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ホログラムはARではない?違いをわかりやすく解説

更新: 2020.04.07

ARとホログラムの違いについて、ご存知でしょうか?

ARアプリの一部には、初音ミクに代表される3DCGのキャラクターや人物が現実世界に重畳的に表示されるものが存在します。

現実世界に3DCGのキャラクターが現れる様子を見ると、一見AR技術とホログラムには違いが無いようにも思えるのではないでしょうか。今回はAR技術とホログラムの定義と、両者の違いを解説します。

この記事を読めば、AR技術とホログラムの違いと、ホログラフィーのARへの活用事例について理解が深まることでしょう。

出典:pixabay

AR(拡張現実)とは?


出典:拡張現実の世界

ARとは、Augmented Realityの略で、「拡張現実」を意味する言葉です。

ARの特徴は、「拡張」という言葉に端的に示されているとおり、実世界にCGや文字情報を加えることで「現実の世界を広げる」ことにあります。
つまり現実の世界に、別の情報を付け加える技術がARであると言えます。

AR技術で付加される情報は、文字情報やグラフィック、位置情報に紐付けられた近隣店舗の情報まで色々あります。

様々な情報の中には、SF映画に登場するようなホログラムに近い性質のものも存在します。

ホログラムとは?


出典:ギズモード・ジャパン

SF映画によく登場する「ホログラム」は、映像を立体的に空中に浮かべることが可能な「映像の表示手法の一つ」というニュアンスが強いものです。

しかし、本来のホログラフィック技術は映像の表示手法である以上に、立体的に映像を記録する技術を指すものです。

ホログラムの「Holo」とは、ギリシャ語で「すべて」を意味します。
ホログラム、或いはホログラフィーという呼称は写真=フォトグラフィーから転じて生まれたものです。

写真=フォトグラフィーが平面の映像、画像を記録するのに対し、ホログラフィーは立体を記録します。

テレビ・映画・YouTubeなどで一般的に視聴することが出来る、通常の映像は技術的には「光の振幅と波長の情報を記録したもの」と位置づけられます。
振幅は光の強さ、波長は色に非常に密接に関連しています。

それに対し、ホログラムでは、光の振幅と波長に加え「位相」を記録します。
位相とは、どの方向から光が来たのかを示す情報です。

この光の位相を記録するために、ホログラムでは参照光という光源を使います。

記録の対象となる物体や人を記録するための光と、参照光が重ね合わされると干渉縞という縞模様ができます。
この干渉縞に物体を記録したときと同じ参照光を当てることで、完全に近い形で像が再生されます。
ホログラムは立体的に映像が記録されているため、見る人が動いたり回り込んだりしてもその角度から見た映像が再生されます。

誤解された「ホログラム」

ホログラムと通常の写真・映像の大きな違いは「位相の情報の有無」と「記録時と同じ参照光を当てることで像が完全に近い形で再生されること」にあります。

もっとも「ホログラム」という言葉は、語義通りではなく「空中に浮かぶ立体映像」や「ヘッドマウントディスプレイ無しで、複数人で同時に映像を見ることが出来るもの」といった意味合いで用いられることが多いのが実情です。

VRやARの最前線の現場でも、「疑似ホログラム」的な手法を「ホログラム」としばしば便宜的に呼んでいます。

「空中に浮かぶ立体映像」は近年のAR・VR・3DCG・プロジェクションマッピング技術の発展などを背景に、一般的に目にすることができるものになりつつあります。
典型的な例が、初音ミクのライブDMM VR THEATERの映像表現です。

いずれも位相の情報と参照光を用いることなく、別の手法を使い、擬似的に「ホログラム的」な表現を行っています。

本来的な意味でのホログラムではないものの、擬似的にホログラムチックな表現をした映像を今回の記事では「疑似ホログラム」と呼びます。

本来の意味での「ホログラム」

本来のホログラムは物体からの光の情報を記録したものであり、完全な三次元映像の再生が可能であることが特色です。

ホログラム技術とAR技術は時折混同されますが、両者の間には直接的な繋がりは存在しないと言えます。

AR・ホログラム・擬似ホログラムの違いまとめ


出典:Wired

AR・ホログラム・疑似ホログラムの三つは、それぞれ全く異なるものです。

ARは拡張現実であり、実世界に別の情報を付加する技術です。
それに対してホログラムは光の振幅・波長・位相を記録し、完全に近い形で立体映像を再生可能とする技術、疑似ホログラムは、擬似的にホログラム的な表現を行った映像を指します。

また、ARと疑似ホログラムの違いとしては、現状ではARは複数人で楽しむことがやや難しいことが挙げられます。

ARを楽しむことが出来る代表的な端末には、スマートフォンとMicrosoft HoleLensがあります。
複数人でARを楽しむには前者は画面が小さく、後者はヘッドマウントディスプレイならではの遮蔽性の高さが難点です。

しかしSF映画に登場する「ホログラム」では、視聴に特別な端末を利用することなく、複数人で同時に立体映像を見るケースがあります。

こうした体験を擬似的に再現するために音楽ライブや各種施設でよく用いられるのが「ペッパーズ・ゴースト」「透過スクリーンへの投影」です。(後ほど詳しく説明)

AR・ホログラム・疑似ホログラムはそれぞれ技術発展が進み、一般にも普及しつつあり、ホログラフィーのARへの活用事例も徐々に登場ています。

また、ARとホログラム、ARと擬似ホログラムを組み合わせる活用事例は今後、数多く登場するものと予想されます。

この記事のハッシュタグ

擬似ホログラムをつくる技術


出典:Wired

本来的な意味におけるホログラムは、像の記録と再生にレーザー光を用いるため機材が特殊かつ大掛かりなものとなることが多いのが欠点です。

かつ記録・再生のいずれにおいても、レーザー光には非常に高い精度が求められます。
光が正しくホログラムを記録したメディアに当たらない場合には、記録も再生も正しくできません。

利用可能なシーンが限定的である上、トラブルに極めて弱いというのが現状です。

ホログラムは実用化に向けて着実に研究が進んではいるものの「誰もが気軽に使えるもの」となるにはまだ道が遠いのが現実です。 

しかし、AR・VR・3DCGといった各種技術の発展を背景に「ホログラム的」な映像表現が求められるシーンが増えています。

空中に浮かぶ立体映像に対するニーズは、いままでになく高まっていると言えるでしょう。

そこで改めて、注目されているのが「疑似ホログラム」です。疑似ホログラムを作り出すには、幾つかの手法が存在します。

AR

3DCGなどを用いた一部のARアプリは、「疑似ホログラム」に近い体験を作り出しています。

例えば、「ポケモンGO」はARモードを搭載した位置情報ゲームアプリとして、世界的な人気を博しています。

ARモードをオンにすると、街中や机の上といった実世界を背景にポケモンを捕獲することができるため、ポケモンは本当にその場にいるかのように合成されて表示されます。

UnityによるARゲーム開発 ―作りながら学ぶオーグメンテッドリアリティ入門

ポケモンGOライクなARゲームを作りたい方向けにお勧めの書籍が「UnityによるARゲーム開発 ―作りながら学ぶオーグメンテッドリアリティ入門ガイド」です。UnityはAR・VR開発に積極的に採用されているゲームエンジンです。

ペッパーズ・ゴースト


出典:ヨコハマ経済新聞

疑似ホログラムとして、一般的なのは「ペッパーズ・ゴースト」の応用です。

ペッパーズ・ゴーストはディズニーランドのホーンテッドマンションや、2012年4月のコーチェラ音楽祭で故・2Pacが擬似ホログラムで復活し、ライブを行った際に利用された技術です。

ペッパーズ・ゴーストは元々、手品に用いられる視覚トリックの一種です。
歴史は古く、その起源は19世紀に遡ります。

トリックは、客席から見える舞台のほかに、隠された別室に映したい物体が用意されます。
隠された別室の物体に光が当てられると、板ガラスなどに光が映り込みます。
映り込んだ像は客席から見ると、まるで舞台に実在しているかのように投影されるというものです。

150年近い歴史を持つ古典的な手法ですが、演出や題材との親和性の高さによって今でも絶大な効果を発揮します。

1998年に逝去したX JAPANのギタリスト・HIDEのホログラフィックライブを開催したことで知られるDMM VR THEATERは、厳密にはホログラムではなく、ペッパーズ・ゴーストを応用した映像設備を利用し「疑似ホログラム」による音楽ライブやパフォーマンスを提供しています。

透過スクリーンへの投影


出典:初音ミク公式ブログ

透過スクリーンへの映像の投影も、擬似ホログラム的な効果を作る技術としてとても人気の高い手法です。

透過スクリーンへの投影は、特に初音ミクを始めとするボーカロイドの音楽ライブでキャラクターに実在感を与えることを目的に行われています。

2009年に東京・新木場STUDIO COASTで行われた『ミクフェス’09(夏)』では、ステージ上に透明なディラッドスクリーンを三枚設置し、裏側からプロジェクターで初音ミクの映像を投影することで、「ホログラム的」な映像を用いたパフォーマンスを実現しました。

投影される映像は厳密には3Dでもホログラムでも無いものの、スクリーンが透明であるため「画面」が意識されず、キャラクターが舞台の上にいるという感覚を観る人に与えます。

透過スクリーンを利用するメリットは、その使い勝手の良さにあります。
プロジェクターの種類、透過スクリーンのサイズなどを現場に合わせてカスタマイズすることで、表現に幅が生まれるからです。透過スクリーンの代わりに、霧に映像を投影するといった事例もあります。

また、シンプルな手法であることから、開発が短期間で済むため、比較的多めにコストをコンテンツに割くことが出来る点も魅力です。

一方、デメリットには視野角の狭さが挙げられます。

本来的な意味でのホログラムではないため、全方位どこから見ても同じ映像効果を実現することはできません。

従って会場との相性次第では、一部の席からは投影された映像が見えづらいといった問題が発生する可能性があります。

ホログラフィーをARに応用する


出典:HOLOSCOPE公式サイト

疑似ホログラムではなく、本来の意味におけるホログラム技術も研究が日進月歩で進んでいます。

例えば、イスラエルのRealView Imaging社では、ホログラム干渉光を利用した形式のデバイス「HOLOSCOPE」の開発を進めています。

RealView Imaging社は開発中の「HOLOSCOPE」につき、ホログラム技術を利用することで従来型のVR/ARヘッドセットの課題とされる輻輳と調節の矛盾を解決するとしています。

輻輳とは両目が内向きに回転し、左右それぞれの目から入る映像を一つに収束させることです。
一方、調節とは両目のピント合わせのことを指します。

従来のVR/ARヘッドセットの多くは二眼式・多眼式と呼ばれるもので、それぞれの目に少しずつ異なる映像を見せることで奥行きのある立体視を実現しています。
しかし、この方式では光学的な限界で輻輳と調節が同期していません。

VR/ARヘッドセットを装着する際、人間の目は画像が表示されているディスプレイ上にピントが合っています。

映像上では何十キロも離れた山を見ていたとしても、ピントは目の前のディスプレイに設定された状態なのです。
この状態を輻輳調節矛盾と呼びます。

3Dコンテンツの持つ奥行きと、人間の目のピントがずれていると人は強い眼精疲労を感じます。

より快適な視聴体験を実現するためには、輻輳調節矛盾をいかに解決するかが大きな課題なのです。
RealView Imaging社によれば、HOLOSCOPEは輻輳調節矛盾がないとされています。
すなわち、本来的な意味でのホログラム技術をVR/ARヘッドセットに応用するとしているのです。


出典:HOLOSCOPE公式サイト

もっとも、HOLOSCOPEの公式サイトにはスペックや技術の情報が少なく、開発がどの程度進んでいるのか詳細は不明です。

医療向けのホログラフィー製品「HOLOSCOPE-i」は2017年にリリース予定となっていますが、こちらも詳細は明かされていません。

まとめ

今回はAR技術とホログラム、ペッパーズ・ゴーストなどの疑似ホログラムの違いについて解説しました。

「空中に浮かぶ立体映像」をホログラムと総称することがありますが、そうした表現は厳密には誤りです。

ホログラムは研究が進んではいるものの、民間レベルの実用化には至っていないのが現実です。

一方、ホログラム的な映像はペッパーズ・ゴーストや透過スクリーンを利用することで実現可能であり、ボーカロイドのライブなどの現場で積極的に導入されています。

また、詳細は不明であるもののイスラエルでは「HOLOSCOPE」の開発も進んでいます。

2017年中に発売予定であるという「HOLOSCOPE-i」のスペックによっては、ARやホログラム技術を取り巻く環境は一変するかもしれません。
ARとホログラムの今後のさらなる発展に注目です。

 

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この記事を書いた人

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音楽ライターとしてエイベックス、ビクター、トイズファクトリー等に所属するアーティストの取材を担当。2016年に開催された『Bjork Digital』の取材経験から、VR×音楽に関心を抱く。2017年よりテクノロジーに関するライティングを開始し、テックキャンプ ブログにジョイン。猫とウサギを飼っています。

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