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東証一部上場企業社長が“イナズマ”でプログラミングを学んだ理由

更新: 2021.04.15

テックキャンプ イナズマコースは、2020年3月2日に「テックキャンプ イナズマスタイル」に名称が変わりました。

テックキャンプを運営する株式会社div 代表取締役 真子就有(まこ・ゆきなり)が、テクノロジー時代のキーパーソンに話を聞く連載、TECH::LEADERS(テックリーダーズ)。

今回の対談ゲストは、北海道を中心としたドラッグストアチェーン「サツドラ」等を運営するサツドラホールディングス株式会社(東証一部) 代表取締役社長 富山浩樹(とみやま・ひろき)氏です。

Googleの自動運転車、Amazonの自動レジスーパーなどテクノロジーがあらゆる産業を変革するなかで、これからの企業は「テクノロジーを主体とした企業」に変化しなければ生き残ることはできません。

デジタル技術を活用し、非テクノロジー企業がビジネスモデルやビジネスプロセスを変革していくことは「デジタルトランスフォーメーション」と呼ばれます。

サツドラホールディングスは2017年6月にIT関連企業2社を連結子会社化、2018年5月には「最高デジタル責任者」を設置するなど、デジタルトランスフォーメーションへの動きを加速させています。

その一環として、サツドラホールディングス 代表取締役社長 富山氏は2018年5月に、Webサービス制作の技術力基礎を1週間で身につける「テックキャンプ イナズマ」を受講。

※テックキャンプ イナズマスタイルは、GWや年末年始などの長期休暇で随時開催しています。最新情報は公式サイトをご確認ください。

デジタルトランスフォーメーションをすすめるにはどうしたらいいのか。

なぜ自らプログラミングを学んだのか。

イナズマコースの最終日に株式会社div 代表取締役の真子からインタビューさせていただきました。

▼ 過去の「TECH::LEADERS」連載記事はこちら

「デジタルトランスフォーメーション」は、経営の最も大きなテーマの一つ

真子:今回、一部上場企業の社長が自らテックキャンプ を受講。1週間に渡って、テックキャンプ イナズマでプログラミングを学習されたのはとても驚きました。

今日は受講最終日ということでお疲れだと思いますが、ぜひプログラミングを学ぼうと思った背景について教えてください。

富山 浩樹(とみやま ひろき) / サツドラホールディングス株式会社 代表取締役社長

1976年札幌生まれ。札幌の大学を卒業後、日用品卸商社に入社。福島や東京での勤務を経て2007年株式会社サッポロドラッグストアーに入社。2015年5月に社長就任。2016年春からは新「サツドラ」ブランドの推進をスタートし、インバウンドにも力を入れる。また2016年8月にはサツドラホールディングス株式会社を設立し代表取締役社長に就任。

富山:弊社の経営ではデジタルトランスフォーメーションがいま、最も大きなテーマの一つになっています。テクノロジーの会社もグループに入ってきて、これから先もどうやったらデジタルトランスフォーメーションできるのかということを考えていました。

そこで共通言語や価値観を理解しないといけないなと思ったところがプログラミングを学ぼうと思った出発点です。

真子:御社のリリースなどを拝見すると、デジタルフォーメーションにすごく注力されていることが伝わってきます。思い切って力を入れようと考えたきっかけがあったのでしょうか。

富山:はい。

4年前に別事業として、共通ポイントカードのサービスをスタートさせたことがありました。そのサービスをすすめるにあたってPOS(販売情報管理)のシステムとの連携が非常にネックになったんです。

ハードウェアメーカーが提供するPOSシステムに対して、我々はビジネス起点で「こういうことをやりたい」といったときに、 時間とコストが膨大に掛かってしまい「このままでは出来ない」という結論でした。

真子:それは社長としては想定外のことだったんでしょうか。

富山:憤慨ですね(笑)。予想外でした。

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ハードメーカー主導のPOSシステムを、いち早く自社開発に切り替え

富山:POSは、もしかしたら小売以外の業界ではあまり馴染みがないかもしれません。

ですが小売にとっては、売買のデータが全て記録される企業の基幹となるものです。従来こういったものは、ハードメーカーさんが作っていらっしゃって、すごく堅くつくられます。考え方がハードウェアベースなんですね。

当時、言葉は分からなかったですけど、いわゆる「アジャイル」ではなく「ウォーターフォール」で要件をがっちり決めて、要件は5年先まで見越して考えてという感じでした。

見積もると、開発1年、開発費数千万円かかりますという話になって、時間やコスト感が合わないのは当然ながら、こちらの要件も柔軟に変えながらやりたいという思いも叶わないと。

真子:システムがネックで共通ポイントカードのプロジェクトが滞ってしまったと。

富山:そのときに、現在のCTOが中心となり、外部の一緒に手を動かせる開発会社とも連携して柔軟性の高いクラウド型のPOSを自社開発したんです。

5年前に我々ぐらいのチェーンストアでクラウド型のPOSを試行していたところはありませんでした。

真子:規模の大きな小売企業でPOSの内製開発に取り組むのは、あまり聞いたことがありません。かなり先進的な取り組みですよね。

富山:検討しているときにCTOからも「いろいろと試行錯誤になりますけどいいですか?」と聞かれて「いいよ。やろうと」と。結果的には、成功して今のPOSシステムの礎になっています。

真子:柔軟なクラウドのPOSを自社開発したことで、どんな良いことがあったのでしょうか。

富山:オムニチャンネルの文脈でいうと、これからはアプリ、SNS、EC、POSなどお客様とシームレスにつながっていく必要があります。POSはそのときに基盤になるものです。柔軟に接続できるPOSシステムをもっているかいないかでまったく違います。

例えば「アプリ側から、どう小売と連携していくか」というのは、昨今すごく大きなテーマです。ですが、やはりどこの話を聞いていてもボトルネックになっているのはPOSです。

POSがアプリやSNS、ECとつながらないので、多くの企業がやりたいことを出来ていません。

そもそも旧来のPOSは、いろんなものとシームレスに繋がってくという思想がないんですよね。そのため例えば、アプリのポイントとPOSを連携したいというときも膨大な開発コストと時間がかかってしまいます。’

また、それらの施策をオペレーションでカバーするのも困難です。POSシステムを扱う現場の従業員は、ボタンの配置が少し変わってしまうだけで混乱してしまいます。

アップデートは1週間ごと。現場のパートの声をシステムに即時反映

真子:自社開発のクラウドのPOSに移し替えてからは現場との連携も取りやすくなったのでしょうか。

富山:リリース時は、かなり細かくシステムをアップデートしていました。1週間ごとに更新するというような、ハイペースでの開発を続けていましたね。

例えばシステム上でポップアップを出すときに、現場のパートさんが使いにくい場合はすぐに修正。従来のシステムでは、同じ作業でも数ヶ月の時間がかかったりしていたはずです。

真子 就有 (まこゆきなり) / 株式会社div 代表取締役
1989年福岡生まれ。学生時代からエンジニアとして複数のITベンチャーに勤務。在学中に起業。複数のサービスリリースを経験。「非効率なプログラミング学習を無くしたい」という想いのもとテックキャンプ を設立。テックキャンプ では開始からこれまでに10000人以上の卒業生を輩出、大手企業への研修導入も進む。現在は未経験からプロのエンジニアを最短三ヶ月で育成するテックキャンプ エンジニア転職にも力を入れている。

真子:1週間か、数ヶ月かでは企業の競争力がまったく変わってきますよね。

今はIT起業家がどこかの業界に対してSaaSのようなシステムを開発することは多いですが、自社で小売をやりながらもそこに最適化したシステムをつくるというのは、PDCAのサイクルが外部から観察しながらつくるより圧倒的に早そうだと感じました。業界の実態を理解した上でのシステムをつくれると強いですよね。

富山:これからは現場側、システム側の両面からサービスをつくっていけるか?というところが競争力の源泉になっていくと感じます。

真子:そういったことをやっている会社って、少ないのではないでしょうか。

富山:特に小売はそうです。情報システム部という形で管理するチームが存在しているだけで、自社にエンジニアを抱えて内製化しているところはほとんどありません。情報システム部もSIerになげてつくってもらうケースがほとんどです。

そこでシステムをつくる人たちが考えていることは、とにかくミスなく安定して動かすことで、それが優先事項で進んでいきます。

当然、ミスなく動くのは大前提なんですけど、経営者の柔軟に変更できるシステムにしたいという想いとは逆の、変化を受け入れない守りの方向を向いてしまいます。

真子:情報システム部のマネージャーやメンバーも堅いシステムをつくるという価値観を持っているので、難しいかもしれませんね。

非テクノロジーの会社がデジタルトランスフォーメーションを果たすには「文化づくり」が重要

真子:サツドラの場合は、どうやってその困難を乗り越えていったんでしょうか。最初に自社でPOSをつくると言ったとき、社内はどんな反響でしたか。

富山:最初の頃の社内は懐疑的でした。なので、最初は既存の情報システム部とは全く違うところで開発を始めました。

情報システム部だとどうしても、外部のSIerとの接し方が発注者と受注者という上下関係になってしまって、一緒に新しいものをつくりましょうというベクトルになりません。

この時も完全内製化のチームではありませんでしたが、今のCTOがパートナーの会社と協力して一緒に新しい価値をつくるというスタンスで開発していきました。

非テクノロジーの会社がデジタルトランスフォーメーションをしようとしたときに、仕組み以上に文化づくりが重要だと感じます。

真子:文化をつくるまでに工夫されたことはあったんでしょうか。

富山クラウドのPOSシステム開発が社長特命のプロジェクトだといっても、実際にそのシステムを使う現場からのプレッシャーはあります。

実際、途中システムが止まってしまってこともあったんですけど、「これは将来の投資のために挑戦で、最終的には現場が楽になるからわかってほしい」ということでトップからメッセージを発しつづけていました。

基本的に、最前線の現場は何かを変えようとすることには抵抗があるので、意識してやる意義を伝えていましたね。

これまで現場は、声をあげることを諦めるということが起こりがちでした。何か「使いにくいところ」があっても、情報システム部に伝えても変わらないというケースがあったためです。

しかし、クラウドのPOSが導入されてからは、不具合は起きるかもしれないけど、希望を伝えたら次の週にはリリースされていることもありました。

そうすると、現場から「もっとこんなことは出来ないのか?」とキャッチボールがすごく増えたんです。

真子:内製化で改善スピードが上がったことで現場の価値観が変わったんですね。

富山:POSシステムを開発した後に、元々あった情報システム部と、現場の改善を行う業務改革チームを一緒にして同じチームにしました。

業務改革チームは、マニュアルづくりなどを行っていてエンジニアはいなかったのですが、本来であればエンジニアも入って課題解決すべきだと考えました。

真子:オペレーションで解決するのか、システムで解決するのか、両方の視点で考えられる組織にしたんですね。システムをスピード感をもって改善できるようになったからこそ出来るようになったように思えます。

富山:クラウドPOS開発に挑戦したことは会社にとっても大きな経験値になりました。

自社開発したクラウドのPOSシステムがうまくいったので、昨年、グリットワークスという合弁会社を設立して、クラウドPOSの仕組みをBtoBも含めた事業としてスタートしました。

真子:自分たちのためにつくったPOSシステムを、今度は、他の小売業者に対して提供されているんですね。 小売業を超えてテクノロジーの会社に変化していっている と感じます。

テクノロジー側の人間ではない「社長」が、ハードなプログラミング学習を決心した理由

真子:社長自らテックキャンプ イナズマというハードなプログラムで、プログラミングを学ぼうと決意された理由をもう少し詳しく教えてください。

富山:弊社では今、テクノロジー側の人材も採用を強化しています。ですが「こういうことをしたい」と言ったときに、テクノロジー側の人間がどんな気持ちでどんな作業をするのか分からないと同じベクトルを向けません。

だからこそ、イナズマを受講しました。会社の「テクノロジー側じゃない人間」がプログラミングを体験したとき、実際にどうなのかを知りたいという観点がありましたね。

もちろん、私自身が体験したかったというのも大きな理由の1つです。

真子:1週間1日10時間学ぶイナズマは相当ハードだったと思います。いかがでしたか。

富山:時間の感じ方が全然ちがうなって思いました。集中すると、あっという間に夜になってるんですよね。エンジニアにとっては没頭できる環境が大事だなと身をもって分かりました。一度、集中が途切れると手戻りがすごく大きい。

真子:そうですね。エンジニアは集中しているときに、話しかけられたり、会議が入ったりするのを嫌いますね(笑)。

イナズマの受講を通じて「保守しやすいきれいなコードを保つ」ことの重要性がわかった

真子テックキャンプ イナズマの勉強をした中で、印象に残っていることはありますか?

富山:最初のほうが難しかったですね。最初は、新しい知識を入れていくので、とにかく言われたことを何度もやってく感じです。ただ、やっていくうちに覚えて点の知識が線になってつながっていきました。英語でいうと単語だけ覚えていたのが文章になっていくみたいな。

真子:最初の方はほとんど写経する感覚ですけど、段々知識がつながっていきますよね。

富山:よくエンジニアの人が「このコードはきれいだ」と言いますよね。それってどういうことなのかなって思ってたんですけど、意味が分かりました。がんばって何行も書いたコードが後になって「全部消して、一行で書けますよ」と教えてもらって。「え、そうなの!?」って(笑)

これがきれいにコードを書くということなのかと。

真子:そうですね。そういう細かい積み重ねで保守しやすいきれいなコードが保てます。逆にそれをやらないと、開発コストがどんどん上がっていって誰も触れない読みにくいコードになってしまいます。

実際に受けてみてテックキャンプ イナズマの環境はいかがでしたか。

富山:すごく良いと思いましたね。静かですが「静かすぎない」ので、しっかり集中できる環境です。最初は「きっと授業で行うようなプレゼンがあるのだろう」と予想していました。ですが、始まったら「はいどうぞ!」という感じだったので驚きました(笑)。ですが、良かったです。自分の速度でカリキュラムを進めて、わかんないときにはメンターに聞いて。

また他の人の進捗も、良い意味で気になりますよね。7日のうちにこなすべき量は決まっていますし、受講は何人かのグループでやっているので。直接、他の人に(進捗を)聞くことはしないですが。

これを自宅でやれと言われたら続きません。このやりきれる環境がいいと思いました。

経営者がプログラミングを学ぶべき理由

真子:ありがとうございます。最後にテックキャンプ イナズマを検討している人、特に経営者にメッセージをお願いします。

富山:プログラミングに限ったことではないですが「自らやってみる」というのは重要だと思います。

以前、経営にデザインを活かしていこうという考えのもと、自分でもデザインを勉強したことがあって。そうしてデザインのプロの話を聞くうちに、デザイナーとの会話の内容が変わったんです。

自分でデザインするわけではないのですが、デザインと経営と結びつけて話せるようになりました。

ITやプログラミングもそれに似てるなと思います。システムの全てを内製しなかったとしても、正しい外注の仕方があると思うんです。そして、その「感覚」は自分でプログラミングを学ぶと分かるようになるなと。

真子:そうですね。学んだからすぐ使えるという話しではなくて、体験を通じて学ぶことが日々の意思決定に活きてくるんですよね。

富山:そう思います。これから会社に帰って、社内のエンジニアと技術やこれからのサービスの話しをするのが楽しみです。 これまでと違う発想ができたり、これからインプットする質が変わってくるのかなと思います。

▼社長になる方法について、以下の記事で解説しています。プログラミングのスキルがあれば、経営者として有利であることがよくわかるでしょう。

イナズマは「開発を丸投げしない経営者」への第一歩

真子:エンジニアの気持ちも、サービスで使われている技術についても、体験を通して理解しているので世界の見え方が変わってきますよね。

富山これからはテクノロジーを使わない会社なんてありえないので、目をそらして丸投げではなくて「正しく任せられるための第一歩」にイナズマはなるんじゃないでしょうか。

真子:ありがとうございます。自分としては偉そうにはいえませんが、富山さんのように、エンジニアを理解して、開発を外部に丸投げしない経営者が増えたらいいなと思っています。

富山:よく言われることですがアメリカだとエンジニアの7割が事業会社に所属していて、3割が受託開発の会社なんですよね。

逆に日本では事業会社にエンジニアが居らず、7割はSIerのような受託開発の会社にいるんです。それが、イノベーションが生まれにくくなってる理由の一つだと思います。

真子:本当にそう思います。外注して、丸投げでサービスをつくらせるって言うのは本当に終わった価値観ですよね。お客さんの方を向いて技術でどんな価値をだせるかを考えられる組織が求められていると思います。サツドラさんの取り組みがきっかけとなって、デジタルトランスフォーメーションをする会社が増えていくといいなと思いました。

富山さん、本日はありがとうございました。

 

富山さんが受けたテックキャンプ イナズマコース詳細はこちら。経営者・起業家に人気のコースです。プログラミングの基礎もつき人脈も増えたと大変好評です。

▼ 過去の「TECH::LEADERS」連載記事はこちら

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テックキャンプ イナズマコースは、2020年3月2日に「テックキャンプ イナズマスタイル」に名称が変わりました。

この記事を書いた人

真子 就有(まこ ゆきなり)
テックキャンプを運営する株式会社divのCEOです。

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