DX人材を育成する方法とは?事例や効果的な手法を紹介
目次[非表示]
- 1.DX人材を育成すべき理由とは?
- 1.1.DX人材の不足
- 2.DX人材育成のメリット
- 2.1.中途採用のコストがかからない
- 2.2.自社に最適なDX化につながる
- 2.3.既存システムとの一貫性が保てる
- 3.DX人材を育成する流れ
- 3.1.1.社内DX化の目的を策定
- 3.2.2.DX人材の要件定義
- 3.3.3.DX人材のキャリアパスを設計
- 3.4.4.育成の対象となる社員を選定
- 3.5.5.育成計画の設計と実行
- 4.DX人材を育成する方法
- 4.1.自社で育成する
- 4.2.社外サービスを活用する
- 5.DX人材育成に活かせる助成金や補助金
- 6.DX人材の育成事例3選を紹介
- 6.1.トヨタ自動車株式会社
- 6.2.株式会社IDOM
- 6.3.株式会社熊谷組
- 7.まとめ
デジタルトランスフォーメーション(DX)が多くの企業で進行する一方、変革を牽引するDX人材の不足が深刻化しています。特に高度なスキルと知識を持つDX人材の育成は、競争力を維持・向上させるための重要な課題です。
本記事では、DX人材を育成する方法、メリット、具体的な流れや方法について詳しく解説します。さらに、助成金の情報や成功事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
DX人材を育成すべき理由とは?
企業がDXを成功させるためには、デジタル技術を活用し、ビジネスプロセスを改革できるDX人材の存在が不可欠です。
DX人材は、単にITスキルが高いだけでなく、ビジネスへの深い理解と、変化への対応力、そして新しいアイデアを生み出す創造性を持ち合わせています。
DX人材を育成すべき理由には、IT化が著しい現代社会における競争力の強化や、業務効率化などが挙げられますが、特に注目すべき「DX人材の不足」について解説します。
DX人材の不足
現在、企業のデジタル化に伴い、DX人材の需要が急速に拡大しています。しかし、高まる需要に対してDX人材が不足しているのが現状です。
DX人材と呼べるのは、IT技術だけでなくビジネスの全体像を理解し、プロジェクトを推進できるリーダーシップを持つ人材です。DX人材の不足は、企業競争力の低下やプロジェクトの遅延など、深刻な問題を引き起こします。そのため、企業内での育成が急務となっています。
DX人材育成のメリット
DX人材を確保する方法は育成だけではなく、中途採用や外部リソースの活用などがあります。しかし、なぜDX人材の育成が重要なのかというと、以下のようなメリットがあるためです。
- 中途採用のコストがかからない
- 自社に最適なDX化につながる
- 既存システムとの一貫性が保てる
DX人材育成のメリットを一つずつ紹介します。
中途採用のコストがかからない
中途採用は、一見すると即戦力を確保できる方法に思えますが、高額な採用コストや時間を要するリスクがあります。
一方、社内でDX人材を育成することで、採用コストを大幅に抑えることが可能です。さらに、既存社員を育成すると、企業文化に馴染んだDX人材を確保でき、長期的な人材戦略の安定が期待できます。育成にかかるコストも中途採用に比べれば軽減されるため、総合的に見てコストパフォーマンスが高い方法です。
自社に最適なDX化につながる
外部リソースなどを活用したDX人材確保では、自社の業務や文化に適応するまで時間がかかることがあります。
自社でDX人材を育成することで、自社のビジネスモデルやプロセスに精通し、即戦力として活躍できるDX人材を確保できます。こうした人材は、自社のミッション・ビジョンを理解しているため、企業全体の戦略に一貫性を持たせやすいというメリットがあります。結果として、より効果的かつ迅速なDX推進が可能となります。また、自社に最適なDX化を進めることで、競争優位性も向上します。
既存システムとの一貫性が保てる
自社で育成するDX人材は、既存のシステムやプラットフォームについて深い理解を持っているため、新しいDXプロジェクトを導入する際にもスムーズに進行できます。これにより、システム間の連携やデータの整合性が保たれ、一貫性のあるDX戦略が実現します。
一方で、外部からDX人材を採用する場合、既存システムの習得に時間がかかり、摩擦が生じることがあります。自社のシステムに精通した人材を育成することで、効率的な運用が可能となり、トラブルの発生も減少します。
DX人材を育成する流れ
では実際に、自社でDX人材を育成する流れをみていきましょう。
- 社内DX化の目的を策定
- DX人材の要件定義
- DX人材のキャリアパスを設計
- 育成の対象となる社員を選定
- 育成計画の設計と実行
各ステップごとのポイントを解説します。
1.社内DX化の目的を策定
最初のステップは、社内でDX化の目的を明確にすることです。
DXがもたらす具体的な効果や目標を設定し、全社員が共通の理解を持つことが重要です。これによって、組織全体が一丸となってDX推進を行う基盤を築くことができます。そして、経営層と現場が一体となってDX化の意義を共有し、スムーズにプロジェクトを進行させるための指針を明確にしましょう。目的が明確であれば、DX人材の育成計画も具体的に立てやすくなります。
2.DX人材の要件定義
次に、どのようなスキルや知識を持ったDX人材が必要なのかを具体的に定義します。
これは、技術的なスキルだけでなく、プロジェクト管理能力やコミュニケーション能力など、DXを推進するために必要な要件を網羅することが重要です。
要件定義を明確にすることで、具体的な育成プログラムを設計する基礎が築かれます。また、要件に基づいて適切な研修や教育プログラムが選定できるため、より効率的な学習が可能となります。
3.DX人材のキャリアパスを設計
DX人材を育成するには、明確なキャリアパスの設計が不可欠です。
キャリアパスを設計することで、社員がどのように成長し、将来どのポジションを目指すべきかを明確にできます。これにより、社員の育成に対するモチベーションが高まり、長期的なキャリアを見据えたDX人材としての成長が期待されます。
キャリアパスの設計は、社員と企業双方にとって大きなメリットがあり、持続可能な人材育成の支援となります。
また、キャリアパスを通じて、社員の目標達成度を評価し、適切なフィードバックが行えるでしょう。
4.育成の対象となる社員を選定
次に、DX人材育成の対象となる社員を選定します。
適性を見極め、育成プログラムに参加するメンバーを決定します。選定の際には、技術的なスキルだけでなく、コミュニケーション力やリーダーシップも考慮しましょう。
多様な視点から適正を見極め、最適な人材を選び出すことで、育成プログラムの効果が最大化されます。また、社員の意欲や希望するキャリアパスも重視し、モチベーションの高い人材を選定することが重要です。
5.育成計画の設計と実行
DX人材として育成する社員を選定したら、詳細な育成計画を設計し、その計画に基づいて実行します。
育成計画には具体的な研修内容や評価方法を含め、定期的な進捗確認を組み込むことが重要です。育成計画を実行する際には、社内外のリソースも活用し、必要なスキルを効果的に学ぶ機会を提供します。
これにより、DX人材育成のマイルストーンができ、一貫性のある教育が実現します。また、実行段階でのフィードバックを活用し、計画を柔軟に改善することも大切です。
DX人材を育成する方法
DX人材を育成する方法を、「自社で育成する」または「社外サービスを活用する」の2パターンで紹介します。
それぞれのパターンごとにメリットや特徴がありますので、自社にとって最適な方法を選びましょう。
自社で育成する
自社でDX人材を育成する方法としては、社内研修や専門書籍の提供などが考えられます。また、実践的なプロジェクトに参加させ、経験を積ませることも重要です。社内での育成は、企業文化に合った人材を育てやすい点がメリットです。
さらに、内部のリソースを活用するため、コストも抑えられます。ただし、自社で一から教育体制を構築するには時間と労力がかかり、リスクも伴うため、計画的かつ慎重なアプローチが必要です。
社外サービスを活用する
DX人材を育成するには、外部の教育機関やオンラインコースを活用することも有効です。例えば、「テックキャンプ」のような専門性の高い教育プログラムを利用すれば、短期間でスキルを習得できます。
社外サービスを利用することで、最新の技術や知識を得られる点が大きなメリットです。さらに、既存の教育ノウハウを活用することで、効果的な人材育成が可能となります。
コストはかかるものの、費用対効果が高く、迅速に人材を育成できる点が魅力です。
DX人材育成に活かせる助成金や補助金
DX人材の育成には、国や地方自治体が提供する助成金や補助金を活用することができます。育成コストを抑え、効率的に人材育成を進めることが可能です。
例えば、中小企業向けのIT導入補助金や、研修費用をカバーする助成金など、さまざまな支援が用意されています。DX人材育成に活かせる助成金の一部を紹介します。
-
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)
- 厚生労働省による助成金です。新たな事業展開に向けたスキル習得のための訓練にかかる経費・賃金の一部を助成します。
-
DXリスキリング助成金
- 公益財団法人・東京しごと財団による助成金です。都内の中小企業が、民間の教育機関などを活用してDXに向けた職業訓練を実施する際にかかる経費を助成します。
適切な助成金や補助金を活用するためには、事前に情報を収集し、申請手続きを正確に行う必要がありますが、費用面での企業の負担を軽減できます。
DX人材の育成事例3選を紹介
「自社のDX人材育成は実績のあるプロフェッショナルに依頼したい」とお考えの方は、ぜひテックキャンプ法人研修サービスをご利用ください。
実際にテックキャンプ法人研修サービスを導入いただいた、3社のDX人材育成の事例をご紹介します。
トヨタ自動車株式会社
トヨタ自動車株式会社では、「テックキャンプ法人研修サービス」を2018年から導入し、業務職社員のITスキル向上と業務効率化を推進しています。
テックキャンプのITトレーナーは、「受講者の人生を変える」という想いで一人ひとりに寄り添いながら指導を行い、これがDX化の持続的な推進に繋がっています。トヨタは、この取り組みが社員の自信と意欲を高め、業務改善に前向きな姿勢を生むことを実感しており、互いに成長し合えるパートナーと評価しています。
株式会社IDOM
株式会社IDOMでは、未経験エンジニアの育成を目的に「テックキャンプ法人研修」を導入しています。
同社は社内異動制度を活用し、現場の社員をエンジニアに転身させる取り組みを行っています。テックキャンプのチーム開発や手厚いサポート体制が決め手となり、研修を通じて技術スキルだけでなく、マインドの成長も促しています。今回の取り組みは、IT部門の強化に貢献しており、今後も社員の持続的な成長を期待しています。
株式会社熊谷組
創業125年以上の熊谷組グループは、2030年に向けたDX推進中期ロードマップに基づき、テックキャンプ法人研修サービスを導入してDX人財の育成に取り組みました。選抜された6名の社員がプログラミングだけでなく業務改善の考え方も学び、世代間のコミュニケーションも活性化しました。
また、AI活用セミナーを実施し、AIやDXへの意識向上も促進しています。DXと業務効率化が社内の共通言語となり、部門間の連携も強化されました。
まとめ
DX人材の育成は、企業の未来を左右する重要な要素です。自社で育成する方法や社外サービスを活用することで、効率的に人材育成を進めることができます。また、助成金や補助金を活用することで、費用の負担を軽減し、より効果的な育成が可能となります。
実際の事例を参考にしながら、貴社のDX人材育成を進めてみてはいかがでしょうか。タイムリーで柔軟なDX人材育成を実現し、競争力のある企業へと成長しましょう。
DX人材の育成をお考えなら、ぜひテックキャンプ法人研修サービスの利用をご検討ください。