最近VRという言葉を耳にする機会が多くなったと思います。
「なんとなく凄いテクノロジーということはわかるけど、いまいちよくわからない」
「VR開発にすごく興味はあるけど難しそう」
そんな悩みを抱えている方は少なくないでしょう。
この記事では、VRとはどのような技術か、そして各分野でのVR活用例を詳しく解説します。
この記事の目次
VRとは?特徴は?
VRとは、Virtual Realityの略で仮想現実と呼ばれるもので、コンピューターで作られた仮想の世界を、まるで現実かのように体験させる技術です。
主に知られているのはヘッドマウントディスプレイという頭部を覆う装置を使い、没入感の高いVR体験を可能にする形のものです。
リアルな映像に加え、聴覚・触覚など様々な感覚器官に働きかけることによって、今までにない臨場感を味わうことができます。
Virtual Reality(バーチャルリアリティ)の略
VRとはVirtual(仮想)Reality(現実)の略で、日本語では仮想現実と呼ばれています。
映像や音響などの効果を利用し、コンピューター上に現実に近い環境を人工的に造りだし、体験者の視覚・聴覚・触覚などの感覚器官に働きかけることで、あたかも現実かのように体感させる技術です。
2016年はVR元年と言われ、HTC ViveやOculus Rift、GoogleからGoogle Cardboard、SonyからもPlayStation VRなど多くのVR機器が発売されました。
2017年には新宿にVRエンターテイメント施設「VR ZONE SHINJUKU」がオープンするなど、VRがより身近なものになりつつあります。
VR ZONE SHINJUKUで体験可能な「マリオカートアーケードグランプリVR」や「ドラゴンボールVR 秘伝かめはめ破」は大きな人気を博しています
VRヘッドマウントディスプレイでVR体験
VRを体験できる機器にはグローブやスーツもありますが、主流なのはヘッドマウントディスプレイと呼ばれる、頭部に装着して使用するディスプレイです。前述したHTC ViveやOculus Riftをはじめ、およそ数十種類のヘッドマウントディスプレイが発売されています。
一般的にテレビやパソコンのディスプレイに写しだされる映像は平面的で、みる角度や方向を変えても映像に変化はありません。しかし、ヘッドマウントディスプレイを頭部に装着することによって、映像が360度に表示され、みる角度や方向を変えるとそれに応じて映像も変化します。
旅番組を例にあげると前方に海に沈む綺麗な夕日の映像が、後ろを振り向くと夕日に染まる綺麗な街並が見えるといったようにいままでとは全く違う映像体験を味わうことができます。
キューバの首都・ハバナの観光を追体験できる360度映像
ゲームだけじゃない?VRの可能性
VRというとまずゲームを連想する方が多いでしょう。
しかし近年、建築業界や医療業界、教育の現場でもVRを使ったサービスが数多く利用されています。
それぞれの業界の活用例を詳しく見ていきましょう。
建築業界でのVR
建物の設計図を見ても、実際どんな家が建つのかイメージするのはなかなか難しいものです。しかし、VR技術を使って設計段階の建物を立体的に表現する事で、完成後の家をイメージすることが容易になります。
たとえばIKEAが開発したVRアプリ「IKEA VR Experience」は、バーチャル空間上のキッチンルームを歩くことができるアプリで、異なるセッティングのキッチンを体験することができます。
IKEA VR Experience
壁の模様や家具の材質をシミュレーションしたり、家具の引き出しを開けたりすることも可能で、こういったアプリを活用することで、完成後の家で生活を始めてからのイメージも格段にしやすくなります。
医療分野でのVR
医療業界でもVR技術の活用は進んでおり、360度撮影可能なカメラを使った手術のライブ中継、擬似手術体験など様々な技術が開発されています。
カナダのConquer Mobile社はバーチャル患者を使った擬似手術体験が可能なVR医療シミュレーターを開発しています。
Conquer Mobile社のVR医療シミュレーターに関する公式ウェブページ
Conquer Mobile社のVR医療シミュレーターの映像
また、心理療法の分野でもVRは近年注目されています。
例えば、戦争や自然災害、事件・事故など強いショック体験が原因で発症する心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療にもVRを利用した擬似体験療法が使われています。
これは、病気の原因となった記憶をVRで再現し体験させることで、辛い記憶と向き合い方を指導するというものです。
教育現場でのVR
教育現場でのVR活用法の一例として、バーチャルトリップというものがあります。
東京の教室にいながら、奈良の大仏を見学したり、京都の清水寺を見学したりすることができます。
また、実世界の場所に限らず、過去の出来事をVRで再現することもできるので、例えば江戸時代の庶民の生活や、戦後の高度経済成長を追体験することもできます。
実際にこのようなVR技術を取り入れた授業を行なっている学校の先生によると、従来の黒板と教科書だけの授業より、こういった3Dコンテンツを使った没入体験を活用した授業の方がより生徒のやる気や好奇心を刺激し、学習意欲の向上につながっているようです。
このような教育現場でのVR活用はますます盛んになるでしょう。
VR開発の方法
VRゲームの開発環境として代表的なものの1つが、Unityというゲームエンジンです。特徴を見ていきましょう。
Unityは初心者でもVRを始めやすい
Unityの1番の特徴は、初心者でも簡単に始められることです。
本来3Dのキャラクターを動かしたり、3D空間を作ったりするのは、物理・数学の知識や高度なプログラミング技術を必要とします。
しかしUnityを使えば、簡単に物理エンジンを導入したり、あらかじめ用意されたメニューを使うことで、コーディングなしでこのようなことが実現できてしまいます。
複雑な処理をするには、JavaScriptやC#などの言語を使う必要がありますが、基本的な動きがプログラミングなしで実現できるのは、これからゲームやVR開発を始めたい方には大きなメリットでしょう。
また、Unityはゲームエンジンでナンバーワンのシェアを獲得しており、世界で100万人以上の開発者がUnityを使っています。
日本語で書かれた情報も多く、途中でなにか分からないことや問題にぶつかったとしても、多くの場合WEB上でその解決策を見つけることができます。サンプルコードも豊富にあるので、それらを参考にしながら開発を進めることもできます。
アセットストアと呼ばれる、プログラムの部品や3D素材が公開・販売されているプラットフォームも充実しており、これらの部品や素材を利用して効率の良い開発が進められるのもUnityの一つの特徴です。
以下の記事ではUnityでのゲーム製作方法を紹介しています。併せてごらんください。
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ヘッドマウントディスプレイごとの開発方法
HTC ViveやOculus Rift、Google CardBoardなど現在多くのヘッドマウントディスプレイが発売されており、開発の仕方はそれぞれ異なります。
ここでは、それぞれのディスプレイごと開発に役立ちそうなサイトを紹介していきます。
HTC Vive
こちらのサイトでは、UnityでHTC Vive対応のソフトウェア開発に関する情報が公開されています。
HTC Vive開発の基本から、位置トラッキング・Viveコントローラーに関する情報まで網羅しており、UnityでHTC Vive開発に興味がある方は一度見てみると良いでしょう。
こちらのサイトでは、UE4でHTC Vive対応のソフトウェア開発に関する情報が公開されています。
HTC Vive開発の基本から、位置トラッキング・サウンド・VRエディタに関する情報がわかりやすく解説されています。
Google Cardboard
こちらのサイトでは、Unityを利用したGoogle Cardboard開発の情報が公開されています。
Google Cardboard開発の基本から、視線入力・単眼表示、モーションコントローラーの使い方など様々な開発Tipsが紹介されています。
こちらのサイトでは、UE4を利用したGoogle Cardborad開発の情報が公開されています。
Google Cardboard開発の基本から、Android向けビルドの仕方、Google VRプラグインの設定方法などが紹介されています。
Oculus Rift
こちらのサイトでは、Unity初心者の著者が実際にUnityでOculus Riftを使ったVR開発をした際の体験が公開されています。
開発環境や参考にしたサイト・学習書などが詳しく紹介されており、VR開発に必要なツールや費用・学習方法など色々参考にされてみてはいかがでしょう?
こちらのサイトでは、UE4のインストールからプロジェクトの作成までを、スクリーンショットを使って詳しく紹介されております。
また、前述したBlue Printについても解説してくれています。
これからUE4をインストールしてみようと思っている方は、一度見てみると良いでしょう。
VR開発の問題点
VR開発での問題点・課題をご紹介します。
酔いにくくするための技術
VRゲームをプレイ中に、不快感や吐き気を催すことがあります。これはVR酔いというもので、乗り物酔いと同じ原理で、自分が体感している感覚と記憶している感覚の不一致によって引き起こされると言われています。
VRでは実際に体は動いてないのに、視覚情報が脳に「動いている」と伝えるため、この感覚のずれがVR酔いの原因となります。
VR酔いを防ぐために、開発の段階でいくつか気をつけなければいけない点があります。
まずはフレームレートが低いと、頭の動きと視界の不一致で酔いやすくなるため、フレームレートを確保する(60fps~90fps)ということです。
またカメラを激しく動かしたり、頭の動きと無関係にカメラを動かさないことも大切で。。
そして、映像の水平線を保つことも重要です。
これは人間には姿勢に応じて視界を安定させようとするスタビライザーのような機能があり、姿勢の変化がないのに視界が傾くと酔いやすくなると言われています。
セミナーやお役立ちサイトの紹介
こちらのサイトでは、Oculus RiftやGear VRで動くUnityで作られたVRミニゲームのサンプルや、Unityの学習チュートリアルが公開されています。
Oculus RiftかGear VR を持っていれば、サンプルをダウンロードすればすぐにVRゲームを体験できるので、お持ちの方は是非試してみてください。
こちらのサイトでは、東京をはじめ全国各都市で開催されているVR関連の勉強会・セミナー・イベント情報が紹介されています。
さいごに
VR元年と言われた2016年を経て、たくさんのVRコンテンツやデバイスが発売され一気に身近なものになりました。
VR開発というと難しそうに聞こえますが、Unityなどを使えばそれほどプログラミング言語の知識がなくてもVR開発は始められます。
またVRはゲーム業界だけではなく、医療・教育・建築と様々分野な分野で研究開発が進んでいます。
最近では勉強会やセミナー、学習プログラムなど多くの学習機会があるので、興味のある方は是非これを機会にVR開発を始めてみてはいかがでしょうか?
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