ゆうちょ銀行がテックキャンプの伴走型AI研修を導入、現場主導で業務改善ツールの内製化を実現

 
 

全国に広がるネットワークを通じて貯金・送金・資産運用などの金融サービスを提供する株式会社ゆうちょ銀行

同社の審査部では業務量が多いことから、かねてより業務効率化が課題でした。Microsoft Copilotを使える環境は整っていたものの、活用は文書の要約や調べ物といった初歩的な範囲にとどまっていました。そこで同部は「テックキャンプ AI活用支援サービス」の生成AI×業務改善研修 ベーシックプラン(メンター伴走オプション付き)を導入。金融機関ならではのセキュリティ制約がある中でも、社内で許可されたAIツールだけを使い、現場社員が自ら業務改善ツールを開発。長年の懸案だったデータ整備をやり切り、データ可視化基盤の構築を実現しました。

本インタビューでは、AI活用の推進を担当し、自らも研修を受講した審査部(研修受講時)の担当者様に、導入の背景から研修で得た手応えまでを聞きました。

AIツールを導入したが、活用は「要約」止まりだった

―― 研修を導入する前のAI活用の状況を教えてください。

業務の効率化や働き方の改善にAIを生かしたいという機運は、当社でも高まっており、審査部の担当者も生成AIを使い始めていました。ただ、会社として導入したMicrosoft Copilotで文書を要約したり、資料の難しいところを質問したりといった初歩的な使い方にとどまっていたんです

審査部はもともと業務量が多いことから、上長からも「AIを活用していこう」という方針ではありましたが、AIで何ができるかがわからず、なかなか一歩踏み込めない状況でした

―― 金融機関というと、使えるツールにも制限がありそうです。セキュリティ面はどう整理したのでしょうか。

やはり金融機関なので、そこはかなり厳しいですね。情報セキュリティ部門が指定した、社内で許可されたツールだけで進めるという前提がありました。最初から「その範囲内でどこまでできるか」を考えていましたね。

動画を見るだけで終わらない、自分で手を動かす伴走型研修が決め手に

―― 外部の研修を検討したきっかけを教えてください。

社内で許可されたツールを活用しながら業務効率化を進めるなら、AI研修の導入が一番合っているだろうという話になりました。本格的に動き出すきっかけになったのが、上長と一緒に参加したAIがテーマの展示会でした。そこでテックキャンプの展示を見て「自分たちに合っていそう」という印象を受けたので、詳しくお話を聞くことになりました。

―― 数ある選択肢の中で、テックキャンプの研修が「自分たちに合っていそう」と感じたポイントはどこでしたか。

一番は、受講者が実際に手を動かして、業務効率化ツールを開発する経験を得られる点でした。多くの研修は動画を見るだけだったり、ゴールが曖昧になりがちです。そんな中で、マンツーマンで伴走してもらいながら自分でツールを開発できるという点に魅力を感じたんです。提案の段階から「業務効率化を達成する」ことを目標に掲げてもらえたので、上層部にも説明しやすかったです。学んで終わりではなく、実際に業務時間を削減する効果まで見込める。そこが決め手になりました。

メンターとの1on1があったから、忙しくてもやり切れた

―― ここからは、研修を受講した立場としての感想を率直に教えてください。

一番の感想は、正直なところ「大変だった」ということですね。動画を見て学ぶだけでなく、実際に手を動かして業務効率化ツールを開発するとなると、深く理解しなければいけませんし、相応の時間もかかります。ただ、自分でツールを開発する経験が得られたので、今後も応用が利くと思っています

―― 通常の業務もある中、学習時間はどのように確保したのでしょうか。

時間の確保という面では、メンターにかなり頼っていました。毎週1on1があって「次はここまでやりましょう」と計画を立ててもらえたので、忙しい中でもペースを保って学習をやり切ることができました

―― わからない部分が出てきたら、どうしていましたか。

基本的にはAIに質問し、AIでは解決できなかった場合にメンターに相談していました。たとえばAIと壁打ちしながらExcelのPower Query(パワークエリ)でツールを作っていたとき、自分なりに設計はできたものの、非効率だと感じていた部分がありました。そこでメンターに「もっと効率的にできる方法はないですか」と相談したんです。そしたら自分では思いつかなかった根本的な改善策を教えてもらい、当初より効率的な業務ツールに仕上げることができました

後回しにしていたデータ整備をやり切り、データ可視化基盤の構築を実現

―― 今回、どんな業務を改善したのか教えてください。

取り組んだのは、ExcelでまとめていたデータをPower BIに移行する、というものです。データはあるものの、保存場所や保存形式がバラバラで。これを自動で整理できるツールを開発し、Power BIへの移行までやり切ることができたんです

―― これまで手をつけられていなかったデータ整備を、形にできたのですね。

そうですね。実は、このデータ整備は「いつかやらなければ」とずっと議論していたものだったんです。ただ、手作業だと普段の仕事を完全に止めて何日もかけなければいけません。目の前の業務がある中で着手するのは、現実的ではありませんでした。

それが今回、研修の中でツールを作ることで後回しになっていた根本的なデータ整備をやり切り、Power BIへの移行まで実現できたんです。長年の懸案だったDXの一歩を、現場の手で踏み出せたのは大きな成果だと思います。

―― 具体的に生成AIをどのように活用したのでしょうか?

主にCopilotを壁打ち相手にして、実装方針の整理や、データ整理を自動化するVBAのコード生成に活用しました。工夫した点としては、単に「コードを書いて」とお願いするのではなく、業務マニュアルの文章と一緒に、ファイルの保存場所などの具体的な条件までしっかりAIに読み込ませたことです。

―― 業務改善に対する考え方に変化はありましたか。

いざ業務改善をしようとなったときに「Power BIを使えばいい」「Power Automate(パワーオートメート)を使えばいい」と、選択肢が浮かぶようになりました。しかも、それを生成AIと組み合わせながら実現できる、というイメージが持てるようになり、業務改善そのもののハードルが、グッと下がったと感じています

AIを活用し、目の前の困りごとを現場で解決できるようになる

―― 最後に、AI活用を推進したいと考えている企業の担当者へ、メッセージをお願いします。

正直、業務と並行して取り組むのはすごく大変でした。それでも、確実にやってよかったと自信を持って言えます。業務改善というと、これまでは「そのための時間をとって準備して取り掛かるもの」でしたが、今は日々の業務の中で自然に取り組めるようになりました。目の前の困りごとを、AIを活用して現場で解決できるようになる。テックキャンプの研修は、その一歩を踏み出す助けになるはずです。

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