AIエージェントの作り方!初心者でも簡単に構築できる方法を徹底解説

aiエージェント 作り方

「AIエージェントって自分でも作れる?」
「自分だけのAIエージェントが欲しい」

AIエージェントとは、人間の指示に従って自律的にタスクを実行するAIシステムのこと。

従来のチャットボットと違い、AIエージェントは外部ツールを活用しながら複数の手順を自ら考えて実行できます。

そんなAIエージェントの作り方を知って、自分の業務に役立てたいと思う方も多いでしょう。

本記事では、初心者でも実践できるAIエージェントの作り方を、ノーコードからプログラミングまで徹底解説します。

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目次

AIエージェントとは?基本的な仕組みと特徴

AIエージェントは、大規模言語モデル(LLM)を活用して自律的に業務を実行するAIシステムです。

単なる質問応答ではなく、目的達成のために必要な手順を自ら計画し、外部システムと連携しながら動作できるのが特徴。

ここでは、AIエージェントの仕組みと活用事例、チャットボットとの違いを解説します。

AIエージェントの仕組み

AIエージェントのコアには大規模言語モデル(LLM)があり、「LLMエージェント」とも呼ばれています。

通常のLLMが学習データに基づいて応答するだけなのに対し、エージェントはツール呼び出しという機能で外部システムから最新情報を取得できます。

さらに、メモリ機能により過去の対話履歴を蓄積し、ユーザーの期待に適応していく仕組みです。

「目標の計画」「ツールを使った推論」「学習と振り返り」というステップを繰り返しながら、複雑なゴールを達成します。

このように、単なる応答生成を超えた自律的な判断と行動ができるのがAIエージェントの仕組みです。

AIエージェントで何ができる?特徴・活用事例も紹介

AIエージェントは、人間が行っている業務を自動化・手助けできる点で大きな可能性を持っています。

単純なルールベースを超えて自律的な判断や複数システムの横断、マルチステップ処理が可能です。

主な特徴と活用例を紹介します。

人が毎回判断している業務をAIに自動で実行させる

AIエージェントは、人間が都度判断・対応している定型業務を自動化できます。

例えば社内の経理業務で毎回人がチェックしていた請求書データの不備を、AIが自動で検出して担当者へ通知するといったことも可能。

これにより人間の手間が削減され、業務のスピードアップとヒューマンエラーの減少が期待できます。

複数のツールやシステムをAIが横断して操作する

AIエージェントは複数のツールやアプリケーションをまたいで操作できるのも特徴です。

必要に応じて外部のAPI経由でデータベースから情報を取得し、別のシステムに自動入力するといった処理もエージェントが自律的に実行します。

人間がソフト間でデータをコピペしていたような作業も、AIが橋渡しすることでシームレスに完結できます。

指示を待つだけでなくAIが次の行動を自律的に選択する

従来の自動化は人間の指示や入力を待って動くのが普通でしたが、AIエージェントは状況に応じて次に取るべき行動を自律的に決定できます。

過去のデータや未来予測に基づき、ただ反応するだけでなく先回りして対応策を講じるプロアクティブな動きが可能です。

例えば顧客の行動からストレスを検知したら、問い合わせが来る前にサポートメッセージを送るといった能動的対応も期待できます。

問い合わせ対応・調査・資料作成を一連の流れで任せる

AIエージェントは、問い合わせ対応から情報調査、回答レポートの作成まで一連のプロセスを自動化できます。

例えばカスタマーサポートのケースでは、エージェントがユーザーからの問い合わせを受け取ると自動で追加の質問を投げて状況を把握します。

その後、社内のナレッジベースを検索して解決策をまとめ、回答を生成してユーザーに送るという複数ステップを連続して実行可能です。

このように複合業務を丸ごと任せられる点は、AIエージェントならではの活用例と言えます。

AIエージェントとチャットボットの違い

従来のチャットボットはユーザーからの質問に答えるだけの受動的な対話システムですが、AIエージェントは自律的にタスクを遂行できる点が決定的に異なります。

一般的なチャットボットには外部ツールを使う機能や長期的な記憶はなく、その場その場でユーザーの入力に反応するだけで、複雑な計画立案や先読みはできません。

一方でAIエージェントは自らゴール達成のためのサブタスクを作成し、必要に応じて外部のリソースを活用しながら複数の手順を自律的に実行できます。

まとめると、チャットボットが「会話するだけ」の存在なのに対し、AIエージェントは「考え、調べ、行動する」存在だといえるでしょう。

AIエージェントの基本についてもっと知りたい方は下記の記事も参考にしてください。

AIエージェントを作る前に整理すべきポイント

AIエージェントを開発し始める前に、何をどこまでAIに任せるかや手順、人間との役割分担を整理しておくことが重要です。

事前にこれらを明確にしておくことで、構築段階での手戻りを減らし、想定外のリスクに備えることができます。

ここでは、AIエージェント開発前に押さえるべき5つのポイントを解説しますね。

AIに任せたい作業を手順レベルまで書き出す

まず、AIに任せたい業務プロセスを、最初から最後まで人間が行う場合の手順に分解して書き出します。

各ステップをできるだけ詳細にリストアップすることで、後でエージェントに実装すべき処理や判断箇所が明確になります。

人間が普段行っている作業を一つひとつ洗い出し、「入力」「処理」「出力」の流れに沿って整理しておきましょう。

この作業を丁寧に行うことで、開発時の迷いを減らし、スムーズな実装につながります。

人が最終判断すべき作業とAIに任せる作業を分ける

次に、プロセスの中でAIに任せる部分と、人間が最終判断・対応すべき部分を明確に切り分けます。

例えば顧客対応では、FAQのような定型質問はAIに処理させる一方、クレーム対応や契約内容の変更など重要な判断が必要な部分は人間が担当する、といったルールを事前に決めておきます。

このようにAIの担当範囲と人間の介入範囲をあらかじめ線引きしておくことで、運用時に「どこまでAIに任せて良いか」が組織内で共有されます。

安心して導入するためにも、この境界線の明確化は欠かせません。

1つの作業を行う単体エージェントか、役割分担させるか決める

AIエージェントを一体型で作るか、複数のエージェントに役割分担させるかも検討ポイントです。

解決したい課題がシンプルで一つのエージェントで完結できる場合は単体のエージェントで十分ですが、課題が複雑な場合には、複数の専門エージェントが連携するマルチエージェント構成が有効。

例えば一人の万能なエージェントに全機能を持たせるのではなく、「情報収集担当」「分析担当」「回答生成担当」といった具合に役割ごとにエージェントを分けることもできます。

最終的に協調動作させることで性能向上を図るアーキテクチャも検討しましょう。

ノーコードで作るか、プログラムを書くかを選ぶ

AIエージェント開発には、ノーコードツールを使って構築する方法と、プログラミングでコードを書いて一から開発する方法があります。

初心者や迅速な試作にはノーコードが適しており、実際多くの企業ではノーコードでビジネスユーザーがエージェントを作り始めています。

一方で、細かな動作制御や独自の統合が必要な場合はプログラミングによる実装が必要となります。

自社の技術スキルやプロジェクトの要求度に応じて、どちらのアプローチにするか事前に決めておきましょう。

失敗したときに人が介入できる仕組みを用意する

AIエージェントが誤った判断をしたり行き詰まったりした場合に備えて、人間が介入できる仕組み(Human-in-the-Loop)を設けておくことも重要です。

例えば、AIの回答に自信がないときは処理を保留して人間が内容を確認・承認できるようにする、あるいは一定時間応答がない場合は人間オペレーターに引き継ぐ、といったフェイルセーフのルールをあらかじめ組み込んでおきます。

こうすることで、万一AIが暴走したり誤った対応をしそうな場合でも被害を最小限に食い止められます。

安心してエージェントを運用するためにも、この安全策は欠かせませんよ。

AIエージェントの作り方

ここからは、実際にAIエージェントを構築する基本的な手順を5つのステップに分けて解説します。

それぞれのステップで重要なポイントを押さえることで、初心者でもスムーズに開発を進められます。

順番に見ていきましょう。

① AIエージェントに実行させたい作業内容を決める

まずはAIエージェントに任せたい作業の目的と範囲を明確に定めます。

何を自動化したいのか、その成果物やゴールは何かを具体的に書き出しましょう。

例えば「顧客サポートの問い合わせメールに自動応答する」や「週次の販売レポートを自動生成する」といったように、高レベルの目標を定めます。

同時に、AIには任せない領域も決めておきます。

例えば前者の例では「請求に関する問い合わせは除く」といった具合です。

このようにミッションと制約をはっきりさせることが、後の作業の指針になりますよ。

② 使用するAIモデル・ツール・連携先を選ぶ

次に、エージェントの頭脳となるAIモデル(LLM)や、利用する外部ツール・連携システムを選定します。

要求する精度や応答速度、タスクの内容に応じて適切なLLMを選びましょう。

例えば高速な応答を重視するなら軽量なモデル、高度な推論が必要ならGPT-5のような高性能モデルといったように、用途に応じてモデルを使い分けます。

また開発のアプローチとして、LangChainのようなLLM連携用ライブラリや、Zapierのように多数のアプリと繋げるプラットフォームを活用する方法もあります。

プロジェクトに合ったモデルとツールを選ぶことで、開発効率とエージェントの能力を最大化できます。

③ プロンプトと処理の順番(ワークフロー)を設計する

エージェントが動作するシナリオ(ワークフロー)を設計します。

具体的には、ユーザーからどんな入力があったときに、エージェントがどのような手順で考え・動くのかを決めます。

LLMへの指示文(プロンプト)を工夫し、必要な変数やルールを組み合わせて、エージェントの推論プロセスがゴールに向かうようガイドします。

例えば「まずユーザーの質問内容を分類し、次に社内FAQデータベースを検索し、最後に回答文を生成する」といった処理の順序を決め、その各ステップでのAIへの指示内容を設計しましょう。

ワークフロー作成時には、分岐条件やループ処理の有無も検討し、エージェントが状況に応じて柔軟に動けるようにします。

④ 小さく動かしてエラーや想定外の動きを確認する

作業ができたら、まずは小規模にエージェントを動かしてテストを行います。

部分的に動作させてみて、シナリオ通りに機能するか検証しましょう。

テスト環境で少ないデータや簡単なケースから試し、ログを確認してエラーや想定外の挙動がないかチェックします。

この段階で問題が見つかれば、プロンプトの表現を修正したりワークフローの手順を入れ替えるなど、原因に応じて微調整します。

特にエージェントが無限ループに陥っていないか、外部ツール呼び出しが正しく行われているかなど、安全策が機能しているかを確かめることが重要です。

小さくテストと改善を繰り返してエージェントの挙動を安定させてから、本格的な運用に移行しましょう。

⑤ 実運用しながら精度・処理内容を調整する

エージェントを実際の業務環境で運用開始した後も、定期的に精度や処理内容のチューニングを行います。

運用中に蓄積されるログやユーザーからのフィードバックを活用し、応答の正確性や動作速度などの指標を評価します。

評価結果に基づき、プロンプトを改善して誤解を減らしたり、新たなデータソースを追加して知識範囲を広げたりと、エージェントを継続的にアップデートしていきます。

特に導入初期は想定外の質問や状況が発生しがちなので、こまめに設定を見直して継続的改善を図りましょう。

また必要に応じて、エージェント自体を増員(マルチエージェント化)したり役割分担を変更するといった大きな調整も検討します。

作って終わりにせず、運用しながら育てていく姿勢が大切ですよ。

AIエージェントの開発方法の種類

AIエージェントを開発する方法にはいくつか種類があります。

あらかじめ用意された機能を組み合わせる手軽な方法から、ノーコードツールで視覚的に構築する方法、さらにはプログラミングで一から自由に開発する方法まで選択可能です。

それぞれの特徴を押さえて、自分のケースに合った方法を選びましょう。

あらかじめ用意された機能を組み合わせて作る

一つ目は、あらかじめ用意された機能やコンポーネントを組み合わせてエージェントを構築する方法です。

AIエージェント用のフレームワーク(開発基盤)を利用すれば、ツール呼び出しやメモリ管理などの基本機能がビルディングブロックとして用意されています。

それらを組み合わせることで効率的に開発できます。

例えばLangChainやMicrosoftのGuidanceなどは、対話型AIの動作フローを部品化して再利用できるようになっており、開発者は自分のエージェント固有のロジックに集中できます。

プログラミングは必要ですが、一から全てを書くよりも格段に早く安定したエージェントを作れるのが長所です。

ノーコードツールで業務フローを組み立てて作る

プログラミング不要のノーコードツールを使ってエージェントを構築する方法も一般的です。

画面上でドラッグ&ドロップなどにより業務フローを組み立て、対話形式でエージェントの動作ルールを設定できるため、初心者でも直感的に扱いやすいのが特徴。

例えばDifyやZapierといったプラットフォームでは、あらかじめ用意されたテンプレートやガイドに沿って設定を埋めていくだけで、短時間で実用的なエージェントを作成可能です。

コードを書かなくても良いため開発スピードが速く、ビジネス部門のスタッフが自らプロトタイプを作る、といった使い方もされています。

プログラミングで自由度高く一から構築する

より高度なカスタマイズや独自機能が必要な場合、プログラミングによってゼロからエージェントを構築する方法があります。

PythonやJavaScriptなどの言語で、LLMへのAPI接続処理やツール連携、推論の制御ロジックを全て自前で実装する方法です。

自分でコードを書く分、挙動の細部までコントロールでき、システムに合わせた高度な調整も可能になります。

ただしその分、最も手間と専門知識を要する方法でもあります。

チームに十分なプログラミングスキルがあり、既存ツールでは満たせない要件がある場合に選ぶと良いでしょう。

既存SaaSや社内システムと連携する前提で選択する

どの開発方法を選ぶかは、エージェントを連携させたい既存システムとの親和性も考慮すべきです。

例えば社外の複数のSaaSアプリケーションと幅広く連携したいなら、Zapierのように8,000以上のアプリと接続できるプラットフォームを使えば複雑な統合も簡単に実現できます。

一方、自社の社内データベースや業務システムと密接に連携したエージェントを作りたい場合、Microsoft Copilot Studioのように企業内データ接続を前提としたプラットフォームを選ぶことで、既存環境との統合やセキュリティ面の不安を減らせます。

このように、エージェントが接続すべき相手に応じて開発手段を選択することも大事なポイントです。

個人利用か業務・チーム利用かで方法を分ける

AIエージェントを個人の効率化ツールとして使うのか、チーム全体の業務に組み込むのかによっても、適切な開発方法は変わってきます。

個人用途であれば小規模でも動けば十分なため、ノーコードやシンプルな構成で素早く試すアプローチが向いています。

一方、業務やチームで使う場合は信頼性・保守性・セキュリティが重要になるため、エンタープライズ向けのプラットフォームを利用したり、テストや監視体制を整えた上でプログラミング実装するなど慎重なアプローチが必要です。

このように、利用目的と規模に応じて「手軽さ」と「信頼性」のバランスを取りながら方法を選びましょう。

シンプルで小規模なエージェントは作りやすく管理も容易ですが、大規模で高度なものほどコストやリスクも増えるため、ニーズに合った適切な複雑さで開発することが大切です。

ノーコードでAIエージェントを作成する方法

ここでは、ノーコードツールを使ってAIエージェントを構築する一般的な手順を説明します。

プログラミング不要で画面上の操作だけで設定できるため、特に初心者にとって取り組みやすい方法です。

順番に見ていきましょう。

テンプレートから用途に近いエージェントを選ぶ

ノーコードツールではまず、目的に近いAIエージェントのテンプレート(ひな型)が用意されていればそれを選択します。

例えばZapierのZapier Agents機能では、営業リード対応やカスタマーサポートなど用途別にすぐ使えるエージェントのテンプレートがあり、そこから開始することで短時間で動くエージェントを作成できます。

テンプレートを活用することで一から設定を作り込む手間を省け、基本的な構成要素(接続するアプリや処理の流れ)があらかじめ整っている状態で開発をスタートできます。

まずはテンプレート一覧を確認し、自分のニーズに近いものを選びましょう。

AIに実行させたい手順を画面上で順番に設定する

次に、エージェントに実行させたい処理の流れをノーコードツール上で設定します。

具体的には、トリガー(発火条件)とアクション(実行するタスク)を組み合わせて、エージェントのワークフローを順番に構築します。

例えば「○○という新しい入力(トリガー)が発生したら、△△の処理を行い、結果を□□に出力する(アクション)」といった具合に、GUI上でステップを並べていくイメージです。

プログラミングでいうif/thenルールや関数呼び出しを、画面操作で直観的に組み立てられるため、処理の全体像を把握しながら設定できますよ。

外部ツールやAPIを画面操作だけで連携する

ノーコードプラットフォームでは、外部サービスとの連携もUI上の設定だけで可能です。

例えばZapierでは、GoogleスプレッドシートやSlackなど8,000以上のアプリにトリガーやアクションとして接続でき、エージェントに必要な操作を組み込めます。

設定画面で連携したいサービスを選び、認証情報を入力するだけで、エージェントがそれら外部ツールにアクセスして操作できるようになります。

プログラミングで個別にAPIコールを書く必要がないため、複数のSaaSをまたいだ自動処理も手軽に実現できます。

入力内容・出力形式・例外処理をルール化する

エージェントが安定して期待通りの成果を出すよう、入力の形式や出力のフォーマット、例外時の処理ルールをあらかじめ細かく設定しておきます。

ノーコードツール上で入力フォームの項目を指定したり、AIの出力がJSON形式になるようフォーマットを指示するなど、結果のばらつきを抑える工夫をします。

また、「AIが特定のスコア未満の確信度しか得られない場合は人間にエスカレーションする」等の例外処理フローもルール化して組み込んでおきます。

これらの設定により、エージェントが扱うデータの整合性を保ち、想定外の状況にも適切に対処できるようになります。

テスト実行して想定通り動くかを確認する

設定が一通り完了したら、実際にテスト実行して想定通り動作するか確認します。

テスト用の入力データを使ってエージェントを動かし、期待する出力が得られるかを検証しましょう。

典型的なケースだけでなく、エッジケースや誤った入力なども試し、エージェントがどのように応答するかをチェックします。

もし誤った出力やエラーが発生した場合は、プロンプトやワークフローの設定を見直し修正します。

このテストと調整のプロセスを繰り返すことで、エージェントが安定して正確に動作するようになります。

十分に想定シナリオでテストをパスしたら、本番環境での運用に移行しましょう。

プログラミングでAIエージェントを構築する方法

続いて、プログラミングによってAIエージェントを構築する場合のポイントを解説します。

コードを書いて実装する分、自由度の高い作業が可能になりますが、その分留意すべき点も増えます。

順番に見ていきましょう。

AIエージェントの役割と責務をコードレベルで定義する

まず、開発するAIエージェントの役割と責務をコード上で明確に作業します。

エージェントが解決すべき課題の範囲とゴールを定義し、それに応じて必要な機能や使用するモデル・データを決定します。

例えば「社内FAQ検索と回答を行うエージェント」なのか「複数の他エージェントを統括してプロジェクト管理を行うエージェント」なのかによって、作業も大きく異なります。

問題が広範囲に及ぶ場合には、一つのエージェントですべてを担うのか、それともサブタスクごとに複数のエージェントをマルチエージェントとして連携させるのかも決め、役割ごとにモジュールやクラスを分けて作業します。

こうした目的と役割の定義が、コード実装の土台となりますよ。

使用するLLM・ライブラリ・フレームワークを選定する

次に、利用する大規模言語モデル(LLM)や開発用ライブラリ/フレームワークを選びます。

エージェントに組み込むAIモデルとして、GPT-4やPaLM2など目的に合ったモデルを選定します。

また開発効率を上げるため、LangChainやAutoGenのような既存のエージェント開発フレームワークを取り入れるのも有効です。

これらのフレームワークは、LLMへのプロンプト生成やツール使用の呼び出し部分を簡素化してくれるため、ゼロからすべてコードを書く必要がなくなります。

選定にあたっては、自社システムとの互換性(例えばPythonを使うか、JSを使うか)やコミュニティの活発さ、サポート状況も考慮すると良いでしょう。

ツール実行・判断・ループ処理をロジックとして実装する

エージェントが外部ツールを使ったり、内部で判断・推論したりするロジックをコードで実装します。

例えば、ウェブ検索APIを呼び出して最新情報を取得する処理や、計算ツールを使って数値を正確に計算する処理など、エージェントに必要なツール実行機能を組み込みます。

また、LLMから得た回答を評価して次のアクションを決定する推論・判断ロジックや、ゴールに到達するまで試行を繰り返すループ処理(ReActパターン等)も必要に応じてコード化します。

例えばカレンダー登録をするエージェントなら、「ユーザーの依頼内容を解析 -> 必要なら日付を問い合わせ -> カレンダーAPIに登録」という一連の流れをコード内で制御します。

これら一連の処理を、自前で状態管理しながら実装することで、エージェントの具体的な挙動が形作られます。

エラー処理や無限ループを防ぐ制御を組み込む

AIエージェントが暴走したり、エラーで停止しないよう、エラー処理とループ脱出の制御をコードに組み込みます。

例えば、一定回数以上同じツール呼び出しを繰り返したら強制終了するような停止条件を設けたり、予期せぬ入力に対しては例外を投げて人間オペレーターに通知する仕組みを入れるといった対策です。

実際、エージェントは作業不備があると同じ処理を永遠に繰り返す無限ループに陥るリスクがありますが、回数や時間で上限を決めておけば自動で停止できます。

同様に、API呼び出し失敗時にはリトライする、最終的にダメならスキップして次に進む、といったフォールバック処理も実装しておくと安定性が増します。

これらの安全策により、システム全体の信頼性を確保します。

ログ取得・テスト・改善を前提に運用設計する

エージェント開発では、運用中のモニタリングと改善も見据えてシステム作業することが重要です。

コード内に詳細なログ記録を組み込み、エージェントがどのような判断を行ったか、どのツールをいつ呼び出したか、エラーは何か、といった情報を追跡できるようにします。

これにより、運用中に問題が発生しても原因を調査しやすくなります。

また、開発段階から自動テストを整備し、エージェントの応答精度や処理性能を定期的に計測・評価できる体制を作っておくとよいでしょう。

エージェント開発は一度完成したら終わりではなく、運用しながらテスト→評価→調整のサイクルを回して性能を向上させていくものです。

その前提で、ログやモニタリング、設定変更がしやすい作業にしておくことが、長期的な成功につながりますよ。

AIエージェント作成におすすめのツール

AIエージェントを作成する際に役立つツールを6つ紹介します。

ノーコードからプログラミングまで、用途に応じて使い分けできるツールを厳選しました。

それぞれの特徴を確認して、自分のプロジェクトに合ったツールを選びましょう。

Dify:ノーコードで業務向けAIエージェントを構築できる

Difyはノーコードで企業向けのAIエージェントを構築できるプラットフォームです。

その最大の特徴は、プログラミングの知識がなくても強力なAIエージェントを開発できる点。

直感的なUIとテンプレートにより、初心者でも短時間でエージェントを作成できます。

例えば社内の問い合わせ対応ボットやデータ分析レポート生成エージェントなど、用途ごとのテンプレートを選んで設定項目を埋めるだけでプロトタイプが完成します。

クラウド上でスケーラブルかつ安定した動作があり、エンタープライズ向けにセキュリティや権限管理も備えているため、部門横断でAI活用を進めたい企業に適したサービスです。

Microsoft Copilot Studio:社内データと連携したAIエージェントを作成できる

Microsoft Copilot Studioは、Microsoft 365エコシステム上でカスタムAIエージェントを構築・管理できるプラットフォームです。

自社のビジネスデータに接続し、TeamsやMicrosoft 365アプリ上で動作するエージェントをノーコードで作成できます。

具体的には、社内のSharePointやOneDriveのドキュメントを読み込んで回答する社内QAボットや、営業データと連携して提案書ドラフトを作る営業手助けエージェントなどを、自社環境内で安全に構築できます。

Copilot StudioはAzure OpenAIなど高度なモデルとも連携可能で、マルチチャネル(チャット、メール、文書内など)にエージェントを展開できます。

Microsoft製品との親和性が高く、既存の認証基盤やセキュリティポリシーと統合できるため、企業内で安心してAIエージェントを使いたい場合に適しています。

LangChain:LLM・ツール・外部データを柔軟に組み合わせて開発できる

LangChainはオープンソースのLLMオーケストレーションフレームワークで、LLMを使ったアプリケーション(チャットボットやAIエージェント)を効率良く開発できるライブラリです。

Python版とJavaScript版があり、LLMへのプロンプト作成・実行、外部データソースからの情報取得、ツールの呼び出しといった機能をシンプルなAPIで扱えます。

LangChainの大きな強みは、抽象化されたモジュールを組み合わせることで、どんなLLMでも共通のインターフェースで扱える点です。

例えばOpenAIのGPT-4から他社のモデルに切り替えたい場合でも、コードの変更を最小限に抑えられます。

また、プロンプトテンプレートやチェーン(複数ステップに分けた対話フロー)の機能により、複雑な対話ロジックも整理して実装可能です。

開発者やデータサイエンティストがLLMアプリ開発を効率化し、実験を素早く回すのに適したツールと言えるでしょう。

AutoGen:複数のAIエージェントを会話させて協調動作させられる

AutoGenはMicrosoft Researchが公開したオープンソースのマルチエージェントフレームワークで、複数のAIエージェント同士を対話させることで協調動作させることができます。

エージェント間のコミュニケーションやタスク分担を簡潔に記述できるPython SDKがあり、インストールも pip で行える手軽さです。

AutoGenは2024年に発表された研究論文で、その有用性が実証されています。

例えばサプライチェーンの調整問題では、複数のエージェント(調達、在庫管理、物流など)が会話を通じて解決策を見出すことが示されました。

同様に、システム内で複数エージェントが協働する必要がある場面でAutoGenは威力を発揮します。

一つの「司令塔」エージェントがタスクを動的に分解し、複数の「作業者」エージェントに委譲して結果を統合するといったオーケストレーションも容易に実装できます。

マルチエージェントの高度なシナリオに取り組みたい開発者にとって、有力な候補です。

CrewAI:役割分担させたマルチエージェントを簡単に構築できる

CrewAIはJoão Moura氏によって開発されたオープンソースのマルチエージェントオーケストレーションフレームワークです。

Pythonベースで、複数の自律エージェントがロールプレイ(役割を演じる)しながら互いに協調する”クルー”を構築できます。

CrewAIの理念は、まるで人間のチーム(クルー)のようにAIエージェントたちがタスクを自主的に分担・委任し合って作業を完遂することです。

開発者は各エージェントに役割を与え、CrewAIが用意するオーケストレーターがそれらをまとめてタスクを進行します。

例えばカスタマーサポートの自動化で、「質問理解エージェント」「回答検索エージェント」「回答生成エージェント」を別々に用意し、CrewAI上で協働させることで、人間のチームが協力して回答を導くような高品質な応対を実現できます。

CrewAIはマルチエージェントのワークフロー自動化を強力に手助けするフレームワークと言えるでしょう。

Zapier:既存のSaaSをつなぎAIエージェントによる自動化を実現できる

Zapierは多数のウェブサービス間の連携自動化で広く使われているツールですが、近年Zapier Agentsという機能が追加されました。

Zapier Agentsでは、ChatGPTやClaudeなどのAIに自社のアプリケーション群へのアクセス権を与え、まるで新しいチームメンバーのようにタスクを自動化させることができます。

エージェントは与えられたプロンプトに従って特定の役割をこなし、許可された社内データにアクセスして、メール送信やチケット処理などお気に入りのアプリを横断した作業を安全に実行します。

Zapier自体が8,000以上のアプリ連携に対応しているため、例えば「Facebookで新しいリードを受信したら、AIがそれを要約してSalesforceに登録し、担当営業にメール通知する」といったクロスアプリ連携のエージェントをコードレスで構築可能です。

人間の介入レベルも自由に設定でき、全自動から要所での承認ありまで柔軟に運用できます。

既存のSaaS資産を活かしてAIエージェントによる業務自動化を進めたい企業にとって、Zapierは強力なツールとなるでしょう。

AIエージェントを導入するときの注意点

最後に、AIエージェントを実際に業務へ導入する際に留意すべきポイントをまとめます。

AIに任せるとはいえ、万能ではないためリスクを適切に管理し、人間との協調体制を敷くことが大切です。

以下の点に注意して導入することで、安心・安全にAIエージェントを活用できます。

AIエージェントに任せる業務範囲を事前に決める

まず、AIエージェントに任せる業務の範囲と権限を事前に明確化しておきます。

何をエージェントに任せ、何を任せないかをチーム内で共有し、エージェントのミッションと制約をはっきり定義することで、想定外の動作を防ぐことができます。

例えば「問い合わせ一次対応はAI、契約や決済に関わる判断は人間」というように境界線を決めておけば、エージェントが誤って権限以上の行動をするリスクを減らせます。

特にAIに任せるべきでない領域(法律判断や機密事項など)はあらかじめ人間対応と決めておくことが重要です。

AIの出力結果を必ず人が確認する運用を残す

AIエージェントの導入時には、重要な判断や外部への発信について人間の確認プロセスを残すことを徹底しましょう。

エージェントが生成した回答や実行しようとするアクションをそのまま適用するのではなく、要所で人間が承認・却下・修正の判断をできるチェック箇所(HITL: Human-in-the-loop)を設けます。

例えばAIが顧客に送るメール内容は担当者が目を通してOKしてから送信する、といったフローです。

これによりAIの誤りによる重大なミスを防ぎつつ、AIの長所(スピードや自動化)も受けられます。

完全自動より少し手間はかかりますが、業務上のリスクを下げるために必要な運用といえます。

誤回答や暴走を前提にエラーパターンを想定しておく

AIエージェントが誤った回答をしたり、思わぬ挙動(いわゆる暴走)をする可能性はゼロではありません。

そのため、あらかじめ想定されるエラーパターンや失敗シナリオを書き出し、対応策を準備しておくことが大切です。

例えば「AIの回答に不確実性が高い場合は人間にエスカレーションする」「一定時間以上応答がない場合は処理を中断する」といった例外時の振る舞いを作業段階から組み込んでおきます。

また、最悪エージェントを停止させるキルスイッチも用意しておくと安心です。

こうした事前準備により、「うまくいかなかった場合」のダメージを最小限に抑え、AI導入のリスクをコントロールできます。

機密情報や個人情報をそのまま扱わせない

AIエージェントに機密情報や個人情報を直接扱わせることは極力避けましょう。

クラウド上のLLMサービス(例えばChatGPT等)に生データを送信すると、情報漏洩のリスクや利用規約上の問題が生じる可能性があります。

どうしてもAIにそうしたデータを処理させる必要がある場合でも、匿名化・マスキングを施したり社内に閉じた環境でモデルを動かすなどの対策を検討すべきです。

また、AIエージェントが出力する結果にも機密情報が含まれないよう注意し、必要なら出力前にフィルタリングする仕組みを入れます。

データガバナンスやプライバシー保護の観点から、AIエージェント導入時には自社ポリシーに沿った情報取扱いルールを整備しておくことが求められます。

作って終わりにせず定期的に改善・調整を行う

AIエージェントは導入して終わりではなく、継続的な改善と調整を行う前提で運用しましょう。

時間の経過とともに業務内容や環境が変われば、最適な設定も変化します。

定期的にエージェントのパフォーマンスを測定し、精度が落ちてきたらプロンプトを修正したり、新たなトレーニングデータを与えて再学習させるなどのチューニングが必要です。

また、一度うまく動いていても極端なケースでバグやエラーが発生することもあります。

そのためログを監視し問題が見つかれば即座に改善するPDCAサイクルを回すことが重要です。

AIエージェントは育てていくものと捉え、定期的なメンテナンス計画を立てておくと良いでしょう。

AIエージェントの作り方に関するよくある質問

AIエージェントについて、よく寄せられる質問をまとめました。

導入前の疑問や不安を解消する参考にしてください。

AIエージェントは初心者でも本当に作れますか?

はい、ノーコードツールなどを使えば初心者でも作成可能です。最近はDifyやZapierのようにプログラミングなしでエージェントを構築できるサービスが充実しており、専門知識がなくてもUI上で設定を行うだけで基本的なエージェントを作れます。テンプレートやガイド機能もあるため、試行錯誤しながら学んでいくことで、初心者でも十分に実用的なAIエージェントを開発できますよ。

AIエージェントを作るのにプログラミングは必須ですか?

いいえ、必ずしもプログラミングは必要ではありません。ノーコードのエージェント構築プラットフォームを使えばコードを書かずに開発できます。例えば業務自動化を目的とした簡易なエージェントであれば、プログラミング無しで十分実現可能です。一方で、細かなカスタマイズや特殊な連携が必要な場合はプログラミングが役立ちます。要件次第でノーコードとプログラミングを使い分けると良いでしょう。

AIエージェントの作成・運用にはどれくらいの費用がかかりますか?

エージェントの規模や利用サービスによって大きく異なります。ノーコードツール自体は無料プランがあるものも多く、主な費用はAIモデルのAPI利用料など使用量に応じたコストです。例えばOpenAIのGPT系APIを使う場合、リクエストごとにトークン数に応じた料金が発生し、GPT-4モデルでは1000トークンあたり数円〜数十円程度の費用感。小規模な社内利用なら月数千円程度ですむケースもありますが、ユーザー数やリクエスト頻度が多いと月数十万円以上になることもあります。

ChatGPTだけでAIエージェントは作れますか?

ChatGPTの対話機能だけでは高度なエージェントを作るのは難しいです。ChatGPT自体は強力なLLMですが、それ単体では外部ツールの実行や自律的なタスク完了までは行えません。ただし、ChatGPTをAPI経由で他のシステムと組み合わせることでエージェントの頭脳として活用することは可能です。例えばChatGPTのAPIをZapier等に組み込めば、ChatGPTにウェブや他アプリへのアクセス権を与えてエージェント的な動作を実現できます。

AIエージェントがうまく動かないときは何を見直せばいいですか?

まずはAIへの指示(プロンプト)内容とワークフローの作業を見直すのが基本です。プロンプトが曖昧でエージェントが意図を誤解していないか、タスクの流れに無理がないかを確認しましょう。場合によってはプロンプトを具体的に書き直したり、処理手順を細分化してエージェントの負担を減らすと改善することがあります。また、ログをチェックしてエラー箇所や時間のかかっている処理を特定し、それが外部APIの問題なのか、モデル応答の問題なのかを切り分けます。

業務で使っても問題ない安全性・セキュリティは確保できますか?

適切な作業・運用を行えば、業務利用においても十分な安全性・セキュリティを確保できます。まず機密データはむやみに外部のクラウドAIに送らないようにし、どうしても必要な場合は匿名化や要約するなど直接生データを扱わせない工夫をします。さらに、エージェントの重要な判断には人間の承認プロセスを入れることで、誤った自動処理が実行されないようにできます。AIエージェント導入時には社内のセキュリティチームとも協議し、利用するサービスのデータ取り扱いポリシーを確認したり、ログ管理やアクセス制御の仕組みを整備しましょう。

まとめ

AIエージェントは、強力な大規模言語モデルの推論力と柔軟なツール連携能力によって、人間の業務を手助け・自動化してくれる心強い存在です。

本記事ではAIエージェントの基本から作成方法、注意点まで詳しく解説しました。

ポイントを振り返ると、エージェントに任せるタスクの範囲を明確にし、適切な方法(ノーコード/プログラミング)で開発を進め、小さくテストしながら改善することが成功のコツ。

また、DifyやLangChain、Zapierといった便利なツールを活用することで、初心者でも比較的簡単に高度なエージェントを構築できるようになっています。

一方で、導入にあたっては人間の目によるチェックやセキュリティ対策を怠らず、AIと人間の協調で安全に運用する姿勢が大切です。

ぜひこの機会にAIエージェントの活用に挑戦し、日々の作業をよりスマートに効率化してみてください。

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この記事を書いた人

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