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「マッキンゼーの支社長にもプログラミングをやるべきと言われた」 10兆円のリスクマネジメントを経験したFinTech起業家が非エンジニアから5週間で生み出したサービス

更新: 2020.06.08

金融とIT技術の融合させることでイノベーションを起こすFinTech業界。今、最も注目を浴びている業界の1つです。今回は、プログラミングを始めてわずか5週間でサービスを生み出した、FinTech起業家の柴山和久さんにご自身のビジョンとサービスについてお話を伺いました。

(追記)2015年10月26日に約6億円の資金調達を発表しました。

プロフィール    柴山和久さん

2000年に東大法学部を卒業後、財務省に9年間勤務。
ハーバード大学にて金融取引法を学んだ後、日英の財務省で予算、税制、国際交渉に参画。INSEADで金融工学を学んだ後、2010年にマッキンゼーに入社。ウォール街の機関投資家にて10兆円規模のリスク管理・資産運用プロジェクトに携わる。2015年3月に退社し、テックキャンプ第6期に入学。卒業直後に、WealthNavi(ウェルスナビ)株式会社を設立。ニューヨーク州弁護士登録。

700兆円が預金として眠る日本。ギャンブルではなく、リスク管理中心とした資産運用を広めたい。

私が日本で起業をした背景には、日本の個人投資家にリスク管理を中心とした資産運用を届けたいという想いがあります。日英の財務省、マッキンゼーと職を変えながらも、15年間一貫してファイナンスとリスク管理に携わってきた経験があるからです。

現在、世界の標準的な資産運用は、リスク管理を基礎にしています。分散投資を通じてリスクに対するリターンを最適化する手法は、ノーベル賞を1990年に受賞した理論がベースとなっています。その後、1990年代にゴールドマンサックスが機関投資家向けに実用化を大きく前進させました。さらに、富裕層向けにプライベートバンクが同じような資産運用を普及させています。

このような、リスク管理を中心とする資産運用では、まずは基本形となるポートフォリオ(資産配分)をまず構築します。その上で、資産運用マネージャーの判断により、個別の国・地域、セクター、銘柄に多少の重みづけをします。一般的には、最初のポートフォリオの構築の部分で全体の8-9割の運用成績が決まると言われています。

つまりポートフォリオがメインディッシュで、個別銘柄はスパイスのようなものです。

ところが、日本では、個人投資家がリスク性の高い金融商品を購入していたり、個別銘柄を中心に投資をしていたり、FX中心の資産運用を行っています。メインディッシュとスパイスが見事に逆転した結果、適切なリスク管理が行われていません。

現在の金融業界の生産性では、ハイ・リスクの商品を売らないと、銀行や証券会社の採算がとれないのです。また、グルーブ内の投資銀行(法人部門)や資産運用会社が組成する商品を個人投資家向けに販売しなければならず、完全に中立な立場からのアドバイスができない構造になっています。

このような背景もあってか、大多数の日本人は、現在の日本で一般的な投資スタイルはギャンブル性の高いものだと直感的に理解しています。親戚の誰かが損をしたというような話を耳にするので、漠然とした不安から金融商品を買おうとはしないのです。

同時に、若い世代を中心に、手持ちの預金と将来の年金だけでは老後の生活が成り立たない、という切迫した不安感があるのも事実です。

私自身、友達からそのような悩みを相談されることがよくあります。

アメリカのように金融機関から独立したFP(フィナンシャル・プランナー)が少ない日本では、リスク管理を中心とした資産運用は一般的ではありません。その結果、個人金融資産1400兆円のうち半分が預金として眠っており、さらに、長期運用をしなければ意味のない投資信託の平均保有期間がわずか2年という、先進国としては例外的な状況に日本は陥っています。

キャンブルではない、リスク管理をベースとする金融サービスを提供することで、機関投資家や富裕層でなくても、安心して資産運用 できる機会を作りたい。その想いから私は日本で起業をすることを決めました。

「コードが書けることは絶対的な必要条件」というマッキンゼー支社長の後押し。

マッキンゼーを辞める時、起業するためにプログラミングを学ぶことを周りに話しました。すると、ほとんどの反応は、「それは君の強みではないだろう?」「エンジニアを雇えばいいじゃないか」「正気か?」というものでした。今でも、私が実際にテックキャンプでプログラミングを学んだことを話すと、「本当ですか」と驚かれます。

それほど、コンサルティングや金融とエンジニアの世界はかけ離れているのです。

そんな中、賛成してくれた人が3人いました。その中の1人がマッキンゼーの日本支社長であるジョルジュ・デヴォー氏でした。彼は「金融をITで起業するなら、自分でコードが書けることは絶対的な必要条件。ボストンに留学している娘にも、プログラミングを勉強するように言っているよ。」と背中を押してくれました。

そもそも、プログラミングを学ぼうと思った理由は3つあります。

1つ目は、事業を成功させるために、クライアントや顧客からのフィードバックを即座に反映し、サービスを改善し続けたいと思ったからです。今回まさに、自分でWealthNavi(ウェルスナビ)のプロトタイプを作成し、テストユーザーの反応をみながら修正し続けています。

こうした取り組みを通じて、自分のビジョンへの道筋も明確に見えるようになってきました。それまで、自分の考える将来の社会のあり方や実現したいビジョンはあったけれど、そこまでの道のりには雲がかかったように抽象的でした。プログラミングを学ぶことで、その雲がさーっと晴れてきて、自分のプロダクトを形にする道筋が見えてきたことがとても心強いです。

2つ目は、CEOが理念やビジネスモデルだけでなく実際に手を動かしてプロダクトを作ることが、チームを作る上で重要だと感じたからです。当時の私は、ITに詳しいパートナーを探すためにエンジニアの方とお会いしても、全く具体的に話を進めることができませんでした。

そんな中、尊敬するCTOの川崎さんから、Wantedlyの仲さんが実際にコードを書いてプロトタイプを作っていたことをきっかけにチームができたと伺い、自分もそうありたいと思うようになりました。

3つ目は、エンジニアコミュニティの一員に入ることです。私は今こそジーンズとパーカーを着ていますが、テックキャンプに入る前はいつもスーツを着て、エンジニアを探していました。

そんな中、あるエンジニアの方に「いかにもマッキンゼーみたいな格好をするのはやめた方がいいですよ。スーツはジーンズの敵ですから。」と注意されたことがあり、その足でジーンズを買いに行きました(笑)。わからないことを互いに教えあったりする中で、エンジニアの集合知や熱い想いにアクセスできるようになったことが嬉しいですね。

マッキンゼー時代は、常にスーツだった柴山さん。

リスクを「見える化」し、資産運用をもっと身近に。

全くのプログラミング未経験者だった私ですが、テックキャンプに参加して5週間でプロトタイプを完成させることができました。私の作ったWealthNavi(ウェルスナビ)は、資産に関するいくつかの質問に回答していくと、理想的な運用ポートフォリオとそのリスク・リターンが直感的に分かるような形で表示されるというサービスです。

将来的には、ポートフォリオを構成するETF(上場投資信託)を購入したり、定期的な積み立てをしたり、ポートフォリオのリバランスができるようにしていきます。

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WealthNavi(ウェルスナビ)トップページ

これまで、このようなサービスは資産が数兆円ある機関投資家や3-5億円以上持つ富裕層しか使うことができませんでした。さきほど述べたように、富裕層以外に提供しても、従来の金融サービスのあり方だと、絶対に採算が取れないからです。

しかし、ウェブを通じてコストを徹底的に削減すれば話は別です。実際に、シリコンバレーでは同様のサービスが急成長していますし、日本の個人投資家にとっての意義は大きいと思っています。

WealthNavi(ウェルスナビ)は将来的には金融インフラの一部になっていくと思います。運用ポートフォリオを算出する数式はノーベル賞を受賞しているほど古いもので、人類共有の叡智です。

WealthNavi(ウェルスナビ)でこだわりたい事は、個人投資家が「自分がどれだけのリスクを取れるのか・取るべきなのかを理解した上で、納得をして投資ができる」ことです。日本の今後の個人投資家にとって最も大事なことである「自分のリスクを自分で管理し、世界水準の資産運用が簡単にできる」社会を実現するために、私はこれから挑戦していきます。

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この記事を書いた人

真子 就有(まこ ゆきなり)
テックキャンプを運営する株式会社divのCEOです。

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