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働き方改革で注目されるRPAとは。AIとの違いやメリット・デメリット・ツールも解説

更新: 2020.07.15

最近、働き方改革の話題と共にRPAという言葉をよく聞くけれど詳しくはわからない。もしくは、RPAを導入するためにRPAについて勉強したいと思っていませんか?この記事では、RPAの内容について説明し、AIとの違いについてもみていきます。また、RPAのメリット・デメリット、ツールなどについても紹介していきます。この記事を読むことで、RPAの基礎的な知識を身につけることができます。

働き方改革で注目されるRPA

残業時間の規制、同一労働同一賃金、高度プロフェッショナル制度などを含む「働き方改革関連法」は6月29日に可決されました。政府が「働き方改革」を推進するのは、生産労働人口の減少や正規・不正規雇用における格差、長時間労働といった問題が背景にあります。

これまで日本社会では、長時間働くことを美徳とする風土がありましたが、これからは少ない労働人口でいかに成果を上げるかという「生産性」という考え方が非常に重要になってきます。

日本生産性本部によると、2016年の日本の時間当たり労働生産性は46ドルで、OECD加盟35ヶ国中20位でした。加盟国平均を下回り、先進7ヶ国では最下位でした。この結果からみても、日本人は長時間働いているかもしれないけれど、労働生産性は低いということがわかります。

現在、国を挙げて労働生産性の向上が推進される中、注目されているのが「RPA」です。RPAはRobotics Process Automationの略称で、ロボットによる業務自動化を意味します。RPAを導入することで、パソコン操作などが自動化され業務のオートメーション化が進み、労働生産性が向上することが期待されています。

参照:公益財団法人日本生産性本部 労働生産性の国際比較

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RPAについて

RPAは間接業務を自動化することで、人がより付加価値の高い仕事に従事することを可能にし、1つの独立した労働力として人間の業務を代行します。

RPAとは

RPAは、機械学習や人工知能といった認知技術を応用することで、ホワイトカラーの業務の自動化を推進するものです。これまで業務の自動化と言えば、製品の組み立てや荷物の搬送といったブルーカラーの業務を代替するものでしたが、RPAはデータの入力や更新、処理といったホワイトカラーの業務を代替することが特徴です。

RPAは、コンピュータのアプリケーションを人間と同じように操作するソフトウェア・ロボットによって実現されます。例えば、帳簿を入力したり、伝票を作成したり、経費チェックを行うといったことをRPAで自動化することができます。

間接業務を自動化して生産性を向上

会社に直接利益をもたらすことはないけれど、会社を運営する上で必要となる間接業務はたくさんあると思います。そのような間接業務をRPAで自動化することにより、より重要な業務に集中し、結果として利益を生み出す直接業務の生産性を向上させることができます。

ホワイトカラーとブルーカラーについて

オフィスなどでスーツを着て頭脳労働に従事する人のことをホワイトカラー、工場などで肉体労働に従事する人のことをブルーカラーと呼びます。

ホワイトカラーは物の生産に直接関わることはなく、事務所で専門的な知的労働を行います。ブルーカラーは製造業、建築業などの現場で生産工程に従事します。

RPAはホワイトカラーの業務を代行することが期待されています。

業務の代行者としての役割を担う

RPAは人間の仕事を支援するというより、独立した1つの労働力となり、人間の仕事の代行者としての役割を担います。

どのような業務を行うのかあらかじめ設定しておくことで、複数のアプリケーションを用いた複雑な作業を遂行することができ、人がパソコンを使用している間でもバックグラウンドで処理を続けることもできます。

RPAを産業用ロボットと明確に分けるために、Digital Labor(デジタルレイバー)と呼ぶこともあります。

RPAAI(人工知能)の違いは何か

AI(人工知能)とRPAの違いは何なのでしょうか?最近、AIという言葉をいたるところで耳にします。ロボットと聞くとAIが使われていると考える方も多いと思います。しかし「RPA=AI」ではありません。

RPAは人間の指示した業務を自動化するだけですが、AIは自ら学習し判断することができるので主体的に情報を処理することが可能です。

RPA導入の段階によってAIが必要となる

RPAは定型業務や繰り返し業務など、簡単な業務から自動化していきますが、任せる業務のレベルを上げていくとAIが必要になってきます。

RPA導入の3つの段階から解説

RPAには3段階の自動化レベルがありますクラス1では定型業務の自動化、クラス2では非定型業務の自動化、クラス3では自律的なAIと連携することで意思決定までを自動化することができます。

クラス1:RPARobotic Process Automation

複数のアプリケーションを利用して、単純作業や定型作業を自動化します。人事、経理、総務などの間接業務、データ入力や経費処理などを行います。この段階では、設定しているエラーには対応することができますが、イレギュラーに対しては対応することができません。

クラス2:EPAEnterprise Resources Planning

この段階になるとブログ、SNS、音声、動画、センサなどの非構造化データを扱うことが可能になります。複数のデータを元にした売上予測など、データ分析を自動化することができます。また、イレギュラーに対しても柔軟な対応を行うことができるため、非定型業務の自動化も推進できます。

クラス3:CACognitive Automation

AIによるディープラーニングを利用して、大量のデータを元に自律的に学習していき、業務における最良の判断を導き出すことが可能です。例えば、天候に応じた販売予測、経済状況を考慮した経営判断といったことに利用することができます。

RPAが注目される理由

RPAが注目されるようになった背景には、いくつかの理由があります。

業務への変革が求められている

RPAの導入により、人間の仕事がなくなるのではないかと危機感を持つ人は少なからずいるのではないでしょうか。しかし、RPAは人間の仕事を奪うのではなく、業務のあり方を変えるといった効果が期待されています。

RPAが行う業務を管理できる人は必要です。単純作業が減れば、「残業時間の短縮」「企業の事業拡大」といった効果も期待できます。また、ワークライフバランスの実現にも役立つでしょう。

ホワイトカラーの生産性向上

ホワイトカラーの直接作業の生産性向上に着目する企業は多いですが、利益に結びつかない間接作業はあまり注目されてきませんでした。しかし、ブルーカラーの工場の業務オペレーションの見直しやIoTの導入が進むことで、それをホワイトカラーの業務でも実現できないかと関心が高まっています。

IoTとはInternet Of Everythingの略称で、すべての機器がインターネットにつながり、情報を相互交換する仕組みのことです。

海外でのRPAの普及の影響

海外でBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を導入する企業が増えたこともRPAが注目される要因となっています。

BPOとは、業務プロセスを外部の企業に委託することです。業務の一部を外部委託することで、自社のコア業務に人材を集中できます。

BPO企業は業務のパッケージ化を行い、その業務をより効率的にコストを抑えて処理するためにRPAツールを導入します。それによりRPAに対する注目が海外の企業で高まりました。そのため、国際的な競争力を維持するため、日本の企業もRPAに注目しています。

システムを円滑に連携させる

効率化を目的に業務のシステム化を進める企業は多いですが、システムが増えることでそれをつなぐ人が必要となり、ボトルネックとなることもあります。そのギャップを埋めるためにRPAの導入を検討する場合もあります。

最先端技術の活用

ビッグデータやAIといった最先端技術の活用を目的に、RPAの導入を検討するケースもあります。        

RPA導入によるメリット

RPAにもメリットとデメリットが存在します。まずはメリットについてみていきます。

人件費のコスト削減

RPAを導入することで業務の工数を減らせるので、人件費のコスト削減が実現できます。人件費は企業の支出の中で大きな割合を占めるため、人件費を削減できることは企業にとって大きなメリットになります。

業務の効率化

間接作業などを人間が行うよりも速く正確にできます。人間は疲れてくるとミスを生じやすくなり、ミスした分業務の効率も落ちますが、ロボットは疲れることがなくミスをすることもありません。

付加価値の高い業務に時間を使える

RPAが労働力として機能することで、人間はより付加価値の高い業務に時間をかけることができます。単純作業を自動化してくれるRPAは、クリエイティブで創造的な仕事に人材を投入したい企業にとって導入する価値があります。

スモールスタートで導入できる

事務処理などを行う人を雇う場合には、多くのコストと時間がかかります。しかし、RPAは必要に応じて費用対効果を意識しながら、適用範囲を増やすといったスケーラブルな使い方が可能です。

RPA導入によるデメリット

続いて、デメリットについて見ていきます。

導入コストがかかる

RPAの導入にはコストがかかります。導入によるコスト削減とのバランスを考えて、事業の規模に合ったRPAを選択する必要があります。RPAの導入の段階が上がるにつれて、導入コストも高くなります。

業務の洗い出しが必要

RPAを導入する必要があるのか見極めるために、現状の業務の洗い出しを行う工程が必要になります。小規模の事業所ではそれほど時間はかからないかもしれませんが、従業員数千から数万規模の企業で業務の洗い出しを行うのはそれなりの労力がかかります。

既存システムに影響が考えられる

RPAはルーティンワークを自動化するので、既存のシステムへの影響が考えられます。社内のアプリケーションを組み込む場合には、開発した情報部門としっかりと連携を取らなければエラーが発生するリスクもあります。最悪の場合、業務が停止することも考えられるので、問題を検知できる環境作りも必要となります。

業務のブラックボックス化の恐れ

RPAの実行により業務が処理できるようになると、その内容や仕組みを理解していないという状況が生まれる恐れが考えられます。その業務を理解して、問題が発生した際に対応できる人材を確保することも考慮しましょう。

セキュリティに対するリスク

RPAの処理の中にユーザー名やパスワードの自動入力が含まれる場合もあります。本来であれば、権限を持たないユーザーもその業務を実行できてしまうといったセキュリティに対するリスクも考えられます。重要度を認識し、業務の内容に応じて、デスクトップでの処理ではなくサーバー側でセキュリティレベルを上げて処理するなどの対策が必要となります。

RPAツールを比較して紹介

RPAのツールは様々なものが提供されていますが、ここでは代表的な7つのツールをご紹介します。

Automation Anywhere Enterprise

Automation Anywhere(オートメーション・エニウェア)社は、RPA市場のシェアが最も大きいアメリカの企業です。2018年に日本法人を設立し、日本市場にも参入してきています。

Automation Anywhereが提供する「Automation Anywhere Enterprise」は、デジタル企業に最適化されて設計されたRPAプラットフォームです。

どのような従業員でも使えるシンプルさ、強固なセキュリティ、中央手中型のコントロールといった特徴を備えています。バックオフィス系の業務に強く、機械学習を用いた動作も可能です。ただし、機械学習を利用するにはそれなりのプログラミング能力が求められます。

年間の利用料は1,300万円程度と、RPAツールの中では高額な部類に入ります。

Automation Anywhere Enterprise

Blue Prism

BluePrism社は2001年に設立されたRPA業界の老舗で、元々金融機関向けに開発したツールをRPAツールとして製品化しました。

「BluePrism」は、ロボットがパスワードを定期的に変更するセキュリティ機能、自由度の高い設計が可能な例外処理ハンドリング、メンテナンスの容易性といった特徴を備えています。

年間利用料は600万円程度で、強固なセキュリティが必要とされる金融や医療分野での導入が見込まれています。

Blue Prism 

BizRobo!

「BizRobo!」を提供するRPAテクノロジーは、日本のRPA業界におけるパイオニア的な存在で、2017年には米調査会社のGartnerによって世界のRPA市場をリードする「Cool Vendar」社に選出されています。

「BizRobo!」は、複数のアプリケーションの操作を一連のフローとして構成しロボットを作成します。また、通常のRPAはロボットごとに実行環境を用意する必要がありますが、「BizRobo!」はサーバで稼働するため変更・管理がしやすいという特徴を持っています。

Bizrobo!デジタルレイバープラットフォーム 

Pega Robotic Automation

ペガシステム社は、顧客エンゲージメントやオペレーショナル・エクセレンスに関するソフトウェアのリーダー企業です。

「Pega Robotic Automation」は、ロボットの開発・実行を支援する「ロボティック・デスクトップ自動化」やデスクトップの作業時間を解析する「ワークフォース・インテリジェンス」で構成されています。

Pega Robotic Automation

WinActor

NTTグループの研究成果と技術が詰まったソフトウェア型ロボット「WinActor」は、RPA 国内市場シェアNo.1を誇ります。Windows上のアプリケーションを利用した業務を学習し、PC業務の自動化を行います。

大量のデータを扱うような業務には向いていないかもしれませんが、国産だけあってサポートも充実していますし、手軽な価格でRPAを始めることができます。

WinActor 

NEC Software Robot Solution

「NEC Software Robot Solution」は、画像認識機能を持つソフトウェア・ロボットで、PC上で自動化させたい作業を登録して業務の自動化を行います。定型業務を自動化し、業務の効率化を図ります。

導入前の適用検証サービスや、24時間365日の導入後の保守サービスが受けられるなど、サポートが充実しています。

NEC Software Robot Solution  

SynchRoid

ソフトバンクの「SynchRoid」の特徴は、人事・会計ソフトと連携することにより、バックオフィス業務全般を自動化することができる点です。

例えば、データのバックアップや、紙の入出力等の業務を自動化することができます。AIと連携して、非定型業務の自動化もできるようです。

SynchRoid  

最後に

以上、RPAについて、AIとの違いやメリット・デメリット、ツールなどについて紹介してきました。

AIや自動化といったテーマでよく話題になるのが、「人間の仕事が奪われるのではないか」という心配です。単純作業を繰り返し行う定型業務はロボットによって代替されていくでしょうし、オートメーション化の波は止まることはないでしょう。

今から100年くらい前、日本で農業に従事している人の割合は50%を超えていました。しかし、今ではその仕事の多くがオートメーション化によって機械に置き換えられ、現在では人口の2%ほどしか農業に従事していません。彼らはどこへ行ってしまったのでしょうか?

オートメーションは人間から仕事を奪ったのではなく、様々な分野で多くの新しい仕事を生み出しました。ウェブデザイナー、プログラマー、エンジニア、編集者、写真家などといった新しい職業は、以前の職業をオートメーション化することで生まれました。

これからも、あらゆる仕事はオートメーション化され、その度に新しい仕事が創造されていく可能性は十分に考えられます。オートメーションによって自分の仕事が奪われると心配するのではなく、オートメーションによって新たな仕事を創造することが、これからの時代において大切になっていくのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

Yoshi Otobe
アメリカの大学でジャーナリズムを専攻。帰国後、医療、教育、ビジネス、ITなどの分野でライティング、編集、翻訳業務に携わる。現在はITとプログラミングについて勉強中。「基本情報技術者試験」「ITパスポート」「Webクリエイター能力認定試験」などの資格を所有。

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