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【裁量労働制】で働くなら知っておくべき5つのポイント

更新: 2018.02.15

魅力的な転職先を発見し、求人情報を読んでいたら「裁量労働制」という言葉が目に入ったことがありませんか。この「裁量労働制」は具体的にはどういう制度でしょうか。

自由に働ける、とよく言われています。本当にそうなのか、「裁量労働制」で働くのなら内容をしっかりつかんでおくことが大切です。

この記事では「裁量労働制」についてわかりやすく解説しています。気になる残業代や出勤時間についても解説します。

 裁量労働制 とは?わかりやすく解説

「裁量労働制」とは「特定の仕事に対し、実際の労働時間ではなく、あらかじめ決められたみなし時間を基準に給与を支払う」という仕組みです。

例えば、あなたがとある仕事を請け負ったとします。その仕事は8時間分の労働に相当するとされています。しかし、あなたはその仕事を5時間で終わらせました。

この場合、給与が時給ベースだと5時間分の賃金しか支払われません。しかし裁量労働制だと8時間分支払われます。


成果をきちんと出せば労働時間が短くても問題はないのです。

裁量労働制では、労働時間ではなく仕事の成果が求められているということを覚えておきましょう。

会社にはどうやって導入する?

この「裁量労働制」を導入する会社が増えています。しかしこれは勝手に会社が「来月から裁量労働制になります」と決められるものではありません。

逆に労働者が「来月から裁量労働制で働かせてもらいます」と決められるものではありません。

導入には労働基準法に則った手続きが必要となります。会社側・労働者側双方で労使協定を結び「みなし労働時間を何時間とするか」「対象労働者はどの範囲か」など様々な決議をおこないます。

そしてその決議内容を労働基準監督署に届け出る必要があります

「みなし労働時間」が決まっている

ここで「みなし労働時間」についてみてみましょう。「みなし労働時間」とは会社と労働者であらかじめ決定した労働時間です。

労働環境や仕事内容を慎重に吟味してその時間を決定します。たとえば「1日8時間働いたとしておく」と具体的な時間を決めるのです。

「1日8時間働いた」ことになっているので、仕事がうまく進み5時間で済んだとしても、8時間労働したことになります。

逆に手間取ってその日10時間働いてしまったとしても、8時間しか働いていないこととなります。

裁量労働制と「みなし残業」の違いをチェック

裁量労働制のポイントに「みなし労働時間」という言葉が出てくるため「みなし残業」と混乱してしまうことがあります。

裁量労働制との違いをチェックしておきましょう。

「みなし残業」とは「固定残業代」のことを指します。会社側があらかじめ給料や手当に一定時間分残業代を含ませておくことで、これは賃金の制度です。

ですので労働時間の制度である裁量労働制の「みなし労働時間」とは異なるものです。

“みなし残業とは

みなし残業とは一般的に賃金や手当ての中に、あらかじめ一定時間分の残業代を含ませておく制度です。

たとえば「月30時間の残業を含む」などと雇用契約書に記載されている場合には、月30時間までの残業代は賃金とは別に残業代として支給されない賃金体系のことです。 みなし残業は、一定の残業代を固定して支払う固定残業制度とされています。

固定残業制度を企業が採用している場合、決められた一定の時間分に関しては、労働基準法で定められている週40時間を超える時間外労働に対する割増賃金や、夜10時から朝5時までの深夜割増賃金、休日に仕事をすることに対しての割増賃金を支給しないのが一般的です。“

引用元:厳選 労働問題弁護士ナビ

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裁量労働制が適用される職業は?

どのような職業に裁量労働制が適用されるのでしょうか。

実は裁量労働制が適用される職種は決まっており、どんな職種でもいいというわけではありません。

現在適用が認められているのは「専門業務型」と「企画業務型」ですどのような業種があてはまるのかみてみましょう。

 「専門業務型」はクリエイティブ職

専門業務型はクリエイティブ職や専門的な業務が適用されます。たとえばデザイナーやシステムコンサルタント、証券アナリストなどです。

労働者の能力や成果が労働者自身の裁量で発揮できるような職種といえます。

具体的な業務は以下の通りです。

1.新商品・新技術の研究開発

2.情報システムの分析、設計

3.取材、編集

4.デザイナー

5.プロデューサー、ディレクター

6.コピーライター

7.公認会計士、弁護士、建築士(一級建築士、二級建築士、木造建築士)、不動産鑑定士、弁理士、税理士、中小企業診断士の業務

8.システムコンサルタント

9.インテリアコーディネーター

10.ゲーム用ソフトウェアの創作

11.証券アナリスト

12.デリバティブ商品の開発

13.大学での教授研究

引用元:すっきり解決!人事と経理の手続きガイド

   「企画業務型」はホワイトカラー

一方「企画業務型」はいわゆる「ホワイトカラー」を対象としています。具体的な業務は以下の通りです。

 “事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であつて、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務”

引用元:すっきり解決!人事と経理の手続きガイド

具体的には会社の経営状態や環境の調査や分析を行う、または計画をするような業務、財務に関する計画や広報の企画などを行う業務です。

例として本社の経営企画部や経営戦略部などが該当します。

営業職には適用されない?

裁量労働制は営業職には適用されないのでしょうか?営業職では「事業場外労働」というみなし労働時間制があります。

営業職で出張や外回りの直行直帰などで、使用者の監督が及ばず、労働時間の算定が難しいときに適用されます。

携帯電話で指示をまめに受けている場合や、業務している人の中に時間を管理する人がいる場合は適用されません。

裁量労働制と同じく労働協約を締結して労働基準監督署に届け出をします。

裁量労働制の気になる働き方

裁量労働制で働く場合、出勤時間や退勤時間、遅刻・早退はどのような扱いになるのか確認してみましょう。

裁量労働制の出勤時間は?

裁量労働制はみなし労働時間が決まっているので、出勤時間も退勤時間は定められていません。

例えば昼間にきて16時に帰ったとしてもかまわないのです。自分自身の裁量で出勤退勤が可能です。その分しっかりした自己管理が必要となります。

夜中の方が集中できるからと「夜の11時に出勤して朝の6時に退社する」というようなスタイルは時間外手当に関連する上、常識的ではないので認められていなことがほとんどです。

裁量労働制、遅刻するとどうなる

裁量労働制には勤務時間を自由に決められます。ですから始業時間・退社時間は決められていません。

そのため、「9時に来ないから遅刻だ」とか「昼間に帰ったから早退だ」ということはありません。

遅刻や早退がOKというよりそういった概念がない、ということです。時間にはとらわれないので、その方が働きやすい人にはありがたい制度です。

裁量労働制とフレックスはどこが違う?

出勤時間が自由なら、フレックスタイムと同じでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかしフレックスタイムとは異なるのです。

フレックスタイムは1日の決められた労働時間働けば、出社退社時間をある程度自由に設定できます

また「出勤していなければならない時間」というコアタイムには在籍している必要があります。

裁量労働制はそのような制度は適用されず、会社に1 時間しかいなくても構わないのです   

残業代・休日出勤代は出る?

残業代が全くでない印象がありますが出る場合もあります。たとえば、午後10時以降翌朝5時にまで業務が及んだ場合は、会社は深夜残業手当を支給しなければなりません

またみなし労働時間が1日9時間だとすると、法定労働時間の1日8時間・1週間で40時間を超過した分は時間外手当を支払います

みなし労働時間は、「労働日」に適用されるのが原則です。ですから仕事が終わらず休日出勤した場合は休日手当を支払うこととなります。

みなし労働時間が8時間以内に設定されていると、時間外手当はもらうことができないことも覚えておきましょう。

参考サイト 労働相談Q&A

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裁量労働制のメリットとデメリットは?

裁量労働制のメリットとデメリットを整理してみましょう。

裁量労働制のメリットとは

メリットは何といっても労働時間を自分で決められるので、融通が利くことです。自由に取り組めるのでその分能力を発揮しやすくなります。私生活とのバランスもとりやすいのがメリットです。

例えば、朝スポーツクラブで泳いでから、または図書館に行ってから出勤するということが可能です。

小さな子どもがいる場合は保育園に余裕をもって送ってからから出勤する、というスタイルがとれるのです。朝バタバタしなくてすむのは助かる人も多いでしょう。

また、スキルをあげるための勉強時間をとることができるのは専門的な業務を行う人にとって、大きなメリットです。

裁量労働制のデメリットとは

デメリットはみなし労働時間を超えてしまった場合の賃金がないことです。先に説明したように、みなし労働時間が法定労働時間内に設定されていると残業代はもらえません。

たとえばみなし労働時間が1日7.5時間だとします。その日、立て込んで10時間仕事をしたとしても時間外手当は発生しません。そのため長時間労働の温床になりやすいのです。

短時間で成果を出せればよいのですが、出せないことも当然考えられます。そうなると時間を有効に使えなくなるというデメリットになってしまうのです。

裁量労働制の問題点とは

裁量労働制には問題点もあります。考えられる問題点をみてみましょう。

長時間労働になる危険

デメリットでもふれましたが次から次へと時間のかかる困難な案件が持ち込まれると、みなし労働時間内でおさまらないことも予想されます。そのため長時間労働になってしまう恐れがあることが一番の問題点です。

労働者が短時間でこなせないという場合、この仕事に対して能力が不足している、ということが当然考えられます。もちろん能力があるために、多くの仕事を任せられた結果長時間労働になってしまうことも考えられます。

また、みなし労働時間がそもそも実際の労働時間と見合っていなかった場合は、労働者の能力の問題ではなく「制度を見直す必要」がでてきます。

長時間労働にならないためには労働時間の見極めや、仕事の成果の評価を公平に行うシステムの整備が必要となります。

実はチーム仕事がやりにくい

個人の裁量で労働時間が決まりますから、チームで何かやるときはなかなかうまくいかない時があります。

ある人は早朝に仕事をしたい、ある人は午後から仕事をしたいとなると話し合いもできない、ということも起こりうるのです。

かといって強制的に「このプロジェクトがある間は9時に集まれ」としてしまうと裁量労働制の意味がなくなってしまいます。

また取引先が朝連絡したいのに、午後から出社するため結果的に迷惑をかけてしまうシーンも予想されます。

 裁量労働制を会社は本当にわかっている?

「裁量労働制」を会社側にとって都合よく解釈して運用している場合もあります。正しく運用している会社なのかをしっかり見極めましょう。

裁量労働制だから残業手当は支払わなくてもよい、たとえ休日出勤をしても支払わなくてかまわないと勘違いしている場合があります。

残業などの時間外労働や休日・深夜労働は労働基準法の法定労働時間が適用されることを覚えておきましょう。裁量労働制の労使協定というのは「会社と労働者」の協定なのです。

いざ働いてみたら実際の労働時間とみなし労働時間がかけ離れていたり、出勤時間が暗黙の了解で決まっていたりという場合もあります。このような時は労働組合や労働者代表に相談する必要があります。

まとめ

裁量労働制の魅力は労働時間が自分で設定できることです。自分のライフスタイルも崩さずに仕事ができるのも魅力です。

個人の能力が問われる雇用制度で、その分自己管理をしてきちんと成果をだすことが求められます。

一方で、裁量労働制は「残業代を出さずにすむ」といったブラック企業の体質を生み出す危険性もあります。

もし転職先が裁量労働制を導入している場合はみなし労働時間や休日深夜手当、出勤時間などをしっかり確認しておくことが大切です。

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