導入事例
トヨタ自動車株式会社様

「互いに成長し合える良いパートナー」
トヨタがテックキャンプ法人研修を4年間継続している理由

トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)では、2018年に東京・大手町にAI拠点を設置して以来、ITを活用した業務改善を行う「業務職働き方改革」を進めています。

トヨタは業務職(いわゆる一般職を、トヨタでは業務職と呼びます)の社員が業務改善を行うために身に付けるべきスキルとしてプログラミングを選択しました。1人でも多くの社員がスキルアップできるよう、これまで自社で行っていた研修をスケールさせるために株式会社divが提供する「テックキャンプ法人研修サービス(以下、テックキャンプ)」を導入。4年前から活用し続けています。

テックキャンプは、非IT職に向けたテクノロジー研修です。スキルを教えるITトレーナー(専任メンターをトヨタではITトレーナーと呼んでいます)たちはただプログラミングの指導をするだけでなく「受講者の人生を変える」という想いで一人ひとりに寄り添った指導を実施しています。

研修サービスの感想を聞いて記事にしたいと、同社の先進技術開発カンパニー 先進データサイエンス統括部 部長の竹内 康臣(たけうち やすおみ)さんに依頼。インタビュー当日、竹内さんは取材を始める前にインタビュアーへまずこう言いました。

「トヨタとdivはね、互いに成長し合える関係性なんです。お金を払ってサービスを買うとか買わないとか、そういう関係だけじゃないんですよ。共に歩むパートナーだと思っています。」

そのような関係になった背景とは?研修に対しての想いや
2社の関係を深堀りします。

竹内 康臣

1996年トヨタ自動車株式会社に入社。自動車のパワートレーン、シャシー領域などの制御設計に携わり、2009年から2017年にかけて電子技術領域の設計開発やAI戦略企画・技術開発を担当。以降は大手町拠点設立などを行い、2023年現在は先進技術開発カンパニー先進データサイエンス統括部部長としてデータサイエンス戦略・DX化を推進中。
取材・執筆:(株)Sanpoteam 中野 銀次郎 /編集:(同) 桜口 アサミ /写真:(株)div 皆川 貴政

テックキャンプのITトレーナーは受講者一人ひとりに寄り添った指導をしてくれる

ーー数あるプログラミング研修サービスの中で、テックキャンプを選んだ理由は何でしたか。

スキルを教えるITトレーナーの想いと受講生一人ひとりに寄り添った丁寧な指導が、社内の持続的な業務改善・DX化につながると思ったからです。

研修サービスを導入するにあたって、ただ一方的にITスキルを教えるだけでなく「企業の困っていることに寄り添う」という意識で研修を行ってくれるサービスを探していました。業務改善やDX化はただITスキルを身に付けて業務をデジタル化すれば終わりではありません。デジタル化によって生まれた変化を持続することが求められます。

重要なポイントは、研修を受ける各社員が「さらなるスキルを身に付けたい」「業務を効率化させて時間に余裕を持ちたい」という意識を持つことです。

テックキャンプの説明を受けた際、ITトレーナーの方々は「自分たちに関わる人の人生を変える」という想いを持っていると聞きました。この想いを持ちながら指導してくれれば、各社員の目指すこと、それぞれにあった持続的な業務改善・DX化が実現できると思いました。

ーー実際はどうでしたか。

期待どおりだと感じています。だからこそ、4年間継続しています。

学習のスタート段階に力を入れてサポートしてくれる点もテックキャンプの魅力ですね。ある程度スキルが身に付いてくれば自力で情報を集めながらスキルアップできるようになると思います。しかし何事も学習を始めたばかりの頃は土台となるスキルや知識がなく、迷走したり挫折したりしてしまいがちです。このような初期段階で手厚くフォローしてくれることもテックキャンプ導入の決め手になりました。

divは互いに成長し合える良きパートナー

ーーテックキャンプを受講した社員の方々を見て、感じる変化があれば教えてください。

業務効率化に取り組む前向きな姿勢と、業務改善が確かにできているという自信が生まれているように感じます。テックキャンプを受講した社員には学習の進捗や成果、感想などを社内で都度発表をしてもらっており、その内容を聞くと自信を持った発言が見られます。まさにテックキャンプに期待していた「スキルを身に付け業務改善を行うこと、そのための意識を持つこと」を受講した社員が体現しています。社員に明確な変化が見られ、私としても非常に満足度が高いです。

ーーITトレーナーのコミュニケーション能力や、受講している社員の方との接し方はいかがでしょうか。

さきほど申し上げた社員からの発表を聞くと、ITトレーナーの方々が社員に寄り添った親身な指導をしてくれていることが伝わってきます。

テックキャンプ研修の受講者は社内で希望者を募っているため、受講する社員はみな業務改善に対して意欲的です。しかし、いざ受講を始めると、業務との両立の難しさなどが原因でモチベーションを保てなくなる人が一定数出てきます。上司や同僚からの印象を考えるとやめることもできず、最初は持っていた自らの高い意欲を保てなくなっていくのではないかと懸念していました。

しかし、実際は高い意欲を持ったままやり切る社員がほとんどなのです。発表でも業務改善に前向きな姿勢を示しているのは、それだけITトレーナーの方々が受講者にしっかりと寄り添い丁寧に指導してくれていることの証明でしょう。受講後にITトレーナーの教え方の上手さや、最後まで分かりやすい指導を続けてくれたことに感謝の言葉を口にする社員もいます。

ーーテックキャンプのITトレーナーも、研修を通してトヨタで働く方々のマインドを学ばせてもらってるということを聞きました。お互いに成長しあえる関係性というのはこういう点なのですね。

はい。今後も相互に成長を促し合える良きパートナーという関係を継続させたいです。

トヨタの考え方の1つに「課題がないことが課題」というものがあります。トヨタのマネジメント層は「会社は成長の場であり、各社員が常に課題を見つけて成長する。その結果、収益が上がるという構造でないといけない」という想いです。課題を見つけて学び、成長するというトヨタの思想と、受講者の人生を変えるために常に試行錯誤するdivの想いが一致したことこそ、長い間テックキャンプを活用している大きな理由です。

ーーITトレーナーのコミュニケーションの面だけでなく技術に関する知見はいかがでしょうか。指導に十分な知見を持っていると感じますか。

そうですね。コードの書き方やプログラミング言語が山ほどある中、受講生ごとのITスキルに合わせて適切なソリューションを提供し寄り添うことができるという点で、十分な知見を保有していると感じます。

トヨタでは社員の行動変容を促すために「直接的な意識改革」と「スキルアップによる意識改革」の2つのアプローチを実施

ーー業務職の働き方を改善するためのITスキルとして、プログラミングを選んだ理由は何でしたか。

主に2つの理由があります。

1つは、日本のIT人材不足に対応することです。将来的に日本は深刻なIT人材不足に陥るといわれています。その課題に対応するために、プログラミングを使って活躍できる人材を今のうちから社内に増やしたいと考えました。

もう1つはトヨタの業務職、特に先進データサイエンス統括部の仕事に役立つからです。当部ではAIやソフトウェアを扱う業務が多く、自宅にいても作業が進められます。そのため、プログラミングの習得が働き方や生活スタイルそのものの変化につながると思いました。

例えばデータのアノテーションや加工などは、わざわざ出社せずともインターネット環境とパソコンがあればオフィス以外で作業ができます。そこにプログラミングのスキルが加われば、よりレベルの高い作業でも各社員が自力でこなせるようになるでしょう。

これによりトヨタで長らく固定されていた「出社して働く」というスタイルが変えられ、各社員の出勤・帰宅にかかる時間を減らし、生活に余裕を生むことができます。この余裕こそ、各自が自身の働き方や生活を見直すきっかけになると考えました。

業務効率化やDX化は、単に業務のデジタル化をするだけでなく、社員の意識を変えることもセットです。

ーー社員の意識を変えるためにはどうすれば良いと考えていますか。

2つのアプローチがあると思っています。1つは社員の意識を直接的に高めて行動変容につなげる「直接的な意識改革」です。

例えば先進データサイエンス統括部で行っている施策として、社外のアドバイザーによる各社員との1on1があります。社員同士の1on1は、業務報告に近い形式的なものになりがちです。一方社外アドバイザーが客観的な視点で問いかけや助言を行うことで、従来の1on1では気付きにくかったポイントを浮き彫りにし、社員が自分のやりたいことを発見・整理する機会になっています。このように社員の意識を直接的に変え、行動変容を促す取り組みを行っています。

しかし、直接的な意識改革で行動変容が起きる人ばかりではありません。2つ目のアプローチとして「スキルアップによる意識改革」を実施しています。スキルアップしてできることが増えて初めて、具体的にやりたいことが見つかるという人も多いのです。スキルを身に付ける機会を設けることで意識を変え、行動変容を促します。この事例がまさにトヨタにおけるテックキャンプの活用です。

業務効率化の第一歩は「まずリスクが小さい分野でやってみる」「小さな成功事例を生み出す」

ーー竹内さんが「ITによる業務効率化が必要だ」と考え、テックキャンプ受講のような取り組みを開始するに至った背景を教えてください。

業務効率化を強く意識するようになったのは、私がトヨタに入社後、AIに関する業務を担当するようになった頃だと記憶しています。以前からITによる業務効率化が必要になると考えてはいましたが、具体的な方法までは思い描いていませんでした。しかしAIに関する仕事をするようになったことでITの重要性を一層感じ、業務に取り入れるための方法を考えるようになりました。

その後、新しい拠点を作って人員を増やし少しずつ業務効率化を進める中で、段々と私自身のリソースに余裕が生まれるようになり、このリソースを使ってさらに何かできないかと考えたときにふと思いついたのが、業務効率化の方法を他の社員にも教えて育成していくことでした。もちろん当部員だけで社員教育をスケールすることは難しいため、手段の1つとしてテックキャンプの導入を決めました。

ーー竹内さんのようにITによる業務効率化の重要性を感じてはいるものの、社内から賛否両論さまざまな意見が寄せられ、なかなか行動に移せない企業もあると思います。

そうですね。新しい取り組みを始めると社内の1〜2割の人からは理解を得られるのですが、やはり現状維持を望む人の声が大半です。現状維持を望む人たちを納得させるには、小さなものでもいいので成功事例を見せることが効果的だと思います。つまり「まずやってみる」ということが非常に重要です。

「やってみる」といっても、例えばトヨタだと自動車の安全確認といった、人の命に関わる重要な作業段階で新しい取り組みを導入するのはリスクが高く、反対意見が出て当然です。そうではなく仮に失敗しても元に戻せてマイナスにならず、成功すればプラスになる「完全に新しい領域」でチャレンジするのが良いでしょう。リスクを最小限に減らしながら挑戦的な活動ができます。

もちろん新しい取り組みを行うには初期投資が必要ですし、現在の業務と並行して取り組まなければなりません。仕事の仕方や配分を変える必要も出てくるでしょう。それでもやり切る力と想いを持つ人を1人でも多く増やすことが大切です。

ーー業務効率化といえばトヨタ式「カイゼン」が世界で有名です。日本企業はカイゼンが得意なイメージがあります。

はい、日本のメーカーは昔から「カイゼン」が得意ですね。仮に業務改善を10段階で評価した場合、9段階くらいまでできている企業が多いと思います。重要なのは、9段階までカイゼンができている企業が、さらにそれ以上いくためにお金や時間をかけられるか、ということ。しかも、それが自分たちがこれまでやってきたこととは全然違う、ITに関する技術を習得することであればなおさらハードルが高い。

だって、カイゼンに取り組んだ結果かならず利益につながるかというと、分からないわけです。そうなるとお金と時間の投資をしづらい。しかし、この考え方を変えていかなければ日本企業は伸び代を活用できないままだと思います。メーカーに限らず日本全体のDX化も進まないでしょう。
具体的にどうすれば良いかというと、まず企業のマネジメント層が「今までやってこなかった新しい業務改善を試してみる」のが第一。そして小さな成果が得られるまでマネジメント層が継続すると、社員も触発されて社内にチャレンジする風土ができてきます。

さらに多くの社員を巻き込んで継続することで、先ほど例に挙げた10段階評価を「超えた先」に価値が生まれてくるでしょう。

テックキャンプはデジタル化できていないリアルな部分が多いメーカーにすすめたい

ーー今後テックキャンプにどのようなことを期待をしていますか。

テックキャンプを受講した社員たちが業務効率化を維持できているのか経過観察を行い、結果によっては維持のためのフォローをしてもらえると理想的です。

本来ならばトヨタがテックキャンプから自立して、社内のリソースで業務効率化を維持・推進し続けることがミッションになると思います。しかしテックキャンプの目標が「ただ受講者にITスキルを教えること」ではなく「受講者がITスキルを駆使して業務効率化を行い、企業を変革すること」にあるのならば、研修だけで終わらずその後の自立に向けたフォローまで行ってくれることを期待します。

ーー最後に、テックキャンプはどんな企業におすすめでしょうか。

社内で業務効率化やDX化を推進したいと考えている企業なら、業種問わずおすすめです。あえていうならばトヨタのようなメーカーですね。

昨今の製造業界はITの導入によるデジタル化が進んでいますが、いまだにリアルな部分が多く残されています。このリアルな部分をデジタル化・効率化していくという伸び代がメーカーにはあるというのが私の考えです。そのための手段としてプログラミングがあり、プログラミングを社員に指導する研修としてテックキャンプがとても役に立ちます。

(画像右)トヨタ自動車株式会社 先進技術開発カンパニー 先進データサイエンス統括部 部長 竹内 康臣さん
(画像左)株式会社div 取締役 内藤 誠 氏
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