストを抑えた使い方ができます。
また、AWSにはAWS Simple Monthly Calculatorという簡易見積もりツールがあり、コストの計算に使用することができます。
規模に合わせて伸縮自在
AWSはハードウェアのように場所や時間を必要とせず、すぐに新しいアプリケーションが展開できます。
また、サービスの規模が大きくなるなど状況に応じて、伸縮自在に拡張・縮小ができます。
つまり、サーバーが1つでも100でも、数時間でも何年でもAWSを使えばすぐに対応ができます。
信頼性のある高いセキュリティ
クラウドセキュリティをAWSは最優先事項としていて、セキュリティを重要視する企業が安心して使えるデータセンターとネットワークアーキテクチャを持っています。
データセンターは世界中の異なる16のリージョンと、42のアベイラビリティゾーンで運用しています。地理をまたいだデータレプリケーションも設定でき、冗長性と耐障害性を高めた運用ができます。
サーバーの可用性を高めるDDoSの緩和や、データの暗号化などセキュリティプラットフォームも充実しています。
また、セキュリティに関して困ったことがあれば、セキュリティサポートやプロフェッショナルサービスといった、AWSの専門的なネットワークへ相談することもできます。
導入実績と経験からの厚いサポート
AWSのクラウド導入事例によると、AWSはAmazonはもちろん、NASDAQやDocomoなどさまざまな一流の企業に導入実績があります。
あなたが普段使っているサービスもAWSを利用しているかもしれません。
また、サポートも充実しており、AWSサポートはユーザーの使用目的に合わせて、さまざまなサポートサービスを選ぶことができます。
AWSのおすすめサービス
多様な用途に使えるサーバーAmazon EC2
AWSでもっとも有名なサービスが、仮想サーバーのレンタルサービスであるAmazon EC2です。
クラウド上の仮想サーバーが利用できるので、規模の拡大・縮小が自由にできます。また、サーバーの規模を自動で変更できる機能も設定でき、トラフィックの集中によるサーバーダウンの心配をせずに利用することもできます。
Webサーバー・DBサーバー・キャッシュサーバーとさまざまな用途に使うことができます。
静的なコンテンツに最適なAmazon S3
Amazon S3(Amazon Simple Storage Service)はクラウドストレージサービスで、高い堅牢性と可用性を誇り、さまざまなファイルを保存できます。
個人で使うファイルや業務用のバックアップファイルの保存などストレージとして幅広く使えます。
また、アクセス制御もついており、ファイルの共有にも利用することができます。
そのため、Amazon S3はHTMLファイルや画像といった静的なコンテンツの設置に向いています。
ただし、PHPなどのサーバサイドスクリプトを処理する機能がありませんので、静的なコンテンツはAmazon S3、動的なコンテンツはAmazon EC2といった使いわけが必要になります。
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お試しでAWSサービスを開始する手順
アカウントの作成
さまざまな使い方ができるAWSを実際にはじめる手順についてご説明します。
まず、AWSアカウントの作成を行います。
AWSのサイト上でアカウント作成ボタンより、サインアップの画面に移動します。メールアドレスを入力、新規ユーザーを選択してサインインを行います。
次の画面ではログイン認証情報として名前・メールアドレス・パスワードを登録し、「アカウントの作成」をクリックします。
会社名・住所・電話番号の入力を行い、「アカウントを作成して続行」をクリックします。
支払情報の画面ではクレジットカード情報の登録を行い、「次へ」をクリックします。
日本語自動音声電話によるアカウント認証があります。非通知の着信拒否設定を行っている方は解除して、日本か会社の所在地の国コードを選択し、すぐに受けられる電話番号を入力します。
そして、「すぐに電話を受ける」をクリックしてください。
画面に電話認証で必要となる4桁の暗証番号が表示されますので、受けた電話から入力します。入力を行うと自動で画面が切り替わります。「続行してサポートプランの選択」をクリックします。
必要なサポートプランを選択すれば、アカウントの作成が完了となります。
また、有償のサポートプランはAWSアカウント作成後にも申し込むことができます。
アクセスキー取得
AWS IAM(Identity and Access Management)によってユーザーのAWSサービスやリソースへのアクセスを安全にコントロールすることができます。IAMを利用すれば、AWSのユーザーやグループをセキュリティグループとして管理ができ、アクセス権を使いAWSへのアクセスの許可・拒否の設定ができます。
また、セキュリティグループに対して、アクセスキーの作成も行えます。アクセスキーはアクセスキーIDとシークレットアクセスキーの組み合わせとなり、AWS CLI や AWS PowerShellなどを使う際に必要となります。
オンラインセミナーを見てみる
AWSではさまざまなオンラインセミナーが毎週開催されています。会場に行けない場合にもインターネットを使って、無料で受講ができます。また、AWSのサイトではAWSクラウドサービス活用術セミナーとして、セミナーの資料が公開されています。
プロジェクトを構築してみる
はじめてAWSを利用する方には「AWS 入門」シリーズがあります。
無料オンデマンド動画を利用して、AWSのさまざまな機能を学ぶことができます。
また、学んだ内容を実際に試すことができるセルフスペースラボという練習用の実働環境があります。そこでプロジェクトを構築して試用を行い、実環境へ導入することもできます。
AWS認定をもらってトレーニングする
AWSについてさらに深く学びたい方にはクラスルームトレーニングがあります。
AWSの専門知識をもった講師からより詳しい技術を学ぶことができます。
動画・ラボ・トレーニングで身につけたAWSの技術を証明できる資格として「AWS認定」があります。AWS認定はアソシエイト試験、プロフェッショナル試験とレベルが分かれており、あなたの技術を確実に証明してくれます。
困ったらAWSサポートへ相談
AWSを利用していて困ったことや障害が発生した場合にはAWSサポートへ相談ができます。AWSサポートは下記の4つのコースがあります。
・ベーシックサポート
・開発者サポート
・ビジネスサポート
・エンタープライズサポート
すべてのプランでカスタマーサービス・AWS ドキュメント・ホワイトペーパー・サポートフォーラムを 24 時間利用できます。
ベーシックサポートはAWSアカウントに含まれるサポートで、すべてのユーザーが利用できます。開発者サポート、ビジネスサポート、エンタープライズサポートの順番に技術サポートへのアクセスや障害発生時の対応などが綿密になり、さまざまなサポートが受けられるようになります。
サポートの質が高くなれば、料金も高くなりますので、使う目的や規模に合わせて選ぶと良いでしょう。
導入を検討したらAWSパートナーを探そう
AWSを使ってビジネスを成功に導くためにはAPNパートナーを利用すると良いでしょう。APNとはAWS Partner Networkの略でAWSの利用を支援するパートナー制度です。
APNパートナーには大きく分けて2種類あります。
一つ目はコンサルティングパートナーです。
規模の大小に関わらず、AWS をビジネスに活用するためのソフトウェアやアプリケーションの設計から管理までさまざま支援をしてくれる企業を指します。
2つ目がテクノロジーパートナーです。
AWSで利用出来るさまざまなソフトウェアを提供している企業です。
AWS開発の学習におすすめ!AWS入門サイト3選
「AWSを活用した、クラウドコンピューティングについてもっと知りたい」「AWS開発を学習したい」という方に向けて、おすすめのAWS入門サイトを三つ、ご紹介します。
1.ドットインストール Amazon Web Services入門 (全17回)
出典:ドットインストール
3分間の動画で学べる、初心者向けのプログラミング学習サイトです。
プログラミング言語や技術毎に豊富なコースが用意されていることと、一本当たりの動画の短さが魅力です。
ドットインストールのAmazon Web Services入門では、全17回のコースが用意されています。
コースでは仮想サーバーの立ち上げやIPアドレスの設定、EC2の使い方などを一通り学べます。
2.0から始めるAWS入門
Qiitaに掲載された、連載形式のAWS入門記事です。
・0から始めるAWS入門:概要
・0から始めるAWS入門 1:VPC編
・0から始めるAWS入門 2:EC2編
・0から始めるAWS入門 3:ELB編
・0から始めるAWS入門 4:RDS編
初回ではAWSの概要の説明が行われ、順を追って開発を進めていくと以下の画像のような環境を構築することができます。
出典:Qiita
テキストだけでなく画面キャプチャも豊富なため、クラウドコンピューティングの専門的な知識が無い方でも、順を追って環境構築を進めていくことができるでしょう。
3.EC2クイックスタートガイド
出典:EC2クイックスタートガイド
仮想サーバーのレンタルサービスである、Amazon EC2のスタートガイドです。
「Windows Server 2008 のインスタンスを EC2 上に作り、 Linux (Ubuntu) からリモートデスクトップ接続で Windows にログインする」ことを目標に、豊富な画像と解説を通じて一連の手順を理解することができます。
まとめ
以上のようにAWSにはさまざまな機能があり、オンプレミスの環境の移行・拡張や、新たなWebサービスの構築など目的に合わせて柔軟な使い方ができます。
AWS、GCP(Google Cloud Platform)といったクラウドコンピューティングの市場は盛り上がりを見せており、MMRIによると2018年には約1兆8000億円規模まで拡大すると予想されています。
その背景には、中小企業をはじめとした多くの企業が新規システムの導入時にクラウドを検討していることがあります。
今後、需要が増していくAWSの技術をあなたも学んでみてはいかがでしょうか。
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