「Rubyとはどんなプログラミング言語?入門者向けに教えてほしい」
「プログラミングはRubyから始めるといいと言われたけどなぜ?」
今回はプログラミング講師の筆者が、プログラミングを触ったことも見たこともない人向けに、学習しやすく、世界的に有名な日本産の稼げるプログラミング言語である「Ruby(ルビー)」について、基礎から分かりやすく解説します。
本記事を読み終えると「世の中でなぜRubyが求められているか」を理解することができるでしょう。
この記事は現役エンジニアによって監修済みです。
この記事の目次
Ruby(ルビー)とは?基礎知識をまず理解しよう
Rubyとは、プログラミング言語です。
Rubyの概要、歴史、Webアプリケーション開発向けのフレームワーク・Ruby on Railsとの関係性などの基礎知識ついて解説します。
プログラミング言語については「プログラミング言語とは?分類などの基礎知識を初心者向けにわかりやすく解説」を参照ください。
Rubyはプログラミング言語の1つ
出典:workable
Rubyはプログラミング言語の1つです。Rubyはコードの記述が少なくわかりやすいので気軽に楽しくプログラミングできます。
また、できることも多くて、実用的。大きなWebアプリケーションから小さなプログラムまで、さまざまなソフトウェアをRubyで作れます。
Rubyの歴史
出典:buildinsider
Rubyは1995年の一般公開以来、インターネットの発達とともにプログラマーに親しまれています。
英語でRubyについて会話するためのメーリングリストであるruby-talkでは、 2006年には平均して日に200通ものメッセージがやりとりされていました。
また、Rubyはフリーソフトウェアなため無料なだけではなく、コピー、変更、および再配布ができます。そういう意味で日々Rubyは絶えず進化しています。
そして、近年クラウドサービスをはじめスマートフォン向けのアプリケーションやソーシャルゲームの開発にも広く用いられるようになってきました。
その中で主流となっているのはRuby on Railsです。
Ruby on Railsとの関係
出典:rubyonrails
Ruby on Railsとは、Ruby言語を使ったWebアプリケーション開発のためのフレームワークです。Webアプリケーション開発のためのフレームワークとは以下を指します。
フレームワークとは、骨組みや骨格といった日本語に置き換えられます。
要するに、Ruby on RailsはWebアプリケーションを作るための骨組みを提供してくれます。
骨組みがあるということは、始めからWebアプリケーションを作るのに必要な機能がある程度備わっているということです。
この骨組みが存在することによって、生産性が向上する・運用コストが下がるなどのメリットがあります。
出典:【未経験者必読】10分で理解できるRuby on Railsとは
例えば、サイトに登録するために自分の情報を書いて完了のボタンを押し、その後画面に「登録が完了しました」と出力されたとします。
このようにサイトのページを違うページにしたり、書いた情報を記録したりとそのままの状態を保持するのではなく、更新や遷移を行うことができる動的な仕組みを「フレームワーク」と呼びます。
つまりはRuby on Railsとは、Ruby言語を使ったフレームワークなのです。さらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
Ruby の特徴とメリット
Rubyの最大の魅力の一つは、短く、シンプルなコードが書けることにあります。
また、国産のプログラミング言語であることから日本語ドキュメントも豊富で、初学者には勉強しやすい言語です。
Rubyのソースコードの特徴
まずはサンプルコード(Ruby言語を使った例)を通じてRubyをイメージしていただきます。
例えば、上記はユーザーと相手(cpu)が「グー・チョキ・パー」のいづれかを選び、勝敗を決めるいわゆる「じゃんけん」のサンプルコードです。
Rubyのソースコードの特徴は、大きく分けて2点です。
- 他の言語と比べてシンプルで読みやすいコードが書ける
- オブジェクト指向であること
シンプルで読みやすいコードが書ける
画面に”はじめてのプログラム”と表示するプログラムをJavaと呼ばれる他のプログラミング言語とRubyで書いたもので比較してみます。
上記のようにRubyはより少ないコードで同じことができ、非常にシンプルな文法で記述されています。
オブジェクト指向
オブジェクトとはデータと処理の集まりのことです。漠然とした集まりではなく、ひとつのテーマを持った集まりです。
例えば「東京」と「大阪」があったとしたら「東京」と「大阪」は別々の異なるオブジェクトです。
東京は「場所が東京」という状態を保持していて、「場所を教えて」と問えば「東京」と答える振る舞いを持っています。
このようなオブジェクトのシステムによってプログラミングを行うことをオブジェクト指向と言います。
オブジェクト指向のメリットは変更に強い作りになること
ではオブジェクト指向はどのようなメリットがあるのでしょうか。
例として、たくさんの部署がある企業を想像してください。あなたはその企業の社長です。8:30に朝礼を終え、仕事がスタート。
その時一人一人の部署を調べて「あなたは経理部だから費用の計算をしなさい」「あなたは営業部だからA会社に営業行きなさい」と指示をするのは大変ですね。
社員に「仕事を始めてください」と伝えたとき、それぞれが自身の部署に合った行動をとってくれれば社長の負担は軽くなります。
プログラムでも同じことが言えます。メインの処理がそれぞれのデータに対して細かく指示を出していると、処理が複雑になる傾向にあるのです。
上記の例を オブジェクト指向 に当てはめると社員はオブジェクトであり、社長はそれらのオブジェクトを扱う処理に近いと言えるでしょう。
複雑なプログラムはバグを生み出しやすく、変更が難しくなります。
そして、プログラムには変更されることが多いもの。変更に強い作りにすることで修正作業が楽になり、バグの発生を抑えやすくなります。
RubyGemsが便利
RubyGemsは作成したパッケージを公開したり、インストールに役立ったりするシステムのこと。
Rubyのパッケージとは、簡単にいうとRubyでプログラミングを行う時に便利な機能をまとめたものです。
RubyGemsにはさまざまなパッケージがあり、初心者に有り難いものも豊富。
このようなプログラミング入門のハードルを下げてくれるRubyGemsのようなシステムを気軽に使える点もRubyの魅力の1つと言えるでしょう。
RubyGems.org | コミュニティのGemホスティングサービス
Rubyを使うと何ができるの?実例を紹介
「Rubyを使うと何ができるの?」と疑問を持っている人向けに、Rubyを使って作られた具体的なサービスやWebサイトを紹介します。
クックパッド
出典:cookpad(クックパッド)
日本最大の料理レシピサイト「クックパッド」。
ユーザー数6000万人、投稿レシピの数は240万品を超えており、このサイトを見ればほとんどの料理の作り方が分かります。20~30代の主婦を中心に多くの人々に利用されています。
クラウドワークス
「21世紀の新しいワークスタイルを提供する。」というミッションを掲げる、日本最大級のクラウドソーシングサービスです。
「Ruby on Railsでの開発により、将来への変化に対応できるシステムの構築ができた」とクラウドワークスCTO野村真一氏は語る。新たなサービスのスタートに向けた開発であるため、少人数で、限られる期間での開発が求められる中、Ruby on Railsの開発生産性の高さは有効であった。
GitHub
エンジニアの開発現場で用いられるバージョン管理システム「Git」をベースとした、チーム開発向けのソースコード共有サービスです。
Gitを用いることで、開発中にバグが発生した場合にも「○月○日時点のコード」にすぐにコードを戻すことができます。
GitHubはコードの保守性と、再利用性を大幅に高めることから開発現場で徴用されています。
GitHubのユーザとしてあなたが見ているもののコア部分は、Ruby on Railsのアプリケーションです。それは創業者たちが会社を立ち上げた時に作られて、もう7年になるものです。
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Rubyの将来性
ここでは、プログラミング言語Rubyの気になる将来性について見ていきましょう。
出典元:2020年プログラミング言語別年収ランキング – TECH Street (テックストリート)
TECH Streetが発表した2020年プログラミング言語別年収ランキングによると、
Rubyを扱うエンジニアの平均年収は年代別で以下の通りでした(カッコ内は年代の中の順位)。
- 20代:397万円(9位)
- 30代:520万円(8位)
- 40代:603万円(9位)
- 50代:585万円(9位)
近年、Rubyの需要は以前に比べると落ち着いてきています。その一方でプログラミング言語Python(パイソン)の需要が伸びており、将来性を考えるとPythonにも注目すべきと言えるでしょう。
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ただし国内のRubyを扱うエンジニアの求人数は、他のプログラミング言語と比較しても高い傾向にあります。またRubyは読みやすいコードを書けることから、初心者が学びやすいメリットもあります。
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Rubyの3つの勉強法
ではそのようなRubyをどのように勉強すればいいでしょうか?その方法は簡単です。以下の3つを実践していただくと可能です。
- Ruby関連の参考書を読む
- プログラミングの基礎を学習できるWebサービスを利用する
- 自分自身でオリジナルWebアプリケーションを作成する
Ruby関連の参考書を読む
具体的にどういう文法があってどう使うかはやはり書籍読むに限ります。今回はその中で厳選した2冊を紹介します。
たのしいRuby 第5版
Ruby初学者の教科書といっても過言では無い本。基礎の基礎から書いてあるのでとてもわかりやすいです。
多少厚めの本ではありますが、プログラミングをやったことが無い方にもオススメです。
パーフェクトRuby
実践で使える発展的な内容がわかりやすく書かれています。
初心者の方にとっては多少難しく感じるかもしれませんがRubyでサービスを作られるのであれば、一度は読んでおきたいところです。
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プログラミング学習サービスを利用する
プログラミング学習サービスの利用は、特にまとまった時間がとりにくい社会人の方にオススメ。
ドットインストール
Rubyの学習に費用をかけたくない方にオススメのサービスは「ドットインストール」です。
講師がコーディングをしながら、1レッスンにつき3分でプログラミングについて解説を行うというサービスです。動画の視聴は基本無料です。
RubyだけでなくPHPやPython、Swiftなど幅広い言語のコースが、網羅的に開講されています。
新しいプログラミング言語について、知識を得たいという方にもオススメです。
Udemy
有料サービスの利用を検討している方には、Udemyなどのサイトもオススメです。
下の記事では、プログラミング学習サービスを紹介しています。
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オリジナルWebオリジナルアプリケーションを作成する
自分自身でWebアプリケーションを作成すると、Rubyを体系的に理解できます。これはプログラミングへの自信にも繋がるため、ぜひおすすめしたい勉強方法です。
プログラミングに対して自信がつくと、エンジニアとして起業したり、フリーランスになったり、新たな道が開けるきっかけに。また自身で作成したオリジナルアプリは、エンジニア就職活動でのアピール材料にもなります。
Rubyとはプログラミング入門者にやさしい言語
Rubyは他のプログラミング言語と比べてとてもシンプルで、プログラミング入門者にとってハードルが低い言語です。
また、Rubyは国産の言語であるため解説サイトなども多く存在し、学習中つまずいた際も解決策を探しやすいです。実際にRubyで作られたサービスも多数あるため、学習モチベーションも保ちやすいと言えるでしょう。
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