株式会社帝国電機製作所が実現した、生産性3倍のAI活用と意識改革 テックキャンプの伴走型研修で「自分の業務ツールは自分で作る」組織へ

キャンドモータポンプで世界トップのシェアを誇る株式会社TEIKOKU(旧:株式会社帝国電機製作所)。同社の技術開発本部では2024年4月より生成AIを導入しましたが、1年が経過しても利用率は50%に届かず、本格的な活用には至っていませんでした。

そこで同社は「テックキャンプ AI活用支援サービス」の動画研修プログラムにメンター(講師)による伴走オプションを付加した「生成AI×業務改善研修 ベーシックプラン」を導入。選抜された若手社員がAIによる業務変革に挑み、大幅な工数削減を実現するツール開発と、組織全体の意識変革へと繋げました。

本インタビューでは、プロジェクトを推進した技術部 システム推進課 課長の植田 壮映さんと、実際に研修を受講した技術部 設計一課 防爆係の上田 啓太さんにインタビュー。現場への定着を阻んでいた「現状維持」の壁をいかにして突破したのか、座学ではなく「成果創出」にこだわった研修の価値、そしてその取り組みが社内の意識を変えるきっかけとなった経緯について詳しく聞きました。

 

「AIを使ってみよう」だけでは超えられなかった、利用率50%の壁

――今回の研修を導入するまで、植田さんの部署(技術開発本部)ではAIに関してどのような課題を抱えていたのでしょうか?

植田さん:導入から1年が経過しても、利用率が半数に届いていなかったことです。2024年春の導入以降、技術部を中心に勉強会や事例共有などの地道な活動は続けてきたのですが、期待したほど数字が伸びていない状況でした。

――なかなか現場への浸透が進まなかったのですね。

植田さん:そうなんです。使っている人は使っているけれど、使わない人は全く触りもしない。社内にはどうしても「現状維持」を好む文化があって。もちろん製品の安全や品質を守るためには手順を遵守することが重要であり、メーカーとしての強みでもあります。ただ、新しいツールを導入して変革を進める場面では、その慎重さがハードルとなり、ツールを入れただけでは現場の行動変容までは起きなかったんです。

――ただツールを渡すだけでは、現場は変わらないと。

植田さん:ええ。ちょうどその頃、会社として「2035年までに売上高を倍増させる」という新ビジョンが発表され「挑戦しよう」という方針が明確に示されたタイミングでもありました。売上を倍にするとなると、これまでの業務の延長線上で進めていては到底達成できません。

そこでAI活用の推進についても、ただ「便利ですよ」と推奨するフェーズを終えて、強制的にでも「成功体験」を作りにいく必要があると判断しました。そこで、特にデジタルネイティブである若手社員にフォーカスし、彼らを起点にボトムアップで活用を広げていく方針に切り替えたのです。

座学で終わらせず「成果物」まで導く伴走サポートが決め手に

―― 数ある研修サービスの中から「テックキャンプ」を選んだ決め手は何だったのでしょうか?

植田さん:最も重視したのは「確実に成果が出る」という点です。他社の研修とも比較しましたが、知識を学ぶだけの座学形式が多い印象でした。

一方でテックキャンプの研修は、学習だけでなく、実際に業務で使える自動化ツールを作成・実装するまでをメンターがサポートしてくれる「伴走オプション」がありました。

――「学ぶ」だけでなく「作る」ところまでサポートする点が響いたのですね。

植田さん:まさにそうです。私たちは、受講者が「自分の手で業務を自動化できた」という成功体験を得ることを求めていました。そのためには、途中で挫折させず、最後まで伴走してくれる体制が不可欠だと思ったんです。

また、提案段階で営業担当の方が、当社の課題や方針を深く理解した上でスピーディかつ的確な提案をしてくれたこともあり「この会社になら任せられる」と安心してスタートを切ることができました。

メンターの助言で「AIへの指示の出し方」が変化 検索ツールとしての利用から業務改善のパートナーへ

株式会社帝国電機製作所_導入事例_テックキャンプ AI活用支援サービス

▲プロジェクトを推進した植田さん(左)と実際に研修を受講した上田さん(右)

――ここからは実際に研修を受講した上田さんに伺います。受講前、生成AIをどのように使っていましたか?

上田さん:正直に言うと、ただの「検索ツール」の延長線上で使っている状態でした。調べ物を効率化するためにちょっと使う程度で、社内の勉強会で聞いた以上の使い方はできていませんでした。

ただ、自分の業務負荷が今後高まっていくことが見えていたので「今のうちに何とかして効率化したい、現状を変えたい」という思いで、今回の選抜メンバーに手を挙げました。

――実際に研修を受けてみて、特に印象に残っている変化や気づきがあれば教えてください。

上田さん:メンターの方とのやり取りを通じて「AIへの指示の出し方」が劇的に変わったことですね。

実は研修でやりたいことを実現しようとする中で、AIに質問しても思ったような回答が得られず、やり取りがどうしても長くなってしまっていたんです。どう聞けば正解が返ってくるのか分からなくて。

――意図を伝えられずラリーが続いてしまうこと、よくありますよね。

上田さん:そうなんです。でも、メンターに相談すると「こういう風に条件を分けて聞くといいですよ」「背景情報をこう伝えてみてください」と、具体的なプロンプトの設計方法を教えてもらえました。

それからは、AIが自分の意図を理解してくれるようになり、短いやり取りで答えにたどり着けるようになって、業務改善ツールの作成を進められるようになりました。

――それは大きな変化ですね。とはいえ未経験からのツール開発に不安はありませんでしたか?

上田さん:もちろんありました。VBA(*1)もPython(*2)も触ったことがありませんでしたから。でも、動画教材で基礎を学びつつ、分からないところは生成AIに解説してもらい、それでも詰まったらメンターに聞く。このサイクルができていたので、挫折することなく進められました。

「自分にはツールなんて作れない」と思っていましたが、やりたいことさえ言語化できれば、あとはAIが形にしてくれる。その手応えを掴めたことが一番大きかったですね。

*1 VBA(Visual Basic for Applications):ExcelなどのMicrosoft Office製品上で動作するプログラミング言語。定型業務の自動化(マクロ)などに使われる。

*2 Python:AI開発やデータ分析に強いプログラミング言語。汎用性が高く、業務効率化ツールの開発にも適している。

作業時間を3分の1に短縮「自分たちの業務は変えられる」という確信

――研修を通して、業務に対する向き合い方にも変化はありましたか?

上田さん:はい。特に「業務の棚卸し」の視点を持てたことは大きかったです。研修動画の中でこのパートが一番印象に残っていて、何度も見返しました。これまでは「目の前の作業をどうやって速く終わらせるか」ばかり考えていましたが「そもそもこの業務は必要なのか?」「業務の目的や価値そのものを問い直す」という視点は持っていなかったので、とても新鮮でした。

―― 効率化の前に、業務の必要性そのものを問うようになったのですね。

上田さん:そうです。そうした視点で業務を見直し、本当に改善すべきだと判断して開発したのが「申請書作成の自動化ツール」です。 これまでは過去の類似案件を探し出し、手作業で内容を書き換えていたため、1件あたり60分ほどかかっていました。また、人によって文章の書き方がバラバラで、修正の手間も発生していました。

――それを自動化したのですね。どのような成果が得られましたか?

上田さん:今回開発したツールは、条件を入力してボタンを押すだけで、最適なフォーマットで書類が出力されます。これにより作業時間を20分まで短縮でき、一件あたり40分の工数削減を実現しました。

――工数を大幅に削減しつつ、書き手のバラつきもなくしたわけですね。

上田さん:はい。ただ、そうした目に見える成果以上に大きかったのが、マインドの変化です。「自分たちの業務は変えられない」という思い込みがなくなり「ここも改善できるんじゃないか?」という視点を持てるようになったこと。これが今回得た最大の成果だと感じています。

――個人の成果だけでなく、組織全体への波及効果はどうでしたか?

植田さん:これが予想以上の反響でした。研修の最後に成果発表会を実施したのですが、100名以上の社員が見学に集まったんです。 上田さんのように現場の社員が、実際にAIを使って業務を改善した事例を見て「自分もやってみたい」「自分にもできるかもしれない」と、AI活用の可能性を感じてもらえたようです。

これまで「AIを使おう」と言ってもなかなか関心を持ってもらえなかった層も、少しずつ興味を持ち始めています。 テックキャンプの研修は、単なるスキル習得だけでなく、こうした組織全体の関心を高める良いきっかけになりました。私たちの課題に寄り添い、現場目線で伴走してくれたおかげです。

「どう活用していいか分からない」企業こそ、まずは小さな成功体験を

――最後に、今後の展望と、同じような課題を持つ企業へのメッセージをお願いします。

植田さん:私たちメーカーにとって、製品の安全性を守るための「現状維持」は大切ですが、企業のさらなる成長には変革も不可欠です。

今後は今回の成功を足がかりにアナログ業務のデジタル化を進め、将来的にはAIエージェントを活用できる環境を整えていきたいですね。「自分の業務ツールは自分で作る」文化を根付かせたいと思います。

AI活用に悩んでいる企業ほど、まずは小さくても具体的な「成功事例」を作ることをおすすめします。「社内の誰かが業務を自動化した」という事実こそが、組織を変える一番の力になりますから。その第一歩として、テックキャンプのような実践的な研修は有効な選択肢になるはずです。

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