専門領域にエンジニアリングを掛け算することで新しい価値を生みだす – 薬剤師がプログラミングを学ぶ理由とは
更新: 2024.07.29
薬剤師の国家資格を持ちながら新卒でIT企業に就職。その後、IT×医療で起業した異色の経歴を持つ起業家である、株式会社ミナカラ・CEOの喜納 信也さんに、専門技能を持つ人や専門分野の人材がプログラミングを学ぶことで広がる可能性についてお話を伺いました。
プロフィール 株式会社ミナカラ CEO 喜納 信也 さん
1983年生まれ。薬学部に在学中からベンチャー企業でのインターンを経験。卒業後は大学の同期のほとんどが薬剤師になる中、大手企業向けのシステムを開発するワークスアプリケーションズに入社。
2013年、インターネットを通じた医療体験が全く良くなっていないことに社会的課題を感じ、インターネット上に病院や薬局に替わるサービスを作ることを決意。
株式会社ミナカラを立ち上げ、薬についての情報を届けるメディアや薬の宅配サービスを展開。
この記事の目次
専門分野×プログラミングは突破口になる
──どのような事業をされているのですか?
「ミナカラ」という、インターネット上で医薬品を購入でき、購入後も薬剤師に治療の相談ができるサービスをやっています。インターネットで治療を受けられる時代を作ることを目指していて、まずは私たちの強みでもある医療機関(薬局)をインターネット上に構築しています。
これは、組織としてIT×薬剤師という形態を取っている我々だからこそ出せるソリューションです。
──医療の領域である「薬」をIT領域である「Webサービス」で展開しようと思ったキッカケはなんですか?
一時期私は薬剤師として活動していたのですが、それでは1日あたり30人ほどの患者さんにしか医療サービスを提供できませんでした。
そんな折、IT業界で働いていた経験から、インターネットやテクノロジーの利点を活かすことで医療体験を改善すれば、社会への貢献度を飛躍的に高めることができるのではと思うようになりました。Webサービスを通じてやれば、1日で数万〜数十万人もの方にサービスを提供できる可能性があるのです。
特定の分野でイノベーションを起こすために「医療×インターネット」「医療×エンジニアリング」「医療×なにか」といった掛け算で考えてみると、新たな価値を生みだすヒントや突破口になると思います。
↑事業の1つである「おくすり宅配」
プログラミングを学んだ経験が業務にも活きている
──そんな中、喜納さんもプログラミングを学んだのはなぜですか?
開発言語をPHPからRubyに変更するタイミングで、開発責任者のエンジニアが短期間でRubyを身に付けるためにテックキャンプを受講することになりました。
開発チームとスムーズにコミュニケーションを取れる方が信頼関係も築きやすいですよね。自分も開発チームをマネジメントするために「プログラミングを学習する必要がある」と思い、一緒に学ぶことにしました。
社内の薬剤師もプログラミングを学習
──他の医療系ベンチャーとの差はどこにありますか?
「医療とエンジニアリングの2つの専門性を持っている組織」というのが自分たちの組織のアドバンテージだと考えます。営業が強い会社、技術に長けた会社など1つの専門性を持った会社はあると思います。
しかし、例えば「医療と技術」というように、2つの強みを持った会社は意外と少ないのではないでしょうか。社内には複数名薬剤師がおりますが、代表の私も含め彼らもプログラミングができます。我々は医療の専門家であると同時に、技術者集団でもあります。
↑プログラミングもできる薬剤師がサービス開発を主導
──専門家(薬剤師)とエンジニアがサービスを一緒に作る上で、大切にしていることはありますか?
全員が「ユーザーの課題を解決する」「ユーザーに満足してもらう」という点にフォーカスしています。薬剤師やエンジニアといった職種の違いにかかわらず、目線を合わせていくことを大切にしています。
弊社のサービスづくりには薬を中心とした医療の専門知識が重要で、薬剤師たちが活躍できる機会があります。一方で、弊社のサービスはネットサービスですので、ユーザーの反応や満足度などはログなども含めて開発やエンジニアの方がスピーディに理解できたりもします。
薬剤師の専門知識も、エンジニアのプログラミングスキルも、ユーザーの課題を解決したりユーザーに満足してもらうサービスを作るためのツールでしかありません。重要なのは、どんなスキルやバックグラウンドを持った人材もユーザーに向き合える体制を構築することです。
ユーザーに満足してもらうサービスをつくるためにプログラミングのスキルが必要なのであれば、薬剤師でも最低限のスキルを取得すべきです。そこで、弊社では薬剤師もプログラミングを学んで、彼らが主導で開発を進められるような体制を敷いています。未経験者でも1ヶ月ほどでサービス作りに携われるようになります。
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アイデアに価値はない。プロトタイプを作ってからが勝負
──アイデアを持っている人がそれをかたちにするには、具体的にはどうすれば良いでしょうか?
例えば「Webサービスに興味はあるものの、やろうかやらないか迷っている」のだったら、とりあえずプログラミングを勉強しながらサービスをつくってみるのが良いと思います。一緒にプログラミングを学ぶ仲間を作り、共同で何か開発する、というのはとても面白いです。
また、自分が開発に直接携わらないとしても、エンジニアの考え方を理解したりエンジニアの採用をしたりといった場面で、プログラミングの知識は役立ちますよ。
喜納さん、貴重なお話ありがとうございました。
ふとしたアイデアがかたちになるかもしれない。
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