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VRの仕組みとは?最新の情報と開発技術を徹底解説

更新: 2021.02.16

最近、バーチャルリアリティという言葉を聞くことが増えたかと思います。
SONY社がPlayStation VRを発表したり、スマホVRのCMが流れていたりしますね。

ただ、実際どのような技術で、何ができるのかがわからない。そう思っていませんか?

この記事ではVRについて、海外の市場や開発者のニーズなどを踏まえた上で徹底的に解説していきます。

バーチャルリアリティとは?

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出典:VR SCOUT

VR(Virtual Reality)とはコンピューターによって作られた仮想世界に、あたかも現実世界のように体験できる技術です。
ゴーグルなどを利用し、本来の視界を遮断した上でコンピュターの映像や音響などの効果を用いり、自分自身がその世界に入っていくような体験ができるものです。

身体的な刺激は今までは視覚的なものやヘッドホンやスピーカーを使ったものが主流だったのですが、最近ではグローブを用いて触覚的な刺激や、嗅覚への刺激なども研究が進められてきています。

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出典:SubPac

ボディソニック(身体的な刺激)によるVRの体感を高める触覚デバイスの一つが、『SubPac M2』(ウェアラブルタイプ)と『SubPac S2』(シートパックタイプ)です。
同商品は、カバンのように背負うか、シートとして椅子に取り付けることによって、ライブ会場の揺れやレース会場の爆音をはじめとする「音の振動」をリアルに伝えます。
映像だけでなく、音と振動を活用することはVRの没入感を大きく高めます。

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出典:VAQSO VR

VAQSO.incは、VR映像にあわせて匂いを出すVRデバイス『VAQSO VR』を発表しています。
VRコンテンツの多くを占めているものは、人間の五感のうち、視覚・聴覚を錯覚させるものです。
現実世界と同様に、VR映像に連動した匂いを出すことができればVRの没入感をよりアップすることが可能になると期待が寄せられています。
『VAQSO VR』は2017年冬に発売予定です。

VR市場について

VR元年と呼ばれた2016年を経て、VR市場は急速に伸びつつあります。
そこで、VR開発の市場やニーズについてまとめていきます。

世界での市場

ARやVRの市場規模についてゴールドマン・サックス社は以下のように予測をしています。

ゴールドマン・サックス

アメリカの大手投資銀行ゴールドマン・サックスのグローバル投資調査部はAR・VR市場が2025年には約950億米ドルまで 拡大し、PC・スマートフォンに続く第3のプラットフォームとして市場を形成する可能性があるとしています。

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出典:ゴールドマン・サックス・アセット・マネージメント株式会社

また、2016年1月に発表した「Goldman Sachs Global Investment Research」によれば、VR・AR機器の出荷台数は、

最も早い場合で3億台程度、ベースとなる予測で1億台程度、遅い場合は5,000万台程度です。最も加速した場合で1100億ドルでテレビの990億ドルを超える可能性があります。

通常通りの普及であれば450億ドル、最も遅い場合で150億ドルとの予測です。最も加速した場合のソフトウェア市場を720億ドルと予測しています。

vr_market_004_R(Goldman Sachs Global Investment Research より、ハードウェアの市場規模予測グラフ)

2025年時点での用途としてはゲームが最も多く116億ドル、医療等のヘルスケア51億ドル、エンジニアリング47億ドル、ライブイベント41億ドル、映像エンターテイメント32億ドルと続きます。

vr_market_005_R(Goldman Sachs Global Investment Research より)

引用:VRの市場規模予測

日本での市場

日本の産業の中にはアニメやゲームがあり、この点においては世界を凌駕しています。
それで、この日本の強みを活かし日本のVRの市場規模は12兆円を上回ると試算されています。

この試算はアメリカの市場規模に次いで2位となっています。

引用:VRの市場規模はどのくらい?国内での予測

 

VRの市場や業界については、こちらの記事で分かりやすくまとめているのでご覧ください。

【就活生必見】急拡大するVR市場と変化する業界10選

 

VR開発者の年収

年収
CEDEC2015に参加したへのアンケート結果
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出典:【CEDEC2016】CEDEC参加者向けの調査ではVR開発者の平均年収がトップに

あくまでもCEDEC2015に参加した人だけでの結果ですが、VR端末開発者の平均年収が一番高い結果になっています。
これから市場が大きくなるにつれ、エンジニアのニーズももっと大きくなっていくことが推測出来ます。

 

今、VRで出来ること

ゲームはもちろんその他の分野でも活躍が見込まれているVR。
今、何ができるのかをまとめてみました。

<医療>
エンターテイメントに次いで活用しているのがこの医療の分野です。
擬似手術を行うことや、高所恐怖症やトラウマなどを解消するために用いられています。

Osso VR社が開発した擬似手術

<建築、不動産>
物件の間取りがその場に行かなくても確認できたり、家具やレイアウトを実際に部屋と照らし合わせてみてコーディネートしたりすることもできます。

IKEA社のキッチンショールームアプリ

<教育>
世界遺産へ社会見学に行き、見たり触れたりする体験を危険を伴わずにできるようになりました。


Google社が開発した世界中を社会見学できるアプリ

 

各分野でコスト面や安全面で今まで実現できなかったことを、VRを使ってどんどん発展させていくことが可能になっています。

 

VRに期待されていること

かなり大きな成長を見込まれているVR市場ですが、将来的には一体どんなことができるようになってくるでしょうか?

Facebookはもっとも早くから精力的に、VR事業に取り組む世界的企業の一つです。
2014年、FacebookはOculusを20億ドルで買収しました。
数々の試作機を経て、2016年に発売されたOculus社のVRデバイス「Oculus Rift CV1」は、VR市場における最も重要なプラットフォームへと成長しました。
Facebookは360度動画のライブ配信や、360度写真のアップロードにも対応しています。
また年内の発売に向けて、同社は2つの360度カメラ製品を発表しています。

Facebookのマーク・ザッカーバーグ氏は以下のように予測しています。

マーク・ザッカーバーグがヴァーチャルリアリティ(VR)にいち早く目をつけ、投資を行ってきたのは、VRが「未来のソーシャルプラットフォーム」になると考えているからだ。
出典:ザッカーバーグらが語る「FacebookがVRで描く未来図」

実際にOculusの買収以後、facebookは「未来のソーシャルプラットフォーム」の実現に向け、VRソーシャルの開発を進めています。
2017年4月、facebookはVRソーシャルアプリ『Facebook Spaces』のベータ版提供をスタートしました。
『Facebook Spaces』では自分の写真をVRアプリに取り組み、アバターを作成し、VR空間内で絵を描いたり、ゲームをしたり『Messenger』でVR空間から現実空間の友人にビデオ通話をかけることができます。
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出典:Oculus
近い将来、家から一歩も出ずに世界中の人々とつながることができるようになるかもしれません。

また、現実とは別の次元に自分が望む世界ができるようになるかもしれません。

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出典:写真AC

VRの問題点

VRの発展に伴って、問題点も浮き彫りになってきています。
ここでは、現状の問題点をいくつか挙げていきます。

プレイ中無防備になる
これからはゲームセンターなどにVRが普及されていく可能性があります。

VRはゴーグルによって視界が遮断され外部の状況がわからないので、これからどのようにして安全面の配慮がされていくのかに注目です。

子どもにとっての危険性
医学的な見地から、13歳未満の子供はOculus Riftをはじめとする二眼VRデバイスの使用は厳禁とされています。
人間の目は、右目・左目から入力される映像を脳の立体視細胞で一つに融合することによって、モノの立体感を生んでいます。
しかし、立体視細胞は成長とともに形成されるものです。
特に6歳以下の子供では細胞の成長が完了していません。

細胞が未発達の状態で3Dコンテンツを体感することは、急性内斜視の発生リスクを高めます。内斜視とは、目が内側に寄る症状のことで、最悪の場合には手術が必要です。

その他にも、子供と大人には瞳孔間距離の違いがあります。
瞳孔間距離が大人と異なる子供が、二眼デバイスを用いると眼球の空間認知に悪影響を及ぼすと言われています。

こうした理由から安全を踏まえ、13歳未満の子供は二眼VRデバイスの使用をすべきではないとされています。

「ハコスコ」をはじめとする一眼デバイスは、立体視を行わないため、子供でも安全にVRコンテンツを楽しむことができます。
VRの普及が進むと、13歳未満の子供たちでも、展示会やゲームセンターなどでVRデバイスを体感しやすくなる可能性があります。
13歳未満の子供たちが、二眼デバイスを使用しないように管理を徹底していくことはVR業界にとっての課題です。

 

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バーチャルリアリティに触れよう!

問題視されている点もありますが、今まで実現できなかったことを可能にしたVR。一度は体験をしてみたいとは思わないでしょうか。

2016年は各社がこぞってプラットフォームを公開し、よりVRが身近なものになりました。
そこで、VRの中核となるゴーグルについて紹介していきます。

 

VRゴーグル

1.  Oculus Rift(オキュラス リフト)
engadget_rift出典:Oculus

本体価格:公式サイト参照

Oculus Touchとのセットは、76,600円となります。
2. HTC Vive
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出典:VIVE
価格:公式サイト参照

3. Playstation VR
20160602105325出典:SONY
価格:公式サイト参照

こちらの記事には各社製品の違いが書いてあるので、是非参考にしてください。
Oculus Rift、PlayStation VR、HTC Vive、買うならどれ?比較購入ガイド

スマホVR

スマホとスマホVR用のゴーグルがあればできるという簡単な仕組みです。

スマホVR用のゴーグルがかなり安い値段で売られていることもあり、今一番身近なVRと言えるかもしれません。

では、オススメのスマホVR用のゴーグルを紹介していきます。

1.Google  Cardbord

ダンボールで出来ているので少し傷みやすいようですが、1500円未満で手に入るのが魅力です。
また設計図が公開されているため、段ボールなどの材料を使い、自作することも可能です。

VRに興味はあるものの、デバイスにお金をかけたくない方は入門にどうでしょうか?

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出典:Google

 

2. VOX 3DVR
スマホVR用のゴーグルとしてはかなりの人気商品のようです。
3000円未満で手に入ることもさることながら、漏れてくる光が少ないとのことで、没入感が高いものになっているようです。517iqcwuml-_sy355_

出典:amazon

街でVR体験をしてみよう!

製品を購入しなくても、VRの体験イベントも開催されています。体験をした後に購入を検討したい方は一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

VR ZONE SHINJUKU

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出典:VR ZONE SHINJUKU

7月14日にオープンする『VR ZONE SHINJUKU』では、『ドラゴンボールVR』や『極限度胸試し 高所恐怖SHOW』といったVRアトラクションを体感できます。
2017年6月現在、7月のオープンに向けてチケットの事前予約受付を行っています。

VR PARK TOKYO

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出典:VR PARK TOKYO

2016年12月にオープンした渋谷のVR施設『VR PARK TOKYO』では、VRドライビングアトラクション『T3R Simulator』などを楽しむことができます。
個人やカップルで楽しむのはもちろん、パーティーや修学旅行向けに貸し切りプランも用意されているため、大人数で行くのもおすすめです。

SEGA VR AREA AKIHABARA

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出典:SEGA VR AREA AKIHABARA

秋葉原の『SEGA VR AREA AKIHABARA』では、VRアドベンチャーガンシューティング『MORTAL BLiTZ FOR WALKING ATTRACTION』を提供しています。
同アトラクションの人気の秘密は、実際に自分で歩きながら緊張感に満ちた戦闘ができること。
VR空間内で、緊迫したガンアクションを堪能したい方におすすめです。

 

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VRの研究に取り組んでいる大学

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出典:写真AC

VRは大学でも盛んに研究が行われています。いくつか研究室をご紹介します。

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 舘研究室

筑波大学大学院システム情報工学研究科 岩田研究室

東京大学 大学院情報理工学系研究科 廣瀬・谷川研究室

その他、バーチャルリアリティ学会というものがあり、そちらに研究をしている方の名前が載っています。

また、東京大学にはVRのサークルも新設されました。こちらツイッターアカウントがありますので、ぜひご覧ください。

東京大学 VRサークル

バーチャルリアリティ(VR)を作るには?

VRコンテンツの開発手法として「360度カメラによる撮影」「UnityでのVR開発」の二通りをご紹介します。

1.360度カメラによる撮影

Ricohthetas出典:amazon

現実空間を360度カメラで撮影する『実写VR』は、VRコンテンツの中でも高い人気を誇るジャンルの一つです。
リコーの『Theta S』、Samsungの『Gear 360』などの360度カメラによって撮影した写真・映像は簡単にオンライン上に公開し、ヘッドマウントディスプレイで楽しむことができます。

YouTubeは360度動画のアップロードに対応している、世界最大のプラットフォームのひとつです。
実写VRの撮影にチャレンジしたい方は、360度カメラで街並みなどを撮影し、YouTubeにアップロードしてみてはいかがでしょう?

2. UnityでのVR開発

Unityは、2D/3DゲームやVRを作るために使われる最高の開発プラットフォームです。
現在、最新版のUnity 5.6および、次世代バージョン『Unity 2017』のベータ版の提供がスタートしています。
Unityの最大の魅力の一つは、ノンプログラミングでも高品質のVRが作成できることです。VRゲームやアプリケーションの開発に興味がある方は、Unity開発にチャレンジしてみてください。

こちらの記事ではUnity 5のインストール方法、使い方を解説しています。

バーチャルリアリティ(VR)を学ぶには?

VRについて学習できるWEBサービスや参考書籍をご紹介します。

1.ドットインストール Unity入門

unity入門

出典:ドットインストール

ドットインストールには、充実したUnity初心者向け講座が無料で公開されています。
Unity開発がどのようなものかを知りたい方や、開発を始めたばかりで画面の操作方法がよくわからないという方におすすめです。

2.オススメ書籍

VR開発初心者向けの決定版と言っても、過言ではない一冊です。
一冊でUnity開発の実践的な知識と、VRの知識を身に付けることができます。

日本バーチャルリアリティ学会が執筆した本です。「VRとは?」をゼロから深く知りたいという方におすすめの名著です。

実際にVRコンテンツの開発に取り組む人たちが、開発ノウハウについて記した一冊です。
最先端の開発ノウハウを知りたい方に向いています。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

これからVR市場は伸びていき、より私たちの身近な医療や教育など様々な分野での活用がされていくことでしょう。
10年後にはVRの時代になっていると言っても過言ではないでしょう。

あなたがVRを創造していき新しい時代の担い手になっていくのはいかがでしょうか。

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