ーー竹内さんのようにITによる業務効率化の重要性を感じてはいるものの、社内から賛否両論さまざまな意見が寄せられ、なかなか行動に移せない企業もあると思います。
そうですね。新しい取り組みを始めると社内の1〜2割の人からは理解を得られるのですが、やはり現状維持を望む人の声が大半です。現状維持を望む人たちを納得させるには、小さなものでもいいので成功事例を見せることが効果的だと思います。つまり「まずやってみる」ということが非常に重要です。
「やってみる」といっても、例えばトヨタだと自動車の安全確認といった、人の命に関わる重要な作業段階で新しい取り組みを導入するのはリスクが高く、反対意見が出て当然です。そうではなく仮に失敗しても元に戻せてマイナスにならず、成功すればプラスになる「完全に新しい領域」でチャレンジするのが良いでしょう。リスクを最小限に減らしながら挑戦的な活動ができます。
もちろん新しい取り組みを行うには初期投資が必要ですし、現在の業務と並行して取り組まなければなりません。仕事の仕方や配分を変える必要も出てくるでしょう。それでもやり切る力と想いを持つ人を1人でも多く増やすことが大切です。