あなたはブロックチェーンは何かと言われたら、正確に説明することはできますか?
ブロックチェーン、ビットコイン、フィンテックといったワードは、最近ニュースなどでもよく取り上げられていて、本屋に行ってもこの類の本をあちこちで目にします。
それだけ今話題になっていますが、ブロックチェーン=ビットコインと勘違いしている人も少なくありません。マイニングという言葉も聞いたことがあるけどどういうことか分からない、という人もいるでしょう。今回はブロックチェーンとは何か、マイニングとはということを、誰にでもわかるように詳しく解説していきます。最低限の知識としてインプットしておきましょう。
この記事の目次
ブロックチェーンとは?
ブロックチェーンとビットコインはどのような繋がりがあるのでしょうか。ブロックチェーンは、ビットコインを支える技術として用いられています。ビットコインとは、仮想通貨(※)であり、世界中に知れ渡っている電子通貨です。
(※)仮想通貨:インターネットを通じて不特定多数の間で物品やサービスの対価に使用でき、中央銀行などの公的な発行主体や管理者が存在せず専門の取引所を介して円やドル・ユーロ・人民元などの通貨と交換できます。仮想通貨の種類はCoinMarketによると2017年7月18日現在979種類もあります。(引用:仮想通貨とは)
ビットコインは第三者の仲介業者を通さないで取引をしているため、手数料を安く抑えることができ、世界中の人にビットコインを送金することができます。また、ビットコインの発行数は2100万ビットコインと上限が決められています。
書籍「ブロックチェーン・プログラミング」ではRubyによるビットコインの実装例を網羅的に解説しつつ、ブロックチェーンの仕組みを解説しています。ブロックチェーンが実際に、どのようなコードによって実装されているのかを知りたい方におすすめです。
1-1 ブロックチェーンの概要
ブロックチェーンとは、情報をブロック単位で保存し、そのブロックを鎖状につなげて保存していくデーターベース(※)のことです。
(※)データーベース:大量のデータを集めて、コンピューターでデータの追加、削除、検索をしやすい形に整理したものです。(引用:データベース(データベース)とは – コトバンク)
鎖状に保存していくことによって、ハッキングや改ざんをすることができず、信頼性が高いのが特徴です。
今までは第三者の仲介取引所が必要でしたが、このブロックチェーンを用いることで、それが無くても個人取引ができるようになり、手数料も大変安くなりました。(現状はブロックサイズの肥大により手数料が高騰しています。20円から350円程度)
1-2 ブロックチェーンの起源
2009年にナカモト・サトシという匿名の人物がビットコインを支える技術としてブロックチェーンを論文で発表しました。
ビットコインが世界中に広まることで、ブロックチェーンも広まっていきました。
今ではビットコインの他、個人特定や不動産取引、証明書などにブロックチェーンの技術が使われています。
以下、ナカモト・サトシの原論文です。
ブロックチェーンの概要が学べるおすすめの本
ビットコイン解説書の決定版として知られる「Mastering Bitcoin」の邦訳です。
ビットコインのソースコードの詳細な解説もありつつ、プログラミング未経験の読者にも分かりやすいように図解や表を多く使用しています。
プログラミング経験の有無を問わずサトシ・ナカモトの原論文の革新性や、現在のビットコインネットワークの仕組みを深く知りたい方におすすめです。
1-3 ブロックチェーンのメリット
・第三者を通さないので、個人取引をすることができ、手数料が安い
・ハッキングや改ざんがほぼ不可能
ブロックチェーンは、複数のデータベースでできているので、例え一つのデータベースを改ざん出来たとしても、その改ざんをすぐに発見することができます。
・一つのデータベースが壊れても、他のデータベースから復元可能
・沢山のデーターベースで支えているので、一つ一つのデーターベースは高性能でなくて良い
・改ざんできないことから信頼性がある
暗号を使った電子署名を用いるため、なりすましが困難になります。また、外部から全ての取引が見ることができるので、ブロックチェーンを不正することはできません。
中央集権型では中央管理局が監視をするのですが、ブロックチェーンの場合はP2Pのノード(個人間の端末同士)が監視役になります。よって、国の力では制御することができません。仮に、ある国でブロックチェーンを禁止したとしても、その国を出れば使用することが可能です。
1-4 ブロックチェーンのデメリット
ビットコインにおけるブロックチェーンは大量のデーターベースがあり、それを適切に同期をとって更新しなければいけません。よって、中央集権型に比べて速度は遅くなります。高い処理速度を求められる取引には向いていません。
また、ブロックサイズに関する問題点もあげられます。ブロックのサイズは1MBと決められているのですが、ビットコインが有名になり取引量が多くなるにつれ、取引データがブロックに入らなくなってしまいます。
これにより、取引に10分以上かかったり、最悪取引ができなくなる可能性がでてきます。
この解決策としていくつかあるのですが、2017年7月18日現在まだ解決はしていません。
ブロックチェーンの仕組み
ブロックチェーンでの取引情報はブロック単位で収納され、ブロックチェーンに保存されていきます。では、どのようにブロックチェーンに保存されていくのか解説していきます。
2-1 ブロックチェーンの流れ
出典:「ブロックチェーンとは結局何なのか」ビジネスパーソン向けに徹底解説&ブロックチェーンの衝撃・金融サービスへの応用補足説明
AさんがBさんにビットコインを送金しようとする流れを解説します。
1.Aさんが取引情報を発信し、それに暗号署名をしてP2Pネットワークに流します。
2.Aさんの取引情報を入れるためのブロックを生成するために、マイニングが行われます。
3.10分に一個生成されるブロックの中にAさんが発信した情報が入ります。
4.ブロックは分散型データベースであるブロックチェーンに送られます。
5.それぞれのデータベースは受け取った情報を自分のデータベースに保存します。
このブロックチェーンは従来の中央集権型データベースと異なり、第三者である誰もが過去の取引記録を見ることが可能です。
2-2 P2Pとは
インターネットでは、複数のパソコンが一つのサーバーを通してネットにつながっています。
それに対してP2Pとは、上のイラストのようにパソコン同士を直接繋げたネットワークのことです。ブロックチェーンではこのネットワークが使われています。
P2Pでは、一つ一つのパソコンが独立しているため、一つが攻撃されてダウンしたとしても、他のパソコンまでダウンすることはありません。
そこからデータなどを復元することが可能になります。
また、P2PとはPeer to Peer※の略になります。※Peer:(年齢・地位・能力などが)同等の者、同僚、同輩、仲間、貴族 (出典:peerの意味 – 英和辞典 Weblio辞書)
2-3 ブロックの中身
出典:Bitcoinの仕組み
ブロックの中身は、沢山の取引情報とハッシュ値、そしてNonce(ノンス)からできています。ハッシュ値とNonce(ノンス)については後ほど説明します。では、ブロックはいつのタイミングで誰が生成するのでしょうか。それは後ほど説明するマイニングによってブロックが生成されます。
2-4 ハッシュ値とは
ハッシュ値には、一つ前に作られたブロックの内容が要約されて入っています。
ハッシュ値はアルゴリズムによって算出されたもので、一定量の情報をコンパクトにまとめたデータです。データが少しでも変わると、このハッシュ値は全く異なる値になります。
ビットコインでは、前の取引情報の要約をハッシュ計算により暗号化したものがハッシュになります。
では、ハッシュ計算とはどのようなものか、具体的に見てみましょう。
上図は、文字列「ガイアックス」と「ガイアック」、そして数値の「3775」と「3774」をSHA256(シャ ニゴロ)ハッシュ関数にかけて計算したものです。
ご覧の通り、1文字または1ビット異なるだけで全く別の数値が出て来ます。大文字、小文字の違いでもハッシュ値は異なってきます。実際に試して見たい方は、以下のリンクから試してみましょう。(参考:ハッシュ値一括計算ツール)
また、このハッシュ計算では、どんなに長い値でも一定の長さのハッシュ値になります。
2-5 Nonce(ノンス)とは
ノンスによって、次のブロックのハッシュ値が変動します。ビットコインでは、ブロックを生成してブロックチェーンに追加する条件として、「そのブロックのハッシュ値がある値よりも小さくなること」というものがあり、適切なノンスを見つけ出さなければいけません。
2-6 マイニングとは
マイニングとは、ブロックチェーンのブロックを生成するための工程です。
先程述べた通り、ビットコインでは適切なノンスの値を見つけ、ブロックをブロックチェーンに追加します。利用者が一斉にノンスを探しだすことをマイニング(採掘)と言います。
この適切なノンス値を見つけたものは、報酬としてビットコインを得ることができます。
マイニングの報酬は4年毎に半減するシステムになっており、2140年にはビットコインの新規発行は行われなくなり、マイニングの報酬は取引手数料のみになります。
このマイニングには約10分かかるのですが、これはつまり、ノンスを探し出す計算は10分でできるように設定されているということです。言い換えると、ブロックはだいたい10分に1つできることになります。
2-7 PoW(Proof of Work)とは
このProof of Workとは、ブロックチェーンにおけるブロックを誰が追加するかという仕組みの一つで、コンピューターで高度な数学の問題を解かせ、最初に解を出した人がブロックを生成できるという仕組みです。
ビットコインでは、適切なノンスを探し出し、一番最初に見つけた人がブロックを追加する更新権限を得ます。
Proof of Work以外にも以下のようなものがあります。
Proof of Work | コンピュータによる負荷の高い数学的問題を解くことで行っており、最初に答えを見つけた人が更新権限を得る仕組み |
Proof of Importance | 過去の取引情報から、データ授受のハブとしての重要性がより高い人(より多くの取引を行っている人など)が更新権限者となる仕組み |
Proof of Stake | より多くのコインを持っている人が更新権限者となる仕組み |
引用:「ブロックチェーンとは結局何なのか」ビジネスパーソン向けに徹底解説&ブロックチェーンの衝撃・金融サービスへの応用補足説明
3 ブロックチェーンの応用例
ビットコインの他にも、ブロックチェーンは金融サービスや証明書など、様々なものに応用されています。
3-1 ウォルマートの食品管理
スーパーで買い物していて、原産地なんかを気にする人も多いでしょう。そんな中、2016年10月にアメリカのスーパーウォルマートではブロックチェーンを用いた食品管理を試みました。
この試験導入が成功すれば、いつどこで誰が生産し、どこを経由してスーパーに運ばれているのかを誰もが見ることができます。
また、途中で食品が汚染されたり傷んでしまっても、すぐに特定することができ、消費者に渡ることを防ぐことができます。
4 ブロックチェーンウォレットアプリ3選
ブロックチェーンのウォレットと言っても、どれを選んで良いのか、何が違うのか分からないことはありませんか?取引所とウォレットの違いとは何でしょう?
取引所はコインを購入する場所で、ウォレットはコインを保管したり送受信をすることができるシステムです。
ビットフライヤーとコインチェックはウォレットと取引所が一体化しています。
4-1 ビットフライヤー
ビットフライヤーはビットコイン取引量国内No.1の仮想通貨取引所であり、ウォレットでもあります。資本金がコインチェックに比べて圧倒的に多く、大企業が株主になっているので、潰れることは無さそうです。こちらは初心者にとって使いやすいウォレットとなっています。
4-2 コインチェック(coincheck)
コインチェックは仮想通貨取引所であり、ウォレットでもあります。初心者にとって使いやすく、スマホのアプリで簡単に取引することが出来ます。24時間取引可能になっており、扱っている通貨も多いです。
<<2018/01/29補足:仮想通貨NEMの不正送金によりサービスが一時停止されています。詳細は公式サイトをご覧ください。>>
4-3 ブロックチェーンインフォ
ブロックチェーンインフォは世界で最も利用者の多いウォレットで、完全日本語対応です。取引所は無く、ビットフライヤーやコインチェックからコインを購入し、インフォにコインを送付する必要があります。
インフォではなく、取引所とウォレットが一緒になっている方が使いやすく便利ではないかと思う人もいるでしょう。しかし、コインを取引所のウォレットに預けておくのはセキュリティ面で危ないです。というのも、取引所では多額の仮想通貨を扱っているため、ハッカーに常に狙われていて、ハッキングされる可能性があります。
有名な事件で、東京にあるビットコイン取引所のマウントゴックスで115億円相当のビットコインが消失された事件があります。
5 ウォレットの種類とセキュリティ
ウォレットアプリを紹介してきましたが、マウントゴックスの事件やコインチェックの件もありますし、セキュリティ面での不安もあるでしょう。仮想通貨のウォレットは大きく分けて以下の3種類あります。
- ウェブウォレット
- デスクトップウォレット
- コールドウォレット
先ほど紹介したウォレットアプリは全てウェブウォレットです。
結論から言うと、セキュリティ面では「コールドウォレット>デスクトップウォレット>ウェブウォレット」という順になります。
5-1 ウェブウォレット
ウェブ上にデータを保管してあるので、パスワードさえあればどこでも引き出せ、最も取り扱いやすいです。口座開拓や設定も簡単です。
しかし、マウントゴックスの事件のように、ウォレットの企業がパスワードを流出させる可能性もあり、セキュリティ面では最も弱いです。預けるとしても多額の資金は預けず、使う分だけ保管しておくことをおすすめします。
5-2 デスクトップウォレット
パソコンやスマートフォンの端末で仮想通貨を管理するものです。端末上に保管するため、ウェブウォレットよりもセキュリティ面で優れています。
しかし、端末自体がネットワークに接続するため、ウイルス感染やハッキング、端末が壊れるというリスクはあります。また、膨大な量のブロックチェーン(取引情報)をダウンロードしなければいけないので、かなりの時間がかかり、ハードディスク容量も取られてしまいます。
5-3 コールドウォレット
ハードウェア型の端末や、オフラインのパソコン、紙で仮想通貨を保管しておくウォレットです。オフラインで管理しているため、セキュリティ面で最も優れています。ハードウェア型のウォレットはパソコンに接続すれば簡単に使えます。
しかし、端末自体が故障してしまうことがあったり、高額であったりすることが欠点です。
以下、ハードウェア型ウォレットになります。
トレザー:TREZOR(トレザー) – Zaif Exchange
KeepKey:KeepKey: The Simple Bitcoin Hardware Wallet
6 ブロックチェーン関連銘柄のおすすめ3選
出典:写真AC
ブロックチェーン関連銘柄は、テックビューロ株式会社などのブロックチェーン技術を代表する企業と提携を結んでいたり、出資していたりします。
特に、テックビューロとの提携を発表した企業の株価が上昇するというのが目立っていますが、シビラ株式会社と提携を発表した株式会社セレスも見逃せません。
6-1 株式会社セレス
ポイントサイトを運営している企業です。複数のインターネットメディアサービスを展開しています。2017年6月、セレスはブロックチェーンの研究開発ベンチャーのシビラと資本提携を行うと発表し、株価が大幅に反発しています。
6-2 株式会社ロックオン
メディアの運営やアプリ開発を行っている企業です。
ロックオンはテックビューロと共同でブロックチェーン技術「mijin」を利用したネットショッピング用受注エンジン開発の実証実験を行っています。
ネットショッピングが成長していく上で問題になることが、アクセスが集中して機能が停止してしまうことです。
これをブロックチェーン「mijin」で応用し、高性能でないサーバーを数台使うことにより、ダウンタイムを解消しようとしています。また、コスト削減にも繋がり、大手ネットショッピングサイトの運用コストを最大1/3まで削減できる可能性があります。
6-3 さくらインターネット株式会社
データセンターを運営している企業です。主に格安のサーバーをレンタルしています。2015年12月、さくらインターネットは、テックビューロと共同で、大規模な電子マネー戡定システムにブロックチェーンを適用する実験に成功しています。
7 ブロックチェーンの今後
出典:写真AC
なぜブロックチェーンがこんなにも注目されているのでしょうか。
ビットコインは2009年にスタートし、今まで8年以上一度も落ちる(止まる)ことなくサービスを稼働させ続けています。また、時価総額が数千億円以上にも膨らんでいます。
マウントゴックスの事件では、その原因がビットコインのセキュリティではなく、企業の運営者にあるという認識が知れ渡ることにより、まずますビットコインを支えるブロックチェーンへの技術が注目されることになりました。
参考:『ブロックチェーンの衝撃』著者:ビットバンク株式会社&『ブロックチェーンの衝撃』編集委員会、出版:日経BP社
7-1 社会への影響
ブロックチェーンの技術によって、ビットコインを始めとする「価値」をインターネットに流通させることができるようになりました。これはつまり、ビットコイン以外に、知的財産や権利、契約、株式などのあらゆる資産をインターネットに流し、取引することが可能になったことを意味します。
ブロックチェーンは、金融業界以外でも様々な分野での活躍が期待できます。流通・小売業界では業務の効率化・コスト削減を目標とされていて、地方創生・地域振興分野では自主的に継続できる地域通貨の実現を目指しています。
ブロックチェーンがもたらす影響力はものすごく大きいです。
では、ブロックチェーン以外に、FinTech(金融「Finance」と技術「Technology」を組み合わせた造語であり、IT企業が金融サービスを作り、世界にもたらせるイノベーション)やビットコインはどのように社会へ影響を及ぼすのでしょうか。
銀行におけるビットコインの普及による影響はまだほとんど出ていないといいます。日銀は以下の二点を述べています。
- 現時点では仮想通貨の利用用途は限定的で、まだまだ普及しているとは言えません。したがって現段階では既存の金融システムに大きな影響はないのですが、今後は先読みをしながら対策していく必要があります。
- ビットコイン関連技術であるブロックチェーンは幅広い使用用途があるため、単体でも大きな影響を及ぼす可能性があります。したがって、ビットコインと切り離して考えていく必要があります。
引用:日本銀行がビットコインやブロックチェーンに関する見解を発表 | 仮想通貨24
しかし、FinTechにおいてはどうでしょうか。
FinTechにより、一番影響を受けるのが銀行です。実際に三菱UFJの平野社長は、今後10年間で総合職3500人の削減を予定していると公表しています。みずほ銀行の窓口には接客ロボットPepperが置かれ、メガバンクのコールセンターでは人工知能Watsonが働いています。
資産運用などのアドバイスをするファイナンシャルプランナーは、ロボアドバイザーに仕事を取られてしまいます。
では、銀行に人はいなくなってしまうのでしょうか?
というと、そうでもありません。ファイナンシャルプランナーに関しては、質の高い投資家たちのニーズを満たせるファイナンシャルプランナーの需要が増えていくとされています。投資家の相談に乗り、高いコミュニケーション能力と投資経験から、AIによって分析された結果を用いて最適な提案をしていきます。
そのような高い能力を持ったファイナンシャルプランナーが今後必要とされていくと考えられています。
また、FinTechにより人の仕事が失われる代わりに、新たな金融サービスが生み出されると見込まれています。
7-2 ビットコイン採掘終了後はどうなる?
ビットコインは有限であり、2100万ビットコインと決められています。採掘によってビットコインを得ることができますが、それは永遠ではなく、2140年ごろにビットコインの発行は終了してしまいます。では、採掘終了後はどうなってしまうのでしょうか。
ビットコインの採掘目的は、その報酬でビットコインと手数料を得ることができることです。しかし、採掘し終わってしまったら、得られるのは少額の手数料のみになってしまいます。では、ビットコインは崩壊してしまうのでしょうか。
採掘は終了しても、P2Pシステムは残っているので、複数のパソコンにビットコインのソフトウェアが存在する限り、ビットコインは存在し続けるでしょう。しかし、誰もビットコインに興味を示さなくなれば、ビットコインの価値が崩落し、換金できなくなると予測できます。
実際このようなことになれば、仮想通貨が衰退するのではなく、ビットコインを改良した新しい通貨が人気を集める可能性があります。これは、仮想通貨のシステムが大変優れているためです。
7-3 ブロックチェーンの課題
出典:写真AC
ビットコインのようなProof of Workを用いた場合には、ブロックを生成するのに時間がかかるため、取引後すぐに確定されません。現在銀行などの中央集権型では、大量の取引を高速で処理していますが、ブロックチェーンは速度を求められる取引には向いていません。
また、ブロックチェーンは第三者の誰でも取引情報を見ることができる一方で、個人情報や機密情報を扱いたい場合、どのように情報を秘匿化する検討する必要があります。
8 まとめ
ブロックチェーンといえばビットコインと思っている人が多くいらっしゃいます。
ビットコインはブロックチェーンの技術を用いている代表的な例にすぎません。ブロックチェーンは第三者を介入せずに個人取引を行うことができ、複数のデータベースに取引情報を保存します。そのデータベースの一つ一つは高性能である必要はなく、運用コストを削減することができます。
また、一つが壊れたり改ざんされたとしても、他のデータベースから復元することが可能で、改ざんやハッキングが極めて困難で、安全性が高いです。金融業界に限らず、今後様々な分野でブロックチェーンの技術が活躍していくでしょう。
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