あなたは、プログラマーとして上を目指したいのに、自分に足りないものが何なのかわからずもがいていませんか？
そのためには必ずしも専門知識を詰め込めば良いというものでもなく、ちょっとしたヒントが隠されているのです。この記事では、天才と呼ばれるプログラマーになるために必要な技術を分析し、プログラマーとは何かをまとめています。
また、天才と呼ばれているプログラマーの紹介もしています。
自分に何が足りないのか、または次に挑戦したいのは何なのか、あなたの目指すプログラマーはどんな技術者なのかがこの記事によって見えてきます。出典：photo AC
プログラマーの年収と労働環境
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まずは、プログラマーの年収と労働環境を見てみましょう。
-平成27年 プログラマーの年収基本情報-
| 平均年収 | 約480万円 |
| 平均月収 | 約30万円 |
| 平均時給 | 約1600円 |
| ボーナスなど | 49万円 |
| 男性年収 | 約418万円 |
| 女性年収 | 約360万円 |
プログラマーの過去の年収を見ても、300万円代後半から400万円代前半あたりを移動しています。
また、プログラマーの仕事は専門性が高く、プログラムを書ける方が限られているにもかかわらず、日本のプログラマーは他国と比べても過小評価されており、アメリカのプログラマーの年収は日本のプログラマーの２倍以上です。
アメリカのプログラマーの仕事は、日本でいうSEに当たる仕事（設計、構築、運用など）も全て行っており、大学教授の収入より高いとされています。
また、近年ではインドをはじめ海外のプログラマーを採用している企業が増加している傾向にあります。
プログラミング言語は世界共通なので、人件費の安い海外のプログラマーを採用したほうが、企業にとっての負担も減るからです。
したがって、日本のプログラマーの労働環境は厳しいという見方もあるのです。
IPAによる天才プログラマー認定とは？
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厳しい労働環境にある日本のプログラマーですが、その中でも天才と呼ばれるほど優秀であれば、労働環境や年収も変わってくるでしょう。
そこで、IPAによる天才プログラム認定について説明します。
「IPA」とは、情報処理推進機構で、経済産業省の外郭団体です。
先進的な情報処理技術の研究開発や、情報処理サービス事業者の資金調達の円滑化、地域におけるソフトウェア供給力の開発などを推進しています。
このIPAが、経済産業省のプロジェクトを実施し、毎年度の事業終了時点で、担当のプロジェクトマネージャーの中から特に優秀であると判断された開発者を「天才プログラマー/スーパークリエーター」と認定しているのです。
天才プログラマー認定基準
天才プログラマー（スーパークリエイター）の基準項目は「新規性（未踏性）」「開発能力」「将来の可能性」に、さらに基本認定基準を定義し、この情報を基に各プロジェクトマネージャーが具体的な認定基準を独自の観点から設定し、評価をしています。
新規性（未踏性）
・基本認定基準…アイディア、発想力、独創力
スーパークリエーターが生み出す世界は「学会で発表され、学問的な認知がある」「国際学会発表数」「論文・学会誌掲載回数」などが挙げられます。
開発能力
・基本認定基準…創造力、企画・設計能力が高く、プログラムコーディングが早い。
スーパークリエーターが生み出す世界は「ソフトウェアのデザイン能力が高い」「設計したデザインを短期的にプログラムする能力を持っている」「開発ソフトの処理やレスポンスの速度が速い」などが挙げられます。
将来の可能性
・基本認定基準…末恐ろしさを秘めている。
スーパークリエーターが生み出す世界は「開発ソフトの有能性が高い」「市場ニーズの高いソフト」「事業化」「商品化件数」「オープンソフト（ダウンロード数）」などが挙げられます。
以上が「スーパークリエーターの定義」として設定されており、少なくとも基本認定基準のいずれか１つに該当している場合に評価されています。
経済産業省のプロジェクト
「未踏ソフトウェア創造事業」というプロジェクトを行っていた経済産業省は、事業そのももの遂行はもちろんのこと、この分野で活躍する可能性の高い独創的な技術やビジネスを行う上で必要な有力者をピックアップして育成するのも目的の一つとしています。
本事業では、2000年度から4年間で合計47名（延べ54名）の「天才プログラマー/スーパークリエーター」を発掘しました。
技術力のあるプログラマーとは？
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天才と呼ばれるプログラマーになるには、技術や知識、想像力が飛び抜けていることも必要ですが、まずは基礎ができている技術力のあるプログラマーでなくてはいけません。
では、技術力のあるプログラマーとはどのような人のことを言うのでしょうか。
知識の量が違う
あらゆる場面で適した回答を瞬時に出すことができる方は、技術力が高いといえます。
知識の量が多いほど調べる回数も減り、作業スピードも上がります。
プログラマーに必要不可欠なのは、まず「プログラミング言語」です。
様々なプログラミング言語を使用してシステムやソフトウェアを作成していくので「C言語」や「Java」といった基本的な言語から、「ハードウェア」「ソフトウェア」を作成するためのコンピュータ全般にわたる幅広い分野の知識や技術が必要になります。
一番大切な基礎技術を身に付けておくことで、基礎が当てはまらない場合に基礎応用力を使って問題を解決していくことができます。
また、「ツール」「新しい技術」「用語」は、どんどん新しいものが増えていますので、自ら意識的に情報を得る努力が必要になってきますし、取り込むだけではなく、実践できるレベルに備えることが必要になってきます。
基礎能力・専門的なスキル
基礎は必ず皆が必要なスキルです。
基礎があっての応用になりますから、優秀な人材になる為には必要不可欠になります。
中でも「論理的思考」や、相手を不快にさせないための「言葉遣い」、伝える力としての「文章能力」は、とても大切な基礎能力になります。
コミュニケーションスキルや協調性はチームで作業を行う場合にとても大切です。
また、他の人に説明できることも肝心で「オブジェクトとは何か」「そもそも、ネットワークとはどう繋がっているのか」「メモリの管理はどうなっているのか」など、普段何気なく使用してるものがどんなものなのか、理解していることが重要になってきます。
普段はあまり必要ないように思われがちですが「障害」や「予期せぬ事態」などのトラブルが起きたときにこの辺の力が試されてくるのです。
専門的なスキルとしては「プログラミング」「英語」「マーケティング」「コーチング」など沢山ありますが、意外と専門的なスキルは当たり前に身に付けようと努力していますが、基本的な能力は飛ばしがちです。
無意識に判断材料とされていることが多くあるので気を付けましょう。
専門的なスキルは、身に付けていることよりも、身に付けた経緯の方が動機形成を知ることになるのでとても大切になってきます。そして優秀な方は、自分自身の動機形成がどう成されているか理解しています。
シンプルに考える力
シンプルに考える力とは「簡単な事を簡単に」また「難しい事も簡単に」捉えることができるかどうかで変わってきます。
優秀な方は、普段から「なぜ？」を問い続け、考え抜くことを行っています。
同時に、その結果をアウトプットすることも実践しています。
単純に、シンプルな考え方ができる方は優秀だといえます。
素直で謙虚な精神性
優秀な方は、素直な方が多いです。
そのため「素直」「謙虚」「敬意を払える」といった精神性を持った方は吸収も早く、周りも助けてくれるため総じて優秀だと言えます。
人間性というのは、実はとても大切です。
年齢を重ねるごとに失いやすいため、意識しながら気を付けることが必要になってきます。
意味のある行動をする力
だらだら考えているだけでは何も変わりません。
それ相応の「行動力」も必要になってくるのです。
一つ一つの目的を設定し、その全ての行動に意味を持たせることが必要になってきます。
例として、何か結果を出した時に自分の行ったことを言語化できるかどうかで、次に繋げることができるのかが決まってきます。
目標達成するために必要な行動を見極め、意味のある行動に繋げる事ができたら「再現性」を持った結果を生み出すことができます。
過去の実績
経験や実際に行ってきたこと、仕事で出してきた結果などについて「なぜ、その実績を成し得たのか」「その実績における自分の役割は何だったか」という点に注意しながら説明できる必要があります。
仕事を行う際は、個人ではなくチームで行うことが多いため、自分の力だけではない場合もあるからです。
色々な実績の説明を聞いていくうちに「再現性」があるのかが見えてきます。
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天才プログラマーの紹介
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では、実際に上記の能力を兼ね備え、天才と呼ばれるプログラマーにはどのような方がいるのでしょうか。
ナーシャ・ジベリさん
1957年にイランに生まれた王族で、イラン革命によって渡米し「コンピュータ科学」を学びました。
1980年に友人と会社を立ち上げ、多い時には月１作というハイペースで制作を行っていましたが、1981年に退社。
その後しばらくしてから来日し、任天堂で「宮本茂氏」と面会したがあまり気乗りせず、スクウェアで出会った「坂口博信氏」に熱心に口説かれたことをきっかけにスクウェアへ入社。
当時はまだ珍しかった3Dの描写の「とびだせ大作戦」や「ハイウェイスター」などを手掛け、その後「ファイナルファンタジーシリーズ」の開発にメインプログラマーとして参加しています。
ファイナルファンタジーが生まれたのは、彼の功績があったからこそだと言われています。
下村努さん
愛知県名古屋市で生まれ、ノーベル化学賞を受賞した生物発光研究者の「下村修氏」を父に持ち、1歳の時に両親と共に渡米してニュージャージー州のプリンストンで育ちました。
日本語は話せないアメリカ国籍の日本人です。
飛び級を重ね、中学を卒業しないまま12歳頃には高校に上がりましたが、成績が悪く授業態度が悪かったことなどから、3年生で放校となりました。
1986年からはロスアラモス国立研究所のコンピュータ部門で6年間、ハッカー対策のプログラミングに従事した事もあり、1995年にFBIに協力して世界一と言われたハッカー「ケビン・ミトニック」を逮捕に追い詰めました。
ケビンは、初対面の下村努氏に向かって「君の技術には脱帽したよ」というセリフを残したと言われています。
この事件は様々なメディアに取り上げられ、下村努氏は世界中で一躍有名になりました。
矢倉大夢さん
1996年に大阪府に生まれ、灘中学校に入学した後にパソコン部に入部。
中学1年生でプログラミングの世界に魅了され、コンテストに出場しては次々に賞を取っていきました。
16歳の時には、高校生科学技術チャレンジ(JSEC)で「文部科学大臣賞」と「富士通賞」のダブル受賞を果たし、ITの本場であるアメリカで開催される国際大会「Intel ISEF」でも、沢山のライバルがいる中で賞を獲得した若き天才プログラマーです。
20歳の時には筑波大学に通いながら、矢倉大夢氏が取締役を務めるITベンチャー「TEAM BOX」で、大企業の幹部クラスを対象とした「人材育成システムの開発・提供」を行っています。
金子勇さん
1970年、栃木県下都賀郡都賀町で生まれ、小学生のころから既にプログラム技術に興味を持ち、高校生の時に「第一種情報処理技術者試験」に合格しました。
1989年に茨城大学工学部情報工学科に入学し、後に、同大学院工学研究科情報工学専攻修士課程を経て、博士課程も修了し、工学博士を取得しました。
卒業後は博士研究員として日本原子力研究所に勤務し、地球シミュレータ向けのソフトウェア研究開発に携わっていました。
また、「双方向型ネットワーク対応仮想空間共同構築システム」にも参加しています。
ちょうどその頃、3D物理シミュレーションソフトウェアである「Animbody」や「Nekoflight」などのフリーウェアを発表しています。
ジョン・フォン・ノイマンさん
1903年にブダペストで生まれ、両親はハンガリーに移住したユダヤ系ドイツ人でした。
20世紀の科学史における最重要人物の一人で、アメリカ合衆国の数学者として活躍していました。
その他「物理学」「工学」「計算機科学」「経済学」等にも影響を与え、第二次世界大戦中の「原子爆弾開発」や核政策への関与でも知られています。
幼いころから英才教育を受けており、「ラテン語」と「ギリシャ語」はお手のもの。
父親とは古典ギリシャ語でジョークを言い合えたそうです。
数学に関しては、6歳で「7桁から8桁の掛け算」をひっ算で行う事ができ、8歳では微分積分をマスターしました。
興味は数学だけにとどまらず、「読書」もするようになりましたが、好んで読んだ本に関しては一字一句間違えずに暗唱できた本もあります。
「ベルリン大学」と「チューリッヒ大学」を掛け持ちして科学光学を受講し、23歳で「数学・物理・科学」の博士号が授与されました。
1930年にプリンストン大学に招かれ、プリンストン高等研究所の所員に選ばれてからは、この研究所で数学の教授を務めました。
プログラミングコンテストのご紹介
出典：photo AC
天才プログラマーたちは、数々の賞を受賞している人も多いようです。
賞を取り、IT界で有名になったり、天才と呼ばれるためにも、どのようなコンテストが行われているかはチェックしておきましょう。
TopCoder
世界中の技術者が参加し、プログラミングの腕を競う、大規模なプログラミングコンテストです。
約60万人が参加し、レーティングによってプログラミングスキルが表示されます。
「レッドコーダー」と呼ばれるトップクラスのコーダーは日本にはまだ数十人しかいないため、プログラミングの世界では一目おかれる存在になります。
Google Code Jam
Googleが年1回開催しているプログラミングコンテストです。
参加者は、自分の好きなプログラミング言語や開発環境を使用して、複雑なアルゴリズムの問題を制限時間内に解くことに挑戦していきます。
学生から社会人まで幅広い年齢層の方が参加しているコンテストです。
Facebook Hacker Cup
出典：Facebookページ
Facebook主催のプログラミングコンテストです。
こちらも世界中のプログラマーが参加し、腕を競います。
名前に入っている「ハッカー」というのは悪いことをするイメージがありますが、本来の意味はコンピュータ技術に精通した人を指します。
悪意を持ったクラッキングする方の事は「クラッカー」と呼びます。
まとめ
天才プログラマーになるためには、基礎や専門的な知識だけではなく「行動力」や「思考力」などを含めた様々な能力が必要になってきます。
作業の一連の流れはしっかりと自分の中に取り込み、説明することができて初めて次に繋げる事ができるのです。
専門職であるプログラマーを極めて、天才と呼ばれるプログラマーを目指しましょう。
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